【爆裂激歪】Seymour Duncan AHB-1 レビュー！Blackoutsはどれくらい高出力で歪むの？【ダンカン解析】

2022年10月30日2024年7月20日AHB-1n,ノイズ対策,ハムバッカー,アルニコ5,Seymour Duncan,アクティブピックアップ,セラミック,Blackouts,AHB-1,AHB-1b,ピックアップ

👆 Seymour Duncan AHB-1 Blackouts HB (アクティブピックアップ) の音質を解析！

目次

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Seymour Duncan AHB-1 Blackouts HB はどれくらい頭のおかしい爆裂な音で歪むのかを知りたい！

本記事ではSeymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、AHB-1 Blackouts (ブラックアウト) HBの音質を解析します。Blackoutsは現代のメタルシーンに必要な音を追求した、高出力アクティブピックアップシリーズです。

以前当ブログでは、メタル向け激歪みハムバッカーとしてBlack Winterを紹介しました。Black Winterは巨大な3重磁石構造に、巻き数を増やした高出力コイルを搭載しています。

その出力と歪みっぷりは筆舌に尽くしがたく、パッシブ激歪み部門最強候補の一角です。メタルに振り切ったその性能はまさしく、

このすばのめぐみんそのものとなっています。

ですがBlack Winterの威力をもってしても、爆裂メタル道の頂点には一歩届きません。歪みの世界は奥深く、

出力にトーンバランスと静音性を備えたのがBlackoutsなのです。

AHB-1は従来のアクティブピックアップよりもハイパワー＆ローノイズ！

Blackoutsの先行モデルとなるAHB-1は、高音と低音を強調しつつ中音が控えめとなっています。メタルサウンドにマッチする適度なドンシャリ感が心地よく、繰り出されるドライブは極めて獰猛です。

なおかつナチュラルなレスポンスを備え、パッシブさながらのフィーリングを演出します。また公開情報によると、ノイズは従来のアクティブピックアップよりも12～14dbも軽減です。

プリアンプにバランスドインプットを採用し、極めてノイズの少ない演奏環境を構築出来ます。滾るパワーにノイズレス性能を備えた、メタルに最適化されたモデルだと言えるでしょう。

AHB-1の充実した多弦オプションでメタラー感涙！

ダンカン製ピックアップでは珍しく、AHB-1はポジション毎にマグネットをアレンジです。

ブリッジ用AHB-1bではセラミックを採用し、ドロップチューニングでも音のハリとレンジの広さを失いません。

ネック用のAHB-1nにはアルニコ5を採用で、ブライトな艶感を失わぬ芳醇なハーモニクスを再現します。

👆 AHB-1-7 Ph2 Blackout 7 string Set Active Mount

多弦オプションも完備されており、7弦ギター用と8弦ギター用モデルを選択可能です。7弦用は更にマウント方式で、パッシブマウントとアクティブマウント(※)から選べます。

👆 AHB-1-8 Blackouts 8-str Neck and Bridge set

8弦用はアクティブマウント専用である事に加え、ネック用もマグネットがセラミックです。カラーはブラックが基本となりますが、光沢のある金属カバー仕様も用意されています。

👆 AHB-1s Blackouts Set Black Chrome

ただし7弦アクティブマウント仕様と、金属カバー仕様はいずれも受注生産品です。在庫無しの場合は取り寄せに時間がかかるため、予め納期を確認した方が良いでしょう。

※パッシブマウントとアクティブマウントについて

★当然ながらAHB-1はパッシブマウント仕様でもアクティブピックアップなので注意（パッシブ化モデルという意味ではない）

Blackoutシリーズはアクティブ化に必要なパーツが付属！

アクティブピックアップ固有の問題として、導入の敷居が高い点が挙げられます。アクティブ用の電装はパッシブ仕様とは数値が異なる上、ステレオジャックが必須です。

バッテリースナップなども必要になるため、部品を揃えるだけでも手間がかかります。そこでBlackoutシリーズでは、アクティブ化に必要となる電装部品が一式付属です。

専用ポットが2個（b-nセットは4個）、ステレオジャック、コネクターケーブル、電池スナップがまとめて手に入ります。EMGアクティブピックアップ搭載ギターに関しては、電装系を丸ごと流用可能です。

本体の底面のクイックコネクターを使う事で、簡単にコンバートすることが出来ます。

ギターボディのザグリについて

とは言えアクティブピックアップは厚みがある上に、電池の収納スペースが必要です。6弦用AHB-1は厚みが約23.1mmもあるため、安ギター等の浅いザグリには向きません。

9V電池をキャビティに収納出来ない場合は、電池用のザグリを増設することになります。事前にキャビティサイズを確認の上で、加工も含めた適合性を判断しましょう。

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公表データの確認：Seymour Duncan AHB-1 Blackouts HB アクティブピックアップ

AHB-1の倍音特性 (A2/110.00Hz) をBlack Winterと比較！

まずはクリーンセッティングのアンプを通して、5弦開放弦の倍音特性を計測です。

AHB-1は音出しをした瞬間に、大半の方が『パッシブっぽさ』に驚くと思います。アクティブPUはパキパキした出音になる傾向がありますが、AHB-1の音は自然体です。

倍音の傾向としては同ブランドのSentientに近く、もう少しアタックを強調した響きとなります。波形からもアクティブ感は皆無で、偶数次倍音と奇数次倍音のバランスが抜群に良いです。

偶数次倍音が強めに計測された箇所が多い点からも、アクティブらいし硬さとは無縁だと分かります。中音は設計コンセプトの通り、400～1kHzが控えめな『メタル倍音』です。

