【新製品】Seymour Duncan Psychedelic Strat レビュー!蘇る60年代後半ストラトの音!【音質解析】
👆 2023年新製品 Seymour Duncan Psychedelic Strat の倍音&周波数特性を解析しつつレビュー!
目次
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Seymour Duncan Psychedelic Strat 1960年代後半ストラトキャスターのサウンドを再現!
今回は Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) より2023年国内販売開始となった新商品から、Psychedelic Stratの音質を解析です。Psychedelic StratはCustom Shop発のピックアップで、2015年には既に受注生産による販売が開始されていました。
『CAPTURING THE SOUND OF THE LATE 60s』をテーマに、60年代後半のストラトキャスターサウンドの実現を目指しています。Psychedelicの名を冠する通り、往年のサイケデリック・ロックを彷彿とさせるトーンを愛機に注入可能です。
Psychedelic Strat は1960年代当時の素材と製法を遵守!
通常ダンカンではNVF社製Forbon (加硫繊維) のブラックボビンが使用されていますが、本モデルはグレーボビンを採用しています。装着後は表から見えない箇所ではあるものの、ルックス面でも68年頃まで生産されたローズ指板ストラトキャスターを再現です。
ワイヤーはクロスワイヤーでマグネットはアルニコ5、コイルターン数や巻き方もオリジナルに忠実であることが公表されています。ヴィンテージストラトを所有していないプレーヤーにとって、手軽に60年代後半の雰囲気に浸れるピックアップだと言えるでしょう。
Psychedelic Strat はクリーンとドライブの両面でサイケデリック・ギターサウンドを網羅!
トーン設定の特徴としては鋭く強調された高音と控えめな低音、そしてその中間となる中音には大きなブランクが発生です。低音から中音をすくい上げるように高音が作用するため、一般的なミッドスクープシングルとは異なる音像を形成します。
トーンチャート上ではScooped Stratと同等の中音設定ですが、中音の中にも強い帯域と弱い帯域が混在するのです。言い換えれば中音が絞られたサウンドであるにも関わらず、バイト感を内包しているユニークなサウンドを奏でます。
鋭い高音はガラスのようなクリーントーンを、控えめの低音はファズで歪ませた際にタイトかつクリアなサウンドを構築です。故に本モデルはサイケデリック・ロックのみならず、あらゆるサイケデリック・ギターを網羅出来る音色に仕上がっています。
Psychedelic Strat はマウントポジション毎にモデルを完備!
Psychedelic Stratはマウントポジション毎に Psychedelic ST-b (Bridge)、Psychedelic ST-m RW/RP (Middle)、Psychedelic ST-n (Neck) の3モデルをラインナップです。ミドルのみ逆巻き/逆磁極仕様につき、各ポジションセットで搭載するとハムキャンセル効果が得られます。
出力は同時発売のScooped Stratほど高くなく、公表抵抗値もネック側から5.98kΩ、6.07kΩ、6.13kΩです。ダンカン製ストラト用シングルコイルではSLS-1の次に平均出力が低いため、他モデルと組み合わせる際はご留意願います。
本記事ではブリッジ用のPsychedelic ST-bを使用して、倍音と周波数特性を詳しく解析しました。
ちなみに本モデルも国内では販売開始から間もないので流通量が少ないよ
海外では昨年から流通しているので個人輸入の方が速く入手出来るかもね
※管理人は海外にコネのある骨屋氏に依頼
同時発売Scooped Stratの音質解析&レビューはコチラ!
公表データの確認:Seymour Duncan Psychedelic Strat 2023年新商品
ブランド:Seymour Duncan ( セイモア・ダンカン )
モデル:Psychedelic Strat (Vintage Stratocaster Pickups)
型番:Psychedelic ST-b (Bridge) / Psychedelic ST-m RW/RP (Middle/逆巻き逆磁極) / Psychedelic ST-n (Neck)
マグネット:アルニコ5 (Alnico V Rods)
アウトプットタイプ:Vintage
ワイヤー:Cloth Push-Back
Psychedelic ST-b (Bridge)
直流抵抗値:6.13kΩ
出 力:1.7
トーンチャート:低音域 5 / 中音域 3 / 高音域 10
Psychedelic ST-m RW/RP (Middle/逆巻き逆磁極)
直流抵抗値:6.07kΩ
出 力:1.6
トーンチャート:低音域 5 / 中音域 3 / 高音域 10
Psychedelic ST-n (Neck)
直流抵抗値:5.98kΩ
出 力:1.6
トーンチャート:低音域 5 / 中音域 3 / 高音域 10
公式推奨ゲージは.012-.056!
