Seymour Duncan SJBJ-1 レビュー|JB Jr. Strat ストラト向けシングルサイズJB徹底解説【ダンカン】

👆 Seymour Duncan SJBJ-1 JB Jr. Strat レビュー!

Seymour Duncan 『SJBJ-1 JB Jr. Strat』について詳細な解説を追記し、倍音特性の計測やサムネイルの更新など、約2倍の文字数で情報を大幅に強化した上で再投稿いたしました!
目次
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Seymour Duncan SJBJ-1『JB Jr. Strat』ストラト向けシングルコイルサイズ版JB Model!
今回は Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、SJBJ-1『JB Jr. Strat』をレビューします。ダンカン製ピックアップの中でも特に人気の高いSH-4 JB Modelは、当然ながらレスポールなどのハムザグリ専用です。
SJBJ-1『JB Jr. Strat』は標準的なFender製ストラトキャスターへ、無加工で搭載可能なシングルサイズのJB Modelとなります。シングルコイル相当のサイズながらも全部で12本のアジャスタブル・ポールピース (可動式) を配し、ミッドレンジの存在感が抜群です。
広い磁束域が生み出すパワーは倍音も芳醇で、フルサイズハムバッカーに引けを取りません。良好なサスティーンも実に心地よく、大人気モデルの『JB』の『Jr.』を称するに相応しい仕上がりだと言えるでしょう。
『JB Jr. Strat』はストラトキャスターを無加工でJB化!
SSSレイアウトのストラトキャスターへ搭載する場合、ザグリにハムバッカーを換装可能なスペースを要します。スイミングプール等のスペースに余裕のあるザグリならまだしも、通常はザグリの拡張加工を行わない限り搭載出来ません。
ザグリに余裕がある場合でもピックガードマウントのエレキギターでは、同時にピックガードの拡張加工も必須です。しかし純正のボディやピックガード等のパーツに対し、復元が不可能となる改造や加工に難色を示すプレーヤーは多いハズです。

既に生産完了になっているモデルや、高額なハイエンドモデルであれば、なおさら躊躇するのが人情だと思います。SJBJ-1はストラトキャスターでも手軽にJBサウンドを楽しめるように、Fender製シングルコイルに近いピックアップ形状です。
横幅は最大で3.310インチ、縦幅は0.730インチ、ポールピース頂点から底面までの高さは0.850インチで設計されています。ピュアシングルコイルは高さが0.705インチインチが主流なので、低価格帯ギター等の浅いザグリには注意が必要です。

現行モデルのUSA製、およびMEXICO製のストラトキャスターであれば、大半のモデルに無加工でポン乗せコンバート可能!

弦ピッチもフェンダー製シングルコイル準拠の0.414インチ (≒10.5mm) で設計されているよ!

Fender Dave Murray StratocasterのMiddleにはSJBJ-1nが採用されているので要チェック!
Fender Dave Murray Stratocasterには下記2モデルも使用されています!
SJBJ-1はブリッジ用とミドル・ネック兼用モデル完備!
ストラトキャスターへの搭載が基本となるSJBJ-1は、ブリッジ用とミドル・ネック兼用のモデルが用意されています。ブリッジ用のSJBJ-1bは出力が高めで、直流抵抗値もハムバッカーに近い15.2kΩです。
ミドル・ネック兼用のSJBJ-1nは出力がやや抑え気味となり、直流抵抗値も10.1kΩと3割以上低い値を示します。レゾナントピークはSJBJ-1bよりもSJBJ-1nの方が高く、マウント箇所による出力やトーンの差異を小さくする設計です。
トーンチャートはSJBJ-1bもSJBJ-1nも共通で、いずれもデフォルトで4コンダクターケーブルを搭載しています。コイルスプリットをゲインを落とす目的で使用するなど、本家SH-4 JB Modelと同じ配線パターンにも対応です。
SH-4 JB Modelはブリッジ専用につき、ネックポジションでJBサウンドが味わえるのはJB Jr. Stratだけの特権だと言えるでしょう。

本記事ではSJBJ-1nをネックポジションにマウントし、倍音特性やゲインによる周波数特性の変化を計測しました!

ストラトキャスターのJBサウンド化を検討している方は、ぜひ購入前の参考にご活用ください!
親モデル SH-4 (TB-4) JB Model もヨロシク!
公表データの確認:Seymour Duncan SJBJ-1 JB Jr. Strat

ブランド:Seymour Duncan ( セイモア・ダンカン )
モデル:JB Jr. Strat (High Output Single Coil Sized Humbucker Pickups)
型番:SJBJ-1b (Bridge) / SJBJ-1n (Neck) ※1
マグネット:セラミック (Ceramic Bar)
直流抵抗値:15.2kΩ (Bridge) / 10.1kΩ (Neck)
アウトプットタイプ:High (Bridge) / Medium (Neck)
出 力:6.0 (Bridge) / 5.0 (Neck)
トーンチャート:低音域 4 / 中音域 6 / 高音域 5
レゾナントピーク:3.60kΩ (Bridge) / 5.00kΩ (Neck)
弦間:0.414インチ (≒10.5mm)
サイズ (横幅×縦幅×高さ) :3.310×0.730×0.850 (インチ) ※2
ワイヤー:4芯シールド (4 Conductor Cable)
推奨ボディ材:バランスの取れたトーンを持つギター全般、またはパーツ構成であればOK
推奨指板材:メイプル指板、またはローズウッド指板
※1.SJBJ-1nはミドル (Middle) 兼用
※2.高さはポールピース頂点からボビンのボトムまで
SJBJ-1 JB Jr. Strat 倍音特性 (D3/146.832Hz)
まずはクリーンセッティングのアンプを通して、SJBJ-1 JB Jr. StratのD3倍音 (4弦開放) を確認します。

