【Gretsch G5810コピー】TOKYO GUITARS QB-100 ボ・ディドリー風長方形安ギターってどんな音がするの?
👆 珍しい長方形安ギター TOKYO GUITARS QB-100 (ボ・ディドリーコピーモデル) をレビュー!
目次
本日もギタいじへようこそ、貴方は当ブログのメシアです!急ぎの人は開封の儀の項から読もう!ハジメマシテな君は『コチラ』も見てね!
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前回の安ギターレビュー!
安ギターでは珍しい長方形ボディが映えるボ・ディドリーコピーモデルの音が気になる!
ボ・ディドリーコピーモデルをレビューする人
ブログ『ギターいじリストのおうち』の全権を司る希少種。性別年齢不詳の無機物。ブログ開設直前は珍しい楽器ブランドグッズを集めていた。
時は少し遡って2020年の冬……
管理人、
妙な楽器グッズどハマり中……
いやー、何回見てもフェンダーブックエンドの出オチっぷりには惚れ惚れするぜ!
このボトルオープナーもフェンダー要素が薄過ぎて最高だな!
変なグッズの極めつけは……
やっぱりアンプノブ柄のマーシャル靴下だよね
一体!
何故!
🧠「アンプノブ柄靴下を!?」
全くもって理解不能ですが、この際面白いからYESの精神で買った人も多いと思います。
さて、タップリと前菜を堪能したところで……
本日のメインディッシュといきましょうか!
Fender Guitar Shape Kitchen Cutting Chopping Boardは文字通り、ギターのボディ形状を模したまな板です。出オチ感は上記商品の比ではないですが、日常的にフル活用出来る代物となっております。
材質は天然の竹材100%で、ストラトシェイプとテレキャスシェイプの2種から選択可能です。勿論サイズはST&TLボディと同じ設計につき、ファングッズとしても高い完成度を誇ります。
👆 CUTTING BOARD FLAMEMAPLE STRAT
近年はフレイムメイプル仕様の上位モデルが発売されるなど、ギター界のまな板ブームを絶賛牽引中です。
まな板が好きな貴方に捧ぐまな板みたいな長方形安ギター!
……といった具合に、当時の管理人は変な楽器メーカーグッズに埋もれた生活をしていました。好物の安ギターを節約し、変なグッズ購入資金に充てたことも一度や二度ではありません。
安ギター教信者の本分を見失った管理人の元へ、
!?
何の前触れもなく
安ギ神の天啓が届きました。
🧠「直球の“まな板神”の声が聞こえたああああああああああああああぁぁぁぁぁッ!!」
ソーリー安ギの神々よ、我目覚めたり!
つまり、楽器風のまな板に現を抜かす暇があるのならば……
まな板みたいな安ギターを買ってしまえということですね!
善は急げ!
そんな訳で当時TOKYO GUITARSより発売されていた、
QB-100 ボ・ディドリーコピーモデルを入手しました。
実はこのギター、2年前の時点で詳細なレビューを既に終えていたギターとなります。ですが購入時はブログを開設していなかったため、情報を公開する場が無かったのです。
そして来たる2021年4月、ようやく当ブログ『ギターいじリストのおうち』が開設となります。
よし、さっそくレビュー済みの機材情報を順次投稿していくぞ!
……いや、待てよ
🧠「最初はドメインパワーが弱いから、ネジとかのマイナーレビューを公開しよう」
そのまま1年半経過……
ん、なんだこの下書きの記事は?
は、はうあ!?
ご推察の通り、管理人は該当ギターレビューの存在をすっかり失念していたのです。更に悪いことは重なるもので、2022年11月の段階でQB-100は廃盤となっていました。
紹介時期の旬が過ぎたことは否めませんが、せっかく (当時頑張って) 書いたので公開します!
