おバカパーツで 馬改造 第1馬 – TOMをトレモロサドルに変えちゃおう!
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馬改造 (ばかいぞう) はじめました💖
知性も財力も器用さも乏しい人間にとって、魔改造は高値の花、未知の領域です。ならばここはひとつ逆転の発想で、思いっきり低予算でおバカな改造をしてみましょう。出来ない事をやろうとするとハードルが上がりますが、これは逆も然りだと思います。
改造のゴール地点を思いっきり低く設定し、なおかつ頭が悪い内容にすれば良いのです。アホな発想に変な部品を組み合わせ、低レベルな技術を駆使すれば言う事ありません。
そんな低質な改造を魔改造の対義語として、 馬改造 (ばかいぞう) と呼ぶ事にします。たまには脳ミソを極限まで軽くして、広い視野で楽器の楽しさを見直してみませんか?
TOMをトレモロサドルに変える 馬改造 !
という訳で見切り発車も甚だしい第1弾は、TOMをトレモロサドルに変える馬改造です。TOM搭載モデルを使っていると、意外と微調整が効かずイラリと来る事があります。特に2~5弦の弦高は微調整が効かないため、サドル溝を掘って対応するしかありません。
ただしサドルに手を加えると、当然ながら二度と復元出来なくなるのが難点です。やはりストラトタイプのサドルのように、各弦毎に調整出来るのがベストだと思います。ですがブリッジの構造が大きく異なるため、通常はトレモロサドルに交換は不可能です。
でしたらイレギュラーな方法を使って、無理やり搭載すれば問題は解決します。幸いTOMと対になるテールピースには、弦を通す穴が6つ開いている構造です。しかもその穴の径が、トレモロサドルのオクターブネジの径とほぼ同じとなっています。これを上手く活用すれば、トレモロサドルを搭載する事も実現可能です。
基本パーツを揃える
このお馬鹿な改造には、ある程度まとまった部品を用意する必要があります。まずは土台となるTOM搭載ギターに加えて、トレモロ用サドル6個が必須です。
ギターとTOMは、ライオンヘッドテールピースの記事のものを流用しました。
サドルは10.5mmピッチ用が最適なので、サドル幅が10.2mm程度の物を準備します。材質は可能であれば亜鉛は敬遠し、スチールやステンレス製がベストです。テールピースは弦通しの穴に、φ3mmのネジが通る事を確認しておきましょう。
ここの穴サイズが小さい場合、サドルが搭載出来なくなるのでご注意下さい。そしてTOMの取付けに使用している、スタッドのネジ径も調べておきます。本記事で使用するTOMのスタッドは、実測でφ8mmのタイプでした。
最寄りの楽器部品店(ホムセン)で材料を調達
続いてネジやスプリングなど、馬改造の過程に必要となる部品類の調達です。ストックが無い場合も多いと思いますので、最寄りの楽器部品店に駆け込みましょう。ほとんどはDCMやカインズ、コメリなど、身近にある楽器部品店で揃うハズです。
オクターブ調整ネジ
オクターブ用ネジはテールピースの構造にもよりますが、35mm以上必要となります。ネジ径は3mmのタイプで、可能であれば丈夫なステンレス製を用意すると万全です。
オクターブネジ用スプリング
オクターブネジの径にあわせて、25mm以上のスプリングも揃えておきます。店頭で売っていない場合は、ハムバッカー用のスプリングでも流用可能です。
Uボルトプレート&フランジボルト
サドルはギターの木部に直にセットすると、弦の張力により凹みやヒビが発生します。ダメージを最小限に留めるために、ブリッジベース代わりのプレートを用意です。Uボルトプレートが便利なので、スタッドのネジ径が通るタイプをチョイスします。
プレートの穴間隔は74mmが好ましいですが、都合の良いサイズはほぼありません。妥協しても良いので、74mm以上で可能な限り近いタイプを選べばOKです。(※74mm未満は取付不可)そしてスタッド径と同じフランジボルトを使い、Uボルトプレートを固定します。
イモネジ&ワッシャー
余力があれば、サドル用の六角穴付きイモネジ8mmが2本あると完璧です。店舗によっては、ホーローネジ等の名称で販売されているかもしれません。最後にφ3mmネジに対応した、小型のワッシャーを6枚用意しておきます。
馬改造 組み込み
おそらくこのパーツを並べただけで、馬改造後の姿が思い浮かぶ事でしょう。一番最初に行うのは、テールピースとサドルの組み込みです。少しネジが長いですが、トレモロブリッジと同じ要領でセットします。
テールピースにサドルを組み込むと、頭の悪さが漲るフォルムが中毒性抜群です。ライオンヘッド(どうみても虎)のレリーフもおバカさ加減を増長し、IQ低下に一役買っています。
TOMを外してUボルトプレートをマウントすれば、馬改造の完成は目前です。スタッドの高さを調整し、頭の悪いテールピースをぶち込んであげましょう。
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この見た目のアホらしさ、形のいびつさ、漂う低予算臭!
