シングルサイズハムバッカーで色々遊びたい!PLAYTECH PEP-4 かんたん変化球的活用術!
※本記事は株式会社サウンドハウス様より、レビュー用製品の提供を受けて作成いたしました。
リード線が4芯仕様のシングルサイズハムバッカーといえば、配線アレンジを楽しめるのが大きな魅力です。コイルスプリットやシリーズ/パラレル切り替えなど、1基のみでも工夫次第で幅広いサウンドメイクが楽しめます。
ですが初めて4芯シングルサイズハムバッカーを手にした方にとっては、配線図を見ただけで頭がいっぱいになってしまうかもしれません。ピックアップは決して安価なパーツではないため、不手際で故障させてしまうのではないかと不安を感じる方も多いでしょう。
そういった方にこそオススメしたいのが、前回レビューした PLAYTECH PEP-4 シングルサイズハムバッカー です。PLAYTECH PEP-4はサウンド、品質、価格のバランスを高い次元でまとめ上げ、多くのプレイヤーが手に取りやすい販売価格を実現しています。
初めてのカスタマイズにも取り入れやすいため、必要以上に失敗を恐れることなく安心して作業に臨めるモデルなのです。今回はサウンドハウス提供のPLAYTECH PEP-4を使い、手軽に実践できるのに定番とはひと味違う『変化球的な活用術』をご紹介いたします。

すべてが万人におすすめできる使い方ではありませんが、PLAYTECH PEP-4なら「こんな遊び方もできるんだ」くらいの気持ちで楽しんでみてください。


気になるところだけつまみ食いするもよし!最初から最後までお付き合いいただくもよし!

PLAYTECH PEP-4で何ができるのか、気軽に遊びながら見ていきましょう!
目次
本日のギタいじはボリュームたっぷりなので気になる項目から読もう!ハジメマシテな君は『コチラ』をチェック!
- 本編の前に……サウンドハウスで配線の基本を学ぼう!
- 計測データの見方
- ポットの抵抗値を250kΩから500kΩへ交換してみよう!
- ハーフトーンを聴き比べてみよう!
- ハーフトーンのクワックを強化したい!
- ハーフトーンでブリッジとネックを同時に鳴らしたい!
- シングルサイズハムバッカーを3基同時に鳴らしたい!
- PLAYTECH PEP-4とDiMarzioのシングルサイズハムバッカーと比較してみよう!
- PLAYTECH PEP-4とフルサイズハムバッカーと比較してみよう!
- PLAYTECH PEP-4をフルサイズハムバッカーと交換したい!
- PLAYTECH PEP-4でドゥームメタルは弾けるのか!?(条件は問わないものとする)
- まとめ
- サウンドハウス関連リンク紹介
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PLAYTECH PEP-4のレビュー記事もチェックしてね!
» 【PR】PLAYTECH PEP-4 レビュー|話題のシングルサイズハムバッカーの音質を徹底検証
サウンドハウスが本気で作ったデュアルブレード!!
本編の前に……サウンドハウスで配線の基本を学ぼう!
PLAYTECH PEP-4で色々試してみる前に、たとえお遊び感覚で楽しむ場合でもエレキギターの配線について最低限の知識は持っておきたいところです。とくにリード線の扱い方やはんだごての扱い方を間違えると、けがや火災などの予期せぬトラブルの原因となる場合があります。
安全に楽しく作業するためにも、まずは工具類の扱い方と基本的な配線の仕組みを理解しておきましょう。サウンドハウスではギターカスタム初心者向けに、配線にまつわるハウツーコンテンツを多数公開中です。
技術スタッフによって配線の基本が分かりやすくまとめられていますので、まずは下記のコンテンツから学んでみることを推奨いたします。以降、本記事ではこれらのコンテンツの内容を一通りご理解いただいていることを前提に解説していきますので、あらかじめご了承ください。
» ギター改造講座(配線編)第2回 シリーズ/パラレル切り替えスイッチ
» ギター改造講座(配線編)第3回 フェイズサウンド切り替えスイッチ
» ギター改造講座(配線編)第4回 シリーズ-タップ-フェイズ切り替えスイッチ
» ギター改造講座(配線編)第5回 バリエーションスイッチ配線
計測データの見方
これから紹介する変化球的な活用法について、主観的な情報だけでなく出力波形による可視化を行いました。各グラフの見方については、下記をご参照ください。
倍音特性 (A2/110.00Hz)

縦軸:出力レベル (dB) /横軸:周波数 (Hz)
左端側の太長い山(中央赤色線)が基音110Hz
偶数次倍音:第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)、第6倍音(660Hz)……
→ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も
奇数次倍音:第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)、第7倍音(770Hz)……
→金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き
非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
周波数特性

縦軸:出力レベル (dB) /横軸:周波数 (Hz)
周波数のおおまかな目安として、下記の周波数ポイントを色付きの枠線で囲いました。
赤枠線:100Hz,200Hz
橙枠線:400Hz,800Hz
桃枠線:2kHz,3kHz,6kHz
ポットの抵抗値を250kΩから500kΩへ交換してみよう!
ギターに使用されるポットはシングルコイルでは250kΩ、ハムバッカーでは500kΩが一般的です。詳しいメカニズムを省略して説明すると、ポットの抵抗値が高いほど高音の抜けが良くなり、出力が若干高くなる傾向があります。
ポットの抵抗値がサウンドに与える影響については、別記事で詳しく解説していますので興味のある方はコチラからご覧ください。シングルコイルとハムバッカーを併用するSSHやHSH配列、あるいはシングルサイズハムバッカーは、メーカーやハードウェア構造によって抵抗値に一貫性がありません。
Seymour Duncanではシングルコイルと同様の250kΩが指定されていますが、抵抗値の高いモデルでは高音がこもりがちです。管理人個人の意見としてはとりあえずポットを交換せずデフォルトの状態で試し、不満点がポットの抵抗値の変更によって改善できそうな場合は交換するようにしています。

ちなみに、ただいまPLAYTECH PEP-4を購入いただいた方向けに500kΩのコントロールポットがプレゼントされるキャンペーンを開催中!

