【Amazon激安パーツ】Wilkinson WOGT3 レビュー:ラップアラウンドブリッジってどんな音?徹底解説!

👆 Amazonで買える安ギターパーツ Wilkinson WOGT3 ラップアラウンドブリッジ 調整可能 をレビュー!
目次
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Amazonで買える安ギターパーツ Wilkinson WOGT3 ラップアラウンドブリッジ 調整可能 の音質を知りたい!
Wilkinson WOGT3 をレビューする人

ブログ『ギターいじリストのおうち』の全権を司る下級安ギター戦士。性別年齢職業不詳の無機物。ウィルキンソンはタンサン ウメ派。
テールピース型ラップアラウンドブリッジ搭載ギターにおいて、頭を悩ませるのがオクターブの不安定さです。最も古典的かつシンプルなテールピース型の場合、オクターブ調整はスタッド部のイモネジのみで行います。

当然正確なピッチを得るのが難しく、後発のライトニング・バータイプでは各弦毎にオクターブ補正が設けられているのが特徴です。テールピース型と比較すると、一定水準のオクターブ調整が可能となっております。

しかしライトニング・バータイプでも完全な調整は出来ないため、可変式オクターブ調整機構を設けたのがバダスブリッジです。
現在では数多くのブランドから、趣向を凝らしたオクターブ調整対応のラップアラウンドタイプが発表されています。
安ギターパーツ界隈ではWilkinsonを筆頭に、驚くほど安価なラップアラウンドブリッジを複数種ラインナップです。今回はWilkinsonの中でも超リーズナブルな、WOGT3 ラップアラウンドブリッジ 調整可能をご紹介いたします。
Wilkinson WOGT3 ラップアラウンドブリッジ 調整可能 の特徴
Wilkinson WOGT3はテールピース型と同じ支持間隔の82mmを採用で、各弦毎に可変式オクターブ調整機構を搭載です。オクターブ調整域はバダスタイプよりも広く、より精密なオクターブチューニングが可能となっております。
パーツグレードはm seriesにつき、Wilkinsonのライセンスを取得した中国製です。Amazon等ではWOGT3という型式が使用されておらず、検索でヒットしにくい点にご注意下さい。

ちなみに、Wilkinson m seriesはMusiclilyが販売窓口だよ!
ライトニング・バータイプと交換した場合どのくらい音が変化する?
低価格ながらもオクターブやピッチ面で多大な恩恵が得られるブリッジですが、複雑な機構ならではの問題点も存在します。WOGT3はテールピース型よりも確実に重量が増すため、交換後に音質が変化しやすいのです。
また複雑な構造故に弦振動のロスが発生しやすく、音の立ち上がりやサスティーンに影響を与えます。テールピース型の高速なレスポンスやハイ上がりな音を好むならば、その変化に面食らうかもしれません。
厚手の本体設計も弦高の調整域が狭くなるので、交換前より弦高が高くなる可能性があるのです。そこで本記事ではライトニング・バーを搭載した板ギターを使い、Wilkinson WOGT3の使い勝手や音質面の変化を調べました。
Amazonのレビューでは向き不向きが分かれる部品につき、購入前に分かりにくい要素も含めて詳しくみていきましょう。
追記!
Aria Pro II の海外販売モデル『718-MK2 “Brooklyn"』に本ブリッジが搭載されています!
外観:Amazonで買える安ギターパーツ Wilkinson WOGT3 ラップアラウンドブリッジ 調整可能
Wilkinsonのm seriesは外装が販売時期により異なり、箱入りの場合やシュリンク包装の場合があります。

管理人の購入した個体は専用の箱入りで、本体や付属品が気泡緩衝材に包まれた状態です。

箱の紙材も厚く、輸送時に振動や衝撃が加わっても安心な梱包となっております。
付属品
ブリッジ本体以外に付属するのはスタッド、アンカー、六角レンチ、ピックです。

アンカーとスタッドはM8となっており、こちらはサイズが合えば既設品を流用出来ます。元のスタッドがM8で嚙み合わせ部の遊びが少ない場合などは、無理に交換しないでもよいでしょう。

