【音質解析】Vega-Trem レビュー!VT1 Ultra Trem standardはどんな音?【話題沸騰/評判/ヴェガトレム/VT2 Tele Trem情報有】
👆 評判上々な Vega-Trem VT1 Ultra Trem standard の音質解析&レビュー!
目次
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Vega-Trem VT1 Ultra Trem standardに交換した後の音が気になる!
近年国内ギタリストでも利用者が増えつつあるのが、Vega-Trem (ヴェガトレム) の誇る次世代トレモロブリッジ VT1 Ultra Trem です。
SNSなどで馴染み深いプレーヤーとしては、ケリーサイモン氏が2点止めタイプのVT1 Ultra Trem 2-points Goldを使用しています。
各楽器店は該当ブリッジを搭載したデモ機を配備の上で積極的なプロモーションを行うなど、今年の動向が気になるギターパーツの一つですね。
残念ながら本日4月1日の価格改定により販売価格が高騰しましたが、それでも当分の間はVega-Trem旋風が続くと予想されます。実際に利用者からの評判ではその類稀なるアーミング性能を推す声が多く、フロイドローズに憧れたストラト使いにとっては夢のような商品です。
VT1 Ultra Tremは6点支持型トレモロから交換が容易な『standard』に、先述したアメスタ等の2点支持からコンバートしやすい『2-points』が用意されています。ここで是が非でも気になるのは、評判のアーミング性能向上を度外視とした音質面の変化についてです。
本記事では標準的トレモロブリッジであるWilkinson m seriesを基準として、VT1 Ultra Trem standard交換後の音質変化を調べました。あくまで音質比較のみに焦点を置いた内容となりますので、予めご了承願います。
実際問題として、音質面に関しては売り手の言い分とユーザーの評判が一致していないのよね
Vega-Trem VT1 Ultra Trem standard インストール方法はコチラ!
寸法表
Vega-Trem VT1 Ultra Trem standard 倍音特性の比較 (E2/82.407Hz)
通常は比較の容易さからA2を使うのですが、今回は6弦開放音のE2倍音を採用しました。アンプはクリーンに設定し、低音側非整数倍音が分かりやすいようにネックポジションを選択です。
比較に差がでないようにブリッジはフローティングとし、スプリングは両ブリッジとも2本掛けでLow Tension(.009EXライトゲージ用)をセットしています。アームは使用しませんが装着した状態とし、ブリッジによる音の違いを浮き彫りにする狙いです。
1.Wilkinson m series 倍音特性波形
Wilkinsonの汎用モデルはスチールプレートに亜鉛ブロック、ステンレスサドルが採用される傾向にあります。2点支持モデルのWVS50IIKなどと外観や設計こそ異なりますが、各部位の素材構成自体はかなり近いです。倍音傾向は第2、第3倍音の他、高次倍音で基音よりも強い帯域が散見しています。
とりわけ第2、第3倍音の強さは、第一印象のハーモニック感を強調する要素です。また高次倍音の強さが音色に煌びやかさを加えていますが、第4倍音以降と高次倍音の間は倍音量は多いものの大きさは控えめとなります。アタックで倍音感が味わえる反面、サスティーンの余韻は落ち着いて聞こえるかもしれません。
2.Vega-Trem VT1 Ultra Trem standard 倍音特性波形
VT1 Ultra Trem standardはブロックが亜鉛製で、他の部位は全てステンレスの模様でした。倍音は全面的にコンプレッション感が出ており、どの帯域も突出した箇所がなく平均的です。第2倍音が基音より極僅かに出力が高いのみで、総じて没個性的な大きさの倍音となっています。
基音以下の非整数倍音が強いためか、低音側の余韻がフロイドローズの鳴り方に近いですね。基音と第二倍音の間に、やや強めの非整数倍音が発生する点もフロイドローズ的かもしれません。故に6点止めのトレモロサウンドと比べると、音程を感じない重めの空気感が若干含まれています(重低音が綺麗に出るという意味ではないので注意)。
ただし基音と各倍音の音量差が少なく整然としているため、アンプやエフェクターを使ったサウンドメイクはしやすいです。FRT成分の強い没個性的なトレモロサウンドとも捉えられますが、良く言えばまとまりのある平均的な響きだと思います。『高級品だから激鳴りに違いない!』という先入観は厳禁につき、店頭のデモ機では必ず『アーミングしない音』を冷静にご確認下さい。
倍音特性波形の周波数目安
