ライオンヘッドパターンテールピース って何だよ…… [変な部品レビュー第4回]
🤡「ライオン……?」
目次
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既視感バリバリ ライオンヘッドパターンテールピース !
変なパーツレビュー第4弾は、性懲りもなくハロウィンシーズン向けの部品です。ハロウィンといえばモンスターの仮装だけでなく、動物の仮装も人気があります。
動物の着ぐるみやマスクが良く売れるらしく、店頭で目にする機会が増える時期です。ならばエレキギターも動物を象ったパーツを使い、ハロウィン気分を演出しましょう。
というわけで今回は百獣の王、ライオン(?)の頭部を象ったテールピースを取り上げます。おそらくこのデザインを見て、既視感を覚えた貴方は相当に変なパーツマニアです。黒い下地に中央部がモッコリしたレリーフ仕様、異様な存在感を醸し出すフォルム……。
どこからどう見ても、第1回で取り上げた亜鉛合金タイガーそのものとなっています。カラーリングやサイズこそ違えど、両者が同じDNAを宿している事は明白です。その姿はクローン技術が生み出した哀れなクリーチャーの如く、悲壮感すら抱くと思います。
なぜこれほどに虎でありながら、本品がライオンの名を冠しているのは永遠の謎です。深く考えたら負けだと思いますので、あまり詳しい考察は行わないようにしておきます。
例に漏れずネタ要素の強い部品ですが、きちんと正常に機能するのか検証が必要です。クロームタイプを取り寄せたので、GOTOH製TOMと比較しつつ性能をチェックしました。
外観
レビューの前に、本品も正式なパーツ名称やブランドが不明瞭となっています。『 ライオンヘッドパターンテールピース 』とていますが、販売店で名称が千差万別です。海外では『Lion Pattern』表記となっており、ライオン推しの姿勢は変わりません。
変なパーツでは恒例の海外発送商品につき、注文から到着まで約3週間程かかっています。梱包材は気泡緩衝材入りの封筒で、本体はチャック付きビニール袋にまとめて封入です。
部品同士が内部で傷つく事に配慮してか、更に和紙のような紙で養生されています。以前取り上げた髑髏蝙蝠テールピースとほぼ同等の梱包につき、丁寧な部類ですね。
大まかなフォルム
早速開封してみると、やはりデザイン自体は亜鉛合金タイガーと同一だと思われます。サイズを縮小しているだけで、同じ型を使用していると考えて間違い無さそうです。
仕上がりも亜鉛合金タイガーの時と変わらず、想像以上に良いのではないでしょうか。頭部のレリーフ細部まで彫り込まれており、口や毛並みの質感が良く描写されています。
ブリッジは髑髏蝙蝠テールピースの色違いで、GOTOHと互換性の無い取付けピッチです。ただし本品は予め取付ピッチ72mmである旨が記載されていたため、問題ありません。本記事ではブリッジを使用しないため、表題をTOMではなくテールピースとしています。
テールピースは綺麗な外観ですが、ブリッジは随所に指紋や汚れが多い状態です。更にオクターブ調整ネジが一部貫通しており、触れると指が切れる可能性があります。
ブリッジは使用予定が無い部分とはいえ、加工精度と品質はあまり高く無いですね。余剰部品の抱き合わせ感が強く、テールピース単体商品と割り切った方が良いでしょう。
テールピースの構造
テールピースは分解可能な構造で、本体とライオンヘッド部に分かれています。裏から2か所をネジで固定しているので、こちらも髑髏蝙蝠テールピースと共通設計です。
けれども加工は髑髏蝙蝠テールピースよりも上質で、ワッシャーも使用されています。ガタツキも無く綺麗に組み込まれているため、共振に強そうな仕上がりですね。
仕様
仕様に関しても髑髏蝙蝠テールピースセットとほぼ共通なので、同じ感覚で使えます。
テールピースについて
テールピースはGOTOH製と同じく、国産品準拠となる82mmの取付けピッチを採用です。現行のTOMスタイルテールピース全般と互換性があり、汎用性が高いと思われます。
スタッドはM8に対応ですが首下が細い設計につき、GOTOH純正は使用できません。付属するスタッドのねじ径がM8なので、アンカーはGOTOH製を流用してOKです。
ローラーサドルブリッジについて
先述の通り取付けピッチが72mmとなっており、搭載出来る機種は極僅かだと思います。品質も総じて思わしく無く、怪我をする可能性のあるネジの貫通等が致命的ですね。
これでは文鎮としても使いにくいので、ヤスリなどで貫通部を整えた方が良いでしょう。古い国産機では稀に72mm設計があるため、いざという時用にストックしておきます。
重量について
テールピースは実測で90.2gとなっており、GOTOH製より15g以上も重量のある設計です。
