【59年PAF再現】Seymour Duncan SH-PG1 レビュー:Pearly Gatesと59 Modelを比較検証【TB-PG1】

👆 59年PAF完コピ!? Seymour Duncan SH-PG1 Pearly Gates の音質を解析!

Seymour Duncan Pearly Gatesについてトレムバッカーの解説や推奨木材、倍音特性の比較、サムネイルの更新など、情報を強化した上で再投稿いたしました!
目次
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Seymour Duncan SH-PG1 Pearly GatesとSH-1 59 Modelはどれくらい音質に違いがあるのか知りたい!
本記事ではSeymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、SH-PG1 Pearly Gatesの音質を解析します。Pearly Gatesという名称はZZ TOPのフロントマン、ビリー・ギボンズ氏所持の1959年製レス・ポールの愛称として有名です。
SH-PG1はその名の通り、Pearly Gatesに搭載されたPAFの再現を目指したモデルとなります。元来スタジオでのみ使用していた氏の59年製レス・ポールの音を、ライブでも活用することを念頭に開発されました。
SH-PG1 Pearly Gatesは1959年製レス・ポール搭載PAFの音を完全再現!
ダンカン氏の調査によると、1959年製レス・ポール搭載のPAFは同年代の他のPAFとは異なる特徴を持つとのことです。

👆 SH-PG1b Pearly Gates Bridge Nickel
59レス・ポールのPAFは出力が若干高く、歪ませた際のハーモニクスが強烈となっています。リードプレイで冴える高音は空気感に溢れ、尚且つPAF特有の甘枯した中音も内包です。

👆 SH-PG1n Pearly Gates Neck Black
これらの特性を再現するために、SH-PG1はマグネットにアルニコ2を採用しています。またアルニコ2はアルニコ5よりも磁力が低いため、最適な出力になるように巻き数を微調整です。

その音色は荒々しくも甘やかと表現されることが多く、音の分離の良さと濃密な倍音を両立しています。
SH-PG1 Pearly GatesのワインダーはLeesona model 102!
SH-PG1は外観こそ現代風にアレンジされていますが、製造工程は1959年当時を遵守です。ワインダーは初期のGibson工場で実際に稼働していた、Leesona model 102が使用されています。
組み上げも自動化されておらず、2022年現在もSH-PG1はサンタバーバラの工場で手作りです。
ボトムプレートはニッケルシルバーを用いて、4芯仕様シールドで各種配線に対応します。仕上げに真空ワックスポッティングを実施するため、ハウリング耐性も万全です。
トレムバッカー TB-PG1 も完備!
Pearly Gatesはトレムバッカーとして TB-PG1 も用意されており、フェンダーピッチのギターへ搭載することも出来ます。SH-PG1は弦間が0.385インチに対し、TB-PG1は弦間が0.414インチに拡張されたモデルです。
👆 TB-PG1b Pearly Gates Trembucker Nickel
TB-PG1はピッチが広がる分だけ必要となるワイヤーの総量が増えるため、SH-PG1よりも抵抗値が数%上昇します。他にも異なる仕様としてベースプレートの設計が異なり、ピックアップの取付け部の足が短く (SH型番の足の長さは0.550インチ、トレムバッカーは0.280インチ) 、取付け用のネジ穴も片側に3か所です。
SH-PG1とTB-PG1選択の目安はブリッジピックアップザグリ真上 (※) にて、1弦から6弦までの距離が50mmを超える場合はTB-PG1が最適となります。弦間10.8~11.3mmのトレモロブリッジを搭載したストラトキャスター等のモデルや、弦間10.8mmのFRT搭載モデルはTB-PG1を選択しましょう。
(※) ブリッジサドルのピッチではなく『ブリッジPUザグリ真上の弦ピッチ』が50mm
SH-PG1 Pearly GatesとSH-1 59 Modelは何が違うの?

……ちょっとタンマ!

