Outside The Box FX Signal Diverter レビュー!『エフェクター人間』になれる業界最狂珍品!!
👆 Outside The Box FX Signal Diverterでエフェクター人間になれるのかレビュー!?
目次
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Outside The Box FX Signal Diverter は『何でも信号化』する珍エフェクター!
Outside The Box FXのSignal Diverterは、過去に例をみない特殊なエフェクターです。Signal Diverterは複雑な電子回路を排し『箱(ストンプ)の外に飛び出した音』を生み出します。機体には2本のクリップコードが接続されており、他にはON/OFFスイッチとLEDのみです。
コードはギター信号のホットラインなので、導電性の物質を挟むとシグナル化されます。言い換えるとクリップで接続した導電性の物質全てが、サウンドに変換されるのです。世界中の導電性物質を音に変える、まさに夢のようなエフェクターとなっています。
公式の紹介動画では、本機に氷入りコーラを接続した音が披露されていました。音の良し悪しはともかく、Signal Diverterを接続すると確かに『コーラの音』へ変化する模様です。
Signal Diverterは販売店も脱帽の頭のおかしさ!
本動画に関して、chuya-online.comのDiscoverでは下記のように紹介されています。以下Discoverより、担当者のストレートな感想を原文のまま引用です。
今、私は製品資料を読んでます….。
「Outside The Box FX Signal Diverterは、とてもユニークなペダルです。」
ふむふむ。
「ギターシグナルをナンバープレートに通すとどうなるだろうと思ったことはありませんか?」
ねぇよ!つか、ええ??どういう事??
「自動車のリムや、ドラム缶などはどうでしょう。魔法のコンデンサのようになるでしょうか?」
ああー、なるほど!!テスターみたいなフォルムだなと思ったらこの2本の導線で何でも挟んでエフェクターにしようって話ね!!!
…….
頭おかしいんじゃねぇの???wwww(褒めてます)
世界中をエフェクターにしてしまえ!Outside The Box FXから何でもエフェクターにしてしまう「Signal Diverter」発売開始 – Discover
正直なところ、管理人も全く同じ感想を抱きました。発想の根源が狂っているといいますか、良い意味で変な方向にぶっ飛んでいますね。これほど面白そうなオモチャを見せつけられて、購買意欲が抑えられる訳がありません。本当に世界中をエフェクターに出来るのか、色々試しながらみていきましょう。

珍エフェクター Outside The Box FX Signal Diverterの外観
外箱はシンプルな白の無地で、代理店LEPのバーコードが添付されているのみです。箱の中には本体の他に、保証書兼説明書と収納用の布袋が付属します。

筐体は真っ白に見えますが、実際にはラメ入りのキラキラしたホワイト系の色です。想像以上にガッチリした構造で、塗装の仕上がりもなかなか良好となっています。

インプットとアウトプットは両サイドに設けられており、クリップは正面上方です。コードの先端は基板直付けとなっているため、脱着は不可能となっています。ワニ口クリップは厚手で噛み合わせが良く、細目のワイヤー等も挟めそうですね。
簡単な機能確認
筐体のトップには電源用LEDがあるものの、機能自体に電源は必要ありません。ON/OFFを確認するためのLED点灯用で、信号自体はパッシブとなっています。

そのため電池無しでも使用可能ですが、最初は電池有りで使用する事を推奨です。

OFFの時はドライ音として、ケーブルを経由しないサウンドが再生されます。ONにするとホットがケーブル経由に切り替わり、接続した物質をシグナル化です。

何も接続しないと断線と同じ状態になるため、一切音が再生出来なくなります。動作確認をする際は何でも構わないので、手頃な金属でも挟んでおきましょう。
珍エフェクター Outside The Box FX Signal Diverterのレビューに使用したギター

本機の検証に使ったギターは、過去に取り上げたGROTE シンラインタイプです。エフェクター等は一切使用せず、そのままインターフェースに直結しています。Signal Diverterを接続してOFFにした状態で、基準となる倍音と周波数特性を計測しました。
GROTEシンラインタイプ倍音特性

倍音特性波形の周波数目安
左から2つ目の山(中央灰色線)が基音110Hz 偶数次倍音:第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)、第6倍音(660Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)、第7倍音(770Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
GROTEシンラインタイプ周波数特性