左端の山(中央灰色線)が基音82.407Hz 偶数次倍音:第2倍音(164.814Hz)、第4倍音(329.628z)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(247.221Hz)、第5倍音(412.035Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
Vega-Trem VT1 Ultra Trem standard 周波数特性の比較 (クリーン)
続いて倍音計測時と同じ環境のまま、クリーンサウンドの周波数特性を確認です。
a.Wilkinson m series のクリーン波形
低音側は100~400Hz付近に集中しますが、150Hzと300Hzにそれぞれ同程度のピークがあります。低次倍音側の出力バランスさがそのまま波形に反映されており、200Hz付近にデッドポイントが出現です。とは言え総合的には出力が高めで元気が良く、ワイルドなクリーンを奏でてくれます。
b.Vega-Trem VT1 Ultra Trem standard のクリーン波形
生鳴りレベルでもギリギリ感じる要素として、やや音量が減少傾向にある様子です。波形では出力が交換前よりも-1dB程度低下しており、ほぼ全帯域の周波数特性も低下傾向にあります。しかしこちらも倍音のコンプレッション感が反映されて、低音域から高音域までの出力ムラが少ないです。帯域別では最大音量が低下する分アタック感や音の元気さに欠けるものの、粒が揃っているため体感的には音が前に出やすく感じられます。
軽いけど若干前に出てくる感じ
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
Vega-Trem VT1 Ultra Trem standard 周波数特性の比較 (ディストーション)
最後にアンプのゲインを上げて、歪ませた状態での周波数特性を確認です(周波数特性の目安位置も同じ)。
A.Wilkinson m series のディストーション波形
クリーンよりもローエンドの迫力が増し、100~400Hzにかけて高い特性を記録しています。クリーン時の倍音出力バランスの名残りと推測しますが、150Hzと400Hz付近では微妙に出力の下がる箇所がありました。ですが聴覚的にはほとんど気にならず、ムラの無い中音域と伸びやかな高音域がストラトらしい歪み方です。
B.Vega-Trem VT1 Ultra Trem standard のディストーション波形
倍音のコンプレッション感に歪みのコンプレッション感が重なり、中~高音域にかけて圧縮されたような波形となっています。聴覚的にも大人しく感じる中音域以降の帯域に対し、交換前は幾分低めだった150Hzと400Hz付近がモコっと強めに出力です。これまでの結果からVT1は出過ぎる箇所は控えめに、弱い箇所は強く出力される傾向で、キメの整った歪みの粒が味わえます。
裏を返せばコンプレッサー的な均一性が裏目となり、アタックが引っ込み気味になったり音の強弱がつけにくくなるかもしれません。コンプレッション感はアーミング時の出音バランスには効果的に作用するため、やはりアームで揺らがせてこそ本領を発揮出来る響きだと言えるでしょう!
ダンカンでいうところの、78 Model的な音の揺らぎや繋ぎを滑らかに魅せる傾向と言えるかもね
やっぱりこいつぁ、アーミングでウワンウワン唸らせてこそ華ってこったな!
🧠「うおおおおおおおおおおおお!!!今すぐ Vega-Trem VT1 Ultra Trem でアーミングしてえぇぇぇぇええええええええ!!!」
Vega-Trem VT1 Ultra Trem standard
Vega-Trem VT1 Ultra Trem 2-points
Vega-Trem VT1 Ultra Trem lefty
【追記】テレキャスター対応の Vega-Trem VT2 Tele Trem も好評発売中!
2023年3月20日より、テレキャスターにトレモロビブラートを搭載出来る VT2 Tele Trem が2タイプ発売開始となりました!VT2 Tele Trem Classicはその名の通り、クラシックタイプのテレキャスターブリッジに対応です。
Vega-Trem ( ヴェガトレム ) / VT2 Tele Trem Classic (71mm)
弦穴からブリッジピックアップのトップネジまで、71mmで設計されている場合はVT2 Tele Trem Classicを選択しましょう。
Vega-Trem ( ヴェガトレム ) / VT2 Tele Trem Modern (66mm)
VT2 Tele Trem Modernは、弦穴からブリッジピックアップのトップネジまで66mmのモダンタイプブリッジに対応します。いずれのモデルも弦裏通し穴6点を利用してスプリングを内蔵し、安定したチューニングとアーミング性能を実現します!
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