【レビュー】 ARIA RETRO-1532J 高音ジャキジャキビザール💖

2021年7月14日ギター,ARIA,エレキギター,ミディアムスケール,RETRO-1532J-3TS,RETRO CLASSICS,ビザールギター

👆 ARIA RETRO-1532J 3TS(RETRO CLASSICS)

目次

ARIA RETRO-1532J はビザールテイスト爆発!

中古楽器市場において、独特な魅力を放っているのがビザールギターです。その意外性溢れる奇異なフォルムに、心揺さぶられる人も多いと思います。ただしビザールギターは年式の古い物が多く、部品類が粗悪なケースも多いです。演奏性がイマイチな機種も目立ち、サウンドが個性的過ぎる場合もあります。

しかしながらいつの時代でも、ビザールギターに一定の需要があるのは事実です。現にビザール愛好家達は、機能性や演奏性は二の次でその見た目に惚れ込みます。ビザールという言葉を知らずとも、なんとなく気になって手を出す人もいるハズです。そしてウキウキな気持ちで音を出した途端、幻滅してしまう人もかなりいると思います。

あらゆるビザールギターが、音色面も優れていればそうはならなかった事でしょう。優秀なモデルもある程度存在するものの、数が多いだけに下の下もまた多いのです。音が軽い、重心がおかしい、チューニングが合わない、弾きづらい……。やはり楽器として疑問符が沸く構造は、中々万人受けするものではありません。

ARIA 1532T リバイバル!

当たり前ですが、ビザールギターは王道とはずっと遠い位置にあるギターとなります。もしもビザールギターが優れた製品ならば、5~70年代の時点でバカ売れしたハズです。そういったコンセプトの元誕生したのが、『ARIA RETRO-1532J』となっております。

RETRO-1532Jは1960年代に同ARIAから発売された、1532Tのリバイバルモデルです。寸法や形状は1532Tを忠実に再現し、サウンド面が大幅に見直されています。匂い立つ昭和の香りもさることながら、演奏性を両立させた粋なギターなのです。ビザールテイストを全面に出しつつ、ビザールとは思えぬサウンドを実現しています。

まさに1960年代に本品が存在したならば、バカ売れ間違い無しな仕上がりです。カラーは3Tサンバーストとヴィンテージホワイトの2種で、価格も抑えられています。学生のお小遣いでも手が届く値段で、ビザールテイストが存分に味わえるのです。『RETRO CLASSICS』と銘打たれた本品を、細部までじっくり見ていきましょう。

ARIA RETRO-1532J 開封の儀

ARIA RETRO-1532J 梱包

今回は王道カラーでもある、3トーンサンバーストをチョイスしています。梱包はギター段ボールに加え、内部は発砲スチロールで角部分が保護されていました。

ARIA RETRO-1532J ソフトケース

少し特殊なサイズのギターにつき、専用のソフトケースも別途同梱です。付属品はおまけのシールドの他にアーム、ロッド調整用のレンチや説明書類となっています。

ARIA RETRO-1532J 付属品

ARIA RETRO-1532J 基本スペック

ARIA RETRO-1532J 全体

■RETRO CLASSICS

■カラー:3トーンサンバースト

■ボディ:バスウッド

■ネック:メイプル、ボルトオン

■指板:ローズウッド、21F

■スケール:628mm

■ピックアップ:VLS-1 x 2

■コントロール:1 Volume, 1 Tone, 3-way PU selector SW

■テイルピース:GBD Bridge & Floating Tremolo

■ソフトケース付

引用:ARIA ( アリア ) RETRO-1532J-3TS 送料無料 サウンドハウス

ルックス ARIA RETRO-1532J

1532Tを再現したモデルということで、やはりまずは外観が気になる所ですね。ボディは見る方向によって心象が変化する、左右非対称なフォルムとなっています。ピックガードの形状やフローティングブリッジなど、随所でレトロ感マシマシです。ただし部品や製造工程の影響からか、1532Tの完全再現という訳ではありません。

