[自由研究] 端子台 パーツテスターを自作して配線材の音を調べよう💖[音質改善]

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配線材の音を調べるのが面倒過ぎる! 端子台
楽器いじり中毒になってくると、あらゆる『音』が気になるものです。ギターの形状や木材、各種パーツ類にそれぞれ固有の周波数特性が異なります。更に細かい所まで突き詰めると、配線材やハンダによる音の違いも気になるハズです。しかし電装系の部品類は、外観だけで音の特徴を掴むのがかなり難しいと思います。
![MONTREUX ( モントルー ) / Vintage braided wire 1M [1011]](https://guitar-ijiri.com/wp-content/uploads/2021/05/DSC_0915.jpg)
同じような構造の配線材でも、実際に音を出すと全く特徴が異なる場合が多いです。故にある程度交換を繰り返し、銘柄による音の傾向を耳で覚える必要があります。ところが電装系部品類の交換は、そう手軽に何度も繰り返せる行為ではありません。ハンダ付けを繰り返す内に他の部品が痛む事もあるため、かなりの慣れが必要です。

ピックガードの取り外しが必要な機種の場合は、作業時間も相当なものになります。配線材の音の違いを調べたいと思っても、面倒で試せずにいる人も多い事でしょう。そこで手軽に配線材の研究を可能にする、パーツテスター自作方法をご紹介です。夏休みの自由研究にも最適なので、時間のある方はチャレンジしてみてください!
(課題として提出する場合、本ブログ名と本記事URLを掲載いただけると幸いです)
音色研究のお供に 端子台 はいかがかな?
パーツテスターといっても、計測器のような本格的なものではありません。構造は単純で、シールドとシールドの間に音を調べたい部品を挟むだけとなっています。信号の流れの途中に部品を挟む事で、その部品が持つ音が浮彫りになるという寸法です。この方法を使えば、あらゆる配線材やハンダの音の特徴が一発で掴めるようになります。

用意するのは、電気工事などで電気や信号の分配等に用いられる『端子台』です。端子台はホームセンター等でも、照明コーナーや電気工事用品売り場で入手出来ます。今回管理人が用意したのは、旧・春日電機製の3極型端子台です。おそらく音響分野では馴染みの薄い製品につき、まずは端子台の構造を説明します。
端子台 の構造について
端子台は樹脂製の筐体に、極数の2倍の数のネジが搭載されているのが基本です。ネジは極のラインごとに内部で導通があり、極数分だけそのラインが続いています。

上記画像の3極タイプならば、導通ラインが3本にネジの総数が6本です。

各ネジがそのまま端子となっており、ネジの首下には角座金が装着されています。

この座金を緩めて配線材を挟み、ネジを締める事で端子と配線材を導通させるのです。


端子台を複数用意すれば、異なる種類の線材同士を導通させる事も可能となります。

通常はFケーブルの分配に用いられますが、楽器用配線材に使用しても問題ありません。絶縁電圧が数百Vと非常に高いので、音響分野の電圧ならば余裕で対応です。
端子台 パーツテスターに必要なもの

まずはメインとなる端子台2台に加え、余っているギターシールドを1本用意します。本当は愛用のシールドが一番良いのですが、手持ちの安価なもので構わないです。
シールドが余っていない場合は、3m前後のお手頃価格のシールドを購入しましょう。安価で程々に質が良く、入手も容易なAria Pro IIのJG-10Xなどが適任だと思います。
事前準備
端子台は購入したらすぐに、全ての極の導通に異常がないか確認してください。マルチメーター等を使用し、極のラインがきちんと導通しているかをチェックです。

その際端子台の中央に、分かりやすいように目印をつけておきましょう。

本記事では分かりやすく+と-にしましたが、1,2,3と番号でも問題ありません。
端子台 パーツテスタ制作方法
2台とも異常がなければ、用意したシールドを中央付近から二等分にカットします。


カットしたシールドは更に被覆を剥き、ホットとコールド毎に束ねておいてください。


そして端子台の+と-にシールドの長さを合わせ、端子に固定すれば準備完了です。

使い勝手を良くするため、シールドは各端子台の左と右に分けて接続しましょう。

これで端子台の間に、『信号の流れの途中に部品を挟む』準備が整いました。音を調べたい配線材を用意して、各端子台の+と-に接続してください。プラグは片方がギターへ、もう片方がアンプやDI、インターフェースへ接続します。

この時アンプ等から出力される音が、『調べたい部品を通した音』そのものです。シールド1本のアンプ直で鳴らす音と比較すると、音色が変化していると思います。

可能であれば録音を行い、別の配線材の音と比較すると研究が捗る事請け合いです。ちなみに端子台に挟む部品は、なにも配線材に限定する必要はありません。自作用の切り売りシールド線や、スピーカーケーブルのチェックにも使用出来ます。

ハンダを切らずに線状のまま接続すれば、『ハンダの音色』も丸分かりです。

マニアックな所では、アースに使用するスズメッキ線の音だって調べられます。端子台に挟む事さえ出来るならば、あらゆる部品の音がチェック可能となるのです。
端子台 パーツテスタ使用例紹介

本ツールは1セット用意しておけば、楽器いじりの強い味方になってくれると思います。研究の参考までに、定番配線材を使用した周波数特性の違いを掲載です。ぜひとも色々な配線材を用意して、『マイベスト』な音を追及してください!
ALLPARTS / GW-0832-000 Cloth Wire Kit

ヴィンテージスタイルの内部配線として、クロスワイヤーは最早王道と言えます。布被覆の内部は撚線で、シールド線と比較してハイ落ちしにくい配線材です。ストラトやテレキャスでは、高音域の煌びやかさをストレートに発揮します。エフェクターの内部配線や、シングルコイル用のワイヤーとしても鉄板です。
MONTREUX / Vintage braided wire 1M [1011] 端子台
![MONTREUX / Vintage braided wire 1M [1011] 周波数特性](https://guitar-ijiri.com/wp-content/uploads/2021/07/20210709-1鋼線ワイヤー.png)
STやTLが布被覆が多いのに対し、レスポール系は網線シールドがよく用いられます。一般的なシールド線と異なり、ビニールや布の被覆が使用されておりません。シールド構造でノイズに強いですが、撚線よりも高音域がかなり控えめです。ただし600~1kHz付近はスポイルされないので、結果的に中音域が太く聞こえます。

7月28日自由研究の日に追記 メッキ処理有無クロスワイヤー
自由研究の日ですので、クロスワイヤーのメッキ処理の有無について計測しました。メッキ処理クロスワイヤーの新品が見当たらなかったため、取外し品を使用しています。ホットとコールドの長さを同じに揃えた上で計測したところ、出力面で大きな差が現れました。詳しくは管理人が同日に投稿した、下記該当ツイートをご確認ください。
🏃💨春日電機 組端子台 T1003 を探す💖
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