ていうかSH-PG1 Pearly Gatesは、そのものズバリな名称の『59 Model』と何が違うの?
SH-PG1の商品説明を読むと、SH-1(59 Model)との違いがピンと来ないはずです。この点についてはSH-1b紹介時に取り上げましたが、SH-1自体は59年製PAFの完全再現を目指したモデルではありません。
SH-1は50年代のPAFをベースに、現代の音楽シーン向けのアレンジが施されているのです。具体的には当時存在しなかった細い弦を使用した際でも、PAFサウンドが正常に出力されるようにリファインされています。
そのためSH-1には磁力の強いアルニコ5マグネットを搭載した、ブライトで艶のあるPAFのモダン化モデルなのです。

👆 SH-PG1n Pearly Gates Neck Zebra
故にSH-PG1 Pearly Gatesこそが、本来の意味で『59年製レス・ポール搭載PAF再現モデル』に該当します。

この辺のネーミングはカスタムショップ経由の後発モデルだからと割り切ろうね

今回はSH-PG1nをネックにマウントし、同一設定のSH-1nと音質の比較検証を行いました!

SH-PG1nのサウンドを支える音の分離の良さ、倍音の密度などに注目です!
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比較対象となるSH-1nの音質解析データはこちらの記事をチェック!
公表データの確認:Seymour Duncan SH-PG1 Pearly Gates
ブランド:Seymour Duncan ( セイモア・ダンカン )
モデル:Pearly Gates ( Classic Output Humbucker Pickups )
型番:SH-PG1b (Bridge) / SH-PG1n (Neck) / TB-PG1 (Trembucker)
マグネット:アルニコ2 (Alnico II Bar)
直流抵抗値:8.21kΩ (Bridge) / 7.3kΩ (Neck) / 8.8kΩ (Trembucker)
アウトプットタイプ:Vintage
出 力:6.8 (Bridge,Trembucker) / 6.5 (Neck)
トーンチャート:低音域 6 / 中音域 5 / 高音域 9
レゾナントピーク:6.5kHz (Bridge) / 7.5kHz (Neck)
ワイヤー:4芯シールドワイヤ― (4c Shielded)
推奨ボディ材:ブライトなトーンを持つギター全般 (アッシュ系やメイプル系など高音域にアドバンテージのあるボディ材、またはパーツ構成であれば何でもOK)
推奨指板材:メイプル、またはエボニー指板
特記事項:マホガニーボディとローズウッド指板を組み合わせたレスポールに好んで搭載するミュージシャンも多数
SH-PG1 Pearly Gatesの倍音特性 (D3/146.832Hz) をSH-1と比較!
まずはクリーン設定のアンプを通して、4弦解放のD3倍音特性を調べていきます。
SH-PG1の倍音は中高音以降の密度の高さに加え、アタックの主張が強めの傾向です。基音や低次倍音の出力がやや高く、1.5~2.5kHz付近の倍音が濃密となっています。

更に非整数倍音も全体的に少ないため、音の分離が良くシズル感に満ちた響きです。アタックの荒々しさと滑らかで甘やかな中高音の両立を、如実に物語る倍音特性だと言えます。

アンプから鼓膜めがけて中高音の倍音が飛び込んでくる印象!
SH-1の倍音特性
SH-1もアタックが明瞭ですが、併せて適度なコンプレッション感を持つのが特徴です。メリハリの利いたアタックを追うように、高次倍音まで続く粒の揃った倍音が伸びやかなサスティーンを演出します。

これでも十分クリアな響きなのですが、SH-PG1と比べると幾分土臭さを感じるのが不思議ですね。それほどSH-PG1は非整数倍音が少なく、音の分離が際立っていることが分かります。

倍音と倍音の『谷間のピーク』がSH-PG1よりも随分高いね
倍音特性波形の周波数目安
灰色の線が基音(D3)の146.832Hz 偶数次倍音:第2倍音(293.664Hz)、第4倍音(587.328Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(440.496Hz)、第5倍音(734.16Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
SH-PG1 Pearly Gates 倍音考察フェーズ
SH-PG1 Pearly Gatesは……
・基音や低次倍音の出力が高く豪快なアタック感を備える
・中高音の倍音が濃密で滑らかなミッドハイを強調する響き
・非整数倍音が全帯域で少なく音の分離が非常に良い

いぶし銀な荒っぽさと甘やかに響く中高音のハーモニクス、相反する要素の二刀流だね!

