【54年製再現】Seymour Duncan STR-1 レビュー!ヴィンテージテレキャスターはどんな音?
👆 Seymour Duncan STR-1 Vintage Tele Rhythmの音質を解析&レビュー!
目次
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Seymour Duncan STR-1 Vintage Tele 1954年製テレキャスターの音を体験したい!
本記事ではSeymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、STR-1 Vintage Teleの音質データを解析です。STR-1はSTL-1と同じく、1954年製テレキャスター搭載のピックアップを再現しています。
そのサウンドは暖かな低音域に加え、キラっと広がる高音域の空気感が特徴です。出力はヴィンテージ再現モデルらしく、ダンカン製品の中でも低く設定されています。
STR-1は市販PUの中では最もオリジナルに近い事もあり、多くのTLタイプに採用です。FgN(FUJIGEN)のフジゲン流テレを中心に、国内でも古くから高い搭載率を誇ります。
STR-1 Vintage Teleは素材と製法もオリジナル遵守!
STR-1の再現度はサウンドのみならず、素材や製法に至るまで細部まで精密に再現です。マグネットのアルニコ5は手磨きされており、ボビンは加硫繊維(NVF社のForbon)を採用しています。
ボビンの組み上げは手作業で行われ、ワインド前のラッカー塗布も忘れておりません。経年変化に弱い加硫繊維は、ラッカーによって長期間安定した状態を保つ事が可能です。
テレキャスターネックピックアップの象徴である、クロームメッキの真鍮カバーも深絞り加工が施されています。配線材はプッシュバック式クロスワイヤーを搭載し、ワックスポッティングも実施です。
組み立て工程を自動化することなく、今に至るまでその伝統を受け継いでいます。
STR-1 Vintage Teleとブリッジピックアップのマッチング
STR-1は出力の低さから、ブリッジ側もヴィンテージ出力モデルとのセットを推奨です。とは言え選択肢はほとんどなく、公式セットアップもSTL-1かSTL-1bの二択となります。
STL-1はSTR-1と同一個体のテレキャスが元に設計されているため、組み合わせ候補筆頭です。STL-1bは1950年製ブロードキャスター再現モデルで、荒々しいヴィンテージ感をSTR-1が上手く補います。
現行のモダン系モデルは出力差が鬼門となり、組み合わせるのが難しいかもしれません。STR-1単体での導入ではなく、ブリッジ側とセットで交換をした方が良いとお考え下さい。
今回はSTR-1をダイレクトマウントし、倍音や周波数特性の変化を計測しました。
公表データの確認:Seymour Duncan STR-1 Vintage Tele Rhythm
ブランド:Seymour Duncan ( セイモア・ダンカン )
モデル:Vintage Tele (Classic Output Tele Pickup)
型番:STR-1 (Neck / Rhythm)
マグネット:アルニコ5 (Alnico 5)
直流抵抗値:7.6kΩ
アウトプットタイプ:Vintage
出 力:1.4
トーンチャート:低音域 5 / 中音域 3 / 高音域 5
レゾナントピーク:8.00kHz
ワイヤー:クロスワイヤー (Cloth Push-Back)
STR-1 Vintage Tele Rhythmの倍音特性 (E2/82.407Hz)
まずはアンプをクリーンにセットした状態で、STR-1のE2開放弦の倍音特性を計測です。
出力の低さを物語るように基音が低く、全体的に倍音の出力の方が高い傾向にあります。高次倍音も基音に近い出力となるため、テレキャスネックPU固有のアタックを演出です。
弦を弾く瞬間にミョンと跳ねるような、パーカッシブな響き方に空気感が溢れます。この空気感は芳醇な倍音に反し基音が弱い事が要因で、音の中心が空洞になる印象です。
4kHz以降の倍音はカバーのシールド効果で控えめとなり、滑らかな高音を後押しします。
倍音特性波形の周波数目安
左端の山(中央灰色線)が基音82.407Hz
偶数次倍音:第2倍音(164.814Hz)、第4倍音(329.628Hz)……
→ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も
奇数次倍音:第3倍音(247.221Hz)、第5倍音(412.035Hz)……
→金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き
非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
クリーンのSTR-1 Vintage Tele Rhythmはこんな音!
続いて倍音の計測環境を保ったまま、クリーントーンにおける周波数特性を解析です。低音5、中音3、高音5という設定そのままの音に近く、低音と高音が良く出ています。
低音は300Hzを頂点としつつ、200Hz付近にも小さなピークがあるのが特徴です。基音の弱いアタック感に影響されて、低音弦の低次倍音が200Hz付近に集中したと考えられます。
この基音の弱さはほぼ全帯域に影響し、500Hzや800Hzなど小さな山が随所に出現です。中音は600~2kHzまで低い値を保ち、2k~3kHzにかけて爆発的なピークを構築します。
テレキャス独自の中高音の鋭さはネックでも健在で、チキンピッキング奏法に最適です。
オーバードライブのSTR-1 Vintage Tele Rhythmはこんな音!
アンプを深く歪ませると、大まかなトーン傾向を保ちつつ高音のレンジが広がります。トーンチャートの特性がより色濃くなり、明確に低音5、中音3、高音5の音色に変化です。
中音はクリーンよりコンプレッションが強く、600~2kHzの出力がフラットになります。2k~3kHzのピークもなだらかに変化し、相対的に変化の少ない低音の暖かみを強調です。
高音は4k~5kHz、6k~7kHz、7kHz以降の3段階に集中しており、一層空気感がアップしています。4kHz以下が主となる音の塊とすると、そこから少し離れた空間に高音が輝く雰囲気です。
高次倍音がキラっと拡散する感覚があるため、リズムプレイ時のアクセントになります。
各波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2kHz,3kHz,6kHz
Seymour Duncan STR-1 Vintage Tele Rhythm 音質解析&レビュー まとめ
伝統的な製法を遵守しつつ、ハイレベルなサウンドの再現度を誇る54年モデルです。暖かな低音と開放的な高音のバランス感が秀逸で、古き良き時代の香りに満ちています。
ヴィンテージ系テレキャスターブリッジPUとの相性は頗る良く、STL-1やSTL-1bとのセットで真価を発揮です。ブリッジPUの不得手な低音域をカバー出来るため、最良のトーンバランスが得られます!
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