【イングヴェイ】Seymour Duncan STK-S10 レビュー!YJM Fury ってどんな音?【ダンカン解析】
👆 Seymour Duncan STK-S10 YJM Furyの音質データを解析!
目次
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Seymour Duncan STK-S10 YJM Fury イングヴェイシグネチャーの音を教えて💖
今回はSeymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、STK-S10 YJM Fury Strat のデータをご紹介です。YJM Fury Stratはその名の通り、イングヴェイJ.マルムスティーン氏のシグネチャーピックアップとなっています。
構造はシングルサイズのスタックタイプで、マグネットはアルニコ5を採用です。
直流抵抗値はブリッジ用が25.7kΩ、ミドル/ネック用は25.5kΩで設計されています。ダンカンのお家芸ともいえる、線径を細くして巻き数を増やす設計ですね。
非常に高い値を示していますが、出力自体はそこまで高くありません。出力の公表値はブリッジで3.1となっており、ミドル/ネックは2.1に留まります。
分類はVintageに近いMedium扱いにつき、超ハイパワー仕様という訳ではないのです。その実は表現力に優れた繊細なサウンドで、艶感の溢れる倍音傾向が印象に残ります。
基音の出力以上に、倍音の出力を重視しているとも考えられるでしょう。
イングヴェイを支えるシングルの音のようなスタックタイプ!
スタックタイプにつき極めてノイズレスですが、ハムバッカー感は強くありません。むしろその音色は、シングルコイルに寄せられているように感じます。
ポールピースはスタッガードを採用し、実質的にもシングルコイル感覚で音作り可能です。
サスティーンは伸びやかですが、減衰ポイントが明瞭でレスポンスに秀でています。故に滑らかなトーンを実現しつつ、高速フレーズにも柔軟に対応出来るのです。
STK-S10 YJM Furyはピッキングニュアンスの強弱に鋭敏!
またピッキングニュアンスに従順で、アタックの強弱に対して鋭敏に反応します。唯一抵抗値の高さを感じるのが、このピッキングコントロールによる歪み具合ですね。
強いアタックはクリーンでも軽く歪むため、強弱がそのまま歪みと倍音量に直結します。ブリッジ用はこの傾向が顕著となる反面、パワフルなフレーズでも音が潰れにくいです。
激しさを『正しく明瞭に再現出来る音色』に、ある種の余裕を実感する事でしょう。本記事ではブリッジ用のSTK-S10bを使い、GAINによる周波数特性の変化を見ていきます。
公表データの確認:Seymour Duncan STK-S10 YJM Fury (イングヴェイシグネチャー)
ブランド:Seymour Duncan (セイモア・ダンカン)
モデル:YJM Fury Strat (Noiseless Strat Signature YJM Pickups)
型番:STK-S10b (ブリッジ用) / STK-S10n (ミドル,ネック用)
マグネット:アルニコ5 (Alnico 5)
直流抵抗値:25.7kΩ (b) / 25.5kΩ (n)
アウトプットタイプ:Medium
出 力:3.1 (b) / 2.2 (n)
トーンチャート:低音域 4 / 中音域 4 / 高音域 7
レゾナントピーク:6.48kHz (b) / 6.22kHz (n)
ピックアップカバー: White / Off-White / Black
ワイヤー:4芯シールド線 (4c Shielded)
Seymour Duncan STK-S10 倍音特性
まずはクリーントーンにおける、STK-S10の倍音特性を解析しました。
偶数次と奇数次倍音のバランスが良く、低次から高次倍音まで波形が途切れません。アタックだけでも倍音を実感出来る、リッチトーンと称するに相応しい響き方ですね。
非整数倍音も少なく、低次倍音が基音とほぼ同等以上の出力を保ちます。つまりピッキングニュアンスのみで、全体的な倍音をコントロールする事が可能です。
1人で複数のギターを同時に鳴らすような臨場感は、驚異的な中毒性を弾き手に与えます。
音痴なギターに超シビア!
その分ピッチが少しズレだけで情けない響きになるため、超上級者向きの倍音特性です。ナットやフレット、ブリッジのフローティング等、総合的な調整も必要になります。
調整されたギターと弾き手の腕が伴う事で、真価を発揮出来るモデルと言えるでしょう。
ナットとフレットの他、オクターブ(※)は弾き手の手癖も考慮してピッチが合うように調整しよう
※例えば5-6弦ハイフレットの使用頻度が低い場合、5-6弦調整位置を12Fに拘らないでも良い
倍音特性波形の周波数目安
灰色の線が基音(D3)の146.832Hz 偶数次倍音:第2倍音(293.664Hz)、第4倍音(587.328Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(440.496Hz)、第5倍音(734.16Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
Seymour Duncan STK-S10 クリーントーンの音質解析&レビュー!
続いて倍音計測の設定のまま、標準的ストロークでは歪まないクリーンの音を解析です。トーンは低音側から4,4,7の設計とあり、同ブランドのSSL-5と非常に似ています。
設計上出力と低音はSSL-5の方が上で、レゾナントピークはSTK-S10bの方が高音寄りです。しかしクリーンの計測結果では、STK-S10bの低音がやや強く出力されていました。
レゾナントピークが分かりやすく、6k~9kHzにかけて大きな山を形成しています。
参考:SSL-5 解析データ
Seymour Duncan STK-S10 クランチの音質解析&レビュー!
クランチの波形はほぼSSL-5と同等で、低音域側は300Hz付近に集中です。そして500Hzから5kHzにかけて大きな谷を作らず、なだらかに減衰していきます。
クリーンで存在した6kHz付近の谷も無くなり、滑らかでシルキーなトーン傾向ですね。谷が減少した事で音色の艶が倍増し、サスティーンの飽和感がナチュラルに響きます。
Seymour Duncan STK-S10 オーバードライブの音質解析&レビュー!
歪みを更に深くすると、シングル構造のSSL-5と高音域のハリが明確に変化です。
SSL-5が爆ぜるような高音域に対し、STK-S10bは適度に主張を抑えた上品さを感じます。150~200Hz付近はSTK-S10bの方が若干強く、ミッドハイ以降はSSL-5の方が強烈です。
同じ高音域7の設計でも、スタック構造かつノイズレスな本品は高音に丸みがあります。何よりもSTK-S10bはSSL-5より歪みが細やかで、耳に刺さらないバランス感が秀逸です。
分かりにくい例えをすると、STK-10が絹豆腐でSSL-5は木綿豆腐といった塩梅でしょうか
各波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2kHz,3kHz,6kHz
Seymour Duncan STK-S10 YJM Fury イングヴェイシグネチャー 音質解析&レビュー まとめ
SSL-5に近いシングル系のトーンを備えつつ、上質なきめ細やかさは他に類を見ません。開発期間が長かったのも頷ける、洗練されたサウンドと高い表現力を併せ持ちます。
フィンガリングとピッキングが音に直結する響きは、まさに指がエフェクター状態です。抵抗値の高さに先入観を持たず、肉体と愛機を一体化させて本モデルを制しましょう!
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