【ダンカン解析】Seymour Duncan Jupiter Rails レビュー!透明感溢れる歪みで無双せよ!【Wes Hauch】
👆 Wes Hauch シグネチャーモデル Seymour Duncan Jupiter Rails の倍音&周波数特性を解析!
目次
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Seymour Duncan Jupiter Rails 鋭く透明なドライブを再現する Wes Hauch シグネチャーブレードハムバッカー!
今回はSeymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、Wes Hauch (ウェス・ハウク) シグネチャー Jupiter Rails の音質を解析です。Wes Hauch氏といえばDevin TownsendやThy Art Is Murderなど、数多の音源にゲストギタリストとして参戦した実績を誇ります。
そのギターサウンドは鋭く鮮烈なドライブでありながら、音の分離が非常に明瞭であるのが特徴です。激しく歪ませてもなおクリアと称されることも多く、透明感溢れるサウンドでモダンメタルシーンを牽引しています。
Jupiter Rails は細部まで拘りのWes Hauch共同開発!
Jupiter Rails はダンカンとWes Hauch氏の共同開発モデルで、デュアルブレードタイプポールピースを搭載です。ポールピースの材質は440Cと推察されるステンレスですが、クロームを多く含有しているので磁気特性に秀でています。
そのためサチュレーションレベルが高い上に、アーチ状のブレードが各弦の音量バランスを整えることに成功です。マグネットにはレンジの広いセラミックを、コイルはJupiter Rails専用のカスタムコイルが使用されています。
トーンはトレブルとミッドに重点を置くことで、Wes Hauch氏の求めるアグレッシブかつクリアなサウンドを実現です。あらゆる現場で氏の透明感溢れる鋭敏なドライブを、高い安定感をもって再現することが出来ます。
Jupiter Rails は7弦ギターモデルも完備!
Jupiter Railsは1弦と6弦の出力だけでなく、マウントポジション別でも弦応答が均一な傾向です。ブリッジ用 (JUPITER-RAILS-6b) とネック用 (JUPITER-RAILS-6n) は出力とトーンが微調整されているため、セットで使用することで類稀なるバランス感を発揮します。
またカスタムショップ特注で7弦バージョン(Jupiter 7-String Rail) も用意されており、Wes Hauch氏本人もIbanez製7弦ギターで実戦投入済みです。出力やトーンは6弦用と一致するように設計されている点からも、Jupiter Railsへの自信と信頼が垣間見えます。
しかしながらこのJupiter Rails、透明感溢れる歪みという表現がクリーンの透明感と混同されやすいのも事実です。Jupiter Railsの主となるゲインのレンジは、ミッドゲインからハイゲイン迄と深く歪ませることが前提となっています。公式デモ動画でもクリーンはあまり使用されておらず、どのようなクリーンなのか気になる人も多いハズです。
そこで本記事では6弦ブリッジ用のJUPITER-RAILS-6bを使い、倍音特性やゲインによる周波数特性の変化を解析しました。モダンメタルシーンの最先端で無双する、Jupiter Railsの秘密を徹底的に紐解いていきます。
公表データの確認:Seymour Duncan Jupiter Rails Wes Hauch シグネチャーブレードハムバッカー
ブランド:Seymour Duncan ( セイモア・ダンカン )
モデル:Jupiter Rails (Signature Wes Hauch Rail Pickups)
6弦モデル型番:JUPITER-RAILS-6b (Bridge) / JUPITER-RAILS-6n (Neck)
7弦モデル型番:JUPITER-RAILS-7b (Bridge) / JUPITER-RAILS-7n (Neck)
マグネット:セラミック (Ceramic)
アウトプットタイプ:High
ワイヤー:4c Shielded
Bridge (ブリッジ) 用
直流抵抗値:14.27kΩ (6b) / 17.80kΩ (7b)
出 力:8.1
トーンチャート:低音域 5.8 / 中音域 5.5 / 高音域 8.2
Neck (ネック) 用
直流抵抗値:8.02kΩ (6n) / 9.22kΩ (7n)
出 力:7.0
トーンチャート:低音域 5.5 / 中音域 4.0 / 高音域 8.5
Jupiter Railsの倍音特性 (D3/146.832Hz)
まずはクリーンセッティングのアンプを通して、Jupiter RailsのD3倍音(4弦開放)を解析です。
