POS DT-1 バイパス音計測してみた💖【ゲスト:Ibanez&BOSS】

2023年3月18日エフェクター,POS,DT-1,ディストーション

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POS DT-1 バイパス音計測してみた

👆POS DT-1 &BOSS KATANA-HEAD

目次

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POS DT-1 のバイパス音ってどんな感じなの?

エフェクター愛好家の中で、奇妙な知名度を誇るのがPOS DT-1です。ギタリストの中では、低価格ディストーションの代名詞として定着しています。既に生産終了となったモデルですが、未だに中古市場では度々目にする機会が多いです。その知名度を確固たるものとしたのは、外観と音質の低レベル二刀流に他なりません。

POS DT-1 パッケージ

外観こそ派手な橙色ですが、フォルムはIbanez SOUNDTANKシリーズに酷似しています。型番や筐体カラーはBOSSのDS-1を意識しており、この時点で企業的にはゲッツーです。肝心の音色も褒められたものではなく、製造時期にもよりますが奇数倍音が目立つ荒い歪みを再生します。おまけにバイパス音に関しては、十人十色かつ辛辣な感想が飛び出す始末です。

POS DT-1 & SOUNDTANK TM5

ハイ落ちがひどい、音が籠る、音が痩せる、ハイ上がり過ぎる……。ネット上の評判を列挙すると、かなり両極端な評判が多い点がとても気になります(※これらの複雑な評価は、基盤の異なる個体が多数存在することに起因)。いずれにしても高評価ではないため、残念ながらトリプルプレーが確定です。ここまでくると逆に清々しくもあり、その悪評が魅力となる稀有な機種と言えますね。

POS DT-1 本体&外箱
……外箱とペダル部が違うぞ君(DS-1丸パク型)

魔の三重殺な見えている地雷を、あえて踏み抜きたくなるのが人情というものです。もちろん管理人も実機を所持しているため、今回はバイパス音を計測していきます。何故これほどまでに真逆の悪評が飛び交うのか、じっくりと検証していきましょう。

POS DT-1 バイパス音計測方法1

そう何度もPOSを取り上げる機会は無いと思うので、検証は豪華2本立てです。まずはDT-1をインターフェースに直結し、純粋なバイパス音を計測します。比較対象としてエフェクター無しの音、そしてIbanez SOUNDTANK THRASHMETAL TM5を用意です。そしてDT-1の前段にTM5を接続した、2台直列の周波数特性も調べます。

オーディオインターフェース YAMAHA AG03

POS DT-1 バイパス音計測方法2

もう一つはギターアンプを使用したケースの計測です。こちらもイメージカラーをコピーされたBOSSより、初代KATANA-HEADを用意しました。

KATANA-HEADはPHONES/REC OUTを使用した上で、インターフェースへ直結です。計測方法1と同じく、エフェクター無し、DT-1、TM5、TM5→DT-1の4通りを調べます。

計測に使用した機材一覧

ギター:SQUIER Bullet Stratocaster Tropical Turquoise
ナット:FENDER YJM Brass Nut
リアピックアップ:DIMARZIO DP184 WHITE THE CHOPPER 
ブリッジ:FENDER Standard Strat Big Block Chrome Tremolo Bridge Assembly 

シールド:Aria Pro II / JG-10X (10ft/3m, S/S)×1~3
パッチケーブル:PROVIDENCE / P203 L/L 0.3m

DI:CLASSIC PRO / CDI-2P (INST)
AIF:YAMAHA / AG03
(CH1,LEVEL:標準ライン,GAIN:3.5,全エフェクト無し,INPUT MIX)
ギターアンプ:BOSS / KATANA-HEAD(初代)

表の周波数目安(左から順に)

赤線:100Hz,200Hz 
橙線:400Hz,800Hz 
黄線:2000Hz,3000Hz,6000Hz

1-1.AIF直

1-1.AIF直 周波数特性

計測方法1の基準となる、エフェクターを使用しない状態のクリーンサウンドです。平均的なトーンを持つDP184の特性が、素直に発揮されている波形を記録しています。低音域から高音域までバランスが良く、クセがほとんど無い万能なトーンですね。

1-2.TM5→AIF

1-2.TM5→AIF 周波数特性

続いてTM5のバイパス音は、部分的にですが出力が最大-1dB低下しています。ただし低音域から中音域の劣化が少ないため、そこまで音痩せは感じられません。バッファードバイパス採用のエフェクターとしては、標準的な性能です。

Ibanez SOUNDTANK TM5

1-3.DT-1→AIF

1-3.DT-1→AIF 周波数特性

誇張抜きに波形を取るまでもなく、大幅に音が劣化しているのが分かります。出力は-2dB以上も低下しているので、劣化以前に音が小さくなる感が否めません。周波数特性も万遍なくごっそり劣化しているため、修正するのが難しいですね。

POS DT-1

使用者によってバイパス音の評価が変わるのは、出力の低さが要因と思われます。これではハイ上がりなアンプでは音が痩せ、ローの出るアンプなら籠らざるを得ません。接続するアンプの特性を『悪い方向に引っ張る』バイパス音を形成するのです。別の見方をすれば回路を見ずとも、この個体のDT-1はバッファー機能を有していません(と考えられる)。

1-4.TM5→DT-1→AIF

1-4.TM5→DT-1→AIF 周波数特性

TM5をDT-1の前に接続すると、幾分音の劣化を抑え込む事が出来ました。AIF直には及びませんが、TM5単独と同等かそれ以上の音質が保てていますね。DT-1を使用する場合は、別途バッファーが必須であると断言出来るでしょう。

TM5→DT-1

2-1.KATANA-HEAD→AIF

KATANA-HEAD→AIF

今度KATANA-HEADを接続して、バイパス音を補正した状態の周波数特性を計測です。CLEANを選択してトーンは全て0時、GAIN最小、VOLUME&MASTERは9時に設定しています。エフェクターも全てOFFにしているため、シンプルなクリーントーンの状態ですね。ミッドが控えめのアンプにつき、ドンシャリ傾向の谷型波形を記録しました。

2-1.KATANA-HEAD→AIF 周波数特性

2-2.TM5→KATANA-HEAD→AIF

KATANA-HEAD→TM5→AIF

TM5を接続すると、何も接続していない状態よりも少しだけミッドが強くなります。KATANA-HEADのバッファー補正が、ローミッドの強いTM5のバッファー特性を反映です。BOSS製エフェクター以外でも、バイパス音が補正されている事が良く分かります。

2-2.KATANA-HEAD→TM5→AIF 周波数特性

2-3.DT-1→KATANA-HEAD→AIF

KATANA-HEAD→DT-1→AIF

ならばDT-1のバイパス音も、KATANA-HEADにズバっと補正してもらいましょう。波形を見るとかなり補正効果が強力で、アンプ無しの状態よりも劣化が少なめです。音痩せは感じられるものの、AIF直よりは不満の少ないバイパス音だと思います。よりにもよって、パクられたBOSSがPOSと好相性とは皮肉な結果ですね。

2-3.KATANA-HEAD→DT-1→AIF 周波数特性

2-4.TM5→DT-1→KATANA-HEAD→AIF

KATANA-HEAD→TM5→DT-1→AIF

KATANA-HEADにTM5が合わさると、DT-1のバイパスが本当に普通の音に戻りました。波形上はアンプ直のクリーンと相違なく、音質劣化はほぼゼロだと言えます。2-3の結果も踏まえると、やはりPOSはBOSSのアンプで掻き鳴らすべきですね。

2-4.KATANA-HEAD→TM5→DT-1→AIF 周波数特性

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