激安ギターピックアップ 調査第24回 HOMELAND クリアボビン TLピックアップセット
👆 激安ギターピックアップ HOMELAND クリアボビン TLピックアップセット をレビュー!
目次
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激安ギターピックアップ HOMELAND クリアボビン TLピックアップセット で心を浄化する
ネットで漁れるピックアップ調査第24回は、積みピックアップを解禁しようと思います。今年に入ってから管理人は、あまりにもピックアップの外観に力を求め過ぎていました。
見た目が最強な代物であるほど、音も最強に決まっていると妄信していた次第です。ところが強そうな外観のピックアップの音は総じて、最強の域には達しておりません。
やはり見た目が最強=音も最強という発想自体、浪漫が作り上げた幻想なのでしょう。ここらでひとつ最強信仰を浄化して、精神状態をニュートラルに戻す必要があります。
何者にも染まらぬピュアで無垢な心を得るべく、
透明なピックアップをチョイスです。
本品はTLタイプのピックアップセットとなっており、クリアボビンを採用しています。ボビンのトップが透明なので、内部のマグネットや銅線がスケスケで丸見えです。
HOMELANDとロゴが入っているため、こちらがブランド名に該当すると推察します。同ブランドについては、以前Everything Axe Set風のピックアップを取り上げました。
件の商品は仕上がりが頗る悪く、奇数次倍音まみれなサウンドが印象深い珍品です。故に同じブランドである本品も、長い間敬遠し続けてしまったという経緯があります。
透明な心を手に入れるために、そういった先入観も除去していかなくてはなりません。
果たして本品は管理人の濁った心を浄化できるのか、いつもの流れでレビュー開始です。
価格について
管理人が本品を購入した時期は、2020年11月下旬とかなり遡る事になります。現行品は仕様が変わっている可能性があるため、本レビューは参考程度にお考え下さい。
購入時の価格も底値に近く、現在のうまい棒レートで140本程の開きがありました。約15か月で35%も値上がりしているため、必ずKeepa等で価格推移を確認しましょう。
激安ギターピックアップ 外観
商品は専用の箱が付属しており、ピックアップ本体もクッション材で覆われた状態です。
安ピックアップは簡素な袋詰めの場合が多いため、箱付き梱包に好印象を抱きます。
とは言え中では乱雑にピックアップが敷き詰められており、扱いが丁寧ではありません。ワイヤーもグチャグチャに折りたたまれているなど、減点要素もあちこち散見です。
おそらく元々はバルク品のピックアップを、販売店側が箱詰めしたものと思われます。ピックアップの特性に無配慮な梱包方法につき、低価格商品故と割り切りが必要ですね。
激安ギターピックアップ相当な細部の仕上がり
商品自体もピッカピカという雰囲気ではなく、バルク品特有の傷が多数見受けられます。
せっかくの透明感が台無しとなっており、美観が損なわれているのが残念ですね。
おまけにネック側にいたっては、
ボビンの内部に指紋が付着した状態でした。
当然表側から磨いても綺麗にならず、製造工程や品質管理に問題ありとなっています。管理人は安パーツ耐性が高いので平気ですが、不慣れな方は気絶するかもしれません。
激安でもスケルトン感にテンション爆発
しかしピックアップのおおまかなデザインについては、相当にカッコイイ部類です。
特に内部構造が丸見えとなるため、スケルトングッズマニアにはたまらないと思います。
エナメル線もカッパー系の色ではなく、リアはブルーシルクワイヤー系統の色です。
フロントはブラックエナメルの模様ですが、部分的に黄色に見える箇所があります。
安PUには通常採用されない色のエナメル線なので、管理人のテンションは爆発寸前です。
🧠「ていうかこのピックアップ……」
🧠「もしかして最強の武器なのでは?」
なんという事でしょうか、ここにきて浄化するハズの最強信仰が復活してしまいました。これほど攻撃力の高い外観の商品を前に、最強を信じるなという方が無理でしょう。
むしろ本品を置いて他に、この世に最強のTLピックアップが存在するとは思えません。
HOMELANDの別商品がイマイチだったからと、本品を敬遠し続けた己の愚かさを後悔です。
無配慮梱包、グチャグチャワイヤー、小傷の多さ、指紋……。
ネガティブな要素が全て吹き飛んでしまう程、ルックス面は秀でていると感じます。
激安ギターピックアップ 仕様
ピックアップの形状はスタンダードなTL系ですが、ネック側は金属カバー無しです。
ポールピースはフラットフェイスで、ワイヤーはクロスワイヤーを採用しています。商品画像を良くみると、エナメル線の保護にビニールテープが使われていました。
ところが管理人の個体では、一般的なアセテートテープによる保護です。更に含浸が全く行われていない様子で、全体的に油脂感が皆無となっています。
ヴィンテージ系TL型ではあえて含浸無しの機種もあるのですが、好みが分かれそうです。高音域の暴れ感が強くなる半面、ハウリングやマイクロフォニック感が強くなります。
激安らしからぬ構造
クリアカラーはトップのみとなっており、ベース部分は黒いボビンです。
ブリッジ用は裏面にシールドプレートが付属し、中央にロゴ入りとなっています。
加えてハトメのコールド側とはんだ付けされているため、簡単に脱着出来ない状態です。
固定されていないとブラブラして動きやすいパーツなので、取付けが楽だと思います。
ストリングスピッチはブリッジ側が10.8mmで、ネック側が10.0mmで設計されています。
マグネットはボビントップに表記の通り、アルニコ5を搭載している模様です。質感的にもセラミックではないため、表記のALNICO Vを信じましょう。
配線&抵抗値
クロスワイヤーを採用している本品は、キャビティ内での取り回しが容易です。シールド線よりもノイズ量は増えますが、直進性のある音の再現にも期待がかかります。
ワイヤーの長さはブリッジ側が約180mm、ネック側が約260mm程度です。一般的なTL系レイアウトの配線であれば、問題無く配線出来る長さとなっています。
プレートを反転させる仕様の場合のみ、若干ネック側が短くなるかもしれません。ワイヤーはハトメでハンダ付けされているので、簡単に交換する事が可能です。
ノイズレスなシールド線やビニール被覆を好む場合は、自己責任で交換しましょう。
直流抵抗値はブリッジ側が約7.86kΩ、ネック側が約6.95kΩと標準的な値を計測です。
比較になるか分かりませんが、FENDERのPure Vintage ’64よりも高めとなっています。
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激安ギターピックアップ HOMELAND クリアボビン TLピックアップセット 搭載!
