【特別企画】音楽雑誌 Player 55年の歴史からギターいじり好きが選ぶ『HARDWARE SPECIAL』最高の1冊
👆 音楽雑誌 Player『HARDWARE SPECIAL』が最高な1冊を総勢100人超のギターいじリスト達で選んだよ!
目次
本日もギタいじへようこそ!急ぎの人は『選出基準まとめ』から読もう!ハジメマシテな君は『コチラ』も見てね!
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音楽誌 Player『HARDWARE SPECIAL』が最高だった1冊をギターいじリスト目線で選出!
2023年6月14日、長きに渡り音楽シーンを支えた雑誌 Player (プレイヤー) の休刊が発表されました。Playerの歴史は古く、1968年に同誌の母体となるタブロイド判 Young Mates Music が創刊となります。
Y.M.M.は複数回の判サイズ変更を重ね、1975年1月号より現在まで続く Young Mates Music Player (※) へ改名となったのです。当時は楽器情報を直接ユーザーへ伝える術がなく、同誌はメーカーとユーザーの間に立ち情報を発信する役目を担ってきました。
(※) 以降Young Mates Music PlayerをPlayerと表記
Playerといえばギター関連ハードウェア情報の先駆者!
中でもハードウェア関連情報については並々ならぬものがあり、件の1975年1月号ではギター用ピックアップが特集されています。70年代は別冊でも『楽器の本』や『間違いだらけの楽器選び』など、ハードウェアと関係の深いユニークなテーマを刊行です。
👆 隔週刊時代の1980年1月15日号 No.145
1980年から2年の隔週刊体制を経て、再度月刊に回帰したPlayerではハードロック熱の高まりに応える特集が組まれていきます。ハードウェア関連記事は更に凄みと厚みを増していき、超大物ギタリストの嘘のような本当の企画が誌面を飾ったこともあるのです。
👆 隔週刊時代の1980年1月30日号 No.146
80年代後半に入ると、ハードウェア情報の目玉企画は『特集 HARDWARE SPECIAL』として大々的に掲載されるようになります。今回は当ブログのテーマと合致するHARDWARE SPECIALに着目して、Player55年の歴史から最高の特集が組まれた1冊を選出しました。
ウチのダンカン解析シリーズや激安ギターピックアップ調査は70年代Playerの影響を強く受けた記事群だよ!
Playerに影響されちゃった記事集
ていうか、ネタ要素を除いてほぼ全記事影響受けているわ……
Playerの『ポリシー』から選出基準を考える
HARDWARE SPECIAL最高の1冊選出にあたり、管理人の独断と偏見を排した基準を決めなくてはなりません。まずはPlayerの『ポリシー』に沿った内容で、多くのギターいじり愛好家にとって有益な情報であることが大切です。
創刊当初の「楽器と音楽の相互作用を語る」というポリシーは現在でも変わらない
引用:Player On-Line
また同誌ではHARDWARE SPECIALと表記される以前にも、ほぼ同等規模のハードウェア特集が何度も組まれています。80年代初頭は16 Pages Specialとして、ハードウェアや楽器フェスの情報を号代わりで特集していた時期がありました。
👆 1982年6月号の16 Pages Specialはフェンダー特集
よって記事の総ページ数が2桁を超えるハードウェア特集の場合、HARDWARE SPECIAL誕生以前の号数も選出対象とすべきですね。最後に幅広く老若男女の意見を反映するため、選出者を『Playerが10冊以上手元にあるギターいじり好き音楽関係者』といたします。
特集 HARDWARE SPECIAL ベストワン選出基準まとめ
・管理人の意見は反映させない(投票しない)
・Playerの『楽器と音楽の相互作用を語るポリシー』と合致した内容であること
・ギターいじり愛好家(ギターいじリスト)にとって有益な情報であること
・HARDWARE SPECIAL、またはそれに準じた企画内容と頁数であること
・選出者はPlayerが10冊以上手元にあるギターいじリストな音楽関係者
本音で投票!あなたにとって最高のPlayer『HARDWARE SPECIAL』は何号ですか?
