【Amazon安ギター】GROTE シンラインタイプレビュー!セミホロウでエアー感溢れる音!【かっこいい】
👆 GROTE シンラインタイプ (Semi-Hollow Body Single F-Hole Tele Style) をレビュー!
目次
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GROTE シンラインタイプ Semi-Hollow Body Single F-Hole Tele Style (GT-150 Super Series 2019) の音が気になる!
Amazonに出店中のGroteGuitarでは、先月からラインナップが強化されました。海外では数年前より流通していた、GT-150 Super Series 2019が新たに加わっています。GT-150は特定機種の型番ではなく、低価格帯機種の総称的なシリーズ名の模様です。ST型やTL型など、様々な機種をまとめてGT-150 Super Series 2019と呼ばれています。
今回Amazonで販売開始となったのは、シンラインタイプ(Semi-Hollow Body Single F-Hole Tele Style)とSTスタイルの2モデルです。いずれもGROTEらしさが光る、メイプルトップ仕様なのが目を惹きますね。
カラーバリエーションも豊富で、眺めているだけで気分が高揚する事でしょう。販売価格もお手頃価格につき、仕上がり次第では購入を検討したい方も多いハズです。
シンラインタイプのグリーンを取り寄せたので、各部をじっくり紹介していきます。
開封の儀
商品はギター用発泡スチロールを使用した梱包で、全面がテープで養生された状態です。セミアコをレビューした時と同じで、この梱包はEMSでの発送時に良く使われています。開封前後にスチロール片があちこちに散らばるため、掃除機等を用意しておきましょう。
ギターは緩衝シートに包まれており、隙間にも発砲スチロールが詰め込まれていました。長距離の輸送に伴い、電装系パーツ類が潰れないように配慮されているのが良いですね。
付属品一式はビニール袋にまとめて封入で、ネック脇の隙間に詰め込まれています。調整用レンチ、S/L型シールド、クロスが各1個ずつ、色違いのピックが2枚付属です。ケースは付属しないため、別途ST/TLモデル用のものを準備してください。
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基本スペック
商品説明のスペック表は他のモデルと混同されているのか、表記が正しくありません。ピックアップが1ハムと記載されていたりと、ほとんど参考にならないと思います。公式サイトより引用しつつ、不足している情報をこちらで補足いたしました。
“1.Tele Style Electric Guitar:39 inch electric guitar,full size solid body guitar,with hardware 3way switch, 22 frets. 2.Pickup:Fixed bridge,the tone is crisp and bright,it is characterized by simplicity in its design and the sound that is obtained from its two single-coil . 3.Semi-Hollow Body Construction: Basswood body , Canadia maple neck,Single F-Hole increase the resonance volume of the original sound, the sound is warm and mellow, with the classic warm jazz guitar sound. 4.Include accessories:This guitar come with two picks and power cable. 5.This guitar is the perfect choice for you No matter who you are and what style of music you want to play.”
引用:Grote Electric Guitar Semi-Hollow Body Single F-Hole Tele Style Guitar – Grote Guitar
“Body Material:BassWood Back Material Type:Basswood Neck Material Type:Maple Fretboard Material Type:Maple Guitar Pickup Configuration:S”
引用:Grote Electric Guitar Solid Body Tele Style Guitar Full-Size Basswood – Grote Guitar
Body Finish :Gloss Neck Finish : Satin Scale Length : 25.50 " , 22Fret Control : 1 Volume 1 Tone , 3-WAY SWITCH Hardware : Chrome
ルックス:GROTE シンラインタイプ Semi-Hollow Body Single F-Hole Tele Style (GT-150 Super Series 2019)
商品画像の見栄えが良い本モデルですが、実物もほぼそのままの姿です。グロス仕上げのトップは艶が綺麗で、カラーリングも文句のつけようがありません。この色とフォルムに惹かれた方ならば、確実に満足のいく外観だと思われます。
画像では分かりにくいポイントとして、ピックガードはパールの3プライです。サドルもニッケルに見えますが、ハードウェアはクロームで統一されています。カナディアンメイプルのネックはボディと対照的で、艶を抑えたサテン仕上げです。
デラックステレ・シンライン的なモダン感
ピックガードは本家シンラインと比較すると、直線的かつ鋭角的となっています。シンラインを意識しつつも簡略化されており、ある種オリジナル形状と言えるでしょう。フロントPUは吊り下げ式を採用で、ノブやスイッチ類も本家に近いタイプですね。
サドルが少し特殊となっており、筒形の6連サドルとなっています。弦高やオクターブ調整が容易な反面、伝統的な香りは感じられないかもしれません。
PUレイアウト以外ヴィンテージ感はほとんど無いため、デラックステレに近いですね。モダンスタイルが好みの方は、間違いなくハマるルックスに仕上がっています。仕様を見るとバスウッドとしか記載がないため、メイプルトップ風ですね。おそらくトップは、積層材+グラフィックフィルムラミネート(※)だと思われます。
※公式スペックではトップ材が『メイプルタイプ』という微妙な言い回し
ネックはPLAYTECHに近い
サテン仕上げのネックについては、最初に見た時から既視感が爆発していました。PLAYTECH製ギターで使用されているメイプルネックと、全体的に似ている質感です。サテン仕上げの触感やグリップサイズなど、握った際の印象も似ていますね。
フレット数こそ違うものの、握り応えはPLAYTECH製ギターを思い浮かべればOKです。生粋のプレイテッカーならば、本モデルに持ち替えてもすんなりと馴染めると思います。
無改造でサスティーンアップを狙うならコレ!
