【1952年製再現】Seymour Duncan Antiquity P90 レビュー:AQ-P90 甘枯れエイジド音質徹底解説

2025年1月28日Soapbar,AQ-P90-b,AQ-P90-n,Dog Ear,ピックアップ,Antiquity,アルニコ2,Seymour Duncan,P-90,Antiquity P90,AQ-P90

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👆 Seymour Duncan Antiquity P90 (AQ-P90) の音質を解析&レビュー!

管理人

Seymour Duncan Antiquity P90 (AQ-P90) について倍音特性の計測やRetrospec’dの紹介、サムネイルの更新など、情報を大幅に強化した上で記事をリニューアルしました!

目次

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Seymour Duncan Antiquity P90 蘇る1952年製ゴールドトップファットサウンド!

今回は Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、Antiquity P90 (AQ-P90) をレビューです。

Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) Antiquity

近年はP-90型ピックアップの普及率が向上し、価格帯を問わず様々なギターモデルに搭載されています。ハイエンド機はもちろんの事、エントリークラスでもP-90型搭載機が多くなりました。

Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) Antiquity P90

シングルコイル構造ながらも、独特な太くウォームなトーンが中毒性大ですね。ハムとシングルの中間的特性に留まらぬ、ワイドレンジな磁界も魅力だと思います。

👆 Antiquity P90 Soapbar Bridge Black

ダンカンの Antiquity P90 は、Gibsonの1952年製 Les Paul Model Gold Top のサウンドを再現したモデルです。Antiquityシリーズは全モデル共通して、音色と外観の経年変化を含めた完全再現を目指しております。

Antiquity P90は1952年当時の材料と製造法を遵守!

Antiquity P90は1952年当時と同じ材料と製造法を遵守し、サンタバーバラの工場で1つ1つ組み上げられているハンドメイド品です。現行の機械では模倣が難しいランダムな巻きパターンは、プレーンエナメルワイヤーを用いたスキャッター・ワインドで再現されています。

マグネットはDun-Aged™加工されたアルニコ2を2個搭載で、特殊なデガウス処理 (磁力低下) を含めたエイジド加工が施されている熱の入れようです。付属品のスクリューも錆や塗料褪せが再現されているなど、まさに新品・錆有り・劣化有りな逸品に購買欲が煽られることでしょう。

ネック用は逆巻き/逆磁極 (RW/RP) 仕様!

カバーはDog EarタイプSorp Barタイプから、そしてカラーはブラックとクリームから選べ、LPにもフルアコにも対応します。ポジションはブリッジ用ネック用の2種類で、若干異なる抵抗値と出力の設計です。

トーンチューニング自体は共通ですが、ネック用が僅かに低出力かつ 逆磁極仕様 (RW/RP) となっています。ワイヤーは鋼線のヴィンテージシールドを搭載で、適度にハイを抑えたファットなサウンドを実現です。

往年のP-90愛好家のみならず、一度は抑えておきたいモデルだと言えるでしょう。

外観のエイジド加工を省いた Antiquity Retrospec’d P90 もラインナップ!

デフォルトで外観面の劣化が加わる製品特性上、どうしても真新しいハードウェアを搭載したギターとは向き不向きが生まれます。エイジド加工パーツは百戦錬磨の傷だらけのギターに搭載するならまだしも、製造されてから日の浅いギターに搭載すると外観のバランスが崩れがちです。

そこで経年変化をサウンド面のみに留め、外観にエイジド加工を加えていな Antiquity Retrospec’d P90 もラインナップされています。エイジド加工がハードウェアカラーの統一感を損ねる場合や、純粋に綺麗な外観を好む方はRetrospec’dをご検討ください。

今回はSorp BarタイプAntiquity P90 Neckを使い、多方面のサウンドデータを計測です。倍音特性や三段階のGAINの深さによる周波数特性の違いを例に、Antiquity P90の魅力をじっくりと掘り下げていきます。

Seymour Duncan Antiquity P90 (AQ-P90) の音質を3段階のGAINで調べる!

Seymour Duncan Antiquity P90 (AQ-P90) の音質を3段階のGAINで調べる!