それではPLAYTECHのTL280を使用して、本品を両ポジションに搭載してみました。TL280はブリッジ側のピックアップザグリが異様に小さく、拡張作業が必要です。
ブリッジのベースプレートは問題無いので、ボディ側を加工してから取付けています。透明ボビンの破壊力は想像以上となっており、
溢れ出る近未来感が尋常ではありません。
管理人が睨んだ通り、本品は最強の名に相応しい伝説の武器である可能性が大です。最早音なんてどうでもいいので、このまま家宝として壁に飾りたいとすら考えています。
これまで取り上げた伝説の武器系PUが太古のものならば、本品はオーパーツですね。
管理人が意味不明な事を口走るようになったという事は、順調にIQが暴落しています。性能を度外視にルックスのみで評価した場合、満点を与えても良いでしょう。
サウンドの主観的感想
サウンドは近未来的なルックスとは対照的に、ブライトなヴィンテージ系です。ガッキンガッキンのマイクロフォニック感が全開で、ノイジーな暴れ具合を伴います。ネックを握る親指が擦れる音まで拾うため、テレらしいと言えばテレらしい音です。
ただし計算されたヴィンテージ感ではなく、含浸無しが大きな要因だと思われます。ハウリングも拾いやすいため、歪みを強くする場合は注意しなければなりません。それほど深く歪むタイプではありませんが、出力は標準よりも少し上の部類です。
トーンはミッドハイ以降に集中しており、ブリッジ側は低音域の迫力に欠けています。
高音域はセラミック系ピックアップ相当で、耳に突き刺さる機械的な響きです。
ネック側はカバー無しの構造が大きく、低~高音域までバランス良く感じられました。
両ポジションとも倍音量を実感出来ますが、マイクロフォニックはそれ以上となります。音の余韻にキンとした音程を感じぬ響きが含まれるので、扱いが難しいかもしれません。
激安ギターピックアップ 倍音&周波数特性確認
管理人の主観はアテにならないため、客観的なデータで各特性を確認です。TL280はザグリの拡張以外、全て出荷時の部品構成とセッティングに合わせています。計測環境も揃えているので、11月に投稿したレビューデータと比較する事が可能です。
倍音特性 (A2/110.00Hz)
倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦のスペクトラムを採用しています。
1.ブリッジ
交換前の純正セラミックピックアップよりも、倍音の量と大きさが増加傾向です。同時に非整数倍音も増えており、各倍音の波形の根本付近の幅が広がっています。
偶数次と奇数次倍音のバランスは良いですが、マイクロフォニック感の主張が強いです。第16次倍音以降は枝毛状の波形で、音程を感じない響きの原因となっています。
2.ネック
金属カバー有りのモデルと比較すると、倍音が途切れず広範囲に広がる傾向です。けれども基音より出力の大きな倍音は存在せず、体感的な倍音量は少なく感じられます。
非整数倍音も多いため、耳を澄ませるとどことなくマイクロフォニック風味な響きです。奇数次倍音に偏り過ぎな点も気になる所で、硬く冷淡な音に聞こえるかもしれません。
倍音特性波形の周波数目安
左から2つ目の山(中央灰色線)が基音110Hz 偶数次倍音:第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)、第6倍音(660Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)、第7倍音(770Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
周波数特性
周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、平均的スペクトラムを割り出しました。
a.ブリッジ
600~800Hz付近を頂点に、小さな山と谷を繰り返すシャギーな波形を形成します。ハイ上がりな周波数特性ですが、出力はTL280純正セラミックよりも大幅に上です。
高音域の特性も同程度で、10kHz以降の超高音域は幾分本品の方が上回ります。600Hz以下は純正ピックアップ以下につき、低~中音域はパワー不足です。
b.ネック
純正ピックアップと出力に大差はありませんが、全帯域を本品が上回っています。磁石や巻き数以上に、カバー未装着による周波数特性の減衰が無い点が大きそうです。
800Hz以降も一定の力感を保つため、ネック用としては高音域特性に秀でています。低音域も迫力があるので、他の部品で倍音を偶数次寄りに改善すると良さそうです。
波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2kHz,3kHz,6kHz
激安ギターピックアップ HOMELAND クリアボビン TLピックアップセット 総評
往年のスケルトングッズを好む方には、ルックス面が刺さりまくるピックアップです。通常とは異なる色のエナメル線が、クリアボビンの近未来感を倍増させています。見た目と対照的に音はヴィンテージTL系で、独特の金属的響きは好みが分かれそうです。
悪い音では無いのですがクセが強くて扱いにくく、深く歪ませる設定には向きません。キンキン唸る上にハウりやすい特徴を、TLの魅力と捉えられる方には合うと思います。マイクロフォニック感こそTLの肝と考える方は、興味本位で試す価値がありそうです!
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