【安ギター】ARIA RETRO-1532J レビュー:高音ジャキジャキ高品質ビザールタイプ徹底解説【アリア】
👆 ARIA RETRO-1532J 3TS(RETRO CLASSICS) をレビュー!
目次
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ARIA RETRO-1532J はビザールテイスト爆発安ギター!
中古楽器市場において、独特な魅力を放っているのがビザールギターです。その意外性溢れる奇異なフォルムに、心揺さぶられる人も多いと思います。ただしビザールギターは年式の古い物が多く、部品類が粗悪なケースも多いです。演奏性がイマイチな機種も目立ち、サウンドが個性的過ぎる場合もあります。
しかしながらいつの時代でも、ビザールギターに一定の需要があるのは事実です。現にビザール愛好家達は、機能性や演奏性は二の次でその見た目に惚れ込みます。ビザールという言葉を知らずとも、なんとなく気になって手を出す人もいるハズです。そしてウキウキな気持ちで音を出した途端、幻滅してしまう人もかなりいると思います。
あらゆるビザールギターが、音色面も優れていればそうはならなかった事でしょう。優秀なモデルもある程度存在するものの、数が多いだけに下の下もまた多いのです。音が軽い、重心がおかしい、チューニングが合わない、弾きづらい……。やはり楽器として疑問符が湧く構造は、中々万人受けするものではありません。
ARIA RETRO-1532Jは『1532T』リバイバルモデル!
当たり前ですが、ビザールギターは王道とはずっと遠い位置にあるギターとなります。もしもビザールギターが優れた製品ならば、5~70年代の時点でバカ売れしたハズです。そういったコンセプトの元誕生したのが『ARIA RETRO-1532J』となっております。
RETRO-1532Jは1960年代に同ARIAから発売された、1532Tのリバイバルモデルです。寸法や形状は1532Tを忠実に再現し、サウンド面が大幅に見直されています。匂い立つ昭和の香りもさることながら、演奏性を両立させた粋なギターなのです。ビザールテイストを全面に出しつつ、ビザールとは思えぬサウンドを実現しています。
まさに1960年代に本品が存在したならば、バカ売れ間違い無しな仕上がりです。カラーは3Tサンバーストとヴィンテージホワイトの2種で、価格も抑えられています。学生のお小遣いでも手が届く値段で、ビザールテイストが存分に味わえるのです。『RETRO CLASSICS』と銘打たれた本品を、細部までじっくり見ていきましょう。
ARIA RETRO-1532J 開封の儀
今回は王道カラーでもある、3トーンサンバーストをチョイスしています。梱包はギター段ボールに加え、内部は発砲スチロールで角部分が保護されていました。
少し特殊なサイズのギターにつき、専用のソフトケースも別途同梱です。付属品はおまけのシールドの他にアーム、ロッド調整用のレンチや説明書類となっています。
ARIA RETRO-1532J 基本スペック
■RETRO CLASSICS
■カラー:3トーンサンバースト
■ボディ:バスウッド
■ネック:メイプル、ボルトオン
■指板:ローズウッド、21F
■スケール:628mm
■ピックアップ:VLS-1 x 2
■コントロール:1 Volume, 1 Tone, 3-way PU selector SW
■テイルピース:GBD Bridge & Floating Tremolo
■ソフトケース付
引用:ARIA ( アリア ) RETRO-1532J-3TS 送料無料 サウンドハウス
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ARIA RETRO-1532J ルックス ARIA RETRO-1532J
1532Tを再現したモデルということで、やはりまずは外観が気になる所ですね。ボディは見る方向によって心象が変化する、左右非対称なフォルムとなっています。ピックガードの形状やフローティングブリッジなど、随所でレトロ感マシマシです。ただし部品や製造工程の影響からか、1532Tの完全再現という訳ではありません。
ボディ形状やネックの第一印象は非常に近いですが、やはり別物という感じがします。まずネックはストレートヘッドではなく、ゆるやかなヘッド角のついた設計です。ナットと接触するヘッド部分も60年代特有のカーブがなく、平な形状となっています。ヘッドのカーブが無くなったことにより、ロッドカバーもカーブの無い形状です。
ペグもオープンギアではなく、ロトマチックタイプに変更されています。その他PUやネックプレートの形状、ブリッジ位置などは細部で異なる設計です。とは言えこれらの要素は、演奏性やサウンドに好影響を与える変更となっています。ビザールギターの使い勝手の悪さを『現代的スペックで再現』されているのです。
加えて言うのであれば、1532T実機を見た事無い人は気にならない所だと思います。ネオビザールとまではいきませんが、実に現代的な解釈のビザールギターですね。ボディもグロス仕上げのネックも、艶のある光沢が見る者の心を射止めます。古さを残しつつも新しさを感じる、新旧融合な外観が気分を高揚させるハズです。
ARIA RETRO-1532J 演奏性 ARIA RETRO-1532J
ビザールな見た目を楽しんだ後は、楽器としての使い心地を見ていきます。演奏性に関連する各部パーツの性能について、要点を絞りながらチェックです。
ペグ ARIA RETRO-1532J
低価格帯のギターですが、ペグは同社のARIA AT-235Gと同等品が搭載されています。ペグボタンが特殊仕様で、クルーソンペグ風の楕円形タイプです。パっと見のヴィンテージ感があるため、こういった小さな配慮が嬉しく思います
初期状態のトルクは少し軽めで、チューニング精度は可もなく不可も無いレベルです。特に問題点は無いですが、微調整して気持ち強めのトルクにしても良いと思います。
変な名前のロックペグに交換してみました!