ギタいじ用語解説
安ギ神
安ギターの神々の略称。安ギター購入の口実のため管理人が生み出した悲しき妄想の産物。毎度ギターと同じ特徴を持つ神が代表して登場し、無言で購入をゴリ押ししてくる。金欠時も脳に直接介入して強制購入させる実質的悪魔。
TOKYO GUITARSについて (簡潔版)
TOKYO GUITARSは低価格ながらも、幅広い種類のギターやベースを展開しています。従来の楽器販売と比較して、作業工程を簡略化することで大幅なコストダウンを実現です。
安ギターでは珍しいモデルも多く、全モデルでカスタムカラーオーダーに対応しています。見本色にないカラーにも対応出来るなど、オーダーの柔軟性が高い点も魅力です。
ただし作業工程を簡略している分だけ、細部の調整は購入者が自ら行う必要があります。パーツも汎用品で統一されているため、リーズナブルな中国製を中心に搭載です。
ある種購入者が調整や部品交換を通して『完成させる』商品につき、他の楽器メーカーとは一線を画しています。
基本調整が苦にならない人や部品を総入れ替えして使う人など、狙いを特定層に絞ったメーカーと言えそうですね。
TOKYO GUITARSはオンライン販売を主とした楽器店です。 ユニークなギターやベースを工房で製造後、清掃・調整工程を省略し、お客様に最終調整をお願いすることで手の届きやすい価格帯を実現しております。 楽器のカスタムカラーオーダーも幅広く可能です。
引用:TOKYO GUITARSについて
開封の儀 (回想版):ボ・ディドリー風長方形安ギター TOKYO GUITARS QB-100
TOKYO GUITARS製品の発送は、HP等に記載の通り再利用の資材が使われています。とは言え汚損した資材ではなく、きちんと原型を保っている楽器用発泡スチロールです。
QB-100はジャストサイズの箱が使用されていたので、破損等なく手元に届いております。注意点は開封時に散らばることや、箱の処分方法が自治体に委ねられる点でしょうか。
大型の発泡スチロールになるため、処分の際は自治体の廃棄物処理方法をご確認下さい。
本体以外にアクセサリー類の付属品はなく、A4のフライヤーが2枚添付されていました。
その他当時はロゴステッカーが付属していましたが、現在は廃止となった模様です(現行品の全モデルはロッドカバーに予めロゴが記載されている)。
基本スペック
TOKYO GUITARS製ギターでは、全モデルで共通のマテリアルが使用されています。スペック表は木材種やPU数のみの記載につき、細かいスペックが不明です。
公表情報と実物を調べた上で、分かる範囲内の仕様を下記に掲載いたしました!
MODEL:QB-100 Color:Sunburst Hand Orientation:Right Body Material:Basswood Neck Material:Brazil wood Fretboard Material:Rosewood Nut:42×6 mm white Width At 12th Fret:53mm Joint:Bolt On
Neck Shape:C Scale:24.75”(628mm) Number of Frets:22 Tuners:Die-Cast Pickups:Humbucker×2 Controls:3-way switch,2 tone,2 volume Bridge:Lightning bar wraparound compensating bridge type Binding:single binding at fingerboard&front of body
ちなみに、販売当時の価格は送料込み&オプション無しで4諭吉未満!
ルックス:ボ・ディドリー風長方形安ギター TOKYO GUITARS QB-100
QB-100は2019年6月頃に、ボ・ディドリーインスパイアモデルとして発表されました。詳しくは明言されておりませんが、元になったモデルはGretsch G5810だと思われます。
G5810はG6138 Bo Diddleyの廉価版となっており、各部機能が省略されているのが特徴です。大きく違う点としては、ブリッジがバダスタイプのラップアラウンドに変更されています。
QB-100ではよりブリッジが簡素化され、ライトニング・バータイプを搭載です。ノブやストラップピンもグレッチ型ではなく、スケールはミディアムが採用されています。
それでもおおよその外観について、QB-100はかなりのボ・ディドリー度だと言えそうです。細部まで強い拘りが無いのであれば、ボ・ディドリーモデルの雰囲気が十分楽しめます。
長方形ボディはその面積故に存在感があり、シンプルながらも個性の強さは天下一品です。ボ・ディドリーモデルの入手難易度も高いため、狙いどころが非常に良いギターだったと思います。
ヘッドシェイプ
ヘッドは本家をコピーしたのではなく、3×3のLPタイプを流用したような印象です。G5810に寄せている要素は感じられず、ペグボタンも小型のタイプが搭載されています。
ロッドカバーもLPタイプと同等で、ヘッド周りにボ・ディドリーらしさはありません。ミディアムスケールへの変更もあり、色々と妥協した設計になっていると推察です。
フィニッシュ
