【高音爆伸】Seymour Duncan SVR-1 レビュー!Vintage Rails Stratの音の特徴を教えて!【ダンカン解析】
👆 Seymour Duncan SVR-1 Vintage Rails Strat をレビュー!
目次
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Seymour Duncan SVR-1 Vintage Rails Strat 伝統の音に迫るスプリットブレード!
今回はSeymour Duncanの中でも風変りな、SVR-1 Vintage Rails Stratをご紹介です。SVR-1の外観的特徴といえば、なんといってもスプリットブレード構造だと思います。一見するとブレード型のポールピースですが、中央で分断されている特殊な設計です。
👆 SVR-1b Vintage Rails Bridge Cream
更に異なるブレードを互い違いに搭載しつつ、パラレルワイヤリングを採用しています。故にハムノイズは驚異的に少なく、尚且つパラレル配線時の出音が実にブライトです。つまり本モデルの狙いはハムバッカーサウンドではなく、ノイズレスなヴィンテージシングルコイルの音となっています。
分類としてはシングルサイズハムバッカーではあるものの、そのサウンドはシングルコイルに肉薄するほどクリスピーです。ブレードタイプなのでチョーキング時に音切れしにくく、均一なレスポンスが得られる点も魅力的に感じます。
👆 SVR-1b Vintage Rails Bridge White
出力がもう少し欲しい場合はシリーズ配線にも対応し、ファットなリードトーンを再現する事が可能です。一方シングルサイズハムの定番であるコイルタップには向かないため、通常とは異なる配線バリエーションを楽しめると思います。
ていうかこのピックアップの見た目……
もしかしてもしかすると、伝説の武器なのでは?
ピックアップ選びで重要なのは、言わずもがな交換後の音色です。しかしルックスの独自性に脳汁が止まらなくなり、良く調べずに『凄い音が出るに違いない』と脊髄反射で購入した人も多いと推察します(1敗)。
管理人の伝説の武器信仰については、激安ピックアップレビューの第20~24回を見てネ!
オプションはブリッジ用とネック&ミドル用!
本品はブリッジマウント用としてSVR-1bを、ネック用にはSVR-1nをラインナップです。SVR-1nはミドルも兼用となっており、SVR-1bよりも若干出力が控えめとなっています。
👆 SVR-1n Vintage Rails Neck/Middle Black
巻き方向、磁気極性はどちらも共通で、シングルコイルモデルのようなRW/RP(逆巻き/逆磁極)オプションはありません。カバーカラーは標準で4色用意されていて、愛機のピックガードや好みに合わせて選択可能です。
レールカラーは旧バージョンではゴールド&クリーム仕様もあったのですが、現在はブラック&ニッケルとホワイト&ニッケルの2種になる模様でした(カバーカラー毎にレールカラーが決まっているため選択不可)。本記事ではSVR-1nをパラレル配線でネックにマウントし、トーン設定の近いシングルコイルのSSL-1nと比較していきましょう。
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比較対象となるSSL-1のデータはこちら!
公表データの確認:Seymour Duncan SVR-1 Vintage Rails Strat
周波数特性を見る前に、SVR-1のメーカー公表データやトーンチャートを掲載します。出力やレゾナントピークがbとnで異なるため、カッコ内にSVR-1nの値を表記です。
ブランド:Seymour Duncan (セイモア・ダンカン)
モデル:Vintage Rails Strat (Single Coil Sized Humbucker Pickups)
型番:SVR-1b / (SVR-1n)
マグネット:セラミック
直流抵抗値:2.9kΩ / (2.5kΩ)
アウトプットタイプ:Vintage
出 力:5.6 / (5.3)
トーンチャート:低音域 6 / 中音域 3 / 高音域 9
レゾナントピーク:7.80kHz / (8.50kHz)
弦間:フリー(スプリットブレードポールピース)
ワイヤー:4芯シールド (4 Conductor Shielded)
※SVR-1nはミドル兼用
クリーンの音をSVR-1とSSL-1で比較!
まずはアンプのGAINを完全に下げて、標準ストロークでも歪まないように設定です。SVR-1nのクリーンの感想ですが、物凄くチャキチャキ鳴るといった感じでしょうか。確かにシングルっぽい音色ではあるものの、ややデフォルメされた響きに聞こえます。
高音域の伸びが良すぎるのか、鈴鳴りがウリのSSL-1nが重く聞こえる程に軽い音色ですね。かといって鈴鳴り的な響きでもなく、よく聞くと低音はシングル以上の力感があります。周波数的には両者の中音域はほぼ同等で、低音域と高音域が大幅に異なる波形です。
音の重心はどちらも250Hz付近に集中し、SVR-1nは100~500Hz付近までしっかり出力されます。対してSSL-1は120~400Hz付近と範囲が絞られているため、アタックや音の芯の硬さはSVR-1nの方が強めです。加えてSVR-1nの高音域は4kHzを境目に爆発的な伸びを計測し、低音よりも高音の目立つ軽やかな音色を決定付けています。
※パラレルはホット同士とコールド同士を結線して配線する
やはりパラレル配線が肝になっているのか、シングルというよりはシングルのハーフトーンの響きに近いです。ローもハイもしっかり出ているのに、ミッドが詰まるような質感は特にハーフトーンらしいと思います。ノイズはSSL-1よりも大幅に減少していて、それでも高音がグっと伸びる特性は新感覚でした(※通常ハムバッカーはシールド処理で高音が弱くなる)。
クランチの音をSVR-1とSSL-1で比較!
続いて歪みをクランチ程度に設定すると、コイル構造の差が一層浮き彫りとなりました。SVR-1nはクリーン以上にハーフトーン感が強く、ほとんど歪まない中音域がとてもクリアです。アタックの瞬間高音域のみ歪むような体感で、サウンド的にもネックとミドルの中間的味付けとなります。
4kHz以降の高音域はクリーンの時よりも伸びが良い反面、600~3kHzと広範囲で中音域が控えめとなる傾向です。そのため歪ませる前は250Hzを頂点になだらかな坂状だった波形が、中音域にゆるやかな谷間を形成する波形に変化しています。SSL-1のクランチ波形と見比べると、依然として200Hz以下の低音域はSVR-1nの方が上手です。
高音域も5kHz以降はSVR-1nの方が比較にならない程強く、同じ高音域9の設計でもSSL-1以上にブライトに聞こえると思います。SVR-1nはこの高音域の強さにだけ歪みが集中しており、対照的にSSL-1は中音域も高音域もバランス良く歪む質感です。それによりSVR-1nのクリアなミッドレンジがコードワークで音の粒を保ち、メリハリの利いた表現力を演出してくれる事でしょう。
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
Seymour Duncan SVR-1 Vintage Rails Strat レビュー 音質解析まとめ
独自性の強いスプリットレールのルックスのみならず、サウンド面もオリジナリティが溢れています。ノイズレスなシングルコイルサウンドを実現すべく、ハーフトーン的な繊細さとパチンと響くスナップ感を両立です。
とりわけポジションを問わず、常にハーフトーンを掻き鳴らしたいプレーヤーはマストバイだと感じます。音の輪郭を失いにくいサウンドはコードワークやリズムプレイに最適で、ノイズの少なさも音作りの幅を広げてくれるハズです!
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🧠💦「うおおおおおおおおおおおお!!! Seymour Duncan SVR-1 Vintage Rails Strat は伝説の武器に違いねぇええええ!!!」
SVR-1b (ブリッジ用)
SVR-1n (ネック/ミドル用)
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