本機のモデルナンバーはAQ-P90ですが、あまり使用されていない様子です。加えてブリッジとネックで、bやnが末尾につかない販売店が多いため分かりにくいかもしれません。購入する際はBridge、またはNeckと記載があるかをきちんとご確認ください。

公表データの確認:Seymour Duncan Antiquity P90 (AQ-P90)

倍音特性や周波数特性の解析結果を紹介する前に、Antiquity P90の公表データやトーンチャートを掲載します。出力と抵抗値がBridgeとNeckで異なるため、それぞれの値を別々に掲載です。

ブランド:Seymour Duncan ( セイモア・ダンカン )

モデル:Antiquity P90 (Vintage P90 Pickups)

型番:AQ-P90-b (Bridge) / AQ-P90-n (Neck)

マグネット:Dun-Aged加工アルニコ2 (Alnico II Bar)

直流抵抗値:8.60kΩ (Bridge) / 7.80kΩ (Neck) ※

アウトプットタイプ:Vintage

出 力:5.5 (Bridge) / 5 (Neck)

トーンチャート:低音域 5 / 中音域 5 / 高音域 6

ワイヤー:1c Braided Shield

※旧データではBridgeが8.52kΩ、Neckが7.9kΩ

ワンポイントアドバイス

管理人

Antiquityシリーズは安定した低音のサスティーンと中高域の立ち上がりの良さを備え、高音の雑味が少ない弾き込まれたギターと良く合います!

新品ピカピカの状態や組み込みが雑な低価格モデルなど、ボディ材と塗膜間、あるいは材とパーツ間に生じるストレスが大きいギターでは真価を発揮出来ないので注意!

Antiquity P90 (AQ-P90) の倍音特性 (D3/146.832Hz)

Antiquity P90はエイジド加工無しの同ダンカン製SP90-1nと比較して、基音の出力 (縦軸) が若干控えめとなります。しかし倍音が計測された帯域 (横軸) は同等かつ、全帯域で非整数倍音が控えめで音の分離と粒立ちの良さが際立つクリアな音像です。

Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) Antiquity P90 (AQ-P90) の倍音特性 (D3/146.832Hz) 波形
Antiquity P90 倍音特性 (D3)

高次倍音の主力も適度に抑えられ、ヴィンテージトーン特有の乾いた響きが素晴らしく再現されています。基音の出力が控えめといってもシングルコイルよりはかなり高く、第二倍音の出力も高いため暖かくファットなテイストです。

倍音特性波形の周波数目安

灰色の線が基音(D3)の146.832Hz
偶数次倍音:第2倍音(293.664Hz)、第4倍音(587.328Hz)……
→ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も
奇数次倍音:第3倍音(440.496Hz)、第5倍音(734.16Hz)……
→金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き
非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない

エイジド加工無し参考モデル

クリーントーンの Antiquity P90 (AQ-P90) はこんな音!

甘く暖かなトーンが魅力のAntiquity P90は、クリーンも見事な枯れっぷりを披露してくれます。ニュアンスはSHR-1のクリーンに近く、よりカラっと乾いた音色に仕上げた印象です。

Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) Antiquity P90 (AQ-P90) クリーントーン 周波数特性

シングルでもハムバッカーでも再現出来ない、適度な倍音も心地良く響きます。特にスタッカートを織り交ぜたカッティングでは、甘枯れトーンを十二分に発揮です。出力はやや控えめですが、音自体の存在感はかなりのものだと言えるでしょう。

オーバードライブの Antiquity P90 (AQ-P90) はこんな音!

クリーンからGAINを上げていくと、ローエンドが大幅に強化されていきます。歪み自体はそれほど増えないのですが、音の芯が膨れ上がるような充実感ですね。

Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) Antiquity P90 (AQ-P90) オーバードライブ 周波数特性

音色はセンターポジションのシングルコイル的で、丸みと硬さが同居しています。サスティーンがとてもクリアに響き、アルニコ2特有の透明感が鼓膜を直撃です。

ディストーションの Antiquity P90 (AQ-P90) はこんな音!

Antiquity P90はある一定レベルのGAINを超えると、一気に歪みが深くなる印象があります。GAINを限界近くまで上げた所、低音域に強烈なコンプレッション感が加わりました。

Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) Antiquity P90 (AQ-P90) ディストーション音質 周波数特性

中高音域も持ち上がり高音域との境界が明瞭となるため、音の分離感が良好です。10kHz以上もブーストされており、歯切れ良いアタックが絶妙な弾き応えを演出します。

波形の周波数目安(左から順に)

赤線:100Hz,200Hz  
橙線:400Hz,800Hz  
黄線:2kHz,3kHz,6kHz

Seymour Duncan Antiquity P90 (AQ-P90) 音質解析&レビュー まとめ

Antiquity P90はGAINの設定を問わずに、ヴィンテージライクな枯れ具合を楽しめるピックアップです。暖かく太い音色に乾いた倍音の響きの良さを備え、ジャリっとした軽やかさも味わえます。

Seymour Duncan Antiquity P90 (AQ-P90) 音質解析&レビュー まとめ

歪ませてもギリギリ潰れない甘枯れ具合が心地良く、まさに1950年代といった音色です。外観のエイジド加工も味があるので、既に使い込んでいる愛機にもバッチリ合います!

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