ボ・ディドリーといえばファイアーバード・レッドの印象が強いものの、QB-100の標準カラーはサンバーストとなっています。正確にはブラウン系3トーンサンバーストにつき、ややストラト的なカラーリングです。
トップはバインディング仕様となっていて、実際の大きさよりも引き締まって見えます。表面の光沢はピッカピカとまではいかないものの、価格帯を考慮すると納得のいくレベルです。
若干擦り傷が残っていますが、安ギター慣れしている方はあまり気にならないと思います。
ハードウェア
ハードウェアは金属パーツが全てクロームで、樹脂パーツはブラックオンリーです。ロッドカバーのみ黒-白の2プライとなっており、ピックガード等の装飾パーツは使われておりません。
バインディングはクリーム、またはホワイトをトップコートで着色したもの(※)でしょうか。これといって凝ったハードウェアではなく、シンプルイズベストでまとめられています。
(※)ネックエンドの断面がホワイト
パーツグレード
QB-100搭載のパーツは高級品ではありませんが、要所でG5810を意識したものを採用です。ピックアップは汎用ハムバッカーに、フィルタートロン風金属カバーを搭載しています。
ポールピースも12本全てがアジャスト可能で、パっと見の再現度はそれなりに高いです。エスカッションは金属製となっているため、安ギターとしては真新しさを感じます。
その分ブリッジとペグに関しては、多くを望まない方が良いかもしれません。とりわけライトニング・バータイプブリッジはオクターブ調整に難があり、構造上正確なチューニングは不可能です。
デフォルトパーツで使用する場合、調整難易度が高めであることを覚悟しておきましょう。
収納について
QB-100には専用ケースが付属せず、購入後は収納面の問題を抱えることになります。ケースはボディ上幅に余裕が必要で、オールラウンド用でも収納不可の場合が多いです。
当ブログで過去にレビューしたケースでは、KC製HCST/RD、Ibanez製IGB541シリーズがギリギリ収納可能でした。
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演奏性:ボ・ディドリー風長方形安ギター TOKYO GUITARS QB-100
ここからは演奏に関わる要素について、各パーツに焦点を当てチェックしていきます。
分解しての評価ではなく、開封後の動作確認時に調べる要素を重点に置きました。部品の機能性と組み込みの精度も含めて、可能な限り主観を除いた視点で精査です。
しかし先述の通り、TOKYO GUITARS製ギターは部品グレードが決して高くありません
深掘りする程の品質ではないため、特徴のみ簡潔に列挙していくことをご了承ください
ペグ
ペグはノーブランドのロトマチックタイプでギア比は1:16、配列はL3+R3となっています。管理人の個体は6個中3個トルクが渋く、なかでも6弦用ペグの精度がガタガタでした。
交換候補として、GOTOH製SG381タイプのL3+R3配列ペグがポン乗せ可能です。あまり精度が高くないので、検品後すぐに交換しても良い品質だと思われます。
弦高&オクターブチューニング
開封直後は弦高がラフに合わされており、こちらも購入者側での調整が必要です。初期弦高は6弦側が4.0mm、1弦側が3.5mmと左手にガッツが求められる高さとなっています。
長方形ボディとライトニング・バータイプブリッジの組み合わせは、極端に弦高を低く設定出来ません。コピー元のG5810を例に出すと6弦側で2mm弱、1弦側は1.5mm前後で限界に近いです。
QB-100はロッドの調整も含めて、可能な限り弦高を下げることで丁度良い範囲に収まります。
※他ブランドのボ・ディドリーコピーでは、弦高を下げるためにハードテイルを採用したモデルも多い
オクターブは弦高設定を終えた後に、使用頻度の高いフレットに合わせて調整した方が良いでしょう。ライトニング・バーの前後でしか調整できないため、オクターブが完璧に合うことはありません。
弦の太さを変えるテクも織り込みつつ、問題無い範囲内でザックリ合わせればOKです。
ジョイント構造的に19F以降は使用頻度が低いため、無理に12Fで合わせる必要性も薄く感じられます。
最終的に弦高は6弦側が1.9mm、1弦側は1.5mmに調整し、オクターブは9-10Fがシャープしない程度に合わせました。
激安弦高ゲージはこちら
ネック
ボディの大きさに反して、ごく普通のミディアムスケールネックを搭載です。グリップはCシェイプのグロス仕上げで、指板はローズウッドを採用しています。
細くも太くもない握り応えで変な癖が無い反面、個性らしい個性が全くありません。強いて挙げるとすれば、厚塗りのグロス仕上げなので滑りが悪い程度でしょうか。
スカーフジョイント構造につき、結合部が目立つ点も好みが分かれそうですね。ネックとボディは16-17F間でジョイントされており、ハイフレットの弾き心地は率直に申し上げて劣悪です。
17F以降の演奏に高度な技術を要するため、奏法や使用出来る楽曲、フレーズを選ぶと思います。
対照的にヘッドはアングルドヘッドを採用しているので、ローフレットのテンションバランスが良好です。
指板のフィーリングも程々に良く、適度な滑りやすさに整えられていると感じます。
ボディ
QB-100は縦横幅が約448×295(mm)かつ両面フラットという、ビッグボディのインパクトが抜群です。