波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2kHz,3kHz,6kHz
» 【かっこいい】GROTE シンラインタイプはセミホロウでエアー感溢れる音!
使用ギターが気になる人はこちらのレビュー記事へGO!
珍エフェクター Outside The Box FX Signal Diverter + 液体の音をレビュー!
ここからSignal Diverterに、身近な物を色々接続して音の変化を確認です。公式動画を見た人は、真っ先に液体を調べてみたい衝動に駆られると思います。身近な液体といえば、冷蔵庫に常備されている物が浮かぶハズです。
ジュースやビール、日本酒、醤油やドレッシングなどもシグナル化出来ます。液体をクリップが挟めるグラスに注ぎ、水位をクリップに合わせればOKです。とりあえず台所に行けば、何かしら実験台になる液体が見つかる事でしょう。

しかしながら管理人の家には、見事に炭酸水しか常備されていませんでした。香料と炭酸の強さこそ違えど、基本的には全て原材料が水となっています。仕方がないので、先鋒はウィルキンソン タンサン 梅をチョイスです。
Outside The Box FX Signal Diverter + ウィルキンソン タンサン 梅 (230g)
クリップは意外に接点が短く、グラス一杯に炭酸水を注ぐ必要があります。重量計で調べた所、使用した炭酸水の重量は230gでした。胸の高鳴りを感じつつ、炭酸水エフェクター初体験です。

ここまで御覧になった皆様は、凄まじい期待感を抱いているかもしれません。『炭酸の音がするエフェクター』と聞けば、好奇心が爆ぜると思います。当然ながら管理人も同じ心境で、脳内妄想が宇宙の如く広がっていました。
倍音特性
ところが現実は厳しく、はっきり申し上げて音の変化はかなり微妙です。クリーンの単音は多少変化を感じますが、和音になると違いが分かりません。アンプを歪ませると更に変化が小さくなるため、倍音特性を見てみます。

倍音量自体はほぼ同等で、各倍音のバランスが変化している様子です。基音より低い非整数倍音が大きくなるなど、良く聞くと音にクモリを感じます。
周波数特性

出力が-9dB低下しているため、波形が同じ大きさになるように補正済みです。周波数特性は800~6kHzが強くなり、800Hz以下は大きく減衰していました。重低音がゴッソリ削れているなど、やや軽めの音に変化しています。
Outside The Box FX Signal Diverter + シンプルグリーン

他の液体も気になったため、開封したての中性洗剤を接続です。一時期テレビ通販で猛威を振るった、シンプルグリーンの原液を試してみます。
倍音特性

接続した瞬間に、ノイズの増加が顕著になりました。非整数倍音が激増しているため、倍音特性もノイジーな傾向ですね。
周波数特性

出力はそれほど低下せず、最大で-1dB低下する程度に留まっています。補正して波形の山の頂点を揃えると、OFF時との変化自体も少ないです。ローが若干弱くなり、高音域が僅かにブーストされています。ノイズを除いては、あまり大きな音の違いを感じないかもしれません。
公式では液体の音として『湖』をチェックしているよ!
珍エフェクター Outside The Box FX Signal Diverter + 金属の音をレビュー!
期待値が高過ぎたのか、管理人のテンションも下降気味です。有頂天だったアバンチュール心が、急速に冷めていくのを感じています。このままではいけないので、液体ではなく金属にチェンジしましょう。
Outside The Box FX Signal Diverter + Aria Pro II の古いベースブリッジ
電気を通しやすい金属といえば、電子弦楽器パーツではブリッジが筆頭です。弦アースの肝になっている上に、体積も重量も大きめとなっています。

そこで頑固そうなフォルムをしている、Aria Pro IIのブリッジを用意しました。1980年代の主力ベースに搭載されたタイプで、材質はおそらく亜鉛合金です。

重量も310gと炭酸水以上の重さがあるため、大きな変化があるかもしれません。
周波数特性

倍音を計測しようとしたのですが、ノイズの多さで正確性に欠けてしまいます。ここからは全て、周波数特性の計測結果のみ掲載するので予めご了承下さい。出力は-1dB程度の低下にとどまり、200Hz以下の低音域が強くなったみたいです。200Hz以上では大きな変化がなく、聴覚的にも変化は感じられませんでした。
Outside The Box FX Signal Diverter + TOKAI AYER’S ROCKER II
材質が単一ではなく、複数の金属の場合は変化が大きくなる可能性があります。

TOKAI AYER’S ROCKER IIはベースがスチールで、部分的に亜鉛合金です。

重量も567gあるため、爆発的な音の変化に期待しましょう。
周波数特性

出力の低下は同じく-1dB程度ですが、波形を揃えると全帯域が増幅しました。音が変化したというよりは、少し輪郭を帯びたと表現する方が近いと思います。当然ながら聴覚的には少しコシが強くなるに留まり、強烈な変化ではありません。
Outside The Box FX Signal Diverter + ZUWEI プリンスタイプ