ポットによる音の変化が気になる方は、キャンペーンを有効活用してね!
500kΩでよりシングルコイルに近いニュアンスも再現可能に!
前回のレビューでパラレル配線のサウンドを調べたPLAYTECH ST250SSHを1S化したエレキギターを使い、配線をシリーズ配線に変更した上でポットをALPHA ALP-500Aへ交換してみました。PLAYTECH PEP-4はポットを250kΩから500kΩへ交換することで、高音の明るさがシングルコイルに近づく印象です。
モコっとした丸みがやわらぐことでクリーンのアルペジオやクランチの粒立ちが際立ち、コードを弾いた際の分離感も心地よく響きます。メイプル指板だけでなくローズ指板のエレキギターでも試してみましたが、クリーン時に音がくもるように感じる場合は500kΩがおすすめです。
ただしセラミックマグネットのシングルコイルと併用するレイアウトでは、シングルコイルの高音が前に出過ぎる場合もあります。使用するピックアップポジションの頻度も考慮しつつ、自身の演奏スタイルに合ったポットを選択するとよいでしょう。
倍音特性 (A2/110.00Hz)
PLAYTECH PEP-4に使用するボリュームポットの抵抗値によって音がどれほど変化するのか、実測データで比較して整理しました。PEP-4Bをシリーズ配線でポットへ接続し、同一の測定環境下において比較計測を行った項目は倍音特性および周波数特性です。
250kΩのポットはPLAYTECH GPP111 A250kΩ、500kΩのポットはALPHA ALP-500Aを使用しています。補足としてPLAYTECH GPP111もALPHA製 (TAIWAN ALPHA ELECTRONIC CO., LTD.とは別系統) となるため、コストを抑えた高品質なポットの新たな選択肢として有力な候補です。

その他の計測に使用した機材類は、後の『計測に使用した機材1』でまとめて紹介します。倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦 (A2/110.00Hz) のスペクトラムを採用しました。
a.PLAYTECH PEP-4 × 250kΩポット

b.PLAYTECH PEP-4 × 500kΩポット

a-b波形連続表示(gif)

PLAYTECH PEP-4は250kΩポットと比較して、500kΩに変更すると僅かに基音の出力レベル (縦軸:dB) と第3倍音~第7倍音までの出力レベルが高いです。中高音~高音に該当する帯域の倍音も出力レベルが向上しているため、シングルコイルに近い高音の明るさやアタックの鋭さが加味されています。

基音より低い周波数帯域(横軸:Hz)における非整数倍音が低い値を示している点もポイント!
周波数特性
周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、250kΩポット使用時と500kΩポット使用時の平均的なスペクトラムを算出しました。
1.PLAYTECH PEP-4 × 250kΩポット

2.PLAYTECH PEP-4 × 500kΩポット

1-2波形連続表示(gif)

PLAYTECH PEP-4では250kΩと比較すると、500kΩポットの方が最大で約0.5dBほど出力レベルが高いです。ピークはいずれも800Hz付近に集約しており、500kΩポットは800Hz以降の帯域で高い値を示しています。

基音より低い周波数帯域における非整数倍音が低い値を示している影響で200Hz以下の周波数特性がより引き締まった音像に変化しているね!
ハーフトーンを聴き比べてみよう!
シングルサイズハムバッカーは2基以上隣り合うポジションで組み合わせた際に生まれる、シングルコイルとはひと味違ったハーフトーンも魅力です。中音~中高音にかけての出力がなだらかに変化し、ワウペダルを半止めにしたようなクセを持つ個性的なサウンドを生み出します。

海外ではSSS配列のピックアップをブリッジ側から順に、1番をPosition 1(Bridge)、2番をPosition 2(Bridge + Middle)……というように表現するのが一般的です。より簡潔に、例えば4番のPosition 4(Middle + Neck)を4thと表記したりと、ポジション番号をそのまま呼称として使うこともあります。
ハーフトーンはファンキーなカッティングと相性が良い傾向にあり、コリー・ウォン氏のように特定のハーフトーンを中心に使用するプレーヤーも多いです (コリー・ウォン氏は4番を多用) 。本項ではPLAYTECH PEP-4をSSS配列で使用した際の、2番と4番のハーフトーンの違いについてみていきます。
PLAYTECH PEP-4を使ったハーフトーン
エレキギターは前回のPLAYTECH PEP-4 シリーズ配線検証で使用した、Traveler Guitar TCD-SGNG Travelcaster Deluxeです。ポットは純正の250kΩをそのまま使い、3基すべてをシリーズ配線の状態 (黒=ホット、赤+白=結線して絶縁、緑=アース線と共にグラウンド) で5wayスイッチに接続しています。
使用したピックアップと配置はブリッジがPEP4-B、ミドルがPEP4-N、ネックがPEP4-Nです。以降『ハーフトーンを聴き比べてみよう!』の項目内では、ブリッジ+ミドルのハーフトーンを2番、ミドル+ネックのハーフトーンを4番と表記します。

PEP-4 (シリーズ配線) を単独で使用したサウンドについては、PEP-4レビュー内の『PLAYTECH PEP-4のシリーズ配線検証!』を参照してね!
» PLAYTECH PEP-4 レビュー|話題のシングルサイズハムバッカーの音質を徹底検証
倍音特性 (A2/110.00Hz)
PLAYTECH PEP-4の2番と4番におけるサウンドの違いについて、実測データで比較して倍音特性と周波数特性を整理しました。計測に使用した機材類は、後の『計測に使用した機材2』の項目でまとめて紹介していますのでご確認ください。
倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦 (A2/110.00Hz) のスペクトラムを採用しています。
c.PLAYTECH PEP-4×2 / 2番

d.PLAYTECH PEP-4×2 / 4番

c-d波形連続表示(gif)

2番は基音と低次倍音の出力レベル (縦軸:dB) が高く、800~2kHzにかけての倍音は出力レベルが低いです。アタック時の質感はブリッジに近いものがありますが、中高音がカットされているので高音が引き立ちます。
4番は基音の出力レベルが高く、やはり800~2kHzにかけての倍音は出力レベルが低くなる模様です。ネックに近いパキッとしたアタックを備えながらも直後にズドンと迫るような図太さはなく、繊細で軽やかな響きが感じられます。
周波数特性
周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、各ポジションの平均的なスペクトラムを算出しました。
3.PLAYTECH PEP-4×2 / 2番

4.PLAYTECH PEP-4×2 / 4番

3-4波形連続表示(gif)

2番はブリッジ、4番はネックの周波数特性を基本としつつ、1.7k~5kHzの帯域における出力レベルが抑制されるミドルの特性を合わせ持つ波形です。200Hz以下の帯域に関しては、2番も4番も各ポジションを単独で使用した際よりも高い値を示しています。

2番と4番は強い低音と出力控えめの中高音~高音を持つため、単独で使用するよりも『相対的に5kHz以降の高音が目立つ』サウンドだね!