ボディ厚は約44mmとストラトタイプより若干薄手で、見た目よりも重量感はありません。
そのため立位演奏時の重心バランスは、他では得られぬ唯一無二のものがあります。とにかく立って構える分には安定感に秀でており、ヘッド落ちは皆無だと言えるでしょう。
逆に座って演奏する際はアンバランス感が否定できず、小柄な体型の人は注意が必要です。加えて座った際に、ジャックの位置も具合が悪いのでほぼ立位専用になると思われます。
もっと生鳴りを強化したいなら
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ナット
ナットサイズは42×6(mm)を採用し、材質はホワイトカラーの樹脂系素材です。安価な素材ですが溝切りやセンター位置は適切で、特に問題ありませんでした。
角も面取りされているため、開放弦を交えたコードワークでも指が痛くなりません。1Fを抑えてシャープする箇所もなく、同価格帯の海外製安ギターよりは丁寧だと感じます。
フレット
フレットは幅2.6mmのニッケル製を搭載しており、末端処理などは価格帯相当です。指板淵でクロスを上下に移動させても、全フレットで繊維が絡まる箇所は無しでした。
全フレットで音詰まりの発生もないため、演奏性を損なわぬように処理されています。仕上げ磨きのみ省略されていて、フレットに光沢が無いので検品後に磨くことを推奨です。
ブリッジ
ライトニング・バータイプブリッジは一見すると普通のテールピースですが、オクターブ補正が設けられています。
表面にサドル代わりの凹凸があるので、アコギ等のストレートサドルよりはオクターブを合わせやすい構造です。けれども微調整はスタッド支持部のイモネジで行うしかなく、各弦毎に追い込んだ調整は出来ません。
おおいに妥協を求められるブリッジにつき、神経質な方には向かないと言えます。裏を返せば無駄なパーツを省いた構造が振動効率に好影響を与えており、ナチュラルかつ力強い音の響きです。
弦を掻きむしるように演奏するスタイルなど、パワープレイでは直進性溢れる音を奏でます。82mm支持間隔なので交換する際は、オクターブ調整付きのバダスタイプ等を適合可能です。
自身のプレイスタイルと照らし合わせ、音の力感か正確なピッチかを選択しましょう。
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センター
ナットやネックの組み込み、PUザグリの位置やスタッドの配置は問題無いと思います。この価格帯では綺麗に収まっている部類で、アリエク等の安ギターよりは相当良いです。
ピックアップはブリッジもネックもナロー仕様につき、ブリッジ側のみ若干弦とポールピースのズレが発生しています。10.5mm前後のピッチのピックアップと交換すれば、より完璧に近い出音バランスになりそうです。
とは言えヴィンテージ仕様のギターなど、Fスペースやトレムバッカーを使用しないモデルは多数存在します。出音自体に不具合は無く、ヴィンテージ仕様が好みの場合はこのまま使用しても大丈夫です。
電装系
電装系の配置はG5810やG6138と同じですが、各ポットの役割が少し異なります。本家グレッチの電装はマスターボリューム、PUボリューム×2、マスタートーンです。
QB-100はLPタイプと同じで、PUボリューム×2にトーン×2となっています。この変更により、ネックPUボリュームが離れた配置になるため少し使いにくいです。
切り替えは3way仕様のトグルスイッチを搭載で、クリックは軽めの質感となります。ポットのトルクは可もなく不可もなく、大半の安ギターと大差の無い操作性です。
アウトプットはプレート形式となっていて、金属製のジャックプレートを側面に搭載しています。総じて安価なパーツ構成につき、価格帯以上の品質は望めないです。
現状のまま様子見をしつつ、不具合が発生する頃合いをみて交換しても良いと思います。
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重量
大型なボディから超重量を期待してしまいますが、実測値はおよそ3.82kg程度です。重いどころか標準的、あるいは標準よりも少し軽い重量に分類されます。
見た目とのギャップが凄まじいため、初めて手にした際はむしろ軽さを感じる程です。ボディ材がバスウッドである点も大きく、グレッチ製より幾分取り回しが良くなっています。
重心バランスの良さもあり、ボーカルギターで使用しても負担が小さいのは得難いメリットでしょう。
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サウンド:ボ・ディドリー風長方形安ギター TOKYO GUITARS QB-100
意外だった要素として、生鳴りはボディ全体ではなく弦の真下が振動するイメージです。ボディの淵や四隅にはほとんど振動が伝わらず、中心部のみに振動が集中しています。
生鳴りの音量自体は大きいのですが、箱物のような鳴り方とは別物だとお考えください。アンプを通した音も予想外で、万遍なく隙の無いオールラウンドな出音です。
外観から低音や中音の図太さを期待していたものの、平均的な特性に感じられました。
中央に振動が集中するからネックプレートチューンの効果が高いかもね
おススメネックプレート
ピックアップ