細部の仕上がりもチェック
遠目に見る分には満足度が激高ですが、細部では価格相当な粗っぽさも散見です。ストラップピンはボディの間に緩衝材が仕込まれているものの、壊れ気味となっています。
またバインディングは加工自体が丁寧なのにも関わらず、一部亀裂が入っていました。マイナスドライバーでも接触したのか、正面からも分かるので大幅な減点要素ですね。
Fホールは近寄ってみると淵の加工の仕上がりが雑で、指で触れるとガサガサします。セミアコではF字に沿って塗装されていたため、価格帯による加工の差が顕著です。
全商品が激安販売のブランドにつき、1万円の価格差の違いを痛感すると思います。
パーツの組み上げ
パーツ類の組み込みはほぼ問題なく、センターもバッチリ合わされていました。使用パーツ自体は安物なのでしょうが、メッキの質が良いので印象は悪くありません。
安価な部品を丁寧に組み込む仕事ぶりは、本品でも発揮されているとお考え下さい。総合的に価格相当な面がある事は否めないものの、納得出来る範疇ですね。
弦はすぐ交換した方がいいかな……?
管理人のメインギター弦はコチラ!
演奏性:GROTE シンラインタイプ Semi-Hollow Body Single F-Hole Tele Style (GT-150 Super Series 2019)
外観は概ね良好なので、続いては演奏に影響するパーツ類を見ていきます。部品を分解しての評価ではなく、動作確認時に精査すべき要素を重視しました。楽器としての弾き心地にも影響するので、しっかりと確認していきましょう。
ペグ
汎用のロトマチックペグですが、初期状態のトルクが必要以上にキツ目です。滑らかなチューニングが出来ないため、トルクを調整した方が良いと思います。
精度は可もなく不可もなく、弦が安定しているのならば極端な変化がありません。特にメリットも無いため、グレードアップの際は真っ先に交換しても良いでしょう。
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弦高&オクターブチューニング
初期状態の弦高は高めに設定されていたため、おそらく開封後に調整が必要です。輸送時にフレットが凹まないように、意図的に高くしていたのだと推察します。6弦側で3mm近くあったので、12フレットでのオクターブも狂っていました。
さすがに3mmでは指が痛くなるため6弦側で1.6mm、1弦側で1.2mmに設定です。弦高を下げるとオクターブの狂いも少なくなり、簡単な微調整だけ行っています。
あると便利な激安弦高ゲージ!
ネック
Cシェイプに近いグリップ形状で反りは無く、ほぼストレートの状態です。ロッドも左右に余裕タップリなので、調整幅はかなり残っています。
ドットインレイは安っぽく、この辺の質感もPLAYTECHに近いですね。指板はサテン仕上げの割に滑らかさが足りず、指にブレーキがかかってしまいます。弦も古くなっていたため、弦交換のついでにサテン対応ポリッシュを使いましょう。
ナット
価格が価格なので、ナット材は安価なプラスチックタイプを採用です。溝の深さや幅は問題無いものの、サイズが小さめのものが搭載されています。
そのため溝とナットの間に隙間が多く、至近距離で見るとイマイチですね。現状演奏やピッチに影響は無いですが、交換したくなる方も多いと思われます。
フレット
幅2.6mm前後のミディアム系フレットで、山はそれほど高くありません。保管期間が長かったのか、全フレットの光沢が消えている状態でした。軽く磨けば綺麗になるものの、全フレットを磨くのは若干面倒ですね。
末端処理は良い方でしたが、3弦15フレット付近の山が高くなっています。14フレットで音詰まりが発生しているため、簡単なすり合わせが必要です。
サンドペーパーで対応出来る範囲ですが、すり合わせが出来ない人は悩むと思います。フレットはGROTEらしい丁寧さが感じられず、価格帯の限界が伝わる仕上がりです。
ブリッジ
弦のセット方法は裏通しとブリッジエンドの表通し(トップローディング)、両方に対応しています。出荷時は裏通しなので、テンションを変えたい場合は弦のかけ方を変えましょう。
筒形のサドルは左右にブレやすく、安定感が高いブリッジとは言えません。それでも弦高やオクターブ調整は、3連タイプよりも細やかに設定可能です。
サドルの質量が軽いのか、強く弦を弾くと金属的な共振が発生する時があります。見た目が気にならないならば、トレモロ系のサドルに変更する事も可能です。
電装系
1VOLUME1TONEに3WAYセレクタースイッチと、標準的構成となっています。アウトプットジャックはピックガードの下側末端付近で、金属プレート付きです。
ポットのトルクはやや軽く、スイッチの切り替えは幾分モソっとしています。特に問題に感じる点はありませんが、安価な電装部品類に良くある操作感です。
電装系交換前に要チェック!
