【ハイブリッド】Seymour Duncan STR52-1 レビュー!アルニコ5&2でテレキャスオールラウンド化!
👆 Seymour Duncan STR52-1 Five-Two Tele Neck をレビュー!
目次
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Seymour Duncan STR52-1 Five-Two Tele Neck 2種のアルニコが織りなす万能サウンド!
今回は Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、 STR52-1 Five-Two Tele Neckをご紹介いたします。STR52-1はナッシュビルのスタジオミュージシャン向けに開発された、実戦向けのテレキャスターネック用ピックアップです。
以前取上げたSTL52-1のネックモデルに該当する、ハイブリッド・コンビネーション・マグネット採用シングルコイルとなります。2種のアルニコマグネットを同時に搭載することで、各マグネットの長所を融合した万能なサウンドを実現です。
STR52-1は低音弦アルニコ5&高音弦アルニコ2搭載!
STR52-1の低音弦側 (E、A、D) はアルニコ5を搭載し、テレキャスターらしい鋭いアタックとキレの良さが味わえます。中音の適度な太さと明瞭さを保ちつつ、トゥワンギーな爆ぜ具合やダイナミクスが損なわれておりません。
高音弦側 (G、B、E) はアルニコ2が使用されており、耳に刺さるようなブライトさを抑えた滑らかな高音のレスポンスです。アルニコ5よりも磁力が低く弦を引っ張る力が弱いため、弦振動を損なわぬナチュラルなサスティーンも魅力となります。
STR52-1はブリッジ用STL52-1に対して逆巻き逆磁極仕様!
ピックアップ本体に使用されている素材は基本的にSTL52-1と共通で、昔ながらの素材と製法を遵守です。直径0.187インチで設計されたポールピースに、NVF社のForbon (加硫繊維) にラッカー塗布を行ったボビンが使われています。
配線材はワックス加工を施した布製フックアップ・ワイヤーを用い、深絞り加工が施されたブラスカバーを装備です。STR52-1はSTL52-1に対してRW/RP(逆巻き/逆磁極)仕様につき、両モデルをセットで使うことでハムキャンセル効果が得られます。
なお例外的にD’Angelico Deluxe Bedford SHはミドルにSTR52-1 (RW/RP) を、ネックにSTR52-1 (Non-RW/RP) を搭載です。STR52-1 (Non-RW/RP) はレギュラーラインに存在しないため、通常は特に記載がなくともRW/RP仕様になるとお考え願います。
本記事ではSTR52-1のサウンドを掘り下げるべく、アルニコ5を搭載したSTR-1と比較検証を実施です。倍音特性やゲインによる周波数特性を調べつつ、ハイブリッド・コンビネーション・マグネットの性能を浮き彫りにしていきます。
比較対象となるSTR-1のレビューもチェック!
ブリッジ用 STL52-1 Five-Two Tele Bridge のレビューはコチラ!