SH-4は強力な基音の出力 (縦軸) と倍音の出力、倍音が計測される帯域 (横軸) の広さが特徴です。SJBJ-1も同等に基音の出力が非常に高く、低次倍音から高次倍音までムラなく計測されています。
ネック用としては倍音の出力もかなり高い上に、中高音以降の帯域でも出力の高さを維持です。歪ませた際に基音と倍音が絡み合い、奥行きのあるゴージャスなドライブを響かせます。
SH-4とは異なりセラミックマグネットを搭載し、直流抵抗値も低いためか、非整数倍音はほぼ全域でSJBJ-1の方が低い傾向です。代わりに基音と第二倍音の谷間に小さな非整数倍音の山が計測されるなど、幾分ワイルドな味付けとなっております。
倍音特性波形の周波数目安
灰色の線が基音(D3)の146.832Hz 偶数次倍音:第2倍音(293.664Hz)、第4倍音(587.328Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(440.496Hz)、第5倍音(734.16Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
SJBJ-1 JB Jr. Strat クリーン 周波数特性
続いて倍音計測時のセッティングを保ったまま、SJBJ-1 JB Jr. Stratのクリーン周波数特性を確認です。SH-4 JB Modelは勢いのある歪ませたサウンドのイメージが強い反面、クリーントーンに苦手意識を抱える方が多いと思われます。

端的にSH-4はクリーンと歪で二面性があるので、ジュニアたるSJBJ-1でも気になるポイントの一つですね。SH-4のクリーンは150Hz付近に音が集中する上に非整数倍音が強いため、非常にモッサリとしたしたクリーンが特徴です。
SJBJ-1は波形の形状こそ似ていますが、SH-4よりも音の重心が高く350Hz付近がピークとなっています。高音は超高音に該当する帯域まで出力が確認されているため、濁るような重さは感はそれほど感じないハズです。
また中音6、高音5というトーンチャートを物語る通り、400~4kHzまで谷間がほとんど発生せずムラがありません。突出した帯域が無い分サウンドメイクがしやすく、安定した中音の力感を再現出来ます。
高音の倍音特性の優秀さから6kHz以上の帯域も程よく出力されており、サスティーンに含まれる倍音の煌めきも秀逸です。リードプレイにもコードワークにも十分対応出来るため、SH-4より扱いやすいクリーンの周波数特性だと言えます。
SJBJ-1 JB Jr. Strat クランチ 周波数特性
ゲインを上げて軽く歪ませると、クリーン時とは異なりローエンドにモヤのかかったような雰囲気に変化です。100Hz以下の低音や重低音が思いのほか主張するようになり、SH-4とは少し異なる色合いとなります。

この辺はSH-4がアルニコ5に対し、SJBJ-1がセラミックである違いが顕著ですね。中音に関してはクリーンより控えめで、中高~高音にかけてはSH-4ほど伸びがありません。
かなり独特な音色となるため、SH-4のクリーンに近い扱いにくさがあります。SH-4はクリーンが鬼門になるのに対し、SJBJ-1は軽めの歪みが鬼門となるのでクランチメインの場合は注意が必要です。

主観的には軽い歪みでは気持ち良く響くラインまで増幅しきれずに、低音が潰れてモヤっとした歪みになる……といった感じかな?
SJBJ-1 JB Jr. Strat オーバードライブ 周波数特性
アンプのゲインを限界近くまで上げて完全に歪ませると、クリーンの時に近いバランスの良いトーンに回帰します。低音が綺麗に引き締まったタイトな音像へ変貌し、200~400Hz付近の厚みが鼓膜を震わせるホットなサウンドです。

高音の伸びもクリーンの時以上に良くなるため、ピッキングニュアンスのレスポンスが良好となります。出力がSH-4より低い分だけ深めのドライブは作成出来ませんが、粘りながら絹のように伸びるサスティーンが抜群に良いです。
ただしSH-4に近い音色ではあるのですが、ミッドハイの暴れるような『ラフな爆発力』が備わっておりません。2k~6kHzの中高~高音がSH-4よりも大人しいため、音の重心はSJBJ-1の方がやや低く感じられます。
親機のSH-4完全再現とまではいかないものの、そこはシングルサイズの『Jr.』だからと割り切った活用が必要ですね。
クリーン~オーバードライブ波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2kHz,3kHz,6kHz
Seymour Duncan SJBJ-1 JB Jr. Strat レビュー まとめ
SJBJ-1 JB Jr. StratはシングルコイルサイズJB Modelとして、ホットなミッドレンジと抜群のサスティーンが楽しめます。随所にコイルサイズとマグネットの違いによる差異が感じられるものの、SH-4の雰囲気が十分に味わえる倍音特性も秀逸です。

軽く歪ませた際のクランチの扱いにくさなど、クリーンに癖のある親機を彷彿とさせる『曲者要素』も備えています。真空ワックスポッティングによりハウリング対策も万全なので、ストラトに重厚で熱く響くサウンドを求めるプレーヤーに最適です!
🏃💨 Seymour Duncan SJBJ-1 JB Jr. Strat でストラトの音をJB化する💖

SJBJ-1b (Bridge)
SJBJ-1n (Neck)
Seymour Duncan Everything Axe Set (SL59-1n,SDBR-1n,SJBJ-1b)
Fender / Dave Murray Stratocaster
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