【無理難題】Seymour Duncan STK-S7 レビュー!どれくらいワガママな要望に応えた音なのか徹底解説!
👆 Seymour Duncan STK-S7 Vintage Hot Stack Plus Strat レビュー!
目次
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Seymour Duncan STK-S7 Vintage Hot Stack Plus Strat 現代向きスタックタイプの音が知りたい!
本記事ではSeymour Duncan (セイモア・ダンカン) の後発モデルより、STK-S7 Vintage Hot Stack Plus Stratの音質を解析です。
STK-S7は特許取得のボトムコイルを備えた、ミドル出力型スタックタイプピックアップです。アルニコ5マグネットを搭載し、STK-S4に色々な要素をプラスした設計がなされています。
STK-S7の開発コンセプト
STK-S4はノイズを限界まで抑えつつ、シングルコイルの音色を目指したピックアップです。出力もヴィンテージシングルコイル相当で、美しい鈴鳴りは高い再現度を誇ります。
シングルコイルの持つ欠点を解消しつつ、長所も損なわないのがSTK-S4の魅力です。しかし全方位万能という訳ではなく、プレイスタイルによっては物足りなくも感じます。
ヴィンテージ系スタックタイプは物足りない?
例えばハイ上がりなシングルの音は、バンドサウンド内で埋もれやすい周波数特性です。ギターが主となる編成を除き、ある程度低~中音の主張がないとバランスが取れません。
SSL-5やSSL-6等はこうした要望に応え、低~中音の力感がアップされています。出力も向上しているため音の太さに存在感があり、高音の抜けも健在です。
STK-S7はスタックタイプとしてもう一歩踏み込み、『出力とノイズを抑えて低~中音を少し盛る』事が狙いとなっています。
ワガママな『音の無茶振り』に応えるSTK-S7!
STK-S4のコンセプトは革新的でしたが、STK-S7は更に上を行く『無茶振り』レベルです。
よし、時代と顧客のニーズに応えた新しいスタックタイプを開発するよ💖
ノイズとかクソいらないから限界まで減らして!
うんうん
スタックタイプでもシングルコイルの音が欲しい!
どんとこい
ヴィンテージ系は埋もれやすいからハイを残しつつローミッドをモダン風に!
え、まだあるの?
あ、そうそう忘れてた
…………
出力が高いとエフェクターの反応が悪くなるからあんまり上げないで
面倒くせーな、オイ💢
ヒーラー気取りかよ!?
それでもそんな無茶振りに、
対応出来てしまうのがダンカンのダンカンたる所以です。
STK-S7はヴィンテージ系スタックの要点を抑えつつ、トーンのみ『チョイ盛り』されています。Vintage Hot Stack Pluという名の通り、ヴィンテージスタックに少しだけ+αを加えたデザインなのです。
弾力のある高音域の粘りを残しながらも、サウンドのボトムが適度に強調されています。あえて力感を出し過ぎない事で、嘘くさくないナチュラルな音の存在感を実現しました。
ヴィンテージ以上モダン未満な設計が、これまでにないサウンドメイクの幅を提供です。シングルコイル本来の音を崩さずに、アンプやエフェクターの音も活かせるモデルと言えます。
数多の機材を複雑に組み込める現代において、STK-S7は大きな味方となるでしょう!
STK-S7は全ポジション対応!
STK-S4等とは異なり、STK-S7はポジション毎のモデル分けがなされておりません。
ブリッジ、ミドル、ネックを問わず、全てのポジションに1種類で対応可能です。配線もボトムコイルがノイズキャンセル専用なので、3芯シールドとなっています。
STK-S7導入前にザグリの深さをチェック!
スタックタイプの構造的な問題として、STK-S4などと同じくザグリの深さが鬼門です。例えばシングルコイルの代名詞でもあるSSL-1は、厚さが0.705インチとなっています。
一方STK-S7は0.85インチもあるため、単純計算でザグリの深さが1.2倍以上必要です。おまけに配線部が底面にあるので、実際には0.85インチ以上の深さが求められます。
近年隆盛を極める安ギターの場合ザグリが浅く、無加工では装着出来ない事が多いです。縦横のサイズはSTシングルと同等でも、ポン乗せ出来ないギターもあるとお考え下さい。
今回はヴィンテージ系のSTK-S4と比較しつつ、STK-S7の音質データを解析していきます!
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公表データの確認:Seymour Duncan STK-S7 Vintage Hot Stack Plus Strat
ブランド:Seymour Duncan ( セイモア・ダンカン )
モデル:Vintage Hot Stack Plus Strat (Noiseless Strat Pickups)
型番:STK-S7
マグネット:アルニコ5 (Alnico 5 Rods)
直流抵抗値:11.97kΩ
アウトプットタイプ:Medium
出 力:3.4
トーンチャート:低音域 7 / 中音域 5 / 高音域 5
レゾナントピーク:4.50kHz (Bridge)
弦間:0.414インチ (≒10.5mm)
厚み:0.85インチ(≒21.59mm / ポールピース頂点から底面まで)
ワイヤー:3芯シールドワイヤ― (3C Shielded)
STK-S7の倍音特性 (D3/146.832Hz) をSTK-S4と比較!
