【改訂版】Roland JC-120 をアンプ直ディストーションで歪ませて録ったプロギタリスト音源ってあるの?
👆 Roland JC-120 をアンプ直ディストーションで歪ませてレコーディングした音源の存在が気になる!
本記事は最新の情報に基づき、2023年6月5日投稿の同タイトル記事に加筆修正を加えた改訂版です。新たに『大柴広己氏による旧型JC-120のアンプ直オンリーで歪ませた音源【2023.08.17追記】』~『謝辞』までを追記しています。
追記の追記【2024.08.04】の項にて、2024年8月3日に開催された神戸周遊フェス関連のポストを再追記いたしました。
目次
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Roland JC-120 をアンプ直ディストーションで歪ませたプロギタリストの音源が知りたい!
Roland JC-120は、多くのリハーサルスタジオに常備されているギター用コンボアンプの定番です。
ギタリストの個性を素直に反映するクリーンと空間合成コーラス、そして故障の少ない耐久性は世界的に評価されています。JCクリーンやJCサウンドと表現されるオーディオライクなトーンは、プロミュージシャンのレコーディングでも存在感を発揮です。
メタリカのEnter SandmanではエレアコとJC-120で印象的なクリーンを奏で、続くハードなリフの鮮烈さを何倍にも引き立てています。
クセの無いクリーンはエフェクターの反応が良く、ステレオに対応したエフェクト・ループの搭載も魅力的です。
JC-120のディストーションは歪みよりもブースター的活用が中心
一方JC-120の評価が割れやすい要素として、アンプ直でのディストーションサウンドが挙げられます。JC-120のアン直歪み談義はギタリストの鉄板ネタであり、一度や二度はその話題を耳にしたことがあるハズです。
アン直縛りの際でもクリーンと対照的に歪み方が独特でクセが強いため、直観的な音作りの難易度が高いと言えます。故に単独で深く歪ませるよりもカチッとスイッチだけを入れ、メモリを最小にした状態でブースター的に活用するのが通例です。
最新モデルはディストーション回路アップデート済み
歪みが使いにくいという声は開発陣にも届いていたようで、最新モデルではディストーション回路がアップデートされています。
2022年10月22日開催のRoland/BOSS Players Summit 2022の2日目にて、現行品はクランチ寄りの歪みであることが公表されました。
2021年11月のJC-120リニューアル時より最新回路となっており、電源が2点式トグルスイッチとなっているモデルが対象です(初期型電源の中点OFF仕様3点式トグルスイッチモデルは旧回路)。よって本記事で取り扱うJC-120は、2021年のディストーション回路リニューアル前の旧型JC-120を指すものといたします。
旧型JC-120のアンプ直ディストーションで『歪ませたプロ音源』は存在する?
ここで是が非でも気になるのが、旧型JC-120のアンプ直で歪みを作りレコーディングを行ったプロ音源の存在です。1975年に誕生したJC-120は、48年もの長きにわたり音楽史にその名を刻み続けてきた名機中の名機となっています。
壮麗なJCクリーンを響かせる音源のみならず、相当数の『JCディストーション』な音源も存在しているハズです。ところがいくら探せども、JC-120直でリードサウンドを録ったプロギタリストの音源情報が見つかりません。『あの曲はJC-120の歪みではないか?』といった噂は散見しますが、この手の話は公式発表やメディア掲載等根拠が必要となります。
ちなみに今回は『JC-120フルテンで弾いてみた』系の投稿動画は除外としたよ(スタジオレコーディングを通して販売・配信された音源を対象)
演歌や歌謡曲では聞いた瞬間『これ絶対JC-120アン直歪みの音だろ』ってのが結構あるんだけど、情報を公開していないギタリストも多くてね……
JC-85を用いたJCディストーション音源は発見
捜索が難航する中、辛うじて見つかったJCディストーション音源がMountain Mocha KilimanjaroのYellow Soul Forceです。とは言え使用されているアンプはJC-120ではなく、よりグランジなドライブが特徴のJC-85となっています。
設定はギタリストの小林”Bobsan”直一氏が誌面で明言しており、終盤のロングトーンがディストーション目盛り8の歪みとのことです。ドラムソロを縫うように挿入されるリードフレーズで、Marshall JCM800にファズを繋いだような歪みを再現されています。
2021年11月以降に発表された楽曲のJC-120ディストーション音源
大柴広己氏はギター・マガジン2023年2月号掲載インタビューによると2022年発表の『がらんどう』、2023年発表の『なに ( ゚д゚) しとん?』にて、JC-120のディストーション(目盛り10)にワウをかけていることのことです。他の楽曲でも歪みはJC-120オンリーとのことですが、上記2曲は楽曲発表年が2021年11月以降である点、エフェクター併用の点を考慮し別枠扱いとしています。
JC-120のディストーションを全開にしてピッキングコントロールのみで歪みを制御するスタイルは必聴!
