【全7種】ギター用コンデンサの交換で音質はどう変わるの?0.022μF (223) 編!【倍音&周波数丸分かり】
👆 ギター用コンデンサ の定番 Black candy に交換すると音はどう変わる?
目次
本日もギタいじへようこそ!ハジメマシテな君は『コチラ』も見てね!
- ギター用コンデンサ交換後の音質変化が気になる!
- コンデンサ無しのギターの音
- ポリエステルフィルムコンデンサ 100V 0.022μF Jランク(ProBucker純正)
- セラミックコンデンサ 50V 0.022μF Zランク (松下/ECK-F)
- セラミックコンデンサ 50V 0.022μF Kランク (松下/ECF-F)
- ポリエステルフィルムコンデンサ 50V 0.022μF Kランク (松下/ECQ-M)
- メタライズドポリエステルフィルムコンデンサ 250V 0.022μF Kランク (東信工業)
- オイルペーパーコンデンサ 630V 0.022μF Mランク (DEL RITMO / Black candy)
- ポリエステルフィルムコンデンサ 630V 0.022μF Kランク (日立)
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ギター用コンデンサ交換後の音質変化が気になる!
この手の楽器ブログにおいて、必ずや一度はネタになるのがコンデンサの音の変化です。エレキギターやベース用の電装系では、トーンの調整にコンデンサが用いられています。パッシブの場合ローパスフィルターとして、PUと並列に組み込まれるのが一般的です。
ボリューム操作のハイ落ちを防ぐ場合、ハイパス用コンデンサが直列に組み込まれます。
取り上げるのはローパスの方で、楽器本体のトーン回路に使われるコンデンサです。コンデンサは誘導体の材質や静電容量、耐圧等の兼ね合いで音の傾向が異なります。
故にコンデンサの種類により、トーンの効きが変化するのは想像がつくかもしれません。ところが実際は、トーンを使わない状態(10の状態)でもある程度変化するのが通例です。
ギター本体のトーンが10でもコンデンサの種類で音が変わる?
これは楽器用ポットの抵抗値では、完全に絶縁出来ない点が要因の一つとなっています。詳しい説明は省きますが、トーンが10でも極僅かな電流がコンデンサへ流れるのです。コンデンサに電流が流れるとアースに繋がるため、再生される周波数特性が変化します。
その変化は決して大きくはありませんが、こだわる人はとことん追求する沼地です。対照的に興味が湧かない人には、そもそも本当に音が変わるのかすら疑問だと思います。
そこで今回は端子台をギターに組み込み、複数種のコンデンサの音の変化を調べました。用意したのはハムバッカー用に使われる事が多い、0.022μFのコンデンサです。色々な誘導体を用意したので、誘導体による大まかな傾向がつかめると思います。
調査に使用したギターは、Epiphone ProBuckerを搭載したLPタイプです。ProBucker標準のAカーブ500KΩのポットで、リアの倍音とトーンの可変を見ていきます。
ギター用コンデンサの音を調べられる!端子台コンデンサテスタの作り方!!
複数種のコンデンサの変化を調べる場合、ハンダ付けを繰り返すのは少し面倒です。ハンダ付けを用いないで交換が出来るように、コンデンサテスタを予め作成します。
用意したのは3極型端子台と、コンデンサのリード線代わりとなる1芯シールド線です。
端子台は横のラインに導通があるため、コンデンサの並列接続を簡単に再現出来ます。
準備は簡単で、片側の端子にシールド線のホットとコールドを接続するだけでOKです。シールド線は適度な長さにカットし、ギターのコンデンサを外して同じ様に接続します。
これでコンデンサの足が、ギターの外部の端子台まで伸びた状態と同じになりました。あとは端子台の反対側の端子に好みのコンデンサを接続し、音の変化を調べましょう。
この方法はあらゆるコンデンサの配置に適合し、ローパスもハイパスも対応可能です。
ギターやベース用コンデンサの選定に役立つので、ぜひ1台は作成してみて下さい。
コンデンサ無しのギターの音
まずは手始めに、トーン用コンデンサに何も取付けない音を調べてみます。通常トーン用ポットを設置し、そこにコンデンサを取付けない状態はイレギュラーです。
常識的に基準となる音ではないのですが、比較対象が無いためこの音を基準としました。トーン用ポットは先述の通り、ProBuckerセット純正のAカーブ500KΩとなっています。
倍音特性
メーカーサイドが透明感や歯切れの良さを謳う通り、倍音特性は概ね良好な傾向です。非整数倍音があまり大きくなく、突出した奇数次倍音も含まれておりません。