以上の条件で管理人のギタいじネットワークを駆使し、音楽関係の仕事に従事する527名を対象にアンケートを実施です。アンケートはテキスト形式にて、心から最高だと感じるHARDWARE SPECIALを理由付きで1冊だけ回答してもらいました。無回答や無効票、選出基準を満たさない回答も多数につき、最終的な有効回答数は129票となっています。
それでは集計結果の多かった上位3傑にスポットを当て、カウントダウン形式で各特集を振り返っていきましょう。結果を見る前に本アンケートはあくまで内輪ノリの投票であること、有効回答数が極端に少ないことをご了承ください。なお表紙画像につきましては、Amazonと駿河屋から引用して掲載です。
第3位 90年代屈指の大型特集!
1993年10月号 No.332
HARDWARE SPECIAL
音の実験室 ~ギター・サウンドを考察する~
計6票
👆 1993年10月号 No.332
木材や塗装などの観点から『ギター・サウンド』を徹底的に考察する、1990年代屈指の大型特集が第3位にランクイン!いつの時代も定期的に浮上する『木材&塗装でエレキの音は変らない論』に対し、真っ向勝負を挑む超ディープな内容!
第3位 選出コメント抜粋
・専門的にギタークラフトを習うきっかけになった記事、音に関して独学では限界があることを悟った (50代/リペア工房経営)
・雑誌では一番好きな木材特集、沼に沈めてくれてありがとう(40代/材木販売・加工業)
木材はエレキの音に関係あるorない論はPlayer誌以上の歴史を誇るギタークラスタ定番ネタだね
おそらく紀元前から頻繁にモメているであろう話題
第2位 まさかの本人降臨!
1984年4月号 No.218
16 Pages Special
エディ君のギター制作教室
計8票
👆 1984年4月号 No.218
先述の嘘のような本当の超大物ギタリスト企画として、16 Pages Specialより『エディ君のギター制作教室』が第2位!エディ君は皆さんお察しの通り、若かりし日の故エドワード・ヴァン・ヘイレン氏ご本人!
PART-1ではGlen La Ferman氏撮影の写真を交え、エディ君自らボディの加工や塗装を手掛けるカラーグラビアを掲載!PART-2は読者も愛機にパターンマスキングを施せるように、ノウハウを解説しています!監修はフェンダー・カスタム・ショップでマスター・ビルダーを務めた、ギタリックス主宰の岩撫安彦氏が担当!
第2位 選出コメント抜粋
・あのエディ・ヴァン・ヘイレンが塗装ゴーグルや防塵マスクを装着しているインパクト(60代/リハーサルスタジオ経営)
・この号だけは絶対に処分出来なかった宝物、フランケン自作は我が青春(50代/ギター講師)
・さりげにフロイド・ローズ先生のご尊顔が拝める貴重な資料じゃないかな?(50代/楽器店勤務)
写真にはフロイド・ローズ先生の手ほどきを受けるエディ君……といった構図を彷彿とさせる編集部の脚注が入るよ!
隠れ1位 連続特集で惜しくも票割れ!
1986年11月号~1987年1月号 No.249-251
HARDWARE SPECIAL
DO THE PAINT 入門編-中級編-上級編
シリーズ累計11票
👆 1986年11月号 No.249 (入門編)
第1位を発表の前に、選出基準を『1冊』としたため票割れしてしまった特集をご紹介!1986年11月号からHARDWARE SPECIALでは『DO THE PAINT』と題し、塗装に関する特集を入門・中級・上級編の順に3号連続掲載!
票数は入門編が4票、中級編が3票、上級編が4票につき、DO THE PAINT全体では11票を獲得!ちなみに後日編集部談では、読者から『愛機がスクラップになった』という報告もあったとかなかったとか……?読んでしまったその日が吉日、フロンティアスピリッツ旺盛なギターいじリスト達にアッパレ!
第1位 ギター小僧はギター構造がお好き!
1987年6月号 No.256
HARDWARE SPECIAL
基礎からのギター構造学 ~みえすぎちゃって、こまるの。
計9票
👆 1987年6月号 No.256
栄えある第1位に輝いたのは、理論編とチューンナップ編から綴られる『基礎からのギター構造学』もとい小僧学!ギター小僧達の腕試しに、理論編では三要素からなる音の構造、音質を決定するギターの構造、材による音質・比重・伝播速度の違いをまるっと解説!