公表データの確認:Seymour Duncan STR52-1 Five-Two Tele Neck
公表データの確認:Seymour Duncan STR52-1 Five-Two Tele Neck
ブランド:Seymour Duncan (セイモア・ダンカン)
モデル:Five-Two Tele Neck (Classic Tele Pickups)
型番:STR52-1
マグネット:アルニコ2 & アルニコ5 (Alnico II & V Rods Hybrid)
直流抵抗値:8.0kΩ
アウトプットタイプ:Vintage
出 力:3.9
トーンチャート:低音域 6 / 中音域 4 / 高音域 4
レゾナントピーク:10kHz
ワイヤー:Cloth Push-Back
※RW/RP(逆巻き/逆磁極)仕様
STR52-1の低音弦 E2倍音特性 (E2/82.407Hz)
まずはクリーンにセットしたアンプを通して、STR52-1のE2倍音 (6弦開放) を解析です。
低音弦側の基音や低次倍音の構成はSTR-1に非常に近く、全体的に倍音の出力 (縦軸) が高めとなっております。ほぼ全域で偶数次・奇数次を問わず倍音が芳醇で、同時に音程を伴わぬ非整数倍音も高めの値を計測です。
ただしSTR52-1は抵抗値が高く設計されているためか、1kHz付近以降の倍音がSTR-1よりもかなり大きな出力となっています。とりわけ2k~3kHzは差が大きいため、STR52-1はSTR-1よりも厚みのある中高音が印象的です。
倍音が計測された帯域 (横軸) もSTR-1以上につき、低音弦側はネック用でありながらキレのあるトーンを再生します。
E2倍音特性波形の周波数目安
左端の山(中央灰色線)が基音82.407Hz
偶数次倍音:第2倍音(164.814Hz)、第4倍音(329.628Hz)……
→ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も
奇数次倍音:第3倍音(247.221Hz)、第5倍音(412.035Hz)……
→金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き
非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
STR52-1の高音弦 A4倍音特性 (A4/440.000Hz)
続いてクリーンセッティングを保ったまま、STR52-1のA4倍音 (1弦5F) を解析です。
高音弦側は基音と倍音の出力が揃いやすい傾向で、基音~第7倍音までの出力差がそれほど大きくありません。故に丸みを帯びたコンプレッション感を内包しており、高音のレスポンスが甘やかとなります。
STR-1は2k~7kHzにかけてSTR52-1よりも高い出力を記録しているため、鼓膜を攻めるような中高~高音の煌びやかさです。基音と倍音の出力も適度に揃っておらず、テレキャスター固有の荒さとダイナミクスを活かしたプレイに向きます。
これらの結果からSTR52-1はタイトでキレのある低音弦の響きと、ソフトで柔らかな高音弦の響きを同時に備えた倍音特性だと言えそうです。
E2倍音特性波形の周波数目安
左端の山(中央灰色線)が基音440.000Hz
偶数次倍音:第2倍音(880.000Hz)、第4倍音(1,760.000Hz)……
奇数次倍音:第3倍音(1,320.000Hz)、第5倍音(2,220.000Hz)……
STR52-1のクランチ周波数特性
最後にアンプのゲインを上げて軽く歪ませた、クランチにおける周波数特性を確認です。
STR52-1もSTR-1も倍音特性をそのまま反映しつつ、低~中音と高音が対照的な波形を形成しています。STR52-1は200Hz以下の低音と400~800Hz前後の中音が力強く、STR-1は3.5k~6kHzの高音が高めの値を計測です。
抵抗値の高いSTR52-1の方が幾分歪みやすいものの、やはり高音に少し引っ込むようなコンプレッションが加味されています。STR-1は高音が明るくチャイムのように輝きながらも、低音の存在感が控えめでスッキリした音像です。
歪ませた際もSTR52-1は存在感のある低~中音と滑らかで丸みのある高音を両立した、バランスの良いトーンを創出します。テレキャスター1本でステージに立つ際や、テレキャスターの高音の主張が気になる際に良い選択肢となる周波数特性です。
クランチ周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2kHz,3kHz,6kHz
Seymour Duncan STR52-1 Five-Two Tele Neck まとめ
STR52-1はアルニコ5とアルニコ2の長所を巧みに使い分けたことで、低音弦と高音弦のバランスを整えることに成功しています。タイトでハリのある低音弦の勢いはそのままに、荒ぶる高音弦を和らげたサウンドは扱いやすくオールラウンドに使える設計です。
鮮烈な高音こそテレキャスターの華という方には向かないものの、サウンドメイクしやすい万能さが弾き手の幅を広げてくれます。スタジオミュージシャン向けに開発された経緯も頷ける、従来のテレキャスターとは異なる可能性を見いだせるピックアップです!
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STR52-1 Five-Two Tele Neck (ネック用)
STL52-1 Five-Two Tele Bridge (ブリッジ用)
ストラトキャスター用 SSL52-1 Five-Two Strat のレビューもあるよ!
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