倍音特性波形の周波数目安
左から2つ目の山(中央灰色線)が基音110Hz 偶数次倍音:第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)、第6倍音(660Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)、第7倍音(770Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
周波数特性
アルニコ2マグネットなのでローエンドは控えめですが、800Hz以降が良く出ています。
波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2kHz,3kHz,6kHz
ポリエステルフィルムコンデンサ 100V 0.022μF Jランク (ProBucker純正) へ交換したギターの音質変化
ProBuckerセットのポットに標準搭載されている、汎用フィルムコンデンサです。Epiphone全体でも使用率が高いため、量産機器向けの安価なタイプだと思われます。
静電容量実測値:0.02218μF
静電容量中央値:0.02212μF(調査数2)
倍音特性
倍音の量自体に大きな変化はないものの、バランスが激変しました。非整数倍音の増幅が目立つため、弾いてみた感触としても若干透明感が減少です。比べないと分からない程度ですが、コンデンサで倍音が変化する事が分かります。
トーン10 周波数特性
大まかな波形の形状は同じで、ローが少しだけ出にくくなった模様です。400Hzを境に400Hz以下は減衰、それ以上は増幅傾向となっています。
トーン5 周波数特性
Aカーブのポットにつき、トーン5での変化はBカーブよりも控えめです。1kHz付近を起点として、それ以上の周波数帯域が若干減衰傾向となっています。聴覚的にもほんのり輪郭の角が取れ、幾分柔らかな音色に感じました。
トーン0 周波数特性
限界までトーンを絞ると、600Hz以上の周波数が大幅に減衰です。とりわけ1k~6kHzの減衰が激しく、音の輪郭がぼやけた丸い音に変化します。
セラミックコンデンサ 50V 0.022μF Zランク (松下/ECK-F) へ交換したギターの音質変化
80年代のYAMAHAでは、バイサウンドシステム等に使用された銘柄です。松下(今のパナソニック)製の国産品で、静電容量誤差の激しいZランクとなっています。+80~-20%の静電容量誤差ですが、+側の個体は1つも存在しませんでした。静電容量が0.02μF以上のものもほとんど無く、個体差が激しかったです。
静電容量実測値:0.02082μF
静電容量中央値:0.0182μF(調査数200)
倍音特性
倍音成分が多くなり、高い周波数帯の倍音が増幅傾向にあります。非整数倍音も少な目で、純正のフィルムよりも透明感が強いです。
トーン10 周波数特性
純正フィルムと同等の波形で、コンデンサ無しよりも全体的に微増しています。
トーン5 周波数特性
純正フィルムと比較すると、極僅かに3k~6kの減衰が控えめです。
トーン0 周波数特性
純正フィルムとほとんど変化が無く、多少低音が硬質に聞こえる程度に留まりました。
セラミックコンデンサ 50V 0.022μF Kランク (松下/ECF-F) へ交換したギターの音質変化
同じく松下製の国産品で、静電容量誤差がKランクとなっています。80年代当時の国産エフェクターでは、特に使用率が高かった銘柄の一つですね。Zランクと比較して個体差が少なく、Jランクに近い中央値となっていました。
静電容量実測値:0.02238μF
静電容量中央値:0.02182μF(調査数163)
倍音特性
Zランクほど倍音が多くなく、非整数倍音も純正フィルムに近い傾向となっています。しかし低音域側の非整数倍音が少ないため、透明度は純正フィルム以上です。
トーン10 周波数特性
Zランクと比較すると3kHz以降が微増し、100Hz以下も若干増加しています。
トーン5 周波数特性
Zランクとほぼ変化がありませんが、400Hz以下の帯域が少しだけ強めです。
トーン0 周波数特性
意外にもトーン0の波形は、純正フィルム、Zランクと大差ありませんでした。
ポリエステルフィルムコンデンサ 50V 0.022μF Kランク (松下/ECQ-M) へ交換したギターの音質変化
こちらも80年代松下製で、年式と製造元を揃えて比較してみます。Tokai等の電装系に用いられていたため、覚えがある方も多いかもしれません。
静電容量実測値:0.02249μF
静電容量中央値:0.02301μF(調査数100)
倍音特性
松下製コンデンサの中では、最も非整数倍音が多く計測されました。倍音の多さはZランクの次に多く、~第10倍音付近までの安定感が高いです。
