【限定モデル】Aria Pro II PE-780 レビュー!特殊インレイ搭載の超ゴージャス仕様なのにハイコスパ!
👆 [限定モデル] Aria Pro II PE-780 をレビュー!
2024年5月24日より、PE-780と近いハードウェア構成を採用したハイコスパモデル『PE-700』が発売となりました!
目次
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Aria Pro II PE-780 (限定モデル) お手頃価格でカッコ良過ぎ!
先日当ブログではAria Pro II MACシリーズの豪華限定版、MAC-780を紹介しました。MAC-780は豪華なインレイを指板とヘッドに施したモデルで、生産台数はごく少数です。そしてMAC-780以前に近い仕様で販売されたのが、同ブランドのPE-780となります。PE-780は限定40台のみ生産されており、発表後一か月も経たない内に完売となりました。
管理人はPE-780を未所持でしたが、幸いにも近い親戚に同機所持者がいた事が判明です。相手も同様にMAC-780を未所持で、話す程にお互いの所有モデルへ興味が湧いてきます。そんな訳で1週間の間、お互いのモデルを交換して弾き比べてみる事になりました。せっかくの機会ですので、許可を取った上でPE-780を簡単にレビューです(※)。
※レビュー後、結局管理人も購入しました👍
管理人所有機ではないため、記事中でシリアルナンバーは見えないように加工しています。ヘッド裏の掲載写真は全てぼかし入りとなるため、予めご了承くださいませ。
開封の儀
購入時の外箱や梱包材が残っていたため、未開封の状態を再現してくれました。梱包用の外箱はARIAブランドではお馴染み、台形型の汎用ギター段ボールです。ヘッド側にモデル名のラベル付きで、内部は緩衝材とシリカゲル入りとなっています。
梱包関連は全てMAC-780と同じ様子で、高級機ではないものの扱いが実に丁寧です。指板の保護やスイッチやエンドピン側の養生など、輸送に対する配慮が伺えます。早速PE-780をルックス、演奏性、サウンドの3ポイントに絞って見ていきましょう。
Aria Pro II PE-780 (限定モデル) 基本スペック
“Body:Quilted Maple Lamination Mhogany, Arched Top Neck:Maple 3-Ply with Walnut-line, Set-Neck,Heel-less Cutaway Fingerboard:Rosewood Frets:22F Scale:628mm Pickups:Classic Power “CPH-1G” x 2 Controls:2 Volume, 2 Tone, 2 Dual Sound SW,3-way PU selector SW Bridge:SPT Bridge & QH Tailpiece Hardware:Gold Finish:N(Natural)”
同じく限定モデルの『Aria Pro II MAC-780』のレビューはコチラ!
ルックス:Aria Pro II PE-780 (限定モデル)
本機もMAC-780同様ナチュラルカラーのみで、カラーバリエーションは存在しません。ハードウェアはゴールドで統一されており、細部ではミニスイッチもゴールド仕様です。ペグボタンはプラ仕様のブラックがアクセントで、ヘッドの豪華さを際立てています。キルテッドメイプルトップは光沢があって美しく、ボディは余すところ無く艶々です。
インレイは貝殻系の装飾が全面に施されており、光源によって色合いが変化します。指板のデザインも豪華絢爛そのもので、手にした者の心を鷲掴みにする事でしょう。ヘッドトップはブランドロゴでは無く、花模様の特殊インレイ仕様です。代わりにロッドカバーが木製で、よく見るとAria Pro IIロゴ入りとなっています。
形状の差異こそあれど、ほぼMAC-780と同じデザインと考えて良さそうですね。少なくとも外観は写真映りと同等以上となっており、満足度は爆裂に高いと思います。MAC-780はパーツ類に若干痛みが見受けられましたが、PE-780は全てピカピカでした。この点からMAC-780は、PE-780の余剰部品で組まれたという推察が当たっていそうです。
故にルックスに関しての満足度は、MAC-780よりもPE-780の方が少しだけ上となります。細部まで見てもMAC-780よりも粗が少なく、とりわけ部品類の精査具合が一段上です。写真で見た通りの仕上がりとなっており、確かな満足感を得られる事間違いありません。
演奏性:Aria Pro II PE-780 (限定モデル)
演奏性に関しては、ほぼ全ての面でMAC-780と同程度と考えて良いと思います。スケールも共通のミディアムスケールで、搭載されているフレットも同じサイズです。ヘッドがダブルサイドかシングルサイドかの違いで、ペグのみ若干異なります。加えて幾分テンションバランスも変化していますが、ほぼ好みの範囲内の差です。
よって本項では詳しい言及は省き、MAC-780と異なる点のみ列挙していきます。詳しく記載の無い事項については、MAC-780のレビュー記事の方をご参照下さい。
ペグ
MAC-780と同じくGROVER製を採用ですが、3×3仕様のヘッドにつき型番は102Gです。ペグボタンが特殊仕様で、通常ラインには無い黒いプラスチックとなっています。
トルクは少し軽めの設定となっているため、好みで強く調整してもOKです。精度は汎用ペグより高いので、現状のまま無理に交換の必要はないと思われます。
オクターブチューニング
販売店が出荷前に調整した個体につき、オクターブチューニングは完璧でした。
弦高
こちらも販売店の調整済みとのことで、とても弾きやすい弦高設定です。実測では6弦側が約1.8mm、1弦側は約1.5mmと標準以下の弦高となっています。ダブルサイドヘッドのおかげで、同じ弦高のMAC-780よりもテンションが軽目です。この状態から更に高くも低くも設定出来るなど、調整幅が十分に残っています。