ハーフトーンのサウンドは配線アレンジで最も個性が出る要素なのでピックアップを交換する前後で音を聴き比べておこう!
ハーフトーンのクワックを強化したい!
シングルサイズハムバッカーを隣接するポジションで組み合わせ、ハーフトーンでフェイズアウトしないよう正しく配線したとしても、各ポジションの出力差によって思いがけない音色の変化が生まれることをご存じでしょうか。

ハーフトーンは中音や中高音の一部が抑えられることでアタックや高音が引き立つサウンドが特徴ですが、時にピックアップが持つ性能を超えた音色を生み出す場合があるのです。海外ではハーフトーンの「クワッ」とした鼻にかかったような音色を、アヒルの鳴き声にちなんで『クワック(Quack)』と呼んでいます。
Seymour Duncanではこのクワックが強くなる現象を活用して、ハーフトーンで最良のクワックを創出することを目的とした『SDBR-1 Duckbuckers Strat』というモデルを開発しました。SDBR-1をミドルに配置した状態でブリッジやネックに出力の高いハムバッカー、またはシングルサイズハムバッカーを配置すると、ハーフトーンで突き抜けるようなクワックが得られる設計です (SDBR-1の詳細はコチラの記事へ) 。
SDBR-1は標準でパラレル配線を採用している点も面白く、単独で使用してもシングルコイルをノイズレスにしたようなサウンドを奏でることができます。シングルサイズハムバッカーの出力差が生み出すハーフトーンのクワックは、PLAYTECH PEP-4でも応用が利くので試してみました。

ブリッジをシリーズ配線、ミドルをパラレル配線にすることでポジション間の出力差が大きくなり、ハーフトーンのクワックが強化されるよ!
倍音特性 (A2/110.00Hz)
PLAYTECH PEP-4のクワックを強化したハーフトーンについて、各特性を実測データで比較していきましょう。エレキギターはTraveler Guitar TCD-SGNG Travelcaster Deluxe、ピックアップはブリッジにシリーズ配線のPEP-4B、ミドルにパラレル配線のPEP-4N (黒と赤をホット、白と緑をアース線と共にグラウンド) 、ポットはTraveler Guitar純正の250kΩです。
比較計測したのは倍音特性と周波数特性、アタック直後の出力レベルの変化、以上の3項目となります。計測に使用した機材類は、後の『計測に使用した機材2』でまとめて掲載していますのでご確認ください。
倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦 (A2/110.00Hz) のスペクトラムを採用しました。
e.PLAYTECH PEP-4 クワック強化ハーフトーン

基音や低次倍音、高次倍音の出力レベル (縦軸:dB) の高さは、シリーズ配線同士のPLAYTECH PEP-4を使用した際のハーフトーンとほぼ同じ水準です。大きく異なるのは中~中高音にかけての倍音で、出力レベルが損なわれにくく、適度に高い数値を示しています。
周波数特性
周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、平均的なスペクトラムを算出しました。
5.PLAYTECH PEP-4 クワック強化ハーフトーン

重低音も含む1.2kHz以下の広い帯域で、シリーズ配線同士のPLAYTECH PEP-4を使用した際のハーフトーンと同等の波形です。一方1.7~5kHzの帯域では出力レベルが高めに計測されており、特に4kHz以降では単独で使用したいずれのポジションと比較しても顕著に高い値を記録しています。

相対的に高音が目立つだけではなく、高音の出力レベル自体も大きく変化しているね!
アタック直後の出力レベルの変化

上の画像にある青い波形は同一のフレーズを演奏した際の出力の大きさを示しており、上からPLAYTECH PEP-4Bシリーズ配線単独、PLAYTECH PEP-4Bシリーズ配線とPEP-4Nシリーズ配線のハーフトーン、PLAYTECH PEP-4クワック強化ハーフトーンを計測したものです。
オーディオインターフェースの入力ゲインを低めに設定し、アタック時の瞬間的な出力レベルの違いが分かりやすくなるように調整しています。PLAYTECH PEP-4クワック強化ハーフトーンは、アタック時の瞬間的な出力レベルがとても高く計測されていることが分かりました。

強烈なクワックは高音の出力レベル向上と、アタック時の瞬間的な出力レベルの大きさが影響していると考えてよさそうだね!

PEP-4 (パラレル配線) を単独で使用した時の音については、PEP-4レビュー内の『PLAYTECH PEP-4のパラレル配線検証!』を参照してね!
» PLAYTECH PEP-4 レビュー|話題のシングルサイズハムバッカーの音質を徹底検証
ハーフトーンでブリッジとネックを同時に鳴らしたい!
ネックポジションにはハイパワーなシングルコイルやシングルサイズハムバッカーを搭載し、ブリッジポジションにはフルサイズハムバッカー、そしてFRT系のロック式ブリッジを備える——
こういったピックアップレイアウトとハードウェアを持つエレキギターは、1980年代のメタルシーンを語る上で欠かすことのできない存在です。ハイゲインサウンドと相性がよく、激しいアーミングやテクニカルなプレイにも対応するそのスタイルは、まさに当時のメタルシーンを象徴するエレキギターの仕様のひとつだと言えるでしょう。

ブリッジ+ネックポジションによるハーフトーンも然りで、SSSレイアウトのハーフトーンとは異なる芯の太さと歯切れの良さを併せ持ったサウンドが得られます。ですが標準的な5wayスイッチを使用したSSSレイアウトの配線では、ブリッジ+ネックのハーフトーンを選択することができません。
Aria Pro II 615DLX式配線方法
可能な限り手間や加工を抑えて5wayスイッチでブリッジ+ネックのハーフトーンを成立させたい場合、ミドルとネックピックアップのホットを接続する5wayスイッチの端子を入れ替える方法が最も簡単です。ピックアップを選択する順番は変わりますが、ミニスイッチの追加やボディの加工を必要とせず配線の変更だけで実現できます (本項ではこちらを採用) 。

