【鈴鳴特許】Seymour Duncan STK-S4 レビュー!Classic Stack Plus Stratの音が知りたい!【ダンカン】
👆 Seymour Duncan STK-S4 Classic Stack Plus Strat の音質を解析!
目次
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Seymour Duncan STK-S4 Classic Stack Plus Strat の話の前に……ストラトのノイズと鈴鳴り音の関係
うおおおおおおおおおおおお!!!
シングルコイルのノイズがうるせぇええええええええええ!!!
スタンダードな構成のストラト使いにとって、何度も頭を悩ませるのがノイズ問題です。シングルコイルは構造上ノイズが乗りやすく、ある程度低雑音化対策が必要となります。
しかしながらシングルコイルの魅力といえば、何といっても鈴鳴りと称される美しいサウンドです。
シャリンと響く壮麗なベルトーンは、ストラトをストラトたらしめる大きな要素だと感じます。肝となるのは中高音域から高音域にかけての伸びの良さと、一定水準以上となる低音域の力感です。
これらの要素がストラトのS-S-S配列とマッチする事で、より美しい鈴鳴りを奏でる事が出来るようになります。
困った事にこれらの肝となる帯域は、ギターのホワイトノイズの帯域とモロ被りです。例えばボディザグリのシールド処理に代表されるノイズ対策を施した場合、確かに高音域や低音域の雑音がグっと減少します。
ですが古典的なシールド処理は万能ではなく、ノイズ成分だけを検出して除去してくれる訳ではありません。
ノイズ成分と重なる周波数の出力がある場合は、付随してその帯域を減衰させる事になるのです。具体的に周波数で言うのであれば、ギターのホワイトノイズは主に800~6kHzに集中しています。ノ
イズ対策後はこの帯域付近のノイズレベルが一気に減衰しますが、帯域が被っている箇所のギターサウンドも出力が低下です。
端的に言えば800~6kHzにかけて、万遍なく微弱したギターサウンドに変化してしまいます。
この帯域の減衰は出力の低いピックアップでは死活問題になる事も多く、とりわけ高音域の輪郭が丸みを帯びやすくなる傾向です。
故にストラトのノイズ対策後は、対策前と比較して鈴鳴り感が損なわれる結果となります。ストレスフリーなノイズ減を選ぶか、はたまたある程度妥協して鈴鳴りを諦めるか……。
言わずもがな、ストラト使いの願いは『ノイズを減らしつつ鈴鳴りを諦めない』の一択でしょう。
Seymour Duncan STK-S4 Classic Stack Plus Strat 鈴鳴りやまぬノイズレス!?
という訳で今回はSeymour Duncanより、STK-S4 Classic Stack Plus Stratをご紹介です。Classic Stackと銘打たれている通り、STK-S4はスタック構造のピックアップとなっています。
ですが他のスタックタイプが目的とする、太くて暖かいハムバッカーサウンドの実現が目的ではありません。
👆 STK-S4b Classic Stack Plus Bridge White
STK-S4はハムノイズを限界まで減らしつつ、シングルコイルの音を両立させる事を念頭に開発されました。
構造としては従来のシングルコイルをトップコイルとし、ノイズキャンセル用のボトムコイルをその下側に配備です。ボトムコイルは主となる音色に影響を与えるのではなく、マイナスのハムノイズを信号へ送り込む役割を担います。
80年代に特許を取得したこの特殊スタック構造により、美しい鈴鳴りと驚異的なローノイズ化を両立させたのです。出力はシングルコイルよりも微増する程度に留まるため、スタックタイプへ交換した際の違和感も控えめとなります。
シングルコイルのメリットを失わずにデメリットを解消できるという、まさに夢のようなピックアップだと言えるでしょう。
ブリッジ、ミドル、ネック用それぞれ完備!
STK-S4はS-S-Sレイアウトへの搭載を想定しているため、全ポジション用モデルを完備です。型番はブリッジ用がSTK-S4b、ミドル用がSTK-S4m、ネック用がSTK-S4nとなっています。
更にSTK-S4mはRW/RP(逆巻き/逆磁極)仕様につき、スプリットした際でもハーフトーンでハムキャンセルが可能です。
👆 STK-S4m RwRp Classic Stack Plus Middle Black
ちなみに店舗によってはSTK-S4mの型番ではなく、STK-S4 RWRPとして販売されている場合もあります(サウンドハウス等)。ポジションによるトーンチャートの変更はありませんが、STK-S4bのみ出力が高めの設定です。
👆 STK-S4n Classic Stack Plus Neck Cream
3つ揃いのセットで搭載するとバランス感が非常に良く、コンプリートセットアップとして公式でもプッシュされています。
本記事ではブリッジ用のSTK-S4bを使い、トーンチャートの近いSSL-1b(シングルコイル)と比較しつつ音質を解析です。
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比較対象となるSSL-1のデータはこちら!