どこからどう見てもお馬鹿度MAX、TOMトレモロサドル化の完全形態となります。
弦を張って調整
組み込みは済んだものの、大半の人は弦のセット方法が思い浮かばないハズです。弦を通すハズのテールピースは、既にオクターブ調整ネジで埋まっています。ここで活躍するのが、先ほど用意したφ3mmネジ用の小型ワッシャーです。
弦のセット方法も思いっきり低IQにキメるため、サドル直掛けを選びました。方法はいたって簡単、ボールエンドにワッシャーをひっかけてサドルに通すのみ!
ギタークラフトの上級者が見たら、苦笑いどころか失笑される事間違いありませんね。
サドルに一工夫
弦を張り終えたら、トレモロブリッジと同じ手法で調整を済ませましょう。TOMと比較すると、オクターブ調整も弦高調整も驚く程楽になっていると思います。
弦高調整に関して、1弦と6弦のイモネジを片側だけ8mmに変更しました。左右両端のイモネジがフランジボルトに接触するため、2mm程高さが合わないためです。
微調整が効くようになったので6弦側は1.4mm、1弦側を1.0mmにセットしています。
音質
弦が安定したのを確認した後に、アンプを通してサウンドをチェックしました。元のTOMと比べると、やはり低音域のパワーは大幅に弱くなった印象です。しかし倍音がとても芳醇で、高音域の伸びもグっと良くなっています。
LPタイプのサウンドが、テレキャスタイプのサウンドに変化したような雰囲気ですね。見た目程悪い音ではなく、むしろハイトーンの響きが心地よく感じられます。
主観では確実性に欠けるため、馬改造前後のデータを計測しました。計測したのはA2倍音(5弦開放弦)、周波数特性、サスティーンの3項目です。
計測に使用した機材一覧
ギター:Aria Pro II / M-500 使用PU:SUPRO / GF11B(リア) シールド:Aria Pro II / JG-10X (10ft/3m, S/S)×1 マイクケーブル:Amazon / CLMIC1-M-F-10FT-5P×1 DI:CLASSIC PRO / CDI-2P (INST) インターフェース:YAMAHA / AG03
倍音特性の比較 (A2/110.00Hz)
倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦のスペクトラムを採用しています。
1.馬改造前
ライオンヘッドパターンテールピースの記事の通り、奇数次倍音が目立つ特性です。第3倍音が突出して高く、冷淡な響きを決定づけています。
2.馬改造後
全体的に倍音成分が多くなり、突出した奇数次倍音が目立たなくなりました。第2~6倍音にほとんど差が無いため、馬改造前よりもナチュラルな傾向ですね。リバーブ的な残響を感じるほど、ウェットかつジューシーな倍音が味わえます。
倍音特性波形の周波数目安
左端側の太長い山(中央灰色線)が基音110Hz 偶数次倍音:第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)、第6倍音(660Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)、第7倍音(770Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
周波数特性の比較
周波数特性はDI直で同一のフレーズを30秒録音し、スペクトラムを比較しました。
波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
a.馬改造前
こちらもライオンヘッドパターンテールピースの記事の通り、ミッドが若干強めです。
b.馬改造後
100~400Hzが減衰しているため、低音域の存在感が弱くなっています。ところが800Hz以降は全帯域で馬改造後の方が良好で、かなりトレブリーです。ストラトやテレキャスに負けないため、高音域を活かした音作りが可能となります。
サスティーンの比較
サスティーンはシンプルに、開放弦Eコードを1ストローク鳴らして計測しました。基準となる馬改造前を0とし、交換後に±何%音が伸びたかを掲載です。計測したデータを元に、平均%、最小%、最大%の3通りのデータを算出しています。
馬改造後サスティーン
平均:-0.5%
最大:+2.8%
最小:-3.2%
50回計測した結果、項目ごとに優劣が分かれる結果となりました。平均や最小の値は馬改造前の方が優れていますが、最大値のみ馬改造後の方が上です。馬改造後は音が伸びる時は伸びるものの、安定感に欠ける事を示していると思います。弦の長さが短くなる点、正規の楽器部品を使っていない点などが、サスティーンのムラに影響したと推察です。
TOMトレモロサドル化 馬改造 まとめ
・TOMのトレモロサドル化パーツの8割はホムセンで調達可能
・馬改造後の外観は思いっきりIQが低い
・倍音特性は芳醇かつナチュラルな響きの傾向
・周波数特性はトレブリーで煌びやか
・サスティーンは安定感に欠ける
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※テールピースは標準取付けピッチですが、ブリッジが72mm支持と特殊な商品です。
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