ミドルとネックピックアップのホットを接続する5wayスイッチの端子を入れ替えた場合、ピックアップを選択する順番は『ブリッジ』→『ブリッジ+ネック』→『ネック』→『ネック+ミドル』→『ミドル』へと変化する点に注意が必要です。単にピックアップを選択する順番が変わるだけでなく、従来選択できた『ブリッジ+ミドル』のハーフトーンが使えなくなります。

ミニスイッチを増設することができるのであれば、Aria Pro II 615DLXに使用されていた配線でも応用可能です。615DLXではネックポジションに配置するピックアップのホットをON-ONタイプミニスイッチのコモン端子へ接続し、片側の切り替え端子を5wayスイッチのネックピックアップに該当する端子へ、もう片側の切り替え端子は5wayスイッチのコモン端子へ接続されています。

白線がネックピックアップのホット
ミニスイッチを切り替えると5wayスイッチのポジションを問わずに、常時ネックピックアップが出力されるようになる仕組みです。5wayスイッチでブリッジを単独で選択している際にミニスイッチを切り替えることで、ブリッジ+ネックのハーフトーンを得ることができます。

ブリッジ+ミドルのハーフトーンを選択している時にネックピックアップをONにすると、後述するシングルサイズハムバッカー3基同時出力も実現できるユニークな配線方法です。ミニスイッチの増設が難しい場合は、DPDTタイプのプッシュプルポットを使用することでも同様の機能を実現できます。
倍音特性 (A2/110.00Hz)
PLAYTECH PEP-4とSSSレイアウトを使ったブリッジ+ネックのハーフトーンについて、各特性を実測データで比較していきましょう。エレキギターはTraveler Guitar TCD-SGNG Travelcaster Deluxe、ピックアップはブリッジがシリーズ配線のPEP-4B、ネックがシリーズ配線のPEP-4N、ポットはTraveler Guitar純正の250kΩです。
比較計測したのは倍音特性と周波数特性で、計測に使用した機材類は後の『計測に使用した機材2』でまとめて紹介します。倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦 (A2/110.00Hz) のスペクトラムを採用しました。
f.PLAYTECH PEP-4 ブリッジ+ネックのハーフトーン

基音や低次倍音の出力レベル (縦軸:dB) はネック単独の倍音構成に近く、倍音成分が観測された周波数帯域(横軸:Hz)はブリッジ単独の倍音構成に近いです。ハーフトーンが持つ『特定の帯域で倍音が抑制される』という傾向も見受けられますが、ブリッジ+ミドルやミドル+ネックが800~2kHzの帯域にかけて出力レベルが抑制されるのに対し、ブリッジ+ネックでは500~800Hz付近の帯域が抑制されています。

ブリッジ+ミドルやミドル+ネックのハーフトーンよりも低い周波数帯域の倍音が抑制されるみたいだね!
周波数特性
周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、平均的なスペクトラムを算出しました。
6.PLAYTECH PEP-4 ブリッジ+ネックのハーフトーン

ブリッジ+ネックのハーフトーンは重低音も含む800Hz以下の帯域において、ミドル+ネックのハーフトーンに類似した周波数特性です。800~2kHzにかけては少し出力が抑え気味となりますが、2kHz以降の帯域はブリッジ単独の周波数特性に近い波形であることが確認できます。

ミドル+ネックの低~中音とブリッジ単独の高音を持ち合わせた周波数特性なのでトーンレンジが広い!

1980年代のメタルシーンで太さと歯切れの良さを併せ持つブリッジ+ネックのハーフトーンが愛された理由がよく分かるね!
シングルサイズハムバッカーを3基同時に鳴らしたい!
SSSレイアウトのピックアップスタイルを語るうえで、誰しも一度は夢見るのが『3基のピックアップを同時に鳴らす』というロマンです。使用するピックアップがシングルサイズハムバッカー3基となる場合、3基すべてを同時に出力するとコイル数は合計6個になります。

そう、ピックアップは『数こそロマン』なのです。というわけでPLAYTECH PEP-4を3基フル活用し、6コイルパワーでロマンの果てを追求してみましょう。
Aria Pro II 615-AE200式配線方法
SSSレイアウトのピックアップを3基同時に出力するには、前項で紹介したAria Pro II 615DLX式配線方法がそのまま流用可能です。もしもミドルピックアップの使用頻度が低くハーフトーンでしか使用しない場合、現行モデルの615-AE200のようにピックアップセレクターを3wayスイッチに交換、加えてポットのいずれかをスイッチポットに交換して『ミドル用ピックアップの出力を常時OFF⇄常時ON』と切り替える方法もあります。
発想としては615DLX式と同じなのですが、615-AE200はブリッジとネックを3wayスイッチで切り替え、必要な時にだけスイッチポットを引き上げるとミドルが出力される仕組みです。ブリッジからネックに素早く切り替えたい方や、こちらも前項と同じくブリッジ+ネックのハーフトーンが必要な方は試してみると面白い配線だと言えます。
☆STタイプなどで1VOLUME2TONEの場合はTONEをブリッジ用とミドル用へ変更する。

赤線がミドルピックアップのシールド線
615-AE200は3wayスイッチに手を加えないことを優先しているためか、既存のトーン回路の途中にミドルピックアップを注入してボリュームへ接続するという、少し複雑な配線でミドルピックアップを追加しているのが特徴です。ストラトタイプのSSSレイアウトで3wayスイッチを活用する際は、スイッチON時にミドルピックアップのホットを3wayスイッチのコモン端子へ接続する615DLX式配線方法のほうが、回路としてもシンプルにまとまると思います。
» Aria Pro II 615-AE200のレビューはコチラ!