フィルタートロン系のピックアップは出力が低く、磁力もそこまで強くありません。ゲインを上げても歪みにくい代わりに、ピッキングニュアンスに従順となっています。
アタックもクッキリしており、コンプレッション感は控えめです。音の強弱を表現しやすいので、ローフレットメインであれば幅広いジャンルに適合出来ます。
ブリッジ側
ブリッジピックアップはピッチが10.0mm、抵抗値はおよそ7.65kΩ程度です。
ゴリゴリした音も出せますが、ソフトなブラッシングを交えたカッティングもこなせます。歪みの粒が細やかで、ゲインに応じて倍音が豊になるのも心地良いですね。
ネック側
ネック側はブリッジと同等品を使用しているのか、ピッチが10.0mmで抵抗値が7.70kΩでした。ブリッジとは真逆で太い音しか出せないものの、甘やかなサスティーンを楽しめます。
重低音が極端に出過ぎない点も良く、歪ませてもスッキリした後味の響き方です。汎用ピックアップとは侮れぬ、レンジの広い音作りが出来る構成となっております。
個人的に推したいピックアップ
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長方形ギターにめっちゃ合うと思うの
倍音特性 (A2/110.00Hz)
管理人の主観はアテにならないので、倍音特性や周波数特性を一通り計測しました。倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦 (A2/110.00Hz) のスペクトラムを採用です。
i.ブリッジピックアップ
倍音を計測した帯域(横軸)は広くないものの、各倍音の出力(縦軸)が高い傾向にあります。基音と低次倍音の出力が同等なので、アタックの芯が強く音の輪郭も明瞭です。
非整数倍音も少なく、雑味の無いクリアな音の響きを後押ししています。偶数次倍音と奇数次倍音のバランスも上々につき、弾き手で制御しやすい倍音特性です。
i.ネックピックアップ
基音と第2、第3倍音の出力が強烈ですが、第4倍音以降は出力が一気に低下します。ブリッジ以上にアタックの主張が強いため、アクセントを利かせたフレーズ向きです。
ネック側も非整数倍音がほとんど計測されず、歪ませても潰れにくい音像を保ちます。奇数次倍音が目立ちにくいので音に暖かみがあり、輪郭に丸みがあるのもポイントです。
倍音特性波形の周波数目安
左端側の太長い山(中央灰色線)が基音110Hz 偶数次倍音:第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)、第6倍音(660Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)、第7倍音(770Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
周波数特性
周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、平均的なスペクトラムを算出しました。
1.ブリッジピックアップ
低音が標準的な点を除き、中音から高音にかけて高い値を計測しています。中音は400Hz付近を中心に、300~1.0kHzまで高水準の出力を維持可能です。
1.0kHz以降も出力低下が緩やかで、高音はテレキャスターと遜色がありません。2.0~5.0kHzにかけて鋭さが失われにくく、ハイ上がりなサウンドも作成出来ます。
2.ネックピックアップ
250Hz付近を中心に、低音~中音に図太い芯を感じさせる周波数特性です。100~600Hzにかけて高い出力を計測し、外観通りのパワフルな音色を唸らせます。
1.0kHz付近がウィークポイントで、ミッドハイに多少空洞感があるのも独特ですね。3.0kHz以降もネック用としては高いため、プレゼンスを利かせると明るいサスティーンに変化します。
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
ボ・ディドリー風長方形安ギター TOKYO GUITARS QB-100 まとめ
随所でコストを削減しつつ、本家譲りの圧倒的なルックスを再現したモデルです。サウンド面も価格帯以上のものがあり、つま弾くだけでも楽しめるギターに仕上がっています。
購入者が最終的な調整を行うという、メーカーのコンセプトを理解出来る層にとっては痒い所に手が届く製品です。惜しむらくは管理人のIQの低さによりレビュー投稿を失念し、本モデルが既に廃盤になってしまった点でしょうか。
再販されない限り入手は不可能に近いですが、国内楽器メーカーの新しい方向性を実感した一台です!
この世界の安ギターには
『夢』がある!
- 未完 -
安ギターに手を出す際の注意事項!
最後になりますが、低価格帯のギターは必ず『個体差の幅』が存在します。管理人の入手した個体より良い場合、または悪い場合もあるものとお考え下さい。
量産品である以上、手にした一台のギターだけで仕上がりの中央値を判断出来ません。当ブログの情報も含め、安ギターを購入する際は『もっと悪い場合がある』事を想定して手を出しましょう。
🏃💨とりあえずボ・ディドリー風ギターを探してみる🔎
MARSHALLの変な靴下
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