Psychedelic Stratの倍音特性 (D3/146.832Hz)
まずはクリーンセッティングのアンプを通して、Psychedelic StratのD3倍音(4弦開放)を解析です。
倍音は広い帯域で計測されており、基音より出力の高い倍音が存在しない点はScooped Stratと共通しています。ただしPsychedelic Stratは中高音以降の倍音の出力が高く、第14倍音以降は非常に高い値を計測です。
また中音は平均すると低めの出力ですが、出力の高い倍音と低い倍音が不規則に計測されています。先述の中音が絞られているのにバイト感があるというユニークなサウンドは、倍音特性にも反映されていると考えて良さそうです。
他ではあまり見られない要素としては、基音と倍音の山のふもとや倍音間の谷間に尖った非整数倍音が発生しやすい傾向があります。音程を感じさせぬ鋭さが加味されるため、鼓膜に広がりながら楔を打たれるような響きが独特ですね。高次倍音の出力の高さと非整数倍音の鋭さが重なることで、ガラスが割れる音を想起する洗練されたクリーンを実現します。
倍音特性波形の周波数目安
低音側を例にすると灰色の線が基音(D3)の146.832Hz 偶数次倍音:第2倍音(293.664Hz)、第4倍音(587.328Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(440.496Hz)、第5倍音(734.16Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
Psychedelic Stratのクリーン周波数特性
続いて倍音計測時のセッティングを保ったまま、クリーンの周波数特性を解析です。
高音10設定は伊達ではなく、2.5kHz以降の帯域は圧倒的な伸び率を誇ります。Scooped Stratは2.5k~5kHzにかけてSSL-1以上の値でしたが、Psychedelic Stratは更に上を行く値を計測です。
とりわけ3.5k~6kHzは余裕をもってScooped Stratを上回るので、研ぎ澄まされた高音のガラストーンに凄みすら感じます。300Hz以下の帯域はほぼ同等の値であるものの、中音はピンポイントにPsychedelic Stratが上手となる箇所が散見です。
Psychedelic Stratは350Hz、700Hz、800Hzに小さな山が出現し、それほど中音の空洞感が強くありません。断片的に続く中音の山と谷が音色に深みを与え、数値以上にふくよかな印象を与えることに成功しています。
控えめな中音に反して『抜けていると感じさせない』絶妙なチューニングだね!
同時発売 Scooped Strat の音質解析はコチラ!
Psychedelic Stratのオーバードライブ周波数特性
最後にアンプを深く歪ませた、オーバードライブの周波数特性を確認です。
ゲインを上げるとハイ上がりな特性が加速し、3kHz以降の帯域はクリーン時よりも高い値を計測しています。中音は平均するとPsychedelic Stratを下回りますが、400Hzのみやや高い値を記録です。700Hzと800Hzのピークは消失しており、ローミッドが太くミッド~ミッドハイが軽いという変則的な中音特性となっています。
クリーン時と大きく異なるのはローエンドで、300Hz付近をピークに以下の帯域は無駄な低音が綺麗にカットされた状態です。ピークというよりも250~350Hzの山に一点集中しているため、深く歪ませても全く濁りのない締まった低音を維持します。
👆 JIM DUNLOP / JHF1 Jimi Hendrix Fuzz Face Distortion
この濁りのない低音がサイケデリック・ロックにおけるファズと好相性につき、とてもクリアかつタイトな歪みを演出です。低音弦は音の風船を膨らませたような輪郭がパンパンのファズを、高音弦はレーシングカーのようなフィードバックを誘発出来ます。
クリーンと歪みでトーンが変化しないScooped Stratとは真逆の二面性!
細かいところだと、弦と指が離れる一瞬の摩擦だけでもフィードバック的に高音が唸るのが味わい深いね!
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
Seymour Duncan Psychedelic Strat 2023年新商品 音質解析 まとめ
1960年代後半のストラトキャスターが世に送り出した、幅広いサイケデリック・ギターサウンドを網羅出来るピックアップです。音だけでなく素材や製法も当時を再現しており、愛機を瞬く間にヴィンテージ・ヴォイスへと誘えます。
高音の伸びはサイケデリック抜きに突出しているため、クリーンの使い手がガラストーンを目当てに挑戦する価値も大有りです。ファズは勿論のことワウとも親和性が高く、サイケ特有の浮遊感溢れるフィードバックやロングトーンも自由自在に操れます!
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Psychedelic ST-b (Bridge)
Psychedelic ST-m RW/RP (Middle/逆巻き逆磁極)
Psychedelic ST-n (Neck)
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