3つのピックアップをパラレル接続で同時に出力!(3基が並列に接続されるので直流抵抗値はPEP-4単独の公表値よりもかなり小さくなる)

1VOLUME,2TONEを1VOLUME,1TONEに変更して、余ったポットを特定のピックアップ用バランサーに使う配線でも3基同時出力が可能となるよ!
倍音特性 (A2/110.00Hz)
SSSレイアウトでPLAYTECH PEP-4を3基同時に出力したサウンドについて、各特性を実測データで比較しました。エレキギターはTraveler Guitar TCD-SGNG Travelcaster Deluxe、ピックアップはブリッジがシリーズ配線のPEP-4B、ミドルがシリーズ配線のPEP-4N、ネックがシリーズ配線のPEP-4N、ポットはTraveler Guitar純正の250kΩです。
比較計測したのは倍音特性と周波数特性で、計測に使用した機材類は後の『計測に使用した機材2』でまとめて紹介します。倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦 (A2/110.00Hz) のスペクトラムを採用しました。
g.PLAYTECH PEP-4 3基同時出力

3基同時出力と6コイルパワーという多大なロマンとは裏腹に、前項で紹介したブリッジ+ネックのハーフトーンの倍音特性から800~2kHzの出力レベル (縦軸:dB) を大きく抑え、全帯域で非整数倍音を高めたような波形です。高次倍音の出力レベルも低く、相対的に基音と低次倍音の出力の高さが引き立つ倍音特性だと言えます。

3基同時出力という直球なロマン砲の無敵感に反して思いっきり変化球な倍音特性だね!
周波数特性
周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、平均的なスペクトラムを算出しました。
7.PLAYTECH PEP-4 3基同時出力

800Hz以下の帯域はミドル単独以上、ネック単独以下の出力レベルで、800~5kHzにかけて広範囲で出力が抑えられている周波数特性です。ところが5kHz以降は出力がかなり高く、クワック強化ハーフトーンよりも高音の伸びが優れています。

トーンを絞ったミドル+ネックのハーフトーンの裏でチャリチャリとブリッジポジションのチャイム感が響くようなサウンドだね!
PLAYTECH PEP-4とDiMarzioのシングルサイズハムバッカーと比較してみよう!
本項からは少し趣をかえて、PLAYTECH PEP-4の性能を他ブランドのピックアップと比較して掘り下げていきましょう。DiMarzioから発売されているDP184 The Chopperは、PLAYTECH PEP-4に近い設計思想を持つシングルサイズハムバッカーの代表的モデルです。
レスポールタイプにフルサイズハムバッカーを載せたような太い音ではなく、文字通りシングルコイルとフルサイズハムバッカーの中間的サウンドを目指しています。PLAYTECH PEP-4と同じくデュアルブレード型ポールピースを採用しており、マグネットはセラミック、直流抵抗値は9.19kΩです。

出力は260、トーンは高音が7.0、中音が6.0、低音が6.0と、バランスを重視した設計となっています。これらの仕様はDiMarzio独自の評価基準に基づくものであり、他社製ピックアップにおける同様の数値表記と一致するものではありません。

例えばSeymour DuncanやRoswell Pickupsの高音が7.0と公表されているピックアップと比較しても、音響特性が一致するとは限らない点にご注意ください。せっかくの機会ですのでPLAYTECH PEP-4とDP184 The Chopperについて、ブリッジポジションにおけるシリーズ配線のサウンドで性能を比較してみました。
倍音特性 (A2/110.00Hz)
使用したエレキギターはPLAYTECH ST250SSHを1S化したもので、ピックアップはPLAYTECH PEP-4BとDiMarzio DP184、ポットは500kΩのALPHA ALP-500Aです。

なお、DiMarzio DP184はブリッジマウント専用に開発されたモデルですが、ネック用にも使用できることが製品情報に記載されています。計測に使用した機材類一覧は、後の『計測に使用した機材1』にてご確認ください。倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦 (A2/110.00Hz) のスペクトラムを採用しました。
h.PLAYTECH PEP-4B

i.DiMarzio DP184

h-i波形連続表示(gif)

PLAYTECH PEP-4Bは基音と低次倍音の出力レベル (縦軸:dB) が高いのに対し、DiMarzio DP184は基音の出力レベルが控えめです。またDiMarzio DP184は第2倍音の出力レベルの高さが際立っているものの、基音と第3~第10倍音付近までは均等な出力レベルを計測しています。
第11倍音以降は出力の高い倍音と低い倍音が交互に出現する傾向が見受けられ、俗にいう『バイト感』を得やすい倍音特性です。PLAYTECH PEP-4Bとは大きく異なる要素で、歪ませると鼓膜に噛みつくような鋭さが加わります。

PLAYTECH PEP-4Bはフルサイズハムバッカーとシングルコイルの持つ特徴を洗練させた倍音特性で、DiMarzio DP184はフルサイズハムバッカーとP-90の中間的な倍音特性だね!
周波数特性
周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、各ポジションの平均的なスペクトラムを算出しました。
8.PLAYTECH PEP-4B

9.DiMarzio DP184

8-9波形連続表示(gif)

DiMarzio DP184は低音から高音にかけて、トーンチャートの設定通りフラットな周波数特性を持つシングルサイズハムバッカーです。PLAYTECH PEP-4BはDiMarzio DP184よりもいっそう低音がタイトに引き締まっており、2kHz以降の帯域では高い出力を計測しています。
加えてPLAYTECH PEP-4Bは800Hz一点にピークを集約した三角形に近い波形であるのに対し、DiMarzio DP184は100~1kHzにかけて高い出力を持つ台形のような波形です。DiMarzio DP184はエレキギターが主力となるバンドアンサンブルでオールラウンドに扱いやすく、PLAYTECH PEP-4Bは音数の多い音楽環境でも存在感を発揮することができます。

前回のレビューでも言及した通り、PLAYTECH PEP-4は現代の音楽シーンに求められる周波数特性を見据えた設計であることが分かるね!

DiMarzioからPLAYTECHに交換することでバンドサウンドが最適化される可能性があるという事実、ものすごく変化球だと思いませんか?