ミリ規格の設計につき、元がインチ規格の場合はアンカーも含めて交換を推奨です。

六角レンチは本体両端に設けられた、ブリッジの傾きを調整するイモネジに使用します。

ピックはランダムカラーのセルロイド製で、販売元であるMusiclilyのロゴ入りです。
仕上がり
交換前に本体の細部をチェックすると、やはり金額相当な箇所も目につきます。スタッドを支持する本体のかみ合わせ部は、メッキが雑で一部剥離していました。

本体の角も面取りされておらず、肌で直に触れた場合皮膚を傷つけるかもしれません。

ネジ精度も中国製ならではといった感触につき、キツかったり緩かったりとムラがある模様です。

メッキ被膜は厚手で光沢も強いですが、弦を通す穴の淵が若干バリバリしています。価格帯としては頑張っているものの、USA製やGOTOH製Wilkinsonのような仕上がりは期待しない方が良いでしょう。
仕様:Amazonで買える安ギターパーツ Wilkinson WOGT3 ラップアラウンドブリッジ 調整可能
材質等は公表されていないため、分かる範囲内でブリッジの材質を調べました。ブリッジ本体の材質は亜鉛ダイキャスト、ネジやスプリングはスチール製です。

サドルはステンレスのように思えますが、判断出来ないため材質不明としておきます。スタッドとアンカーはいずれもスチール製で、全体的に重量のある部品構成です。
寸法
ブリッジの詳細な寸法については、商品説明欄の画像に掲載されています。
ただし本体の縦幅などは記載がなく、ピッチは商品タイトルと寸法表で異なる値(タイトル:52mm / 寸法表:10.5×5=52.5mm)です。微妙に分かりにくい数値や重量について、下記画像の通り実測いたしました。

サドルピッチ:10.5mm (52.5mm)

本体縦幅:23.8mm
本体横幅:101.1mm
本体最大高さ:13.7mm (底面~3or4弦サドル頂点)

本体嚙み合わせ部幅:8.0mm

スタッド雄ネジ径:φ7.6~7.7mm(M8)
スタッド嚙み合わせ部径:φ7.3mm
アンカー埋め込み部外径:φ11.9mm

本体重量:105.3g
スタッド&アンカー重量:21.0g × 2
取付け:Amazonで買える安ギターパーツ Wilkinson WOGT3 ラップアラウンドブリッジ 調整可能
それではWilkinson WOGT3を板ギターのライトニング・バーと交換し、使い勝手を確かめていきます。板ギターはボディから得られるアドバンテージが薄いため、部品の性能が素直に反映されやすい構造です。

部品交換による音質変化を調べるには、非常に好都合なギターとなっております。

元のライトニング・バーはWOGT3と同じく亜鉛製で、重量はおよそ71.1gです。

アルミ製ライトニング・バーよりは重いものの、WOGT3よりは30g以上軽量となります。

実際に装着してみると、想像していた以上にルックス面が良好ですね。シンプルなバータイプも良いですが、メカニカルなオクターブ機構に洗練された印象を受けます。

フィルタートロン風のPUともマッチしており、ドレスアップ用途でも十分活用可能です。遠目に見てもブリッジ周りの雰囲気が一変するため、外観重視で使うのもアリな気がします。
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オクターブチューニング精度
板ギターはブリッジ位置がラフな設計で、ライトニング・バーでは9-10Fがシャープしない程度に合わせるのが限界でした。

WOGT3に交換後はブリッジの傾きでエンド方向に弦長を稼ぎつつ、各弦のサドルでオクターブを微調整です。12Fを基準にしても各弦のピッチが狂う事もなく、正確なオクターブチューニングに成功しています。

オクターブ調整域の広さには目を見張るものがあり、変則的なチューニングにも対応です。フレットの使用頻度に合わせ、12Fより前や後のフレットを基準にした調整も可能となっております。
サドルの下げ過ぎに注意
Amazon海外勢のレビューでは、共振がひどく使えないという投稿が寄せられていました。推察するにこれはオクターブ調整ネジの共振で、サドルをエンド方向の『限界以上』に寄せていることが原因です。

