【52年テレ再現】Seymour Duncan APTL-3JD レビュー!Jerry Donahue Teleはどんな音?【ダンカン】
👆 Seymour Duncan APTL-3JD Jerry Donahue Tele の音質を解析&レビュー!
目次
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Seymour Duncan APTL-3JD Jerry Donahue Tele の音を知りたい!
今回はSeymour Duncanより、APTL-3JD Jerry Donahue Teleについて解析していきます。Jerry Donahueの名を冠する通り、本品はジェリー・ドナヒューのシグネチャーPUです。
氏の所有する、1952年製テレキャスターの音色を再現する事を念頭に開発されています。ドナヒューはツアー用の機材でも、52年製テレキャスの音を鳴らしたいと考えました。
実機は手軽に持ち歩ける代物でない上に希少性が高く、替えのきかないの逸品です。
あのさー、ツアーギターでも52年みたいなクラシックな音出したいんだけど作れない?
うんいいよ、頑張って作っちゃう💖
こうして完成したシグネチャーモデルが、件のAPTL-3JDとなります。海外では『Signature Jerry Donahue Tele Pickup』とした上で、商品名も『Jerry Donahue Lead Tele』と表記されている模様です。
APTL-3JDのスペシャルな仕様に注目!
あまり国内ではシグネチャーを強調していませんが、随所に変化球な仕様が光ります。まずポールピースはアルニコ2を採用し、指板アールを反映して左右対称の高さです。
加えて特別なコイルワインドを施す事で、テレキャス特有となる中音域の弱さが解消されています。故に標準的なアルニコテレピックアップと比較すると、かなり暖かな音色が印象的です。
ボトムプレートも銅メッキ仕様になっており、ドナヒューのサインが転写されています。本体とクロスワイヤーはワックス含浸処理が行われ、外観のヴィンテージ感も上々です。
ドナヒューもニッコリなAPTL-3JDの再現度
APTL-3JDはその再現性の高さから、ドナヒュー自身も相当気に入っている節が伺えます。氏のシグネチャーギターには、高確率でブリッジ用にAPTL-3JDが搭載されているのです。
本人もノリノリで試奏動画に複数本登場しているなど、確かな満足感が伝わってきます。ベンドマスターたる氏を躍らせるAPTL-3JDが、どれほどの実力なのか気になる所ですね。本記事ではAPTL-3JDの倍音を解析しつつ、定番のSTL-1と周波数を比較していきます。
参考記事
» 【精密レビュー】Seymour Duncan STL-1 Vintage ’54 Tele 伝統的テレキャスターの音を再現!
アルニコ5搭載STL-1のデータはコチラでチェック!
公表データの確認:Seymour Duncan APTL-3JD Jerry Donahue Model
ブランド:Seymour Duncan ( セイモア・ダンカン )
モデル:Jerry Donahue Model ( Jerry Donahue Lead Tele )
型番:APTL-3JD
マグネット:アルニコ2
直流抵抗値:7.7kΩ
アウトプットタイプ:Medium
出 力:4.3
トーンチャート:低音域 5 / 中音域 5 / 高音域 7
レゾナントピーク:6.63kHz
ワイヤー:クロスワイヤー (Cloth Push-Back)
※銅メッキ加工が施されたサイン入りスチールボトムプレート付属
APTL-3JDの倍音特性 (C3/130.813Hz)
まずはアンプをクリーンにセットした状態で、APTL-3JDのC3倍音を計測しました。テレキャスらしい非整数倍音が多めとなり、基音以下の低い非整数倍音も強めです。倍音と倍音の谷間に小さな山を多数確認するなど、シャギーな倍音傾向となっています。
決して整った倍音ではありませんが、ラフな雰囲気がヴィンテージライクですね。倍音量も偶数次、奇数次共に多く、低次倍音は偶数次倍音が前に出やすくなっています。
テレキャスの特徴を示す要素としては、中高音域を決定付ける第19倍音が強めです。偶数次倍音の多さが暖かさを、第19倍音の強さが鋭いアタックを上手く再現しています。
倍音特性波形の周波数目安
左端の山(中央灰色線)が基音のC3(130.813Hz) 偶数次倍音:第2倍音(261.626Hz)、第4倍音(523.252Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(392.439Hz)、第5倍音(654.065Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
クリーンの音をAPTL-3JDとSTL-1で比較!
続いて同じくクリーンセッティングのまま、APTL-3JDとSTL-1の周波数特性を比較です。APTL-3JDは波形を比べるまでもなく、STL-1よりも明らかに低~中音域が太く感じます。とりわけ低音域のレスポンスが良好で、アーティキュレーションもバッチリです。
中高音域のアタックも失われておらず、2k~3kHzにかけて鋭いピークが存在しています。また通常のテレキャスターPUは、1.7kHz付近がデッドポイントになりやすい傾向です。しかしAPTL-3JDは400~3kHzにかけて、標準を大きく超える値を計測しました。
STL-1のクリーン波形と比べると、低音域や中音域の強さが良く分かると思います。3kHz以降は高音域9設定のSTL-1が上手であるものの、3kHz以下はAPTL-3JDが圧倒です。低~中音の暖かさに中高音のハリが加わり、アルニコ2らしい音色を奏でてくれます。
クランチの音をAPTL-3JDとSTL-1で比較!
アンプを軽く歪ませた状態にすると、意外にも両モデルは似た雰囲気の音に変化です。波形のおおまかな形状が一致しており、中音域と高音域に微妙な差が生まれます。
APTL-3JDは中高音域のピークが消失し、400~3.5kHzにかけてフラットな特性です。700Hz以下の低~中音域はSTL-1よりも高い値を計測し、暖かな音色に磨きがかかりました。
800~6kHz付近はSTL-1が上手ですが、高音域が暴れ過ぎずまとまりがあるとも言えます。6kHz以降はAPTL-3JDが再度優位に立つため、余韻の煌びやかさも十分感じられるハズです。
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
Seymour Duncan APTL-3JD Jerry Donahue Model 音質解析まとめ
外観と音色の両面で、52年製ヴィンテージを上手く再現したモデルに仕上がっています。アルニコ2のホットな音とテレキャスのアタックを備え、トーンのバランスが秀逸です。
弦のレスポンスも均一で、倍音が豊かでありながら柔らかく暖かな響きを織り成します。稀代のテレキャス使いが惚れ込むのも頷ける、クラシックなサウンドを堪能して下さい!
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