【類似品】Amazonの最高級キョンセーム風激安クロスにご用心【ギターカテゴリ出没中】
👆 Amazonで繁殖している 自称最高級キョンセーム風激安クロス(類似品) について調べたよ！
目次
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Amazon等で増え続ける 自称最高級キョンセーム風激安クロス(類似品) って何？
先日、管理人がスピーカーエッジ用のセーム革を探していた時のことです。
セーム革とは鹿等の皮を使用し、アルカリ膨醇ナメシ後鱈肝油還元させた染色をしていない革を指します。伝統的にはアルプスカモシカの皮を用いたものを指すようですが、昨今は鹿や羊、山羊などの皮もまとめてセーム革に分類です。
一般的に知れ渡っている商品としては、春日製のキョンセームクロスが最筆頭でしょう。キョンセームはセーム革でも最高級の素材に位置する、キョン種の革を使用しています。
天然素材ながらも0.0000015mmという非常に細かい繊維を有し、クリーニング性能や除脂性能に秀でているのが特徴です。春日製キョンセームは高級楽器のストラディバリウスや、フェラーリのF1マシンなどのクリーニングに使用されたこともあります。
キョンセームクロスは塩素吸着能力にも注目！
弦楽器使用後にキョンセームで弦を拭くと弦錆や変色を抑えることが出来るよ！
キョンセームはクリーニング用途の他スピーカーエッジとしても高性能！
話が脱線しましたが、セーム革はクリーニング用途以外にも汎用性が高い素材です。中でも伸縮性や湿度調節能力に優れた特性を活かし、スピーカーのエッジにも使用されています。
春日製のキョンセームスピーカーエッジは基音の再現性に優れ、豊かな高次倍音が明るく伸びのあるサウンドを演出です。オーディオ界でも愛好者が多く、管理人もスピーカーの補修では度々利用しています。
今回は管理人の所有する安価な16cmスピーカーのエッジが破れたため、手頃なサイズの鹿セーム革を漁っていた次第です。とりあえず交換するスピーカーは安物につき、素材も上記安物ノーブランド鹿セーム革2枚入りをチョイスしました。
そして管理人宅に届いたのがコチラ、
パッケージ付きの自称『最高級キョンセーム』風激安クロスとなっています。
みんなも一度は見たことあるでしょコレ？
キョンセームは株式会社春日の登録商標
ここからが本題で、セーム革愛用者の頭を悩ますのが数多の春日製キョンセームの偽造品や類似品です。
現在『キョンセーム』という名称は、株式会社春日の登録商標となっています。ところが大手ECサイトを覗くと、キョンセームを名乗るキョンセーム風味の類似品が大量発生しているのが現状です。
春日公式からも重要なお知らせとして告知が出るほど、物量で圧倒するレベルのパチキョンが蔓延る世界となっております。こういった商品は販売元がAmazonではく、中華系の企業となっているものが大半です。加えて春日製とは一切明記されておらず、商品名や商品画像でキョンセームを謳っているため気を付ければある程度回避出来ます。
偽造品や類似品の見分けがつきにくい例
しかし稀に春日製を謳う直球の偽造品や、出荷元と販売元がAmazonの安セーム革の中にも類似品が紛れていることがあるのです。前者は粗悪な素材で春日製を模した商品で、春日公式パッケージが流用されているため見分けがつきにくくなっています。
Amazonアウトレットの盲点
後者は何等かの理由があり、類似品が『Amazonアウトレット』にて再販売されているケースです。元々は販売元が中華系企業だったと想像されますが、Amazonアウトレットに出品されると販売元がAmazonアウトレットへ変化します。
故に商品メイン画像にパッケージを映さず革本体のみを掲載している場合、購入前の段階では類似品の判定が難しいのです。これらの商品は正規品が欲しいユーザーに加え、商標権を侵害していない安価なセーム革を望むユーザーにとっても障害となります。
正規品はAmazonを避けて春日公式通販や正規販売店を、安価なセーム革はレザークラフト材料専門店で入手するのが確実です。
安いセーム革も管理人のような人種に需要があるのに、わざわざ『キョンセーム』を冠しているのが厄介なとこ