2021年以前の楽曲も確実にJC-120の歪みだと思うけど、純粋なアンプ直のみで録っていると判断出来る情報が見つかりませんでした
大柴広己氏による旧型JC-120のアンプ直オンリーで歪ませた音源【2023.08.17追記】
2023年8月17日に大柴広己氏が公式X(旧Twitter)アカウントを更新し、旧型JC-120のアンプ直オンリー音源について言及です。大変うれしいことに当記事をご覧いただいたようで、該当音源の情報と共に記事リンクまでご紹介いただきました。
ありのまま (2014年10月15日)
『ありのまま』は、2014年10月発表の6thアルバム『それを愛と呼べる日が来るとは思わなかったよ。』に収録されています。2015年1月には同曲のMVも公開され、1962年製 Gibson ES-330 (無改造) 通称『ヒトツメ』を手に高らかに弾き語る姿が印象的です。
ドッグイヤーP90をセンターに1基搭載の愛機ですが、33歳の3月3日に33万円で購入したというエピソードが秀逸となっています。アコースティックに近い音のニュアンスと2.8kgという軽さから、アコギ使いの氏にとっては『なくなると困る』相棒とのことです。
(ギター情報出典1:ギター・マガジン 2021年7月号 P203 INTERVIEW & GEAR / ギター情報出典2:公式ホームページ GUITAR)
MVのギターは終始Gibson ES-330を使用していますが、レコーディングではテレキャスターを使用されているとのことでした。絶妙な粒立ちの良さと太さを備えた、爽快なクランチサウンドを奏でています。
エレキとアコギ、どちらの要素も感じられる『生音に近い』ダイナミクスだね!
より詳しい機材情報はギター・マガジン 2021年7月号誌面にてチェック!(電子版配信有り)
レコーディングも『ありのまま』で誕生した奇跡のワンテイク!
ぴあ関西版WEBのインタビューによると、本曲はレコーディング待ちの時間に降りてきたメロディーを僅か15分ほどで形に仕上げた作品だそうです。スタジオで完成させた後に、バンドメンバーと一緒に録った一発目のテイクがアルバムに収録されています。つまり重ね録り無しのワンテイクとなっているため、これ以上にないほどの『JC-120アンプ直歪みオンリー音源』だと言えるでしょう。
(音源情報出典:ぴあ関西版WEB インタビュー&レポート 2014年10月24日)
ありのまま心のまま、空よりも高くオンリーワンな君へ届けたい!
1人から広がる世界を純朴な言葉で紡ぐ、歌心溢れるソングライティングにも注目!
アルバムのメインテーマとなる『愛』が集結した、まさに奇跡の一曲だよ!
