【Nazgul】Seymour Duncan Nazgûl (ナズグル) レビュー!どのくらい倍音が凄いの?【ダンカン解析】
👆 Seymour Duncan Nazgûl (ナズグル) の音質を解析&レビュー!
目次
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Seymour Duncan Nazgûl (ナズグル) ドロップ部門倍音キングのサウンドを解析&レビュー!
今回はSeymour Duncanのドロップ&多弦ギターの定番、Nazgûl ( Nazgul )について解析していきます。Nazgûlは元々7弦&8弦ギター用に開発され、後に6弦でも使われるようになりました。
読み方が分かりにくいですが、ESPによるとカタカナ表記は『ナズグル』との事です。大型のセラミックマグネットを搭載した本モデルは、類稀なる倍音成分を備えます。
通常ドロップチューニングでは、低音寄りの非整数倍音が強調されやすい傾向です。単純に弦のテンションが低くなる事が要因となり、高次倍音が失われやすくなります。
そこでNazgûlは強力なマグネットに加え、独自のカスタムワイヤリングを採用です。マグネットと高出力ワイヤリングの組み合わせにより、全帯域で万遍なく驚異的な倍音量を実現しています。
一方で低音域は無駄な非整数倍音を抑えているため実にタイトで、中~高音域にかけて焼け付くような鋭さを強調です。飽和感の強いドンシャリサウンドとは一味違う、音のメリハリとジューシーな歪みを両立した近代的メタルサウンドが飛び出します。
メタラー感涙の7弦&8弦オプション!
先述の通りNazgûlは多弦こそ本分につき、7弦ギター用と8弦ギター用モデルを完備です。更にマウント方式にも拘りがあり、パッシブマウントとアクティブマウントに対応します。
パッシブマウントは通常通りの取付け方法で、ピックガードやエスカッションに装着可能です。アクティブマウントはアクティブピックアップ交換用となり、ピックアップカバーごとボディにダイレクトマウントする取付け方法となります。
ちなみにアクティブマウントは7弦と8弦用となっているため、6弦モデルのオプションは通常ピッチとトレムバッカーの2種です。
ピッチや弦数が広がるほどワイヤーの長さが増えるため、抵抗値が増加してトーンチャートも変化します。
Nazgûlは6弦標準、6弦トレム、7弦、8弦と本体の横幅が広がるにつれて、抵抗値も大きくなるとお考え下さい。
公表データの確認:Seymour Duncan Nazgûl (ナズグル)
ブランド:Seymour Duncan (セイモア・ダンカン)
モデル:Nazgûl (ナズグル / Modern High Output Passive Humbucker Pickup)
型番:NAZGÛL-6 / NAZGÛL-TB / NAZGÛL-7 / NAZGÛL-8 (6~8=対応弦数、TB=トレムバッカー)
マグネット:セラミック
直流抵抗値:13.6kΩ (6) / 14.7kΩ (TB) / 16.7kΩ (7) / 18.5kΩ (8)
アウトプットタイプ:High
出 力:7.7
トーンチャート (6,TB) :低音域 5 / 中音域 8 / 高音域 8
トーンチャート (7,8) :低音域 5 / 中音域 9 / 高音域 8
レゾナントピーク:4.74kHz (6,TB) / 4.28kHz (7) / 3.85kHz (8)
ワイヤー:4芯シールド (4 Conductor Shielded)
Seymour Duncan Nazgûl (ナズグル) とSH-8の音質解析データを比較しながらレビュー!
今回はSH-8 Invaderを比較対象に、Nazgûlの倍音や周波数特性をみていきましょう。SH-8もNazgûlと同様に多弦オプションが用意されているので、比較対象として最適です。
ダンカンではSH-8をアグレッシブパッシブハムバッカー、Nazgûlをモダンハイアウトプットハムバッカーと位置付けています。
Seymour DuncanNazgûl (ナズグル)の倍音特性をSH-8と比較!
倍音特性のジューシー感を浮き彫りにするため、F#のブリッジミュートを採用です。基音の周波数は約92.5Hz(正確には92.498606Hz)で、6弦をダウンピッキングで刻みます。SH-8bはザックンザックンとパワフルに、基音を押し出すような威圧感が全開です。倍音は奇数次も偶数次も整然としており、見かけに反してバランス感のある歪みとなります。
Nazgûlはアタック時から既に倍音感が強く、ザクザクというよりもジュンジュンとした瑞々しい響きです。基音以上に倍音の響きの方が主張しており、第2~第7倍音は基音以上の出力となります。
第7倍音以外は基音より出力の低いSH-8bとの違いが明確で、3kHz以降の高次倍音も密度と出力が共に高いです。ダンカン公式が『全帯域信じられないほどのハーモニック成分』と謳う通り、ドロップチューニングでも音のハリと瑞々しさが損なわれにくい特性と言えるでしょう。
倍音特性波形の周波数目安
灰色の太線が基音の92.5Hz 偶数次倍音:第2倍音(185Hz)、第4倍音(370Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(277.5Hz)、第5倍音(462.5Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
Seymour DuncanNazgûl (ナズグル) の周波数特性をSH-8と比較!
ハイゲイン設定におけるSH-8bのローエンドは、ダンカンパッシブモデルの中でも屈指です。周波数特性の波形からもその凄まじさが分かりやすく、音の重心が180Hz付近となります。加えて100~300Hz付近も相当に力強い特性で、70Hz以下の重低音も文句無しのパワーです。
Nazgûlはローが引き締まっており、フレットラップ的なメリハリが利いています。音の中心となる低音成分の前後の帯域はカット気味となるため、180Hzを頂点とした鋭い山状の波形を形成です。180Hz前後の帯域はSH-8b以下ですが、低音のアタックは特に輪郭がクッキリとします。
また80Hz付近を境に重低音の迫力はNazgûlが逆転し、ゴーっと地を這うような力感がたまらないですね。1kHz以降の全帯域はNazgûlの方が上手で高音の伸びも良いため、音程感が損なわれにくい点も大きなアドバンテージとなります。
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
Seymour Duncan Nazgûl (ナズグル) 音質解析&レビュー まとめ
ドロップチューニング&多弦ギター向けのピックアップとして、Nazgûlは文字通り驚異的な倍音を武器に出来るモデルです。弦のテンションなぞどこ吹く風、どのような歪ませ方でもバリっとジューシーなサウンドを奏でてくれます。
クリアで芯のあるローエンドとブレンド感の秀逸なミッドレンジ、そして鋭い高音域が現代的なメタルサウンドに最適です。ザクザク&ドンシャリなメタルサウンドとは明らかにベクトルが異なる『生き生きと爆ぜる音』をNazgûlで堪能しましょう!
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Seymour Duncan Nazgûl (6弦用)
Seymour Duncan Nazgûl (7弦用)
Seymour Duncan Nazgûl (8弦用)
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