トーンチャートでは中音5.5設定ですが、中~中高音の倍音の出力が高めとなっています。基音~第3倍音まではほぼ同等の出力で、第9倍音付近まで高い値を維持です。第10倍音以降は緩やかに減衰していくものの、6kHz以降の高次倍音もしっかり計測されています。
公式がアグレッシブなミッドレンジと謳う通り、倍音も中音が強調されやすいと考えてよさそうです。出力バランスの均一性を裏付けるように、基音から超高音にかけて突発的に出力が高くなる帯域が存在しません。それでいて隣り合わせの倍音は適度に出力が上下するため分離が良く、コンプレッションも控えめな点が好印象となっています。
倍音特性波形の周波数目安
低音側を例にすると灰色の線が基音(D3)の146.832Hz 偶数次倍音:第2倍音(293.664Hz)、第4倍音(587.328Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(440.496Hz)、第5倍音(734.16Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
Jupiter Railsのクリーン周波数特性
続いて倍音計測時のセッティングを保ったまま、クリーンの周波数特性を解析です。
おそらくJupiter Railsでクリーンを再生した際に、多くのプレーヤーが面食らうと思います。ブリッジ用は高音が8.2に設定されているにも関わらず、3kHz以降の帯域が全く伸びないのです。音の中心は400Hz付近の中音に集中しており、低音も100Hz付近まで高い値を計測しています。
同ブランドではSH-4 JB Modelの傾向に近く、Jupiter Railsはより極端に低音にシフトしたクリーンです。率直に言えば高音の鋭さが得られないため、どこかモヤっとした重いサウンドだと言えます。この辺がダンカン公式がデモ動画において、クリーントーンをメインで収録していない所以です。
クリーンでは透明感溢れる音を奏でるのに相当な技量を要すると考えよう!
Jupiter Railsのクランチ周波数特性
そこでアンプがクランチするようにゲインを上げていくと、Jupiter Railsが真価を発揮します。
クリーン同様400Hz付近の中音に一本芯が通ったまま、1kHz以降の帯域が別次元のレベルでパワーアップです。特に3k~6kHz前後は研ぎ澄まされた高音に変化し、超高音は9k~11kHzにかけてピークが出現しています。故に高音8.2というトーンチャートの設定通り、鼓膜に鋭く切れ込むようなドライブです。
200Hz以下の低音はスッキリと絞られ、モヤのかかったような重さも解消されています。高音と低音が400Hzに焦点を当てるように作用するので、公式が主張するアグレッシブなミッドレンジを体感可能です。ちなみに500~2kHzにかけての特性はフラットにつき、400Hzを除いた中音は5.5相当であると判断出来ると思います。
ウェス・ハウク氏の本人主演動画を色々見て研究してみた所……
高音に鋭さを加味するため、ミッドゲイン相当に歪ませた状態でコイルタップをしてクリーンを作成しているみたいだね!
事実、クリーンチャンネルを使うよりうも歪ませてボリュームを落とした方が綺麗なクリーンを作成しやすいよ!
Jupiter Railsのオーバードライブ周波数特性
最後にアンプを深く歪ませた、オーバードライブの周波数特性を確認です。
依然として音の中心は400Hz付近となっており、100~4kHzという広範囲で高い値を計測です。突出した中音の芯を残したまま前後の帯域も実にパワフルで、高音や超高音もクランチ以上に鋭さを増しています。低音は100~350Hzにかけフラットな特性を保ちながら、主張し過ぎない範囲内で均等に出力がアップです。
高音と低音が音の中心を支えるかのように、400Hz付近の中音だけがクッキリと浮かび上がるドライブを奏でます。安定感のある低音がブレない音像を形成し、ナイフのような切れ味の高音が攻撃力の高いミッドの塊を牽引です。モダンメタルの粋を極めた透明感溢れる歪みを、ハイレベルで具現化する仕上がりとなっています。
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
Seymour Duncan Jupiter Rails Wes Hauch シグネチャーブレードハムバッカー 音質解析 まとめ
実際にアンプから音を出して初めて理解出来る、ゲインレベルに応じて透明に歪んでいくハムバッカーです。クランチでさえもクリーンのような澄んだ音色で響き渡り、ハイゲインセッティングでも音の芯と鋭さが失われません。
クリーンの扱いはかなり難しいものの、クリーントーンを必要としないほどクリアなドライブを作成可能となっています。各弦で均整のとれたレスポンスに加え、ミッドレンジにフォーカスした透明感溢れる歪みでモダンメタルシーンを無双可能です!
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Jupiter Rails ブリッジ用
Jupiter Rails ネック用
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