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オクターブチューニング
今回は楽器店での購入に加え、初期調整有りの状態で出荷されている模様です。12Fで全ての弦を確認しましたが、オクターブチューニングはバッチリ合っています。各サドルは十分な調整幅が残っているため、変則チューニングにも対応出来そうです。一般的ビザールギターを考えた場合、ピッチの合った音が非常に新鮮に感じますね。
弦高 ARIA RETRO-1532J
おそらく弦高も楽器店側で調整されている模様で、普遍的に弾きやすい高さです。6弦側で1.7mm程度となっており、1弦側は1.2mmにセッティングされていました。こちらもビザールギターの弦高を考えると、恐ろしいほどに弾きやすく感じます。
チョーキングも難なくこなせるうえに、このフォルムでも速弾きが可能です。調整幅が残っているので、もう少し低い弦高に設定する事も出来ると思います。逆にビザールらしさを演奏感に求めるならば、6弦側を2mm位にすると丁度良いです。
激安弦高ゲージ!
ネック ARIA RETRO-1532J
ネックはグロス仕上げとなっており、全面的に艶々の光沢でギラギラしています。グリップが太そうなイメージを与えますが、ネック本体は通常のCシェイプです。グロス特有の触感があるものの、滑り具合は良好となっています。指板の状態も適度にツルっとしたなめらかさがあり、段差や引っかかりは皆無です。
シングルサイドでありながら、ミディアムスケール採用なのもビザールらしく映ります。ヘッドは角度がついているため、1F裏側付近がスカーフジョイント形式です。木と木の繋ぎ目がグロスで目立つので、ここだけは見栄えがあまり良くありません。それでも大きめなサイズのヘッドは派手さがあり、存在感を発揮すると思います。
キョンセームで健やかな艶を保とう!
ナット
エントリー機の中でも、仕上がりムラが顕著に表れるのがナットです。量産品を未加工で接着している場合が多く、試奏時のチェックは欠かせません。
本機のナット材は、みるからにプラスチックなユリア系樹脂が採用されています。けれども加工は価格帯の割には丁寧で、1Fのピッチも安定している状態です。流通価格を考慮するならば、十分納得の良くレベルではないかと思います。
フレット
フレットはビザールギターらしく、細くて背の低いヴィンテージ仕様を搭載です。末端処理は価格帯相当ですが、引っかかりを感じる事もなくプレイ出来ます。クロスを上下させて繊維が絡みつく事も無いため、十分に合格ラインです。背が低い分消耗が速いと思われるので、不必要なダメージを与えぬよう注意しましょう。
ブリッジ ARIA RETRO-1532J
ブリッジはフローティングトレモロ採用で、1532Tよりも遥かに高精度となっています。良く見るとテールピースの淵に、ARIAロゴが入っているのがお洒落ポイントです。
同ブランドのDM-01とブリッジ自体は同一ですが、本品は2弦にアームが干渉しません。DM-01で報告されていたアーム使用時の不具合は、本品では心配無いものと思われます。
激しいアーミングには不向きなので、レトロな音揺れを楽しむ使い方がお勧めです。アームは非常に全長が長く、ストラト系とは握り方を少し変える必要があります。弦を交換する時も分かりやすい構造につき、おそらく初心者でも大丈夫です。
ローラーサドルブリッジ!
電装系 ARIA RETRO-1532J
スイッチはフロントPUの正面右端付近で、コントロールは1V1Tとなっています。レトロ感満点なノブのデザインが良く、トップがシルバーな点もカッコイイです。ジャックはトーンポットの下側で、正面側からシールドを挿す構造となっています。
ややクセのある位置ですが、それもまたビザールな雰囲気を醸し出す要素です。クリーンでは問題ありませんが、歪ませた際にボリュームを絞るとノイズが増えます。ボリュームで歪みをコントロールする人は、ポットを交換した方が良いですね。
電装系交換前に要チェック!
ARIA RETRO-1532J サウンド ARIA RETRO-1532J
記事のタイトルにもある通り、本モデルはトレブリーなサウンド傾向となっています。ローエンドが大胆にカットされており、テレキャスターに近い鋭さが破壊力大です。音の重心もかなり高いため、ジャキジャキ掻き鳴らすのに最適となっています。
ピックアップ
ピックアップは2ハム仕様に見えて、いずれもハムバッカーサイズシングルコイルです。P-90風という訳でもなく、ヴィンテージ系のシングルコイルサウンドとなっています。とにかく高音域の出方が凄まじく、音の重心も700Hz付近に集中するのが驚きです。
200~400Hzに重心のあるギターが多い中、かなり攻めたチューニングだと言えます。低音が出にくいボディ構造もありますが、ピックアップ自体もトレブリーなのです。シャギーな倍音もビザールらしく、ピッキングの強弱で時折高い残響音が響きます。歪ませると一層ジャキジャキ感が倍増し、高速カッティングが弾みまくりです。
ヘビーメタル等には向かないものの、令和の流行りの曲にはかなり合うと思います。軽めの音や明るい音が好みならば、一度は本機を試す価値があるハズです。ちなみにピックアップの形状自体は、1532Tのシングルコイルとは全く異なります。
ハムバッカーに交換するならチェック!
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ARIA RETRO-1532J 総評
ビザールな外観と低価格を感じさせないほど、随所の仕上がりが丁寧なモデルです。扱いにくそうな見た目に反し、初心者でも安心なプレイヤビリティを備えています。サウンドはビザール感を残しながらも、近代的な音楽の傾向にベストマッチです。
パーツ交換の余地もあり、ピックアップのハムバッカー化などは面白いと思います。ペグもロックタイプを搭載すれば、激しいアーミングにも対応出来るハズです。ポット等も交換すると細部の使用感が安定するため、改造ベースにしても十分使えます。本機を手にすれば、ビザールギターに対する先入観もガラッと変わる事でしょう!
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