【安レリック加工】クロームメッキは亜鉛ブロックで染色出来る?【仮検証】
目次
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思い付き 安レリック加工 の仮検証する
金属パーツのレリック加工といえば、エッチング剤を使った方法が有名です。例えばニッケルメッキの部品に使用すると、表面を自然にくすませる事が出来ます。
ただしエッチング剤は廃棄方法が特殊で、加工の後始末がかなり面倒なのが難点です。作業環境の整備も必要となるため、家庭内で行うには敷居が高いかもしれません。
クロームメッキは酸化加工が難しい!
更にクロームメッキの場合は酸化加工が難しく、中々上手く仕上がらないと思います。安ギターはクロームメッキが多いため、不要部品を活用出来ないのがもどかしですね。そこで今回は安ギターの廃棄パーツを使って、 安レリック加工 を考えてみました。
電動工具ではメンテナンス溶剤として、リン酸系の酸洗剤が使われる事があります。リン酸系の酸洗剤は簡単に言うと錆落としで、金属を傷めず除錆する事が可能です。勿論楽器パーツにも使用出来るため、愛用しているジャンクマニアもいると思います。

ただしこのリン酸系の酸洗剤は、亜鉛系の金属と相性が最悪です。錆を落とす対象の一部に亜鉛合金が使用されていたら最後、メッキが黒く染まってしまいます。ならばその作用を逆手に取り、クロームメッキが染色出来ないか試してみました。
お決まりのお断り
ちなみにこの検証は、具体的にどのような化学反応が発生しているのか理解していません。完全に思い付きで始めた遊び半分の検証につき、見切り発車も良い所です。安全性に関する検証は行っていないので、実際に試す場合は自己責任でお願いいたします。
当管理人は作業工程で発生しうる全ての怪我や事故について、一切責任を負う事が出来ません。少しでも疑問点がある場合や安全面の確証が得られない場合は、作業を中止するのが無難です。

安レリック加工 準備
とりあえず加工対象はクロームメッキ限定で、安ギターパーツのみを使用するとします。溶剤はなるべく安価なものを選び、極力作業費用がかからないように配慮しました。

メインとなる溶剤はエッチング剤よりも扱いが楽な、AZ製のサビアウトです。(エッチング剤は錆やすくなるが、サビアウトは被膜化するので錆にくくなる)110gの小ボトルから購入可能で、1kgの大容量タイプも販売されています。

亜鉛は安ギターではおなじみ、亜鉛ダイキャスト製トレモロブロックを再利用です。安ギターの亜鉛ブロックは薄手につき、ブリッジを交換した後は全く出番がありません。クロームメッキの安レリック加工の切り札として、大いに活躍が期待されます。

ペグはまだ実験段階につき、こちらも安ギター外しのペグで十分ですね。都合よくPLAYTECH ST250から外した、YOLNTHのクロームペグが余っていました。ほぼ新品同様のまま保管している上に使い道が無いため、壊れたとしても問題ありません。

加工方法は亜鉛ブロックをサビアウトに浸し、その溶剤にペグを漬け込みます。時間経過による変化を観察しつつ、黒く染まる過程を簡単にチェックしていきましょう。
準備物一覧
・AZ / サビアウト (リン酸系洗剤) 150g
・Aria Pro II / VFT-1C Tremolo搭載亜鉛ブロック
・YOLNTH ロトマチックペグ(PLAYTECH / ST250外し)
・不要なステンレス鍋

安レリック加工 開始
サビアウトは通常錆の度合により、水道水で希釈しての錆取りにも対応です。レリック加工にどの程度溶剤が必要か不明慮なため、まずは原液で検証しています。

使用量は約150gで、漬け込むのに使用した容器は不要になったステンレス鍋です。

サビアウトに亜鉛ブロックを投入すると、徐々に白い気泡が浮かび上がってきました。そこにペグとペグ用パーツ類を同時に漬け込み、経過を追っていきます。
15分経過

白い気泡が広範囲に広がり、亜鉛と反応しているのか刺激臭が発生です。換気環境は十分整えていますが、密室では作業しない方が良いでしょう。
30分経過

緑色だった液体が気泡で真っ白になり、刺激種がより濃くなってきました。

ピンセットでペグを調べてみると、僅かに表面の色合いが黒くなっています。
1時間経過

液体は依然として気泡だらけですが、当初より色が黒ずんできた模様です。

ペグをすくってみると、ボタンの淵側が黒く変色しています。全体的にもクロームの青白い光沢がなくなり、茶色気味に変化していました。
2時間経過

液体は黒みの強い緑色に変化し、気泡の発生が収まった印象です。より変色を促すために、ピンセットの先端で亜鉛ブロックを擦りました。
3時間経過
30分程前から外観の変化が無くなったため、3時間で一旦終了とします。溶剤につけていた部品をしっかり水洗いし、ブロワーで半日かけて乾燥です。リン酸の脱脂作用の影響で、ペグの稼働が変化する場合も考えられます。

特に稼働の変化は感じられませんが、日数を経て変化する事もあるかもしれません。とりあえず仮検証段階につき、精度が実際に落ちたら対策を考える事にしました。

安レリック加工 結果発表
水洗い直後の亜鉛ブロックですが、表面を軽く拭いただけでクロスが真っ黒です。ブロックの成分が表面から溶けだしたのか、色合いも白く変化しています。

色合いの変化が分かりやすいように、乾燥後の部品を白い生地の上に並べました。

青白い銀色のクローム仕上げだったペグが、全体的に茶色気味の銀色に変化です。ニッケルとまではいかなくとも、クロームとニッケルの中間的な色合いとなっています。
細部をアップで見てみる
各部位をアップで見てみると、まずペグの上部は黒い染み状の変色を確認です。

ペグボタンは淵を中心に、同じく黒い染み状の変色が散見しています。

軸付近も変色しており、油汚れを放置して黒く変化した時に近い風合いですね。

正面から見るとギアカバーの上側や、ペグボタンに繋がる軸が黒く変化しています。

ワッシャーとナット類は黒っぽい光沢となり、ギラギラ感が抑えられました。

正直な所真っ黒に変色すると考えていたのですが、クロームは相当変色に強い様子です。想像していたよりも光沢が残り、黒染みも全体ではなく部分的な発生に留まっています。より黒く茶色く変化させるためには、ペグ自体に傷をつけた方が良いのかもしれません。

サンドペーパー等で適度に表面を傷つければ、より黒く着色が進む可能性が大です。それでも廃パーツを利用して、クロームメッキをレリック加工する方法が見えてきました。次回は今回の結果をふまえ、より強烈なエイジング感を発揮できるようにしましょう。
まとめと課題
・リン酸系の酸洗剤と亜鉛ブロックでクロームメッキは変色する
・3時間程の漬け置きで光沢は茶色気味の銀色に変化する
・同時に部分的に黒い染み状の変色が発生する
・新品に近いクロームメッキは変色効果が強くない
次回改善点
・常に全体が浸るように小さな容器を使う
→110gタイプ1本分で加工出来るようにするため
・亜鉛ブロック表面に傷をつける
・クロームメッキ表面にも傷をつける
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