PLAYTECH PEP-4は決してローコストモデルだからと侮れない、既存の定番とは違う方向から正解を出してくれる可能性を秘めたシングルサイズハムバッカーだよ!
PLAYTECH PEP-4とフルサイズハムバッカーと比較してみよう!
シングルサイズハムバッカーとフルサイズハムバッカーを、実際に同じギターと同じセッティングで弾き比べてみました。比較してみたのはPLAYTECH PEP-4Bと、Duncan Designed HB-103Bです。

Duncan Designed HB-103BはSeymour Duncan TB-6 Duncan Distortionを意識したと思われる設計のピックアップで、一般向けに単体販売されるものではなくギターメーカー向けのOEM供給モデルに該当します。管理人の手元にある個体は直流抵抗値が実測17.37kΩでピッチが約10.5mm、リード線はSeymour Duncanと同じ配色の4芯仕様です。
倍音特性 (A2/110.00Hz)
使用したエレキギターはPLAYTECH ST250SSHで、PLAYTECH PEP-4BもDuncan Designed HB-103BもPLAYTECH純正ピックガードのブリッジポジションへ搭載しています。ピックガードはフルサイズハムバッカー用の設計ですが、計測の条件として各ピックアップの支持位置、支持方法、角度を統一する必要があると考えました。

スラントマウントではないブリッジポジションへPLAYTECH PEP-4Bを搭載することによって、フルサイズハムバッカーとの正確なサウンドの差異を比較できるはずです。ピックアップはいずれもシリーズ配線で、ポットは500kΩのALPHA ALP-500Aを使用しています。

そのほかに計測で使用した機材類は、後の『計測に使用した機材1』をご確認ください。倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦 (A2/110.00Hz) のスペクトラムを採用しました。
j.PLAYTECH PEP-4B

k.Duncan Designed HB-103B

j-k波形連続表示(gif)

PLAYTECH PEP-4BはDuncan Designed HB-103Bと比較して、基音の出力レベル (縦軸:dB) こそわずかに低い値を示していますが、全体としてよく一致した倍音特性です。基音をのぞく広い周波数帯域(横軸:Hz)でPLAYTECH PEP-4Bは高い出力を計測しており、ハムバッカーの特徴を捉えつつシングルコイルの煌びやかさも同時に再現されています。
周波数特性
周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、各ポジションの平均的なスペクトラムを算出しました。
10.PLAYTECH PEP-4B

11.Duncan Designed HB-103B

10-11波形連続表示(gif)

PLAYTECH PEP-4Bはフルサイズハムバッカーと同じ条件でセットしても、800Hz付近にピークを集約した三角形に近い波形です。Duncan Designed HB-103Bは100~1.7Hzにわたる広い周波数帯域において、出力レベルの高い領域が広く分布する台形状の波形を示しています。
4kHzから13kHzにかけての周波数帯域では、Duncan Designed HB-103Bのみが均等かつ一定の出力レベルを示している点も印象的です。140Hz以下の帯域もDuncan Designed HB-103Bの方が出力が高く、PLAYTECH PEP-4Bはセラミックマグネットを使用したハイパワーモデルよりも引き締まった低音が得られます。

Duncan Designed HB-103BのモチーフとなっているDuncan Distortionは『引き締まった低音』と『鋭い高音』の代名詞のようなモダンハムバッカー!

PLAYTECH PEP-4はハムバッカーの王道モデル以上にモダンな低音と高音を狙える秘密兵器になりそうだね!
» Seymour Duncan SH-6 (TB-6) Duncan Distortionの紹介はコチラ!
PLAYTECH PEP-4をフルサイズハムバッカーと交換したい!
PLAYTECH PEP-4の活用法を色々みてきましたが、必要なサウンドと合致するのであればフルサイズハムバッカーと交換してもOKです。ALLPARTSではフルサイズハムバッカー用に設けられたザグリをシングルコイルピックアップに対応させるためのアイテムとして、Conversion Ringが発売されています。
ピックガードマウントのハムバッカーには対応しておりませんが、フラットトップのエスカッションマウントに対応可能です。サイズはサウンドハウス商品ページに掲載されていますので、手持ちのザグリに適合するか確認してから挑戦しましょう。

こういった便利アイテムはユーザーの発想を形にするだけでなく、予想外の活用法から新しいサウンドとの出会いへ導いてくれることもあります。管理人はあえてブリッジ用のPLAYTECH PEP-4Bを使い、ネックポジションに『ピックアップ高を基準値よりも下げた状態』で搭載してみました。


Aria Pro II M-500はカーブドトップなので少しだけ加工してフィットさせました
倍音特性 (A2/110.00Hz)
使用したエレキギターはAria Pro II M-500というハムバッカー2基のモデルで、主な特徴は3×3非対称ヘッド、レギュラースケール、ネックジョイントはボルトオン、ブリッジはTOM&ストップテイルピースです。PLAYTECH PEP-4Bはシリーズ配線で、ポットは純正の500kΩをそのまま使用しています。

ALLPARTS Conversionの取付けピッチと互換性あり
そのほかに計測で使用した機材類は、後の『計測に使用した機材3』の項目をご確認ください。倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦 (A2/110.00Hz) のスペクトラムを採用しました。
l.PLAYTECH PEP-4B + ALLPARTS Conversion Ring (Neck)

突出した第2倍音の出力レベル (縦軸:dB) が牽引するように全帯域で偶数次倍音が多く、第2倍音以降は特定の帯域だけが突出することなく滑らかに減衰していく倍音特性です。整った倍音バランスが音色全体にまとまりの良さを与え、豊かな偶数次倍音が柔らかさや暖かみを加えています。

特定の帯域だけが前に出にくいナチュラルなリード向きの響き!
周波数特性
周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、平均的なスペクトラムを算出しました。
12.PLAYTECH PEP-4B + ALLPARTS Conversion Ring (Neck)

200Hz付近の帯域を中心に、整った倍音特性をそのまま反映させたような整った三角形の周波数特性です。安定感のあるローエンドは必要以上に重低音が主張せず、重いモヤがかかったように全体がボワッと膨らむ感触がありません。

低音は確保しつつもバンドサウンドで音がスッキリ抜ける!


『ハーフトーンでブリッジとネックを同時に鳴らしたい!』で紹介した1980年代メタル仕様ギターを2Hモデルで再現するのにも使えるよ!
Conversion Ringを調べる!