まずはクリーンセッティングのアンプを通して、STK-S7のD3倍音を計測です。全体的に倍音バランスが良好で、低次倍音も高次倍音もしっかり計測されています。
低音を強調したトーンのためか、基音以下の非整数倍音は若干STK-S4より強めです。それでも倍音間の非整数倍音が大幅に低く、コードも単音も音像がクッキリ際立ちます。
STK-S4の倍音特性
STK-S7の倍音特性と比べると、倍音間の非整数倍音がかなり大きい模様です。基音以下の非整数倍音の小ささに反し、各倍音は全域で枝毛状の波形となっています。
倍音と倍音の間の谷も浅く、歪みやエフェクターの反応自体はハムバッカー的傾向です。低~中音がSTK-S7よりも控えめにつき、第4~第10倍音もやや出力が小さくなっています。
STK-S4の音はシングルに近いけれど、複数機材を通すとハムっぽさが感じられるかもね
STK-S7はこの辺の弱点を解消しつつ、倍音特性の通り低~中音域をチョイ盛りして強化!
倍音特性波形の周波数目安
灰色の線が基音(D3)の146.832Hz 偶数次倍音:第2倍音(293.664Hz)、第4倍音(587.328Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(440.496Hz)、第5倍音(734.16Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
STK-S7のクリーン音質をSTK-S4と比較!
続いて倍音計測のクリーンセッティングを保ったまま、STK-S7の周波数特性を解析です。クリーンでジャランと鳴らして最初に感じた事として、高音の丸さが全面に出ています。
低音を強くしたというよりもハイを削り、低~中音が目立ちやすくなっている印象です。600~800Hzに音が集中する感覚で、単音でもコードでも音の芯がしっかりと聞こえます。
STK-S4のクリーン音質
STK-S4は300~800HzがSTK-S7よりも目立たない反面、他の帯域の主張が強いです。中高音以降はシングルコイル並に鋭く、1k~3kHz、5kHz、8kHzにピークがあります。
100~250HzもSTK-S7以上につき、高音の伸びと低音のアタックがほぼシングルコイルです。中音の抜けた空気感もシングルらしく、STK-S7とは真逆のトーンバランスを再生します。
クリーントーンのSTK-S7は、低音7相当の硬質さはそれほど感じられないかな?
STK-S7のクランチ音質をSTK-S4と比較!
アンプを軽く歪ませた状態で鳴らすと、STK-S7はトーンチャート通りの音に変化です。クリーンの時よりも300Hz以下の帯域が強力になり、サウンドのボトムを実感出来ます。
中~中高音は極端な谷間を作らずに、300~3kHz付近までほぼ同等の出力を維持です。高音はSTK-S4よりも少し削ったレベルに留まり、秀逸なバランス感を体現してくれます。
STK-S4のクランチ音質
大まかな波形はSTK-S7と一致していますが、低音がSTK-S7よりも強くありません。中音は500Hz付近のみSTK-S4が上回っているため、音の芯がSTK-S7以上に硬質な傾向です。
歪みの粒がワイルドなクランチで、ヴィンテージ系特有の粗挽き感があります。STK-S7は高次倍音がSTK-S4より広域で計測されている点も重なり、滑らかな歪み質です。
STK-S7のオーバードライブ音質をSTK-S4と比較!
最後にアンプを深く歪ませて、オーバードライブの音質を解析していきます。STK-S7はゲインを上げる程に、ローエンドの迫力がどんどん膨れ上がるイメージです。
クランチの時よりも300Hz以下が強力になり、尚且つ400Hz付近もパワフルに唸ります。1.2k~2kHzに小さな谷が出来る分、対照的に低音と高音が目立ち滑らな歪みを強調です。
STK-S4のオーバードライブ音質
中高音以降が総じて伸びやかで、鋭く鼓膜に切れ込むようなドライブを演出します。500~600Hz付近に小さな山がありますが、400Hz以下が大人しくハイ上がりです。
低音がそれほど歪まない雰囲気があるため、アタックのチャイム感が引き立ちます。サスティーンもあまり低音感がなく、STK-S7の低音チョイ足しが分かりやすいですね。
STK-S4のハイ上がりな歪みで浮いてしまうギターには、STK-S7のドライブが効果覿面!
各波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2kHz,3kHz,6kHz
Seymour Duncan STK-S7 Vintage Hot Stack Plus Strat 音質解析 まとめ
出力を抑えながらも低音を僅かに強化した音色が、現代の音楽シーンにマッチしています。エフェクターを多用しつつアンプ直の音も必要な場合など、優れた柔軟性を発揮です。
極端ではなく『ほんの少し』を合言葉に、痒い所に手が届く調整がなされています。ヴィンテージ系スタックの物足りなさを、ノイズレスかつ低出力で補えるピックアップです!
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