公表データの確認:Seymour Duncan STK-S4 Classic Stack Plus Strat
ブランド:Seymour Duncan (セイモア・ダンカン)
モデル:Classic Stack Plus Strat (Vintage Voiced Noiseless Strat Pickups)
型番:STK-S4b / STK-S4m (※1) / STK-S4n
マグネット:アルニコ5
直流抵抗値:8.7kΩ (b) / 8.6kΩ (m) / 8.5kΩ (n)
アウトプットタイプ:Vintage
出 力: 4.1 (b) / 2.7 (m) / 2.6 (n)
トーンチャート:低音域 5 / 中音域 4 / 高音域 8
レゾナントピーク:5.20kHz (b) / 5.45kHz (m) / 5.70kHz (n)
弦間:0.414インチ
厚み:0.85インチ(ポールピース頂点から底面まで)※2
ワイヤー:3芯シールド (3 Conductor Shielded)
※1.STK-4mはRW/RP(逆巻き/逆磁極)仕様
※2.通常のシングルコイルより厚みがあるのでザグリの深さに注意(SSL-1は最大0.705インチ)
倍音特性 (D3/146.832Hz) をSTK-S4とSSL-1で比較!
STK-S4は基音の波形の山のすそ幅(横軸)が広く、出力(縦軸) は極僅かに低く計測されています。ところが80Hz付近を境として、重低音~低音の非整数倍音の値が減少傾向です。
倍音は低次倍音も高次倍音もシングルコイルに迫るほど芳醇なため、シングルコイルのような煌びやかな余韻が感じられます。アタック時に若干の丸みは残るものの、ハムバッカーのような野太さが排除された繊細な響きを再生です。
倍音特性波形の周波数目安
低音側を例にすると灰色の線が基音(D3)の146.832Hz 偶数次倍音:第2倍音(293.664Hz)、第4倍音(587.328Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(440.496Hz)、第5倍音(734.16Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
クリーンの音をSTK-S4とSSL-1で比較!
アンプのGAINを完全に下げて、標準ストロークでも歪まないように設定しています。軽くコードをつま弾いた響きは、ほぼステレオタイプ的なシングルコイルサウンドです。
空気中で爆ぜるような高音域の鋭さに、硬質なアタック音や低音域の芯も十分に感じられます。
気持ち高音域が伸びないと思う程度の体感で、少なくともハムバッカー感は皆無です。波形では中高音域と高音域の要所が一致しており、1k~3kHzの元気さと5kHzと8kHzのピークが鈴鳴りを再現しています。
シングルコイルの余分な高周波ノイズは解消され、それに伴い3~6kHz付近がSSL-1bよりも幾分控えめとなる傾向です。
10kHz以降は完全にカットされるので煌びやかさは一歩及びませんが、その分高音域のクリアさが際立って聞こえます。低音域側もハムノイズ減少の影響が大きく、200Hz以下はSSL-1よりも大幅に減衰です。
SSL-1bは低周波ノイズも音の一部として重低音が唸る感覚があるものの、STK-S4bは雑音的な余韻がなくスッキリしています。
クランチの音をSTK-S4とSSL-1で比較!
アンプを軽く歪ませると、両モデルがトーンチャートの設定通りの値に変化です。STK-S4bは依然としてノイズが全体的に少ないままで、ストレスフリーな演奏環境を構築してくれます。
音質はクリーンよりも中音域の力感がパワーアップし、SSL-1b以上に温かみと艶を感じるドライブです。
400~800HzはSTK-S4bの方が上回っており、極端に足を引っ張るデッドポイントもありません。中音域4の設定ですがドンシャリという訳ではなく、1.5k~3kHz付近の中高音域を圧縮したような波形となります。
4kHz以降はSSL-1bを若干絞った波形となるため、高音域8のSTK-S4bと高音域9のSSL-1bの差を実感出来る事でしょう。
低音域もハムキャンセルによる低周波ノイズのカットが効いていて、STK-S4bのローエンドは雑味が無く引き締まった質感です。一方SSL-1bはアタック音以外にも色々な雑音成分が感じられ、同じ低音域5の設定とは思えない程に低音の響きが賑やかとなります。
低音も高音もシングルコイルの再現度が高い反面、どうしてもナチュラルな表現力はSSL-1bが優位になるもしれませんね。
クリーン&オーバードライブ波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 黄線:2kHz,3kHz,6kHz
Seymour Duncan STK-S4 Classic Stack Plus Strat 音質解析まとめ
特許取得のスタック構造をフルに活用し、限界までシングルコイルの音色に迫ったモデルです。クリーン時の鈴鳴りの再現度の高さは目を見張るものがあり、歪ませてもノイズフリーなサウンドが約束されます。
スタックタイプにも関わらず、澄んだ高音域をムダな雑音無しで得られるのは他では得難い大きなアドバンテージです。STK-S4をセットでインストールする事で、ストラトの長所を失わずにノイズ面の悩みを一発で解消出来ます。
ヴィンテージ感溢れるベルトーンとノイズレスでホットなドライブは、必ずや奏者の引き出しを広げてくれるハズです!
🧠「うおおおおおおおおおおおお!!! Seymour Duncan STK-S4 Classic Stack Plus Strat でノイズにグッバイだあああああああああああ!!!!」
STK-S4b (ブリッジ用)
STK-S4m (ミドル用,逆巻き/逆磁極)
STK-S4n (ネック用)
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