PLAYTECH PEP-4でドゥームメタルは弾けるのか!?(条件は問わないものとする)
ラストはPLAYTECH PEP-4の設計思想からは想定されていないと思われる、桁違いの重さが武器となるジャンルでの活用法を考えてみましょう。
ドゥームメタルは現代の音楽シーンとはベクトルが大きく異なり、音の広がる空間すべてを巨大な質量として成立させる設計が必要となります。
……といった具合に、もしかするとPLAYTECH PEP-4の目指すサウンドとは真逆に位置するかもしれません。
ドゥームメタルに必要な要素を整理する
とりあえずドゥームメタルに求められる要素を知るには、既存のドゥームメタルに最適化されたピックアップを知るのが最も手っ取り早い方法です。Seymour Duncan Slugは『鉄芯』や『重い一発』の名を冠する通り、ストーナーやドゥームメタルに必要な重低音を奏でるために開発されました。
最大の特徴は前例の無い驚異的な直流抵抗値で、ブリッジ用モデルはなんと47.12kΩで設計されています。ネック用モデルも21.72kΩで設計されているため、2基合わせて68.84kΩという異次元の数値を叩き出すモンスターハムバッカーです。
最早クリーントーンなど眼中になく、強烈な歪みやすさと重低音、独特のヌメリを持つ超高音、非整数倍音が織りなすみぞおちを抉るような重い空気感を備えています。ハイゲイン環境で鋭く鼓膜へ切れ込むようなドライブを両立させるには、この独特のヌメリを持つ超高音が思いのほか重要です。

これらの要素を念頭に置いて、PLAYTECH PEP-4を使ってなんとかドゥームメタルを演奏できないこともないレベルにまで追い込んでみます。

Slugのどろーんとした重さとヌメりを持つサウンドには『ナメクジ』の意味も含まれていると管理人は考えているよ!
パワー×パワー×パワーこそパワー!!
率直に申し上げて、PLAYTECH PEP-4単体の性能や既存の配線レイアウトだけでは、ドゥームメタルのドゥの字すら再現不可能です。ここは思いっきり発想を変えてSSSレイアウトをフル活用し、その全てをドゥームメタルだけに一点集中することにします。

使用するのはシリーズ配線のPLAYTECH PEP-4Bが1基、シリーズ配線のPEP-4Nが2基で、

これらを3基を全てシリーズ接続で連結させました。

ここまでくると単純な足し算の問題で、PLAYTECH PEP-4BとPEP-4Nの公表直流抵抗値の合計は16kΩ+10.8kΩ+10.8kΩ=37.6kΩです。ピックアップセレクターは使用せず、6本のブレード型ポールピースを備えた1基の『Hexbucker (仮) 』として扱いましょう。
よく巷では1ハム仕様のギターを、その潔さゆえに『漢の1ハムモデル』などと呼ぶことがあります。しかし今日から真の漢や女傑を名乗りたい方は1ハムではなく、

直流抵抗値37kΩ超の6ブレード型ポールピース搭載 Hexbucker (仮) 一択です。
果たして Hexbucker (仮) からどのようなサウンドが飛び出すのか、各種特性を調べていきます。

ピックアップを3基同時に出力する方法は先述のピックアップ同士をパラレル接続するだけではありません!

ギターメーカーでは滅多に採用されませんが『ピックアップ同士のシリーズ接続』も選択肢として頭に入れておこう!
倍音特性 (A2/110.00Hz)
使用したギターはTraveler Guitar TCD-SGNG Travelcaster Deluxe、ピックアップはブリッジがシリーズ配線のPEP-4B、ミドルがシリーズ配線のPEP-4N、ネックがシリーズ配線のPEP-4N、連結する順番はブリッジ→ミドル→ネックです。ポットはTraveler Guitar純正の250kΩを1個だけボリュームポットとして使用しており、5wayスイッチとトーン回路は使用しておりません。

調べたのは倍音特性と周波数特性で、計測に使用した機材類は後の『計測に使用した機材2』をご確認ください。倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦 (A2/110.00Hz) のスペクトラムを採用しました。
m.PLAYTECH PEP-4×3 Hexbucker (仮)

基音と低次倍音の出力レベル (縦軸:dB) の高さに加え、基音の前後の周波数帯でこれまで確認されなかった非整数倍音が多く計測されています。1.4~2.2kHz付近では倍音が一切計測されず極端な偏りが見られますが、ごく少量ながら高次倍音が確認されており、完全に倍音成分が失われているわけではありません。
低音から重低音にかけての厚みを強調しつつ、独特のヌメリを持つ超高音も再現するひとまずの体裁が整いました。
周波数特性
周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、平均的なスペクトラムを算出しています。
13.PLAYTECH PEP-4×3 Hexbucker (仮)

PLAYTECH PEP-4を3基使用したHexbucker (仮) は、PLAYTECH PEP-4BにALLPARTS Conversion Ringを装着してネックで鳴らした周波数特性から、400~16kHzの帯域を大幅に削ぎ落としたような周波数特性です。
さらに特筆すべきは最大出力で、シリーズ配線のPLAYTECH PEP-4Bをブリッジポジションで鳴らした時よりも+5dBを超える圧倒的な出力を計測しています。
当然ながら歪みやすさも大幅に向上していますが、その代償としてクリーントーンは常に濁ったような音になり、アンプによってはGAINを0まで絞っても澄んだ音を得ることができません。

あとはレギュラーチューニングをCスタンダードチューニングに変更するだけで……
14.PLAYTECH PEP-4×3 Hexbucker (仮) C Standard Tuning

ミッションコンプリートとはいかず、残念ながらドゥームメタルがプレイできるような音には届きませんでした。周波数特性的には完全にストライクゾーンに入っているサウンドですが、倍音特性の『倍音が一切計測されない帯域』の制御が難しいのです。
13-14波形連続表示(gif)

どうしてもワウを半止めにしたようなクセが残ってしまうため、最終的に『低音が異様に強くただひたすら歪んでいるだけ』という、なんとも評価の難しいサウンドに仕上がってしまいました。それでもこのような遊び方ができるのは、PLAYTECH PEP-4のコストパフォーマンスがあってこそだと感じます。

PLAYTECH PEP-4の『低音を引き締めたサウンド』は低音が出ないという訳ではなく、設定次第では『低音も主戦場にできる』ポテンシャルを備えているよ!
まとめ
PLAYTECH PEP-4はシングルサイズハムバッカーに本来期待される使用法だけにとどまらず、変化球的な活用法でも音作りの幅が広がるピックアップです。価格を抑えながらも安定した品質を備えているため、普段なら試すことのできないような使い方でも心理的なハードルを下げて挑戦することができます。

何よりも明確な設計理念に基づいて開発されたピックアップだからこそ、ユーザーの挑戦に対する結果がブレることなく真っ直ぐに音へと反映されるのです。みなさんもエレキギターの固定概念に囚われずに、自由な発想のもとでPLAYTECH PEP-4の秘めたるポテンシャルの高さを体感してみてください!
🏃💨今すぐ PLAYTECH PEP-4 で自由すぎるシングルサイズハムバッカーライフを送る🎸✨

【終了】PLAYTECH PEP-4シリーズ レビューキャンペーン!