体積ではなく面積による違いも調べるため、ギターを直接接続してみました。当ブログでも評価が思わしく無かった、ZUWEIプリンスタイプの出番ですね。楽器としてイマイチならば、エフェクター化して活路を見出してあげましょう。
周波数特性

ノイズが大きくなるのが難点ですが、全体的に周波数特性が向上です。1kHz以降はAYER’S ROCKER IIの方が良好であるものの、重低音は秀でています。とは言え聴覚的変化は乏しく、ワクワク感が完全に冷え切ってしまいました。
公式は金属の音として『道路標識』や『大型ごみ容器』をチェックしているよ!

珍エフェクター Outside The Box FX Signal Diverter + コンデンサの音をレビュー!
さすがに高揚感が危機感に変化してきたため、ここらで禁じ手を投入です。ホットの信号を強制的に変化させる事が出来る、コンデンサ先生にご登場願います。コンデンサは高周波を通しやすく、低周波は通しにくい性質です。ただし静電容量が大きいほど、低周波を通しやすい傾向になります。
Outside The Box FX Signal Diverter + 1,000pF マイカコンデンサ

1,000pF台のコンデンサの場合、低い周波数の音をほとんど再生出来ません。

高音域寄りの波形に偏り、200Hz付近に大きな谷を形成しました。

200Hz以降で波形が大きくなっているのは、ノイズ成分が原因です。ギター自体に低音は含まれておらず、スカスカな音を再生してくれます。
Outside The Box FX Signal Diverter + 0.022μF セラミックコンデンサ

値を約20倍の0.022μFにすると、完全山形の波形に変化しました。

800Hz前後までは問題なく再生出来ますが、それ以下の周波数は波形が減衰です。

1,000pFよりは幾分太いものの、芯の弱いペチっとした音を奏でます。
Outside The Box FX Signal Diverter + 0.047μF セラミックコンデンサ

約2倍の0.047μFでは、波形の山の頂点が400Hz付近にシフトしました。

0.022μFよりも中音域がしっかりしている反面、ローは全く出ていません。

コンデンサを接続した場合、液体や金属よりも大きな変化を体感可能です。ですが音痩せする変化が多いため、実戦的な音では無いと思われます。
珍エフェクター Outside The Box FX Signal Diverter + 人体の音をレビュー!
コンデンサで音の変化を味わえたものの、どことなく虚しいですね。管理人が期待していたのは、予想外の物から飛び出すナイスな音に尽きます。静電容量の実験がしたくて、Signal Diverterを購入したという訳ではないのです。

ならば管理人自らがシグナルとなり、最高の音を奏でてみせましょう。人体は電気を通すため、クリップを挟めば己の肉体をエフェクター化出来ます。ここで問題となるのが、どこにクリップを挟むのがベストかという事です。

クリップ先端はあまり広がらないため、筋肉のある部位は挟めません。仕方がないので痛みをこらえ、耳たぶに接続してシグナル化しました。想像以上に耳が痛いので、エフェクター化願望のある方のみ挑戦して下さい。
周波数特性

肝心の管理人ボディの音は、低周波に相当なノイズが混ざっています。100Hz以降にブーンと大きなノイズが入るため、決して綺麗な音では無いです。むしろ聞いていてストレスが溜まる音で、調べた中では断トツで最下位です。歪みやすい傾向にあるのか、クリーンも濁り気味に感じられました。
珍エフェクター Outside The Box FX Signal Diverter 総評
Outside The Box FX Signal Diverterの開発コンセプトと斜め上過ぎる発想は、確かに素晴らしいと思います。さりとてエフェクターというよりは実験器具に近く、音の変化はそれほど楽しめません。実験する過程自体はとても楽しいのですが、演奏的に愉快になれる代物ではないですね。
構造も単純につき、人によっては金額に見合った価値を見出せない可能性もあります。音を楽しむベクトルが、実験性のみに振り切られていると考えた方が良いです。それは最高の物質を探し、ライブで活用するといった夢とは逆方向となっています。

『地味で虚しい検証を続け、僅かな変化を発見して悦に浸る』
そういった作業に楽しみを覚える方ならば、手を出しても良い珍品です。また人体を音に変換出来るため、エフェクター化願望のある方にも向いています!
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