【中域爆発】Seymour Duncan STL-2 レビュー!Hot Tele Bridge でテレキャスの音が極太化!【解析】
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👆 Seymour Duncan STL-2 Hot Tele Bridge の音質を解析&レビュー!
目次
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Seymour Duncan STL-2 Hot Tele Bridge でテレキャスターの中音域をパワーアップ!
今回はSeymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、STL-2 Hot Tele Bridgeの音質データを解析です。Hot Teleはその名の通り、テレキャスター用のハイパワーピックアップとなっています。
通常テレキャスは中高音~高音が主張しやすく、シャギーでラフな音色が魅力の一つです。一方低音寄りの中音域は目立ちにくいため、芯の太い音が再現し難い傾向にあります。
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うおおおおおおおおおおおおおお!!!!
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テレキャスターをクッソぶっといサウンドで掻き鳴らしてぇええええええええ!!!!
といった具合に、音の太さと中音域のレスポンス向上を望む声が多いのも事実です。そこで開発されたのがHot Teleで、一般的なテレ用PUよりも太く力強い音を実現します。
Hot Teleはブリッジ用がSTL-2、ネック用がSTR-2としてラインナップです。本記事ではブリッジ用のSTL-2に焦点を当て、その潜在能力を詳しく紐解いていきます。
STL-2 Hot Tele Bridgeを支える高出力コイル&ボトムプレートレス構造!
STL-2は高音をマイルドにしつつ、中音のアタック感と出力を倍増させた設計です。出力に関しては同ブランドのSTL-1と比較して、実に2倍以上の値を叩きだしています。
その秘密は2つあり、まずはオーバーワインドによる高出力コイルの採用です。
純粋な巻き数を増やす事で、ハムバッカーのように切り込む出力を獲得しています。更にSTL-2の裏面には、テレ用で標準搭載されているボトムプレートが存在しません。
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ボトムプレートレス構造により、低~中音域の太く確かな力感が体現出来るのです。テレキャスとは思えぬほど筋肉質な音故に、ストラト的なシングルコイルの響きに近いと言えます。
ただしボトムプレートレスという事は、通常の配線ではブリッジアースが機能しません。別途ブリッジアースが必要につき、事前に搭載予定機の配線を確認しておきましょう。
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ちなみに2010年代頃まで、STL-2はHot Tele BridgeではなくHot Tele Lead表記でした。
※一部販売店では現在もLead表記のまま販売されているため注意
STL-2 Hot Tele Bridgeは中間タップモデルも完備!
STL-2はハムバッカーではありませんが、受注生産のタップ対応モデルSTL-2tが購入可能です。俗に言う中間タップ(ハーフターン)を採用しており、巻き数の中間付近で出力可能となっています。
タップ時はヴィンテージ系出力となるので、2系統のサウンドが一台で楽しめるのです。高出力と低出力を併用したいプレーヤーにとっては、まさに最良の選択肢となります。
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次項からは標準仕様のSTL-2を使い、倍音や周波数の解析結果を交えつつレビューです。
参考記事
» 【精密レビュー】Seymour Duncan STL-1 Vintage ’54 Tele 伝統的テレキャスターの音を再現!
データの比較対象に使うSTL-1の解析結果はコチラの記事でチェック!
公表データの確認:Seymour Duncan STL-2 Hot Tele Bridge
ブランド:Seymour Duncan ( セイモア・ダンカン )
モデル:Hot Tele Bridge (High Output Tele Pickups)
型番:STL-2 / STL-2t (タップ対応モデル)
マグネット:アルニコ5 (Alnico 5 Rods)
直流抵抗値:16.2kΩ / 7.40kΩ (タップ)
アウトプットタイプ:Medium
出 力:5.5
トーンチャート:低音域 5 / 中音域 6 / 高音域 5
ワイヤー:PVC Lead Wire
レゾナントピーク:5.00kHz / 8.20kHz (タップ)
推奨ボディ材:バランスの取れたトーン持つギター全般、またはパーツ構成であればOK
推奨指板材:メイプル指板、またはローズウッド指板
Seymour Duncan STL-2 Hot Tele Bridgeの倍音特性 (C3:130.813Hz)
最初はアンプをクリーンにセットした状態で、STL-2のC3倍音を計測しました。
テレキャスターの標準的倍音傾向と比べると、高次倍音が控えめに計測されています。倍音が計測された帯域と出力が共に絞られ、全体的に高音域がまろやかな響きです。
![Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) STL-2 Hot Tele Bridge 倍音特性 (C3:130.813Hz)](https://guitar-ijiri.com/wp-content/uploads/2022/08/20220826-Seymour-Duncan-Hot-Tele-Pickup-_-Bridge-C3倍音特性.png)
対して低音域側の非整数倍音が多く計測されており、重めの空気感が加味されています。ボトムプレートレスでシールド効果が薄い点に加え、コイルの出力が高い事が要因です。
音程自体は感じない成分ですが、低~中音域の荒ぶる力感に一役買っています。
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なんかこう、低音がゴーーーーッてくる感じ
TL型では強めに計測されやすい第18~20倍音付近に関しても、主張が強くありません。STL-1では第19倍音(2.485kHz)前後が突出しているのに対し、STL-2は2/3程の出力です。
![Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) STL-2 Hot Tele Bridge & STL-1 第19倍音 比較](https://guitar-ijiri.com/wp-content/uploads/2022/08/20220826-Seymour-Duncan-STL-1-Vintage-54-Tele-C3-倍音特性.png)
そのためアタック感はそこまで鋭くなく、低次倍音が主張しやすい音色を形成します。しかし高次倍音が控えめといっても、3k~6kHz付近は一定レベル以上の倍音を計測です。
![](https://guitar-ijiri.com/wp-content/uploads/2022/08/20220826-Seymour-Duncan-STL-2-STL-1-C3倍音特性-第19倍音.png)
あくまでTL型としては控えめなだけで、ギターとしてならば十分な高次倍音となります。高音域のレスポンスは良好につき、極端に籠るような音色ではないとお考え下さい。
文字通り、テレキャスターが筋肉質になったような音の迫力を実感出来る事でしょう。
倍音特性波形の周波数目安
左端の山(中央灰色線)が基音のC3(130.813Hz) 偶数次倍音:第2倍音(261.626Hz)、第4倍音(523.252Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(392.439Hz)、第5倍音(654.065Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
クリーンのSeymour Duncan STL-2 Hot Tele Bridgeはこんな音!
