【伝統再現】Seymour Duncan SP90-1 レビュー!Vintage P-90ってどんな音?【ダンカン解析】
2024年8月24日SP90-1b,SP90-1n,ピックアップ,アルニコ5,Seymour Duncan,P-90,Soapbar,Vintage P-90,SP90-1
当サイトはアフィリエイトプログラム等による広告収益を得ています!詳しくは『掲載されている広告』へ!
👆 Seymour Duncan SP90-1 Vintage P-90 の音質を解析&レビュー!
目次
本日もギタいじへようこそ!ハジメマシテな君は『コチラ』も見てね!
» 【全80種以上】Seymour Duncan ピックアップ 音質解析 一覧
当ブログでは80種以上のダンカン製PUを解析済み!キミの求めている音もきっと見つかるよ!!
👑最新ピックアップランキング
|
Seymour Duncan SP90-1 Vintage P-90 の音の特徴を教えて欲しい!
今回は Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、 SP90-1 Vintage P-90 のデータをご紹介です。本品は『Vintage P-90』の名の通り、Gibsonの1946年製ピックアップを再現しています。
Leesona model 102による当時と同じ製法
ワインダーはお馴染み、1950年代にGibsonの工場で使用されたLeesona model 102です。エナメル線にプレーンエナメルワイヤーを採用し、当時と同じ製法で生産されています。
配線材もヴィンテージの鋼線ワイヤーで、含浸処理によるハウリング対策も万全です。Vintageの名に相応しい、ダンカンならではの高い再現度を誇るモデルとなっています。
ダンカン公式でもSP90-1を『Classic Gibson P90 Pickups』と位置付けているよ
近年認知度が上昇中のP-90スタイル
Leesona 102が使用されている点は、他のブランドでは得られないアドバンテージです。
加えてThroBakと比較して、SP90-1はそこまで高額では無い点も見逃せないと思います(現存するLeesona 102はダンカンが所有する1台の他、ThroBakが所有する2台のみ)。手頃な価格で当時の『香り』に触れられるため、交換用パーツとしても人気です。
近年はYAMAHA Pacifica611VFMに標準搭載されるなど、認知度の高まりをみせています。伝統を広く今に伝えるという側面で、重要な役割を果たしているとも言えるでしょう。
SP90-1は甘くて鋭い『P-90トーン』そのもの
サウンド傾向は通常のアルニコシングルよりもミッドが強く、アウトプットも高めです。低音も力感がありますが、重低音は歪みの設定により大幅に変化する特性があります。この辺のチューニングが絶妙で、独特の甘くて鋭い音の再現に一役買っている印象です。
単音とコードワークでも質感が異なり、単音では透明感の際立つ高音域を再現します。コードワークでは倍音が束となり、爆ぜるように華やかな響きが歪みと好相性です。また本モデルはブリッジとネック用で、それぞれ巻き数が微調整されています。
ブリッジ用のSP90-1bは巻き数が多く、ミッドレンジの艶感が際立つ倍音です。ネック用のSP90-1nは巻き数が少ない分音に丸みがあり、滑らかなトーンを奏でます。
本記事ではSP90-1nを使い、歪み度合による周波数特性の変化を見ていきましょう。
公表データの確認:Seymour Duncan SP90-1 Vintage P-90
ブランド:Seymour Duncan (セイモア・ダンカン)
モデル:Vintage P90 (Classic Gibson P90 Pickups)
型番:SP90-1n (ネック用) / SP90-1b (ブリッジ用)
マグネット:アルニコ5
直流抵抗値:8.0kΩ (n) / 9.7kΩ (b)
アウトプットタイプ:Vintage
出 力:5.6 (n) / 6.32(b)
トーンチャート:低音域 5 / 中音域 5 / 高音域 7
レゾナントピーク:4.30kHz (n) / 3.80kHz (b)
ピックアップカバー: Black / Ivory
サイズに注意!
本モデルの使用者の間で度々話題になるのが、ピックアップ本体の厚みについてです。P-90型としては非常に厚手で、平均的なサイズと比較して5mm程厚く設計されています。参考までに、ミリ換算での実測値を掲載いたしますので購入前に良くご確認下さい。
・PUカバー横幅:83.8mm
・PUカバー縦幅:32.5mm
・ベースプレート底面~ポールピース先端までの厚さ:22.0mm
SP90-1 Vintage P-90 倍音特性 (C3:130.813Hz)
SPH90-1nは標準的ピックアップよりも、基音の波形の山のすそ幅 (横軸) が広く出力 (縦軸) も高い値を計測です。加えて基音よりも低い周波数帯域の非整数倍音が多く、音程を伴わない空気感を常に内包しております。
P-90が通常のシングルコイルと大きく異なる要素の1つで、独特のラフさがゲイン設定による重低音の変化に繋がるのです。低次倍音は中高音域付近まで高い出力を維持するため、中域の力感と艶感を主張する倍音特性です。
高次倍音もかなり広い帯域で確認!
