モディファイのお供に激安 LCRメーター はいかがかな?
👆 Longruner トランジスタテスター 日本語マニュアル LCRメーター
電気計測器って高いのよね……
エフェクターの自作やモディファイなど、電子工作に計測器は欠かせない存在です。テスターが必須なのは勿論の事、オシロスコープに憧れを抱く方もいると思います。電子部品や回路の計測には、LCRメーターも出来れば揃えたいところですね。
電子工作は回路設計だけではなく、部品そのものの性能が決め手となります。具体的な性能は仕様書で確認できるものの、必ず部品には個体差があるのです。高い性能の部品を選別する事で、より精度の高いチューニングに対応が出来ます。
それなのにこういった電気計測器は、総じて市場流通価格が高額です。本職ならまだしも、趣味の電子工作としては敷居の高さを感じる事でしょう。
Amazon等では低価格の LCRメーター が多数流通
それでも近年は海外を中心に、低価格で購入出来る測定器が流通しています。
どうやら外装を極限まで簡略化し、機能を厳選したLCRメーターが人気の模様です。中には三和電気計器製LCR700の、およそ1/10以下の価格のモデルも散見します。果たしてどの程度の利用価値があるのか、試しに取り寄せてみる事にしました。
MODには LCRメーター があると便利
楽器関連MODでは、トランジスタやダイオード、コンデンサの性能検査が重要です。この3種の部品を選定するために、下記の機能が備わっている計測器を探します。
・トランジスタチェッカー
・ダイオードチェッカー
・抵抗値測定
・静電容量計測機能
・ESR計測機能
・誘電正接計測機能
LCRメーターには備わっている機能ですが、激安計測器は色々制限がある様子です。例えば一般的なLCRメーターでは、周波数毎にESRが計測可能となっています。ところが激安測定器の場合は、総じてそういった細かい指定が出来ない仕様なのです。
おそらく固定された周波数でのみ、ESRを測定しているものと推測します。固定周波数でも周波数帯が分かれば良いのですが、そちらも記載がありません。価格が価格ですので、やはり多くを望まない方が賢明です。とりあえず計測結果が精密でなくとも良いので、購入者数の多いモデルを選びました。
Longruner トランジスタテスター
今回取り寄せたのは、名目上はトランジスタテスターとして販売されています。しかしながら機能自体は豊富で、ほぼLCRメーターに近い使い方が可能です。ブランドはLongrunerですが、同一仕様の別ブランドモデルが多数販売されていました。
中華タブレットやPCと同じく、製造を請け負っている会社が全て共通なのでしょう。ロゴの有無や液晶のカラー化、外装の強化など、微妙に差異があるみたいですね。基板むき出しのタイプは超激安だったりと、機能と外観が価格に直結しています。管理人は念のため、日本語の説明書付きのモデルを選択です。
アヤシイ日本語はご愛敬
本品の外箱は結構しっかりしており、付属品も多めとなっていました。

説明書は案の定、Amazonの商品説明ページレベルの日本語で記載されています。意味が通じない言葉にはなっていないため、この辺は特に問題無しですね。校正の方法がかなり特殊だったため、外国語では分からなかったと思われます。(商品ページには校正機能に関する言及はあるが、操作法の記載が無し)
使い方は各エリアにリード線を挟むだけ!
さて肝心の使い方ですが、本体左下のソケットに計測したい部品を挿すだけです。部品を挿した後にレバーを倒すと、ソケット内の接点が固定されます。ソケットに部品が挿せない場合は、付属のテスタリードを使用してもOKです。


KAAと記載のあるソケットが、ツェナーダイオード専用のエリアとなっています。123と記載されているソケットは、ダイオード&その他を測定するエリアです。

測定の準備が整ったら、右下のボタンを押す事で測定が自動で開始されます。部品の種類やレンジを選ぶ必要は無く、この点は大手メーカー製より便利ですね。連続で異なる部品を調べたい時など、ストレスフリーで計測する事が出来ます。
ソケットの役割に注意
部品によって使用するソケットが異なるため、こちらも説明書が必須です。1は全ての1、2は全ての2、3も全ての3と導通しているため、注意が必要となります。ダイオードをチェックする場合は、123全ての端子に異なるリードを挿入です。コンデンサ絡みの計測に関しては、1と2の端子のみを使用します。

例えば1と1に部品を挿入しても、正常に計測が出来ずにunknown判定です。2と3の端子を使っても静電容量は計測出来ますが、ESRが計測出来なくなります。こういった所も直観では分からないため、管理人としては日本語説明書版を推奨です。
壊れている部品は判定が微妙な場合アリ
目的は3種の部品の測定機能でしたが、本品は他にも多数の部品に対応していました。電池や三極管、サイリスタ、ポテンショメーター等も測定可能です。これらを設定変更無しに、自動判定で調べられるのはとても助かります。

ただし難点もあり、壊れた部品の場合はunknown判定にならない時もありました。正常な部品判定がなされない場合は、計測対象の部品に異常があるものと認識しましょう。
ESRは10kHz付近の周波数と推測
コンデンサについては、一度に静電容量とESRと誘電正接の3つを測定可能です。説明書の記載によると、Vlossが損失係数を示しているとの記載があります。大手メーカーの周波数レンジ毎のESRと比較したところ、10kHの値と近似です。

ただし静電容量によっては、10kHzの値と全く異なるケースもありました。やはり周波数が不明につき、おおよその参考値程度に捉えるのが吉でしょう。ESRの高低は確実に分かるため、不良コンデンサの除外にも役立ちます。Vlossの値も高周波特性の目安になるため、MODでは大いに活躍するハズです。
電池はあまり長持ちせず
本体にはリチウムイオン電池を内蔵し、Micro USBによる充電に対応します。電源は手動で落とせるほかに、測定後に自動消灯する機能も搭載です。ただし電池の持ちが良く無いため、長時利用の際はUSBに接続しましょう。
趣味の分野なら LCRメーター の代理として活用可能
総評として、本品は精度よりも使いやすさに重点を置かれています。部品を挿すだけで自動測定されるという、お手軽さが最大の魅力ですね。面倒な計測レンジの設定も必要無く、目的の値を素早く知る事が出来ます。
反面精度はそこそこといったところで、精密な測定には向きません。けれども趣味の自作やモディファイなどでは、十分に活用可能です。とりわけコンデンサに関しては、計測しない場合よりも大きな成果が得られます。
コンデンサをまとめ買いした時などに、計測結果による選別作業をぜひ行いましょう。vlossとESRの低いものを選別するだけでも、かなりの差が音に表れるハズです。1台あると何かと便利につき、モディファイ愛好家は手を出して損は無いと思います。
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