続くチューンナップ編ではハードウェア名称から始まり、機能や調整方法、音質改善の要点を図入りで学べる全21ページの大型特集!ギターエンジニアスクール、フェルナンデス、イシバシ楽器と、取材協力の層が分厚いのも特徴です!Kahler Flyer&ナットにYAMAHA Rockin’Magic IIなど、同年代に流行したトレモロシステムが紹介されている点にも時代を感じます!
第1位 選出コメント抜粋
・後にも先にもPlayerのポリシーを最も体現している企画だと思う(50代/調律師)
・専門書とは違った優しい目線があるため、初心者がハードウェアに関心を持つ契機となる内容だった(50代/楽器店勤務)
・ギターを始めて3年後位に叔父から読んでおけと譲って貰ったのがこの号(30代/楽器店勤務)
・ブラスバンド部の音楽準備室に置いてあった先生の私物を勝手に読んでいた。卒業時に先生がプレゼントしてくれた思い出の品 (20代/レコーディングスタジオ勤務)
世代を超えて引き継がれたエピソードが複数挙がっているのが面白いね!
おまけ:管理人ベストワン賞 通好みのコア特集!
1982年9月号 No.199
16 Pages Special
ヴィブラート・アームの特集
計?票
👆 1982年9月号 No.199
アンケート結果とは別に、管理人が最も好きなハードウェア関連記事として『ヴィブラート・アームの特集』をチョイス!ヴィブラート・ユニットではなく、文字通りアームのチューニングにスポットを当てたコアな情報が満載!
かつて当ブログで紹介した『ホームランみたいな弾道のアーム』を見逃さぬ、管理人のアーム選球眼を育んでくれた特集です!
管理人ベストワン賞 選出コメント
軽く99999票(カンスト)は入るものと思っていましたが何故か0票でした
これが人生。
音楽雑誌 Player『HARDWARE SPECIAL』を振り返って
トップ3に隠れ1位、管理人好みの企画と、ハードウェアという縛りながらバラエティ豊かな内容の選出となりました。Playerではハードウェア関連記事が80年代、とりわけ1987年前後を境にぺージ数が大幅にアップしています。そのため選出された特集の大半が、1980年代に集中しているという点が興味深いです。
もう少し加えると、80年代に集中しているのは1979年から総頁228ページに増えたのが大きいと思うよ
それに2000年前後は別の意味でページ数が増えたからね……
折しも80年代後半はバンドブームが追い風となり、エレキギターの需要が爆発的に増えた時代でもあります。手頃なギターが玉石混淆で生産されていたため、自分でハードウェアを調整しようと志すユーザーが多かった表れかもしれません。とは言え雑誌の発行年や選出者の年代別に1冊を決めたり、有効回答数が多かった場合は全く異なる結果になっていたハズです。
👆 2002年5月号No.435
例えば選出基準を21世紀以降から1特集とした場合、2002年5-6月号 No.435-436の『ストラトキャスターに魅せられた男達』は上位に食い込んだと思われます(今回は各3票)。1票も非常に多く本記事内では全てを取り上げることが出来ませんが、その他のハードウェア特集も漲る熱量の名企画揃いです。どの特集も優劣をつけられるものではなく、各ユーザーそれぞれの心にベストワンな1冊があって然るべきでしょう。
楽器を愛する者達の灯となり、
道しるべとなった音楽雑誌 Player。
そして同誌制作に携わった全ての皆様へ。
貴方達の手掛けた数多の特集は同好の士に刺激を与え、底なしギター沼の深淵へ誘うには十分過ぎる程のエネルギーを秘めていました。日本の音楽シーンに大きな影響を与えた本誌の功績を称えて、ここに最大の愛を込めて感謝の意を表します。
音楽雑誌 Player があったからこそ……
散財癖が染みついて万年金欠になっちまったじゃねえかあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!
俺もだあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!
我もだあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!
これが人生。
- 続く -
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🏃💨それでも我々は最後の時まで 音楽雑誌 Player を買い漁る🎸
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2023年7月5日発売、既にほぼ完売!
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