トーン10 周波数特性
セラミック2種と比較すると、1k~6kの増幅が控えめとなっています。高周波を通しやすいというセラミックの特性が、浮き彫りとなった印象です。
トーン5 周波数特性
やはりセラミック2種と比べ、1k~6k付近の減衰が僅かに大きくなっています。
トーン0 周波数特性
トーン0の波形については、これまで全ての波形とほぼ一致した形状です。誘導体の材質に関わらず、トーン0設定では音に影響が少ない事が予想されます。
メタライズドポリエステルフィルムコンデンサ 250V 0.022μF Kランク (東信工業) へ交換したギターの音質変化
少しグレードを上げて、東信工業製のメタライズドコンデンサです。通常のポリエステルフィルムよりも、低損失かつ高周波特性に優れます。
静電容量実測値:0.02226μF
静電容量中央値:0.02245μF(調査数200)
倍音特性
非整数倍音が大幅に減少し、倍音量もほどほどに多く計測です。コンデンサ無しよりも非整数倍音が少ないため、透明感は群を抜いています。
トーン10 周波数特性
Kランクセラミックとほぼ同等で、400Hz以下の帯域は本品の方が強めです。音の変化という点では、これまでの中では最も確実に体感出来ると思います。
トーン5 周波数特性
トーン5でも変化が大きく、高音域の減衰は純正フィルム相当です。ただし低音域が全く減衰しないため、純正以上に太い音に聞こえます。
トーン0 周波数特性
トーン0では本品も大きな変化がなく、低音域が少しだけ強めの程度です。
オイルペーパーコンデンサ 630V 0.022μF Mランク (DEL RITMO / Black candy) へ交換したギターの音質変化
懐古的な80年代コンデンサが続いたので、近年の銘柄も調べていきます。
コンデンサモディファイとしては王道ともいえる、現行品のVitamin-Qです。他のコンデンサよりも単価が高いため、調査数が少ない点をご容赦下さい。
静電容量実測値:0.02245μF
静電容量中央値:0.02323μF(調査数3)
倍音特性
倍音成分が芳醇で、偶数次倍音と奇数次倍音が綺麗に揃って計測されています。非整数倍音は計測した中では最も少なく、音の透明感は文句なしに最強です。セラミック並の倍音量に、メタライズド以上のクリアな響きを備えています。
トーン10 周波数特性
トーン特性の波形は、コンデンサ無しの波形とほぼ一致です。全帯域ブーストされる事もカットされる事もなく、素のままの音が再生されます。無個性である反面、コンデンサ無しの純粋な音に近いと言えるかもしれません。
トーン5 周波数特性
波形はメタライズドに近く、100~300Hzがより強く出力される傾向です。トーンの利きの良さという点でも、一番大きな変化が感じられると思われます。
トーン0 周波数特性
トーンを完全に絞った状態では、他のコンデンサと大きな差がありませんでした。
ポリエステルフィルムコンデンサ 630V 0.022μF Kランク (日立) へ交換したギターの音質変化
それでは最後に、Vitamin-Qに近い音がすると噂された銘柄を調べていきましょう。日立製のチューブラタイプコンデンサで、耐圧は先のVitamin-Qと同じDC630Vです。トーン10の状態の音がオイルコンデンサに近いと、一時期話題になった事があります。
静電容量実測値:0.02162μF
静電容量中央値:0.02126μF(調査数100)
倍音特性
倍音量自体はそこそこですが、非整数倍音がやや強めの傾向です。それでも第2~第6倍音が基音よりも大きいため、音に立体感が加味されています。
トーン10 周波数特性
倍音は全く似ていませんでしたが、周波数特性の波形はVitamin-Qとほぼ一致です。100~200Hzは本品の方が強いため、ローエンドはVitamin-Q以上にしっかりしています。トーン10の音がVitamin-Qに近いという噂は、あながち間違いでは無かった様子ですね。
トーン5 周波数特性
トーン5の音は800Hz付近も弱まるなど、他の銘柄よりも広い帯域に作用します。その分各帯域の減衰率は少なく、柔らかく滑らかな音の輪郭に変化です。ミッドレンジに影響するコンデンサは、計測した中では本品だけでした。
トーン0 周波数特性
そしてトーンを完全に絞ると、他のコンデンサと同じような波形となります。7銘柄のみの調査ですが、誘導体はトーン0時の影響が小さいと言えるでしょう。トーンが10の状態の音は全ての銘柄で変化を確認し、倍音傾向の変化も顕著です。トーンを使わない場合でも、コンデンサの交換は一定の効果が得られると推察します!
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