それを愛と呼べる日が来るとは思わなかったよ。 (ありのまま 収録アルバム)
» 大柴広己 – それを愛と呼べる日が来るとは思わなかったよ。
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追記の追記【2024.08.04】
2024年8月4日に大柴広己氏が公式X(旧Twitter)アカウントを更新し、2024年8月3日に開催された神戸周遊フェスの様子をポストされました。当日は自身の単身弾き語りパフォーマンスの他、BRAIN BREAKS (ブレイン・ブレイクス) のエレキギター/コーラスとしても参戦です。
該当ポスト (下記) ではBRAIN BREAKSの『ゴリラ芸』にて、JC-120アンプ直による爽快なギターサウンドを披露されています。
JC-120のセッティングですが、オープンエアーの場所では基本ドラムの音に合わせてJC側のボリュームの音を決めております。
昨日のツマミのセッティングはチャンネル2のローゲインに繋ぎ、ボリューム2.5、トレブルミドルローは全て5、ディストーション10、リバーブは4です。
とても良いJC-120でした🎸
当日のセッティングについても公表されており、ステージに合わせたJC-120サウンドメイクは百戦錬磨の氏だからこそ成せる技であると痛感です。何よりも『とても良いJC-120だった』という一言には、氏が奏でる音楽空間のポジティブさが滲み出ていますね。
いくら卓越した技量を備えていようとも、フェスにおける演奏を通した感動体験は1人だけでは中々生み出せないものです。JC-120の開発や製造に携わったRoland社、流通を担う楽器店のみならず、フェスの運営や設営に関わった全ての人達、オーディエンスに共演メンバー……
最高のステージでひとつになった全ての人達に『○ (マル)』を届ける、素敵な人柄が表れていると感じます。
- 追記の追記ここまで -
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『MOJA CABLE』 大柴広己氏 Signature シールド!
旅するシンガーソングライターとして各地を渡り歩く大柴広己氏にとって、ギターシールドは大切な『楽器』の1つです。シールド1本でRoland JC-120だけを使用する音作りからも、ステージを選ばぬ氏ならではの哲学が感じられます。
かつてはGeorge L’s等を使用していた模様ですが、現在はFurious Note Guitar謹製『MOJA CABLE』がメインシールドです。氏の愛称であるモジャの名を冠した本品は、カールコードでありながらアコギにも対応するレンジの広さを備えています。
JC-120のディストーションを10にしてクリーンと歪みを弾き分ける、氏の演奏スタイルを支えていることは間違いないでしょう。
MOJA CABLE [7.5m S/L] 大柴広己Signature Model
大柴広己氏コメント
引用:MOJA CABLE [7.5m S_L] 大柴広己Signature Model _ Furious Note Guitar より
楽器を弾く人間にとって、感情をそのままアウトプットするためのシールドは、大切な楽器の一つです。これはクラフトマンの多田くんが高松にある小さな楽器屋の片隅でひとつひとつ丁寧に作っている奇跡みたいなカールコード。
太く、鮮やかで、なおかつ原音を損ねない。この良質なシールドが完成するまでに彼と何年も試作を重ねてきました。アコースティックギターはもちろん、エレクトリックギターにおいても最高の音をアウトプットすることをお約束します。
皆さんの音楽にこのシールドが素敵な彩りを与えますように。
—–と言うのは体裁で・・・
「赤いカールコードって最高にかっこよくないですか?」
シンガーソングライター 大柴広己
» Furious Note Guitar – MOJA CABLE [7.5m S/L] 大柴広己Signature Model
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謝辞
大柴広己様、およびスタッフの皆々様へ。
この度は当ブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。お知らせいただいた楽曲情報をもとにして、本記事の加筆修正を行いました。お心遣いに深謝いたしますとともに、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
ギターいじリストのおうち 管理人
リンク紹介
大柴広己 オフィシャルサイト
https://oshibab.wixsite.com/oshibahiroki
大柴広己(もじゃ)🎩@oshibahiroki 公式𝕏アカウント
https://x.com/oshibahiroki
BRAIN BREAKS🧠 公式𝕏アカウント
ギタいじで大柴広己さんの代表曲『ドナーソング』を特集しました!
ここからは記事改訂前に管理人が見つけた、旧型JC-120アンプ直ディストーションの紹介に移るよ!
- 追記ここまで -
なんとか発見した旧型JC-120をアンプ直ディストーションで歪ませたプロギタリスト音源がコチラ!