しかし極端に弱い訳ではなく、低次倍音と高次倍音の調和がきちんと取れています。非整数倍音も出力の割に抑えられていて、弦の分離の良い明瞭なサウンドを体感可能です。

Black Winterの倍音特性

Black Winterは出力を極端に高めた設計から、かなり特殊な倍音特性を計測しました。基音よりも第2倍音の方が出力が大きく、その値は実に基音の2倍以上です。

加えて他の低次倍音に関しても全域で、おおむね基音より高い出力を記録しています。ハーモニクス感と表現するよりも、12弦ギターやオクターブ奏法的な響き方ですね。

第6倍音以降はAHB-1に近いものの、2k～5kHz付近の倍音はBlack Winterが上回ります。そのため中高音の濃密でクリアな響き方は、Black WinterもAHB-1に負けておりません。

倍音特性波形の周波数目安

左端側の太長い山(中央灰色線)が基音110Hz
偶数次倍音：第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)、第6倍音(660Hz)……
→ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も
奇数次倍音：第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)、第7倍音(770Hz)……
→金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き
非整数倍音：各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない

AHB-1の倍音考察フェーズ

AHB-1のクリーン音質をBlack Winterと比較！

続いて倍音計測と同じセッティングを保ったまま、各モデルの周波数特性を解析します。

AHB-1のクリーンは雑味がなく、瞬間的に音が広がるような低音と高音が絶妙です。低音は140～300Hz付近に狙いが定まっており、無駄な重低音は全てカットされています。

ドロップチューニングでメリハリを失わぬ秘訣は、この低音域の特性が肝ですね。余韻に重くのしかかる空気感がないため、ズゥーンと唸り続ける低音ではありません。

アクティブらしく一点に集中する低音で、他の低音楽器と干渉しにくくなっています。中音は800Hzが谷間の底となっていて、500～1.2kH付近まで出力が控えめです。

以降は出力が盛り返し、7kHz以降の帯域に至るまで伸びやかな高音を誇ります。

Black Winterのクリーン音質

パッシブとしては低音を絞った設計ですが、それでもAHB-1と比較すると重めの空気感です。ゴウゴウと地が轟くように音が出る印象で、常に音程を感じさせない低音を内包します。

アクティブとパッシブの差が如実に表れており、AHB-1の低音のクリアさが浮き彫りになりました。とは言えこの重さを好むプレーヤーも多いため、優劣ではなく好みやプレイスタイルの違いに影響です。

メリハリのあるパーカッシブな低音ならAHB-1、唸る低音ならBlack Winterといった塩梅でしょうか。AHB-1では谷間となる中音や、1.5k～2.5kHzの中高音はBlack Winterが上手となります。

高音はほぼ全域でAHB-1が強いものの、Black Winterの高音は9kHz付近まで計測です。AHB-1より低音側に傾いた響き方の中に、仄かにキラっと輝く高音の余韻を感じます。

AHB-1のディストーション音質をBlack Winterと比較！

最後にアンプをかなり深く歪ませた、ディストーションの周波数特性を比較です。

Black Winterの解析記事でも言及しましたが、両モデル共に出力が尋常ではありません。アンプの限界を超えて歪ませようとする、開発陣の執念のようなものが漂っています。

AHB-1の歪みは全帯域がハイファイで、音の輪郭にニスを塗ったかのように艶々です。文字通り歪みが輝いており、クリーン同様に高速に広がる音のレスポンスを保ちます。

中音と高音の出力差が激しくない点も、Black WinterやSH-8との大きな違いですね。谷間となる600～2kHz付近でさえ、Black Winterの得意とする中高音と同等の値を計測します。

高音と超高音の値も高く、鼓膜を攻めるように先陣を切って歪みを切り裂く鋭さです。超速フレーズにも激しいリフにも対応出来る、爆裂に膨れ上がった歪みを味わえます。

Black Winterのディストーション音質

AHB-1の波形と比較すると、200Hz以降の帯域でかなりの出力差がある模様です。

Black Winteは低音を除いて、AHB-1の中音～高音の最大出力を下回っています。

低音はAHB-1よりも重量感があり、クリームのように伸びる独特の雰囲気が面白いですね。

AHB-1に及ばないとはいえ、アグレッシブで狂暴なローエンドと強烈なミッドレンジが唸ります。音の重さを自在に制御出来るプレーヤーを震わす、痛烈なドライブが破壊力満点です。

各波形の周波数目安（左から順に）

赤線：100Hz,200Hz
橙線：400Hz,800Hz
桃線：2kHz,3kHz,6kHz

Seymour Duncan AHB-1 Blackouts HB アクティブピックアップ 音質解析 まとめ

爆裂に歪む高出力に留まらず、ナチュラルなレスポンスと美しい倍音を併せ持ちます。ピッキングレスポンスにも忠実でダイナミクスを活かしやすく、極めつけにローノイズです。

AHB-1はメタルプレーヤーのあらゆる要望に対し、ハイレベルなパフォーマンスが期待出来ます。爆発力と透明感を備えた歪みの深さは他では得難く、トーンバランスも完璧に近いです。

ギター本来のキャラクターを主張しつつ、歪みの限界を超えたい貴方にベストなモデルに仕上がっています！

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AHB-1b Blackouts Bridge (6弦、7弦、8弦用)

AHB-1n Blackouts Neck (6弦、7弦、8弦用)

AHB-1 Blackouts Set (6弦、7弦、8弦用)

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— ギターいじリストのおうち中の人🧠💦（低浮上・ブログは更新しています） (@Ew3DwZa1cYMDBi3) June 12, 2023

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