ネック
ヘッドスタイルとペグ配列のみ異なり、おおまかな仕様はMAC-780と同等です。全面的に艶のあるグロス仕上げの3ピース仕様で、セットネックを採用しています。MAC-780で見受けられた、指板と本体の繋ぎ目の粗は見当たりませんでした。
やはりMAC-780よりも仕上がりが良い印象で、花柄インレイのインパクトも抜群です。ジョイント部は、イクスクルーシブ・ヒールレス・カッタウェイが再現されています。
ナット
LPスタイルのナットを搭載していますが、MAC-780と同じく材質が不明です。こちらも仕上がりは標準か標準以上で、価格帯相当には丁寧に加工されています。溝切り、溝の深さ、溝の間隔、ほぼ全ての要素で問題点がありませんでした。1フレットでシャープする事も無く、適切な弦高&オクターブ調整にも好影響です。
フレット
ミディアムフレットを採用で、背の高さもPEのレギュラーライン同等だと思われます。末端も丁寧に処理されているので指に優しく、クロスが引っ掛かる事もありません。ハイエンド機レベルとまではいかないものの、十分納得の出来る仕上がりですね。
ブリッジ
ブリッジはPEシリーズでは定番の、SPT bridge & QH tailpieceを採用しています。SPTはオクターブ調整幅が広く、変則チューニングの調整にも対応出来る代物です。QHテールピースは弦交換が容易で、面倒くさがり屋には嬉しい構造となっています。
MAC-780との決定的な違いとして、SPTとQHTがボディトップに配置されている仕様です。この仕様はPEでは標準ですが、MAC-780はいずれも埋め込み式ザグリとなっていました。(=ブリッジ&テールピースがボディに埋まっている)実はこの差が音色に大きな違いを生み出しているため、サウンドの項で後述します。
電装系
配置が異なるだけでなく、配線的にはMAC-780よりも拡張されたコントロールを採用です。2VOLUME&2TONEのLP系統配線で、PUごとにデュアルサウンドスイッチ(シリーズ⇔パラレルスイッチ)を搭載しています。片側のみをパラレルにするなど、変則的なハーフトーンにも対応可能です。フロントシリーズ&リアパラレルといった、一度は試したくなるパターンも楽しめます。
重量
やや薄手のボディ厚につき、重量は上位のPEシリーズやLP系よりも少しだけ軽量です。豪華なデザインから重量級に見えますが、実測では約3.5kg程度となっています。別段軽くは無いものの、MAC-780とは対照的に見た目よりは軽く感じるハズです。
サウンド:Aria Pro II PE-780 (限定モデル)
一般的なPEシリーズは、LP系統に近いミッドレンジの強さにパンチがあります。見た目通りの音が鳴るのがウリですが、PE-780は全くPEらしい音が出ません。MAC-780と比較しても低音が軽く、リアシングルハムテレキャスターのようなサウンドです。サスティーンは十分ですが、PEのホットな音を想像していると面食らうかもしれません。
無論悪い音では無く、むしろ抜けの良いハイトーンであると称すべきだと思います。しかしながらPEファンの視点で考えると、この音色は評価が大きく割れそうです。低音域にアドバンテージがないので、重厚なサウンドメイクが難しくなっています。個人的心象は、MAC-780でこのサウンドが欲しかったといった所でしょうかね。
両モデルを弾き比べると分かるのですが、MAC-780は一般的なPEに近い音がします。同じくPE-780からは、やはりMAC系統のトレブリーな音色が感じられるのです。おそらく後発モデルのMAC-780は、PE-780の低音の軽さを改善したものと推察します。PE-780とMAC-780でブリッジ構造が異なるのは、低音域強化の意味合いが強そうですね。
周波数特性
実際に周波数特性を計測してみると、ミッドハイが強い特性が浮き彫りとなります。リアピックアップがハムバッカーの状態でも、低音域の存在感が控えめです。音の重心もかなり高く、高音寄りのミッドレンジに波形が集中しました。
CPH-1G / リア / シリーズモード
周波数では400~1kHzが濃厚で、400Hz以下は平均的な機種よりも控えめです。ミッドハイはより一層強烈で、1k~2kHzはアクティブPUのストラトでも出せない伸びを誇ります。4kHz以降はギュっと絞られており、極端に倍音が暴れないのも良い塩梅ですね。
CPH-1G / リア / パラレルモード
デュアルサウンドスイッチでパラレルモードにすると、実質テレキャスターの音になります。ロー~ローミッドは全く伸びず、2k~10kHzの高い周波数の成分が爆発的に増幅です。ジャッキンジャッキンの音色に変化し、一層PEらしさとは対極の音色が飛び出します。
CPH-1G / フロント / シリーズモード
PUが共通のMAC-780と比較しても、なぜこれほどまでに低音域が弱いのかは不明です。それでも昨今隆盛を極める抜けの良い音色につき、流行りの楽曲にマッチします。PEやLP風のギターでテレキャス風の音を出すならば、パラレルが打ってつけですね。
Aria Pro II PE-780 (限定モデル) 総評
豪華なデザインは非の付け所が無く、ルックスの良さはMAC-780以上だと思います。演奏性も秀でており、まさに限定生産に相応しいプレミアム感満載の逸品です。反面サウンドに関しては、PEに対する固定観念もあってギャップが否めません。PEらしい音色を期待して音を鳴らすと、確実に「???」となる事でしょう。
とは言え音色そのものは上質で、ミッドハイの強い押しが好みの方にはピッタリです。PEでこの音が出せるレアリティーも見逃せず、ある種全方位で限定仕様だと言えます。現在は生産終了品となっており、アウトレット品も既に完売となっている模様です。今後入手することは困難だと思うため、本レビューを参考に妄想を膨らませて下さい!
🕺💨 Aria Pro II PE-780 (限定モデル) の跡地を見てくる💖
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