続いて倍音の計測環境を保ったまま、クリーンなセッティングの周波数特性を解析です。
やはり一般的なテレキャスターと比べて、低~中音域の力感が浮き彫りとなりました。テレキャスターは台形状の波形を計測しやすく、2k~3k付近にピークが存在します。
![Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) STL-2 Hot Tele Bridge クリーン 音質解析 周波数特性](https://guitar-ijiri.com/wp-content/uploads/2022/08/20220826-Seymour-Duncan-Hot-Tele-Pickup-_-Bridge-クリーン-周波数特性.png)
2k~3k付近のピークはテレキャスのアタックと鋭さを左右する、重要な要素の一つです。この値が高いと中高音のスパンキーさが増し、テレキャスらしい音色を形成します。
STL-2は2k~3kのピークが標準より低いため、中高音に角がなく丸みのあるアタックです。
![Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) STL-1 クリーン 音質解析 周波数特性](https://guitar-ijiri.com/wp-content/uploads/2022/08/20220826-STL-1-クリーン-周波数特性.png)
対照的に低音域と中音域がパワフルで、2kHz前後を除いて谷間がほとんどありません。1.7kHz以下に関しては、全ての帯域でSTL-1よりも圧倒的に高い値を計測しています。
![Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) STL-2 Hot Tele Bridge クリーン 音質解析 周波数特性 STL-1 比較波形](https://guitar-ijiri.com/wp-content/uploads/2022/08/20220826-Seymour-Duncan-STL-2-STL-1-クリーン-周波数特性-比較.png)
低~中音の爆発力と大人しい中高音のピークが、骨太なサウンドを構築しているのです。テレキャスのニュアンスを程よく保ちつつ、アグレッシブなリードトーンを再現します。
オーバードライブのSeymour Duncan STL-2 Hot Tele Bridge はこんな音!
最後にアンプを深く歪ませてみると、クリーンの波形程の大きな差が無くなりました。
ですが依然としてSTL-2は低~中音域が強く、重心のしっかりしたドライブです。ロングトーンでコードを鳴らした際は、ハムバッカーに近いキレの良さを実感出来ます。
![Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) STL-2 Hot Tele Bridge オーバードライブ 音質解析 周波数特性](https://guitar-ijiri.com/wp-content/uploads/2022/08/20220826-Seymour-Duncan-Hot-Tele-Pickup-_-Bridge-オーバードライブ-周波数特性.png)
低音弦の歪み方もハムバッカーに近いものがあり、テレキャス特有の軽さがありません。
ところがブラッシングで弦を掻きむしると、しっかりとテレキャスの鋭さが飛び出すのです。テレらしさと太さのバランス感が良好で、痒い所に手が届くサウンドが作れますね。
![Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) STL-1 オーバードライブ 音質解析 周波数特性](https://guitar-ijiri.com/wp-content/uploads/2022/08/20220826-STL-1-オーバードライブ-周波数特性.png)
STL-1のオーバードライブ波形と比較した場合、1.2kHz付近で互いの特性が逆転です。~1.2kHzまではSTL-2の出力が高めとなっており、1.2kHz以降はSTL-1が上手となります。
出力の高さから歪みやすく、意外にも9kHz以降で再度STL-2の特性が上回る箇所もありました。
![](https://guitar-ijiri.com/wp-content/uploads/2022/02/DSC_20220212-123.jpg)
言わずもがな、こいつぁハムバッカー並に歪むぜ!
それでも総合的にはSTL-1の方が高音域は勝っており、低~中音域はSTL-2の圧勝です。400Hz前後の力感も然る事ながら、100Hz付近の存在感も音の太さを後押ししています。
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
Seymour Duncan STL-2 Hot Tele Bridge 音質解析&レビュー まとめ
![Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) STL-2 Hot Tele Bridge 音質解析&レビュー まとめ](https://guitar-ijiri.com/wp-content/uploads/2022/08/20220826-Seymour-Duncan-STL-2-Hot-Tele-Bridge-sub.jpg)
強力なローエンドの迫力が、テレキャスの限界を超えた力感を与えるピックアップです。高音域を極端に犠牲にしない調整が秀逸で、太くてもテレキャスらしさを失いません。
テレキャスでドライブ感を演出したいプレーヤーには、欠かせない一台となるでしょう。筋肉隆々な逞しいリードが素晴らしく、バンド内で埋もれないサウンドを奏でることが出来ます!
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🏃💨 Seymour Duncan STL-2 Hot Tele Bridge でマッチョな音を目指す💪🧠
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Seymour Duncan STL-2 (標準仕様)
Seymour Duncan STL-2t (タップ仕様)
STR-2 Hot Tele Neck (ネック用)
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