重量
セミホロウ構造につき、通常のテレキャスタイプよりも重量は軽くなっています。
体重計を使用した実測ではおよそ3.1kgで、重い機種が苦手な方でも安心です。カラーリングが暗色系なので重く見える分、想像よりも軽く感じるかもしれません。
ストラップロックやロックピンで固定!
サウンド:GROTE シンラインタイプ Semi-Hollow Body Single F-Hole Tele Style (GT-150 Super Series 2019)
生音はソリッド構造のギターより大きく、シャリンとした響きにエアー感が含まれます。音が大きい分部品同士の共振もしやすいため、倍音も賑やかな傾向ですね。
特にブリッジ付近がワシャワシャと鳴るので、シンライン系の味が良くでています。揺れるようなサスティーンも味わい深く、セミホロウの特質が楽しめる事でしょう。
ピックアップの出力は控えめ
アンプを通すと、生音の割には大人しく聞こえる控えめな出力のピックアップです。ブリッジ側は共振を良く拾うため、ミョンミョンした音が好きな人はハマると思います。低音域にパワーは無く、高めのミッドレンジから爆発的に伸びるイメージです。
ネックは金属カバーで高音がカットされており、輪郭に丸みを感じる音になっています。高音が出なくともエアー感は失われていないので、モコっとした独特のサウンドですね。
歪みは乗りにくいですが、管理人の個体はハウリングも気にせずにプレイできました。深く歪ませた時に特定の周波数がキンとする程度で、音作りしやすく感じます。主観では確実性に欠けるため、倍音特性と周波数特性のデータを掲載です。
倍音特性 (A2/110.00Hz)
倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦のスペクトラムを採用しています。
1.ブリッジピックアップ
倍音成分が非常に多く、やかましいほどに音がざわつく特性ですね。それなのにソリッド型のテレタイプよりも音が暖かなのは、倍音の特性に表れています。突出した奇数次倍音が含まれていないため、金属的な響きではありません。
2.ネックピックアップ
ブリッジ側よりも控えめではあるものの、偶数次倍音も奇数次倍音も多めです。ただし偶数次が高かったり、別な帯域では奇数次が高かったりと凸凹しています。音のうねりを強く感じやすい倍音傾向で、サスティーンもブリッジより特徴的です。
倍音特性波形の周波数目安
左端側の太長い山(中央灰色線)が基音110Hz 偶数次倍音:第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)、第6倍音(660Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)、第7倍音(770Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
周波数特性
周波数特性はDI直で同一のフレーズを30秒録音し、スペクトラムを比較しました。
a.ブリッジピックアップ
演奏時の心象通り、200Hz以下の低音域が極端に弱い周波数特性を計測しています。400~1kHzに波形が集中しているので、低音域は弱くとも音の芯は強めですね。
高音域は満遍なく伸びが良く、鋭く尖ったサウンドメイクにも対応出来ます。波形の山と谷の落差が激しい点が、サウンドのエアー感の要因だと推察です。
b.ネックピックアップ
ブリッジ側以上に山と谷の落差が激しく、うねるようなサスティーンを象徴しています。音の重心は200Hzにありますが、400Hz付近にも同等のピークがあるのもポイントです。
芯が2本通っているような音に聞こえるため、イコライザーを使うと音が激変します。高音域も想像よりカットされていない模様で、カリカリなサウンドメイクも可能です。
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
ピックアップのグレードアップはコチラ!
GROTE シンラインタイプ Semi-Hollow Body Single F-Hole Tele Style (GT-150 Super Series 2019) 総評
外観とサウンドの両面において、セミホロウ構造の特色が堪能出来ると思います。細部の仕上がりについてはコスト的限界が見えるため、個体差が激しいかもしれません。とりわけネックやフレットにムラがありそうなので、その点は覚悟しておきましょう。
多かれ少なかれ、購入後に調整が必要になる箇所が複数出てくると思われます。ボディはGROTEらしさが発揮されているため、ネックの仕上がりが実に惜しいですね。調整後は使いやすくなるので、フレットやナットを加工出来る方は狙い目となります。
何よりもこの価格でこのルックスは中々得られないため、テンションは爆上がりです。価格と調整の手間に納得がいくのならば、手を伸ばしても十分に楽しめます!
最後に安機材へ手を出す際の注意点!
この手の安ギターは、必ず個体差の幅が存在です。管理人の入手した個体より良い場合、または悪い場合もあるものとお考え下さい。手にした一台のギターだけで、仕上がりの中央値を判断する事は出来ません。当ブログの情報も含め『もっと悪い場合もある』事を意識して手を出しましょう。
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