ここが変だよ類似品のキョンセーム風激安クロス
ここでふと、どういった会社が類似品を製造しているのか猛烈に気になってきました。購入価格も本家の1/4以下という安価な代物につき、類似品の実態を確かめてみましょう。
パッケージに会社名の記載が一切無い
一応キョンセームの名称が使用出来る商品例として、春日とタイアップしているケースが挙げられます。パッケージにはそういった類の表記はありませんが、もしかするとパッケージの裏側に何か記載されているかもしれません。
しかし案の定どこにも春日の文字は無く、それどころか製造元や販売元の情報も一切確認出来ませんでした。裏側はサンクスカード風のメッセージが記載されているのみで、メッセージ中にある『弊社』が分からずじまいです。
かめはめ波
メッセージ欄の下部には、謎のキャラクターが真心をこめてかめはめ波を繰り出しています。気を溜めて購入者にハートを投げかけているものの、商標権を侵害している恐れのある会社の真心なぞお断りです。心臓が人体の左側にある事を考慮し、
対左に強いバッターに打ち返してもらいましょう。
異様に白い革
本家春日のキョンセームと言えば、染色をせずともやや茶がかった革色をしています。類似品は商品画像こそキョンセーム風色合いですが、実物は白なめしゴートレザーのように白っぽいです。
不思議なことに管理人が石磨き用に愛用している、山羊革クロスと瓜二つなルックスをしています。類似品も質感的に天然革と思われますが、本物のキョン革を使用しているのかについては疑問符です。
「ちょっとキョン、あんたパチモンだったら許さないわよ！」
ギクッ！
山羊革クロスと比較
件の山羊革クロスはお徳用セットで、管理人が近所のクラフト用品店で本類似品よりもかなり安価で購入しています。ちなみにカー用品などの分野でも、本革セームとして山羊革クロスを販売しているメーカーが複数ある模様です。
生地の表面（吟面）を接写で撮影してみると、類似品も山羊革クロスも同じような質感をしています。
裏面（床面）は毛玉状の繊維が多く、パサパサとした肌触りで粉っぽさが否めません。本家春日製キョンセームより繊維の質が粗いのは当然としても、類似品が本物のキョン革なのかは増々怪しいところですね。
なんかキョンセームと比べて表面と裏面の差がほとんど無い気も……
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ワイピング性能
最後にワイピング性能を確認するために、埃と油脂汚れのあるギターボディを用意しました。
こちらのボディはピックアップザグリ間に点状の油脂汚れが複数あったため、その上から全体に繊維屑を散りばめています。キョンセームと同様に裏面にて埃を除去し、油脂の除去と仕上げ磨きに表面を使用です。
裏面（床面）
裏面の埃を取り除く力自体は悪くないのですが、毛玉が多く粉っぽいせいか本家キョンセーム以上に革屑が零れ落ちます。本家も使い初めはワイピング性能が9割程度であるのに加え、ある程度革屑が散らばるという欠点は共通です。
ただし本家はここまで革屑が散らばることがなく、数回使用を重ねて革が馴染む頃には気にならなくなります。類似品は屑が散らばらなくなるまでの時間が長いため、当分の間は革屑を除去するためのブロアやクロスが別途必要です。
最高級品クロスのくせに散らかした屑汚れをクリーニングするクロスが必要
表面（吟面）
表面の除脂性能も一歩及ばぬ感触があり、完全に除脂することが出来ませんでした。指紋等の新し目の汚れは問題無く落とせるものの、乾燥気味の油脂汚れを『しっとり潤いを与えて落とす』性能が欠けています。
この程度のワイピング性能であれば、人工クロスとポリッシュを併用した方が手っ取り早そうです。
その他表裏を問わず汚れを拭いた直後、クロスから埃や油脂が拭き取った面に逆戻りして伸びることがままあります。
使い込めば埃の除去や固着していない油脂汚れには対応出来る反面、本家のワイピング性能には及ばないと考えて良さそうですね。次回は春日製キョンセームを使い、正しいセーム革との付き合い方を実践していきます！
－ 続く －
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