SH-PG1 Pearly Gatesのクリーン音質をSH-1 59 Modelと比較!
続いて倍音計測と同じセッティングを保ったまま、各モデルの周波数特性を解析です。
SH-PG1のクリーンはトーンチャートに近い値を示しますが、想像よりも高音が少し控えめとなっています。500~1kHz付近はSH-1より気持ち高めで、1k~5kHzはSH-1を圧倒するほどの特性です。

中音に焦点を当てつつ、派手な中高音が強調されたサウンドが生き生きと輝きを放ちます。続く5kHz以降はSH-1を下回るため、耳に刺さり過ぎないフワっとした空気のような軽さを伴う高音です。
低音はSH-1と同じ6設定ですが100~200HzがSH-1より強く、100Hz以下は弱いという特殊なローエンドを形成します。強い箇所と弱い箇所が内包する、スポンジのような弾性を感じさせる独特な低音です。
SH-1のクリーン音質
SH-1は中音3設定の通り、300~3kHzにかけてなだらかな谷間となる波形を形成します。中音をスクープした特性が、結果的に全体の出力を均等にしてコンプ感を強めている模様です。

中高音は2.5kHz付近の出力がSH-PG1より伸びない反面、6kHz付近の高音に鋭いピークが存在します。高音のきめ細かさが前に出やすく、解像度の高いブライトなトップエンドを構築です。
SH-PG1 Pearly Gatesのオーバードライブ音質をSH-1 59 Modelと比較!
最後にアンプを深く歪ませて、オーバードライブ時の周波数特性を比較していきます。
ドライブさせたSH-PG1はSH-1以上に芯が強くなり、火花が散るような倍音感が秀逸です。クリーンよりもレンジが広がるためか、中高音だけでなく高音寄りの倍音も伸びを感じます。

GAINに伴い低音の安定感も増していき、100~7kHzと広い帯域でSH-1の特性を上回りました。空間を切り抜けるような中音に、高音の鋭いスピード感が加味された『荒甘トーン』が爆発です。
SH-1のオーバードライブ音質
SH-1はSH-PG1のオーバードライブよりも、中音がぽっかりと抜けた空洞的な歪みに変化します。低音の迫力はSH-PG1ほどではないものの安定しており、高音は7kHz以降の超高音域まで計測です。

重心の低いアタックが前面に出た後に、糸を引くような超高音の煌めきが広がります。両モデルで大きく異なる帯域は2k~4kHz付近ですが、それでも同じPAF系とは思えぬほど芯の異なるドライブを演出です。
各波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2kHz,3kHz,6kHz
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Seymour Duncan SH-PG1 Pearly Gates 音質解析 まとめ
1959年製PAF完全再現モデルとして、芯のあるサウンドと派手なハーモニクスを奏でます。クリーンでもドライブでも荒さと甘さの二面性を持ち、楽器本来のミッドレンジに活力を感じる程です。

繊細な明るさで『モダンPAF』を表現するSH-1に対し、SH-PG1は武骨なクリスピー感で『どPAF』を炸裂させます。ロックにテキサス・ブルース、カントリーにも順応する、ギターを丸ごとアンプから吐き出させるようなサウンドを堪能しましょう!
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SH-PG1b Pearly Gates (Bridge)
SH-PG1n Pearly Gates (Neck)
TB-PG1b Pearly Gates (Trembucker)
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