ARIA RETRO-1532J ボディ

ボディ形状やネックの第一印象は非常に近いですが、やはり別物という感じがします。まずネックはストレートではなく、ゆるやかなヘッド角のついた設計です。ナットと接触するヘッド部分も60年代特有のカーブがなく、平な形状となっています。ヘッドのカーブが無くなったことにより、ロッドカバーもカーブの無い形状です。

ARIA RETRO-1532J ネックヘッド表

ペグもオープンギアではなく、ロトマチックタイプに変更されています。その他PUやネックプレートの形状、ブリッジ位置などは細部で異なる設計です。とは言えこれらの要素は、演奏性やサウンドに好影響を与える変更となっています。ビザールギターの使い勝手の悪さを、『現代的スペックで』再現されているのです。

ARIA RETRO-1532J ボディ下側

加えて言うのであれば、1532T実機を見た事無い人は気にならない所だと思います。ネオビザールとまではいきませんが、実に現代的な解釈のビザールギターですね。ボディもグロス仕上げのネックも、艶のある光沢が見る者の心を射止めます。古さを残しつつも新しさを感じる、新旧融合な外観が気分を高揚させるハズです。

演奏性 ARIA RETRO-1532J

ビザールな見た目を楽しんだ後は、楽器としての使い心地を見ていきます。演奏性に関連する各部パーツの性能について、要点を絞りながらチェックです。

ペグ ARIA RETRO-1532J

低価格帯のギターですが、ペグは同社のARIA AT-235Gが搭載されています。ペグボタンが特殊仕様で、クルーソンペグ風の楕円形タイプです。パっと見のヴィンテージ感があるため、こういった小さな配慮が嬉しく思います

ARIA RETRO-1532J ペグ

初期状態のトルクは少し軽めで、チューニング精度は可もなく不可も無いレベルです。特に問題点は無いですが、微調整して気持ち強めのトルクにしても良いと思います。

オクターブチューニング

ARIA RETRO-1532J ブリッジ

今回は楽器店での購入に加え、初期調整有りの状態で出荷されている模様です。12Fで全ての弦を確認しましたが、オクターブチューニングはバッチリ合っています。各サドルは十分な調整幅が残っているため、変則チューニングにも対応出来そうです。一般的ビザールギターを考えた場合、ピッチの合った音が非常に新鮮に感じますね。

弦高 ARIA RETRO-1532J

おそらく弦高も楽器店側で調整されている模様で、普遍的に弾きやすい高さです。6弦側で1.7mm程度となっており、1弦側は1.2mmにセッティングされていました。こちらもビザールギターの弦高を考えると、恐ろしいほどに弾きやすく感じます。

ARIA RETRO-1532J 弦高

チョーキングも難なくこなせるうえに、このフォルムでも速弾きが可能です。調整幅が残っているので、もう少し低い弦高に設定する事も出来ると思います。逆にビザールらしさを演奏感に求めるならば、6弦側を2mm位にすると丁度良いです。

ネック ARIA RETRO-1532J

ARIA RETRO-1532J ネックグリップ面

ネックはグロス仕上げとなっており、全面的に艶々の光沢でギラギラしています。グリップが太そうなイメージを与えますが、ネック本体は通常のCシェイプです。グロス特有の触感があるものの、滑り具合は良好となっています。指板の状態も適度にツルっとしたなめらかさがあり、段差や引っかかりは皆無です。

ARIA RETRO-1532J スカーフジョイント

シングルサイドでありながら、ミディアムスケール採用なのもビザールらしく映ります。ヘッドは角度がついているため、1F裏側付近がスカーフジョイント形式です。木と木の繋ぎ目がグロスで目立つので、ここだけは見栄えがあまり良くありません。それでも大き目なサイズのヘッドは派手さがあり、存在感を発揮すると思います。

ナット

エントリー機の中でも、仕上がりムラが顕著に表れるのがナットです。量産品を未加工で接着している場合が多く、試奏時のチェックは欠かせません。

ARIA RETRO-1532J ナット

本機のナット材は、みるからにプラスチックなユリア系樹脂が採用されています。けれども加工は価格帯の割には丁寧で、1Fのピッチも安定している状態です。流通価格を考慮するならば、十分納得の良くレベルではないかと思います。