ここはギターいじリストのおうち
……の管理人のおうち 第三書庫
これはもうググって見つかる情報ではないと思うので……
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うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
……と長期戦を覚悟したのも束の間、呆気なくJC-120アン直歪み音源を発見しました。件の音源がこちら、
CDで聴くアンプ・ブック収録のトラック34『Roland Jazz Chorus JC-120』です。そのものズバリな禁じ手も良いところの、ジャズコアン直歪みデモ音源が楽しめるCDとなっています。
ごめん、無知過ぎてマジでこれ以外見つからなかった
ていうか情報ソースが過去のテレビやラジオ出演時の発言、誌面インタビュー等の場合、確認が難しいので根拠として断定出来ない(※1)のよ(ウィキ要出典現象)
※1.例えばギターウルフ・セイジ氏はアンプ直を公言しライブでも同等のスタイルですが、レコーディング時にJC-120アン直の明確な楽曲を特定出来るソース検索出来ず(ギター・マガジン2004年8月号ではJC-120含む3種のアンプをレコーディングで使い分けているという旨のインタビュー内容有り)
収録音源について
名前でなんとなく察した方も多いと思われますが、本音源はリットーミュージック刊行ムックに付属するCDです。正式なムック名は『ギター・マガジン Sound Check series Vol.2 CDで聴くアンプ・ブック』となっています。
該当ムックの内容は2007年の時点で流通していたギターアンプを、38台分同一条件で弾き比べるというCD連動型の企画です。全ギターアンプを共通のストラトとレスポールだけを使い、アンプ直のみのサウンドでレコーディングするというものでした。
ギタリストはギタマガではお馴染みの故末原康志氏、レコーディング・エンジニアは天童淳氏が担当しています。ムック内では使用機材やアンプの設定、マイク環境も公表されているため、確実性の高い旧型JC-120アン直歪みプロ音源です。
1分程度のデモ演奏ですが、末原氏所有の1972年製レスポールデラックス(※2)のリアで57Classicを鳴らしたJC-120の歪みが確認出来ます。
※2.本来はミニハムバッカーだが末原氏は57Classic×2へ改造した機体を長年愛用した。先代所有者は山本恭司氏。
レコーディングされた旧型JC-120アンプ直ディストーションの歪みってどうなの?
さて肝心の歪みっぷりについては、おそらく想像している旧型JC-120の歪みサウンドよりも遥かに上質な印象です。Marshall JCM800に近いエッジと立ち上がりの良さが感じられ、思いのほか伸びのあるロングトーンも収録されています。ただし随所でJC-120らしい歪み方も見え隠れし、アタック直後にグシャっと音が潰れる箇所があるのも事実です。
どことなく詰まったような雰囲気のあるサスティーンも多く、やはり独特で聞きなれない歪み方だと思います。しかしフリーソロパートでは末原氏が機転を利かせ、音が潰れる前に『別の音で押し出す』テクニカルなフレーズを披露です。旧型JC-120でしかニュアンスが出せない音とフレーズであるため、使いにくい歪みも魅せ方次第であるというのが良く分かります。
個人で再現するのは厳しい?
ですが現実的問題としてリハーサルスタジオでは音量制限を設けている店舗も多く、JC-120を大音量で試せる機会は中々ありません。収録音源では限界に近いメモリまでVOLUMEを上げていることもあり、個人の趣味等で同じ歪みを再現するのは難しそうです。
引用の範囲を超える(本ムックの存在意義が無くなる)ため、どのようなセッティングなのかは実物を買って確認してね
音源の入手性について
ムックに付属のCDに収録された音源につき、2023年6月現在は新品入手が不可能となっています。音源を聞く方法は中古品の入手に限られますが、古本屋でエンカウントする確率は極めて低いです。
Amazon等では中古品の流通がある様子なので、そちらを利用するのが最善策となります。Yahoo!ショッピングにも中古品が販売されているものの、明らかな高額転売が多くあまりおススメ出来ません。
また本ムックはカタログ的資料として一定の価値がある反面、企画コンセプトや収録アンプの偏りが著しく激しいです。万人に推せる内容とは言い難く、JC-120アン直歪みレコーディングプロ音源が存在するという事実の認識だけで十分な気もします。興味のある方は古本屋やネットショップ巡りをするなどして、世にも希少な『JCディストーション』を体感してみてください!
🏃💨我慢出来ないので Roland JC-120 を買って確かめる🎸
Roland ( ローランド ) / JC-120 ギターコンボアンプ
Roland ( ローランド ) / JC-120 50A 特別仕様
CDで聴くアンプ・ブック
ギター・マガジン 2017年1月号 (ジャズコーラス特集)
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