倍音特性波形の周波数目安
左端の山(中央灰色線)が基音のC3(130.813Hz) 偶数次倍音:第2倍音(261.626Hz)、第4倍音(523.252Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(392.439Hz)、第5倍音(654.065Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
クリーントーンのSP90-1 Vintage P-90はこんな音!
GAINを限界まで下げ、標準的なストロークでは歪まない完全クリーンに設定です。低音は300Hz一点に集中している反面、120Hz以下の重低音はガクっと減衰しています。400Hz付近は一般的アルニコシングルより力強く、2kHz付近までほぼ谷がありません。
P-90特有のバイト感と称される事の多い中域が鼓膜に食い付く感触と煌めきは、2.4kHzにある鋭い山が要因と推察です。高音は7の設定ですが、同ブランドの高音7のモデルよりも最大値が低めとなっています。その分超高音域まで波形が確認出来るため、再生可能な周波数帯域が広めです。
クランチのSP90-1 Vintage P-90はこんな音!
軽く歪ませると300Hz付近のピークはそのままに、重低音の厚みが一気に倍増します。100Hz以下もしっかり出力されているため、ボトムを感じるクランチが心地よいです。依然としてミッドレンジは力強く、谷の少ない波形が400~4kHzと広域に確認出来ます。高音側はそこまで増幅されず、サウンドの芯がクリーンの時よりも際立つ傾向です。
オーバードライブのSP90-1 Vintage P-90はこんな音!
歪みをより深くすると、低音のピークが150~300Hz付近まで広がります。重低音はクランチよりも弱めとなるものの、パーカッシブなアタックが損なわれない歪み質です。加えて800~2kHz付近に緩やかな谷が出来るため、若干ドンシャリ気味に変化します。2.5kHz付近の主張も強烈で、艶とハリのあるサスティーンは存在感抜群です。
波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2kHz,3kHz,6kHz
SP90-1とSPH90-1の比較検証もチェック!
Seymour Duncan SP90-1 Vintage P-90 音質解析&レビュー まとめ
伝統的P-90サウンドとも言えるバイト感、ミッドレンジの力強さと倍音の煌めきが楽しめます。厚みが特殊でザグリを選びますが、手軽にヴィンテージトーンを体験出来るモデルです。
歪みの度合によるトーン傾向の変化を掴めば、音作りがとてもしやすくなります。甘さと鋭さにパーカッシブな『枯れ具合』を備えた、古き良きギターの音に近づけるかもしれません!
🏃💨 Seymour Duncan SP90-1 Vintage P-90 でミッドをギラギラさせる💪
SP90-1b Vintage P-90
SP90-1n Vintage P-90
Seymour Duncan ピックアップ 関連記事
ダンカン製ピックアップの音質を客観的に解析!P90に興味のある方は下記モデルも要チェック!!
» 【精密レビュー】Seymour Duncan Antiquity P90 (AQ-P90) は甘枯れエイジド音質!
アルニコ2マグネット搭載でファットサウンド!
» 【感度上昇】Seymour Duncan SP90-2 Hot P90 はどのくらいSP90-3と音が違うのか検証
デュアルスモールセラミックマグネットで弦振動に対する感度を上昇!
» 【出力強化】Seymour Duncan SP90-3 Custom P90 はどれくらいパワフルな音なの?
ダンカンP90タイプ最強の出力で愛機がマッチョ化!
» 【ハムP90化】Seymour Duncan SPH90-1 Phat Catの音やバイト感はどれくらいP-90に近いの?
ハムバッカー搭載ギターを無加工でP-90サウンドにコンバート!
管理人SNS
人生ヒマでヒマでしょうがない人は、ぜひギタいじ管理人のXアカウントもフォローしてね!【伝統再現】Seymour Duncan SP90-1 レビュー!Vintage P-90ってどんな音?【ダンカン解析】でした!
データSP90-1b,SP90-1n,ピックアップ,アルニコ5,Seymour Duncan,P-90,Soapbar,Vintage P-90,SP90-1
Posted by nakanohito-adminadmin
関連記事
【総合案内】キミも今日から ギターいじリスト !【初めての方へ】
ギターいじリストのおうち 総合案内ページだよ!
【レビュー】Seymour Duncan Cory Wong Clean Machine ブリッジ用スタックってどんな音?【ダンカン】
Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) よりコリー・ウォンシグネチ ...
【改造PAF】Seymour Duncan SH-18レビュー!どれくらい中音の倍音が凄いの?【Whole Lotta ダンカン音質解析】
Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) SH-18 Whole L ...
【SH-1精密レビュー】Seymour Duncan SH-1b ’59 model bridge モダンなPAFってどんな音?【ダンカン解析】
1950年代のオリジナルPAFにアレンジを加え開発された Seymour Dun ...
【ハムP90化】Seymour Duncan SPH90-1 Phat Catの音やバイト感はP-90に近いの?【ダンカン解析】
ダンカンカスタムショップよりレギュラーラインに加わった、Seymour Dunc ...
【ノイズレス】Seymour Duncan STK-T3b レビュー!本当にクラシックな音が鳴るの?【ダンカン解析】
スタックタイプで伝統的テレキャスサウンドを目指した、Seymour Duncan ...