フレット

ARIA RETRO-1532J フレット

フレットはビザールギターらしく、細くて背の低いヴィンテージ仕様を搭載です。末端処理は価格帯相当ですが、引っかかりを感じる事もなくプレイ出来ます。クロスを上下させて繊維が絡みつく事も無いため、十分に合格ラインです。背が低い分消耗が速いと思われるので、不必要なダメージを与えぬよう注意しましょう。

ブリッジ ARIA RETRO-1532J

ARIA RETRO-1532J フローティングトレモロ

ブリッジはフローティングトレモロ採用で、1532Tよりも遥かに高精度となっています。良く見るとテールピースの淵に、ARIAロゴが入っているのがお洒落ポイントです。

ARIA RETRO-1532J アーム根本

同ブランドのDM-01とブリッジ自体は同一ですが、本品は2弦にアームが干渉しません。DM-01で報告されていたアーム使用時の不具合は、本品では心配無いものと思われます。

ARIA RETRO-1532J ARIAロゴ

激しいアーミングには不向きなので、レトロな音揺れを楽しむ使い方がお勧めです。アームは非常に全長が長く、ストラト系とは握り方を少し変える必要があります。弦を交換する時も分かりやすい構造につき、おそらく初心者でも大丈夫です。

電装系 ARIA RETRO-1532J

スイッチはフロントPUの正面右端付近で、コントロールは1V1Tとなっています。レトロ感満点なノブのデザインが良く、トップがシルバーな点もカッコイイです。ジャックはトーンポットの下側で、正面側からシールドを挿す構造となっています。

ARIA RETRO-1532J 電装系

ややクセのある位置ですが、それもまたビザールな雰囲気を醸し出す要素です。クリーンでは問題ありませんが、歪ませた際にボリュームを絞るとノイズが増えます。ボリュームで歪みをコントロールする人は、ポットを交換した方が良いですね。

サウンド ARIA RETRO-1532J

記事のタイトルにもある通り、本モデルはトレブリーなサウンド傾向となっています。ローエンドが大胆にカットされており、テレキャスターに近い鋭さが破壊力大です。音の重心もかなり高いため、ジャキジャキ掻き鳴らすのに最適となっています。

ピックアップ

ピックアップは2ハム仕様に見えて、いずれもハムバッカーサイズシングルコイルです。P-90風という訳でもなく、ヴィンテージ系のシングルコイルサウンドとなっています。とにかく高音域の出方が凄まじく、音の重心も700Hz付近に集中するのが驚きです。

ARIA RETRO-1532J ピックアップ

200~400Hzに重心のあるギターが多い中、かなり攻めたチューニングだと言えます。低音が出にくいボディ構造もありますが、ピックアップ自体もトレブリーなのです。シャギーな倍音もビザールらしく、ピッキングの強弱で時折高い残響音が響きます。歪ませると一層ジャキジャキ感が倍増し、高速カッティングが弾みまくりです。

ARIA RETRO-1532J 周波数特性
ブリッジポジションの周波数特性

ヘビーメタル等には向かないものの、令和の流行りの曲にはかなり合うと思います。軽めの音や明るい音が好みならば、一度は本機を試す価値があるハズです。ちなみにピックアップの形状自体は、1532Tのシングルコイルとは全く異なります。

ARIA RETRO-1532J 総評

ビザールな外観と低価格を感じさせないほど、随所の仕上がりが丁寧なモデルです。扱いにくそうな見た目に反し、初心者でも安心なプレイヤビリティを備えています。サウンドはビザール感を残しながらも、近代的な音楽の傾向にベストマッチです。

パーツ交換の余地もあり、ピックアップのハムバッカー化などは面白いと思います。ペグもロックタイプを搭載すれば、激しいアーミングにも対応出来るハズです。ポット等も交換すると音が良くなるハズなので、改造ベースにしても十分使えます。本機を手にすれば、ビザールギターに対する先入観もガラッと変わる事でしょう!

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