キャンペーン情報全文引用
【PLAYTECH PEP-4シリーズ レビューキャンペーン】抽選3名様に全額ポイントバック!
2026/09/10「PLAYTECH」新商品「PEP-4」シリーズのレビューキャンペーンを開始いたします!
サウンドの印象から配線アレンジ等、ご使用いただいた感想を投稿していただくと抽選で3名様に商品代金分を全額ポイントバックいたします!
既にご使用いただいている方はもちろん、気になっている方もぜひこの機会にお試しいただき、皆様からのレビュー投稿をお待ちしております。■ 期間
2026年9月10日(木)~2026年9月30日(水)■ 対象商品
PLAYTECH PEP-4シリーズ■ レビュー投稿手順
(1)対象商品を購入後、商品ページ内の「この商品のレビューを書く」をクリック
(2)商品評価を5段階より選択、タイトル・レビューを記入して「内容を確認する」をクリック。動画を投稿いただける場合、「画像/動画を選択してください」から、ファイルをアップロード
(3)レビュー内容を確認し「投稿する」をクリック■ レビュー内容についての注意事項
※使用感についての感想などを含め、100文字以上にてご投稿ください。
※サウンドハウスで購入し、キャンペーン期間終了までにレビュー投稿いただいた方が対象です。
※複数ご注文いただいている場合、ポイントバックは1個分となります。
※弊社でのご購入履歴を確認することができない場合は対象外となります。
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使用機材
本記事では検証内容に応じて3本のエレキギターを使い分け、それぞれメーカー出荷時の状態から一部のパーツや配線を変更して計測しています。各計測で使用したギターやパーツ構成、配線仕様をそれぞれの項目内でまとめて紹介すると本文が複雑となるため、本項にまとめて掲載いたしました。
計測に使用した機材1
ギター:PLAYTECH / ST250SSH Maple 1S化
使用弦:PLAYTECH / EGS-0942 (.009-.042)
ピック:PLAYTECH / サウンドハウスお姉さんピック HEAVY (1.2mm)
3wayピックアップセレクタースイッチ:ALPHA / ALP-3W
5wayピックアップセレクタースイッチ:ALPHA / ALP-5W
250kΩポット:PLAYTECH / GPP111 A250kΩ コントロールポット ミリ
500kΩポット:ALPHA / ALP-500A
比較用シングルサイズハムバッカー:DiMarzio / DP184 The Chopper
比較用ハムバッカー:Duncan Designed / HB-103B
アウトプットジャック:Pure Tone Jack / PTT1
アウトプットワイヤー:MONTREUX / Vintage braided wire
導電塗料:SONIC / SP-01 Water-Based Shielding Paint (2度塗り)
はんだ:OYAIDE / SS-47/0.6mm
ピックガード:ブルーパーロイド (自作品)
ペグ:PLAYTECH / GPT121×2 (L3+R3配列を2セット使用してL6として使用)
ペグボタン:GOTOH / P2 (P2搭載ペグより取り外し)
ノブ:SCUD / KB-240VI
ピックアップセレクタースイッチノブ:SCUD / LB-390
ギターケーブル:Classic Pro / GIC030N (3m) プレミアムケーブル
マイクケーブル:Classic Pro / MIX015FN (4芯1.5m) プレミアムケーブル
パッシブDI:Classic Pro / CDI-2P
ギターストラップ:PLAYTECH / PJ23 Pink Jacquard Strap
計測時着用靴下:SH / サウンドハウスお姉さん靴下 スニーカー丈 黒
計測時着用Tシャツ:SH / 音家 T-shirt, L
計測に使用した機材2
ギター:Traveler Guitar / TCD-SGNG Travelcaster Deluxe
使用弦:PLAYTECH / EGS-0942 (.009-.042)
ピック:PLAYTECH / サウンドハウスお姉さんピック HEAVY (1.2mm)
はんだ:OYAIDE / SS-47/0.6mm
トーンノブ:SCUD / KB-240TI
ピックアップセレクタースイッチノブ:SCUD / LB-390
ギターケーブル:Classic Pro / GIC030N (3m) プレミアムケーブル
マイクケーブル:Classic Pro / MIX015FN (4芯1.5m) プレミアムケーブル
パッシブDI:Classic Pro / CDI-2P
ギターストラップ:equipO2 / SmartStrap SS-AM-MK-YL
計測時着用靴下:SH / サウンドハウスお姉さん靴下 スニーカー丈 黒
計測時着用Tシャツ:SH / 音家 T-shirt, L
神アクリルスタンド:サウンドハウスお姉さんアクリルスタンド (非売品)
計測に使用した機材3
計測に使用した機材3
ギター:Aria Pro II / M-500
使用弦:PLAYTECH / EGS-0942 (.009-.042)
ピック:PLAYTECH / サウンドハウスお姉さんピック HEAVY (1.2mm)
はんだ:OYAIDE / SS-47/0.6mm
エスカッション:ALLPARTS / PC-6643-023 Conversion Ring
500kΩポット:Aria Pro II / 純正品
ギターケーブル:Classic Pro / GIC030N (3m) プレミアムケーブル
マイクケーブル:Classic Pro / MIX015FN (4芯1.5m) プレミアムケーブル
パッシブDI:Classic Pro / CDI-2P
ギターストラップ:equipO2 / SS-CO-MM-PK 【Mashumairesh!!】x SmartStrap
計測時着用靴下:SH / サウンドハウスお姉さん靴下 スニーカー丈 黒
計測時着用Tシャツ:SH / 音家 T-shirt, L
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