ブリッジは62.0gで、ローラーサドル搭載TOMブリッジの標準的重量となっています。
材質の説明が店舗によって異なり、銅だったり亜鉛だったりと表記ブレを確認です。本品は亜鉛合金タイガーの兄弟部品なので、おそらく亜鉛製ではないかと推察します。
取付け
ブリッジの取付けピッチが合わないため、テールピースだけを交換しました。交換予定の機種には、GOTOH製GE101ZテールピースとGE103B-Tブリッジを搭載です。
国内ブランドでは定番の組み合わせにつき、互換性や性能の比較には最適だと思います。スタッドの交換が面倒だったため、取付け時はそのままGOTOH製アンカーを流用です。
下地に黒い塗料を使用しているためか、レリーフ部が遠目にも良く分かりますね。通常のテールピースと形が異なる点も視認出来るため、外観の変化は大きいと思います。
デザインの好みが分かれそうですが、動物要素が欲しい方には打ってつけでしょう。スタッドとテールピースもジャストフィットで、変なガタ付き等は一切ありません。
音質
重量の変化がそれなりにあるため、取り付け前後のデータを計測しました。計測したのはA2倍音(5弦開放弦)、周波数特性、サスティーンの3項目です。テールピースは弦に接触するため音質変化が大きいので、詳しく見ていきます。
計測に使用した機材一覧
ギター:Aria Pro II / M-500
使用PU:SUPRO / GF11B(リア)
シールド:Aria Pro II / JG-10X (10ft/3m, S/S)×1
マイクケーブル:Amazon / CLMIC1-M-F-10FT-5P×1
DI:CLASSIC PRO / CDI-2P (INST)
インターフェース:YAMAHA / AG03
※オクターブチューニング:1~5弦12F起点、6弦変則
倍音特性の比較 (A2/110.00Hz)
倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦のスペクトラムを採用です。GOTOH製に関しては、髑髏蝙蝠テールピース記事内のデータを再利用しています。波形のみの掲載といたしますので、詳しい情報については該当記事をご確認下さい。
1.GOTOH / GE103B-T Cosmo Black
2.ライオンヘッドパターンテールピース
GOTOH製と比較すると、偶数次、奇数次を問わずに倍音自体が少ない傾向です。それでも低、中、高音域の各帯域で、奇数次倍音が目立っています。中でも第3倍音が突出して高く、冷淡な響きを決定づけている模様です。第18倍音が含まれない反面、第17、第19倍音が強いなど高音域が鋭くなっています。
周波数特性の比較
周波数特性はDI直で同一のフレーズを30秒録音し、スペクトラムを比較しました。
a.GOTOH / GE103B-T Cosmo Black
b.ライオンヘッドパターンテールピース
波形の形状はGOTOH製と大差なく、出力レベルに関してもほぼ同等ですね。細かく見るとミッドレンジに関しては、僅差で本品の方が高く計測されています。低音域は100~150Hzがやや弱く、2kHz以降もGOTOH製ほど伸びが良くありません。ミッドレンジが強い割に奇数次倍音が目立つため、幾分硬質に聞こえるサウンドです。
波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
サスティーンの比較
サスティーンはシンプルに、開放弦Eコードを1ストローク鳴らして計測しました。基準となるGOTOH製GE103B-Tを0とし、交換後に±何%音が伸びたかを掲載します。計測したデータを元に、平均%、最小%、最大%の3通りのデータを算出です。
ライオンヘッドパターンテールピース交換後サスティーン
平均%:-4%
最小%:-1%
最大%:-6%
50回計測した結果、サスティーンはいずれの値でもGOTOH製の方が優れています。極端な変化はありませんが、ロングトーンであと一伸びが足りなくなる印象です。この特性を逆手に取れば、ブラッシングやブリッジミュートに活かせると思います。硬質な音の傾向と合わせて、ミュートプレイを多用する奏者には合うかもしれませんね。
ライオンヘッドパターンテールピース まとめ
・ライオンとあるが虎の可能性が極めて高い
→デザインは亜鉛合金タイガーネックプレートそのもの
・テールピースは2層構成で標準以上の重量がある
・テールピースの取付けピッチはGOTOH製と互換性有り
・ブリッジの取付けピッチはGOTOH製と互換性無し
・倍音が少なく奇数次倍音が目立ちやすい
・音質も出力もGOTOH製に近いが中音域が僅かに強く硬質
・サスティーンは低下するがミュートプレイ各種と相性が良い
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