WOGT3はエンド方向限界までサドルを寄せた場合、ネジが止まらずに空回りし続けます。尚もネジを回し続けると今度はネジが本体から外れ、本体のネック方向側にネジ頭が飛び出すのです。

この共振が発生した時はひとまず反対側にネジを回し、共振が止まるポイントまでネジ山を戻します。共振の止まるポイントがサドル可動域の限界となるため、それでもオクターブが合わない場合はイモネジで弦長を稼ぎましょう。

どうしても共振が改善されない場合は不良品なので即座に返品リクエスト!

管理人は13回購入して1回改善不可の不良品とエンカウントしたよ!
激安量産品だから数の内と割り切ろう。
弦高
弦高に関しては予想通り、交換前よりも低い弦高に調整出来なくなりました。ネックの組み込みとボディ形状によりますが、元のライトニング・バーよりも0.4mm程弦高がアップです。

交換前の最低弦高が1.5mmだったところ、交換後は最低1.9mmとなっています。WOGT3を試す前に必ず交換予定のギターのブリッジを限界まで下げ、最低弦高が何ミリになるか確認を推奨です。

交換後は余裕をもって+0.5mmほど弦高が上がるものとして、適正弦高内に収まるかを調べておきましょう。もしも交換前の最低弦高が2.0mm以上ある場合は、交換を見送った方が良いかもしれません。
激安弦高ゲージレビューはこちら
ブリッジ後部の傾き
弦高の変化に関わってくる要素として、ブリッジ後部の傾きが挙げられます。WOGT3はバダスタイプなどと同じく、スタッドと本体嚙み合わせ部の厚みが一致しない設計です。

スタッドとブリッジに隙間が生じるため、弦の張力に負けてブリッジが浮きやすくなります。イモネジで弦長を稼いでいる場合は特に浮きやすいので、ブリッジが水平にならないこともしばしばです。

これはWOGT3やバダスの設計上の不備というよりも、非固定式ラップアラウンドブリッジの構造的な特徴と言えます。後部が浮く場合は最低弦高が更に高くなるだけでなく、弦高の高さの割にテンションが低下しやすい傾向です。

👆 Tone Pros ( トーンプロズ ) / AVT2G-C
演奏に影響の無い範囲なら問題ありませんが、支障が出る場合はWOGT3を使用しない方が賢明だと思います。そういったギターでは固定式ラップアラウンドブリッジとして、Tone Pros AVT2Gなどの導入を検討しましょう。
サウンド:Amazonで買える安ギターパーツ Wilkinson WOGT3 ラップアラウンドブリッジ 調整可能
交換後は生音だけでも音の違いが分かりやすく、明らかに低音が強く変化しました。対照的に高音の伸びは控えめで、低~中音が強調されたサウンドです。

ライトニング・バー特有の爽快感は損なわれている反面、重心の低いズシっとした音を響かせます。アンプを通すとより顕著となり、ブリッジミュートの迫力は大幅にアップです。

音の芯も太くなったため、リードフレーズでは暖かみのあるトーンを繰り出せます。ですがやや音に濁りが生じているのか、音の分離や立ち上がりは悪化する傾向です。

サスティーンも損なわれていて、あと一歩伸びが足りない弾き応えを感じます。純粋な音質以外にも、変化を実感出来る要素が多いと感じました。
倍音特性 (A2/110.00Hz) の比較
管理人の主観はアテにならないため、ブリッジ交換前後の各種データを計測です。

倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦のスペクトラムを採用しています。ピックアップはブリッジを選択し、ブリッジ以外のパーツはデフォルトの状態です。
1.Wilkinson WOGT3 交換前

交換前は非整数倍音が少なく、雑味の無いクリアな倍音特性となっております。基音と低次倍音の出力が高いので、アタックの芯が強く音の輪郭も明瞭です。倍音の計測範囲は狭いものの、偶数次倍音と奇数次倍音のバランスは整っています。
2.Wilkinson WOGT3 交換後
交換後は高次倍音が多く計測されていますが、同時に非整数倍音も増加傾向です。基音以下の非整数倍音の増幅と基音の出力向上により、低音の存在感を主張しています。

加えて基音と低次倍音の出力がほぼ均等となったため、コンプレッション感のある響きに変化です。コンプレッション感は立ち上がりの悪化に少なからず影響し、非整数倍音の増加も音の濁りに直結しています。
倍音特性波形の周波数目安
左端側の太長い山(中央灰色線)が基音110Hz 偶数次倍音:第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
周波数特性の比較

周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、平均的なスペクトラムを算出しました。
a.Wilkinson WOGT3 交換前

低音はあまり強くありませんが、中~高音に伸びのあるシャープなサウンドです。テレキャスに近い高音の鋭さを備えるなど、ハイ上がりなサウンドも作成可能となっています。
b.Wilkinson WOGT3 交換後
交換後は300~600Hzが高出力となる一方、800Hz以降は交換前よりも減衰傾向です。3k~6kHz付近の高音が絞られるので、相対的に低~中音が目立ちやすくなります。

100~300Hz付近の低音は大きく底上げされ、交換前と比較するとローエンドの力感が段違いです。元の低音が弱かった分バランスの改善により、ジャンルを選ばずに使える万能なトーンに変化したと言えます。
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
サスティーンの比較
サスティーンはシンプルに、開放弦Eコードを1ストローク鳴らして計測です。交換前の音伸びを基準となる0とし、交換後に±何%音が伸びたかを掲載します。

人力でもデータ精度を上げるため、えげつない回数のストロークを繰り返しました。計測したサスティーンデータを元に、平均%、最小%、最大%の3通りを算出です。
平均:-4%
最小:+1%
最大:-7%
サスティーンは最小値を除き、ライトニング・バータイプの方が上手となります。ですがWilkinson WOGT3は最小値と最大値が平均値に近いため、音が伸びにくい分安定感が高いとも考えられそうです。

サスティーンの制御が苦手なプレーヤーにとっては、交換後の方が弾きやすくなる場合もあると思います。ロングトーンやフィードバックは不得手となるので、サスティーンを重視するプレイスタイルは注意が必要です。

ネックプレートチューンやファットフィンガーなど音伸びを補う方法も検討しよう!
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音の立ち上がりの比較
サスティーンの調査と平行して、音の立ち上がりについても調査しました。

ライトニング・バーと比較すると、Wilkinson WOGT3に交換後は音の立ち上がりが平均10ms(0.01秒)ほど遅延します。言語化が難しいですが最大出力に到達するまでに、ほんの一瞬だけ引っ込むような感覚です。
Amazonで買える安ギターパーツ Wilkinson WOGT3 ラップアラウンドブリッジ 調整可能 音質変化 まとめ
Wilkinson WOGT3は低価格ながらも人目を引くルックスに加え、優れたオクターブ調整機構を備えています。仕上がりは価格相当な部分もありますが、低~中音域の補正効果など音質改善パーツとしても活用可能です。

弦高の変化は避けられないものの、倍音やサスティーンの変化は他のグレードアップパーツとの組み合わせ次第で解消出来る場合もあります。無加工で正確なオクターブチューニングを求める場合は、試してみる価値のあるブリッジです!
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Wilkinson WOGT3 ラップアラウンドブリッジ クローム
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激安商品に手を出す際の注意事項!
最後になりますが、この手の激安商品は必ず『個体差の幅』が存在します。管理人の入手した個体より良い場合、または予想よりも遥かに悪い場合もあるのです。量産品である以上、手にした商品だけで仕上がりの中央値を判断出来ません。
入り数の不足や未着、破損、汚損等が発生するリスクもあるため、有事の際は海外販売店との交渉スキルが必要となります。当ブログの情報も含め、常に『もっと悪い場合がある』事を想定して購入を検討しましょう。
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