Seymour Duncan Hot P90 Silencer レビュー：激熱パワフル＆ノイズレスサウンド徹底解説

2024年12月17日2024年12月18日ピックアップ,ノイズ対策,Seymour Duncan,P-90,Soapbar,Dog Ear,Hot P90 Silencer

👆 Seymour Duncan Hot P90 Silencer をレビュー！

目次

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Seymour Duncan Hot P90 Silencer パワフル＆ノイズレスなアグレッシブP-90！

今回は Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) の2023年発売モデルから、Hot P90 Silencer をレビューです。ダンカンではSilencerシリーズとして、新たに4モデルのP-90タイプピックアップが発売開始となりました。

Silencerシリーズは従来のP-90と同等のルックスを保ったまま、ノイズを完全にシャットアウトする新型コイルが採用されています。Hot P90 Silencerは4種の新モデルの中で最高出力を誇り、Hotの名が示す通りパワフルかつアグレッシブなサウンドが特徴です。

革新的な3連コイル設計で驚くほどノイズレス！

これまでのダンカン製ピックアップでは、特許取得ボトムコイルを搭載したスタックタイプがノイズレスモデルの主流でした。ただしスタックタイプは底面に専用コイルを設置する構造上、どうしても標準的シングルコイルよりも厚さが必要となります。

SP90-1に代表されるダンカンのP-90スタイルは非常に厚手につき、これ以上底面にコイルを増設するスペースがありません。そこでSilencerシリーズは中央にP-90サウンド用のコイルを、その両脇に2つのコイル配する3連構造を採用です。

2つのコイルは中央のコイルに対し逆位相で設計されているため、直列に配線することでノイズキャンセル効果が得られます。伝統的なP-90スタイルのルックスそのままに、ハムノイズが含まれないクリアなサウンドを実現したのです。

オプションは2種の形状と2種のカラーのみ！

Hot P90 Silencerはブリッジ専用に設計されており、ネック用の組み合わせは『P90 Silencer Neck』が推奨されています。オプションはドッグイヤー (Dog Ear) 型とソープバー (Soapbar) 型、カラーはブラックとアイボリーの2種のみです。

形状によるトーンチャートや抵抗値等の基本設計に変化は無く、手持ちのピックアップザグリに合わせてご選択願います。P90 Silencer Neckについては後日別記事にてレビューを予定しているため、よろしければそちらも併せてご覧ください。

公表データの確認：Seymour Duncan Hot P90 Silencer

Hot P90 Silencer 倍音特性 (D3/146.832Hz)

Hot P90 Silencerは基音の出力 (縦軸) は勿論のこと、低次倍音の出力が軒並みパワフルです。対照的に高次倍音は出力が控えめで、倍音が計測された帯域 (横軸) もそれほど広くありません。

音を構成する倍音が低～中音に集中しており、高次倍音は音の輪郭や余韻をほのかに彩るように作用しています。非整数倍音はほぼ全帯域で低い値を示すため、高出力な基音や低次倍音と相まって音の輪郭がクッキリと明瞭です。

また適度に倍音間の出力が揃っておらず、奇数次倍音よりも偶数次倍音の方が前に出る傾向があります。力強いアタックだけでなく暖かな響きを備え、甘やかに伸びる抜けの良いサスティーンは理想的リードサウンドです。

倍音特性波形の周波数目安

灰色の線が基音(D3)の146.832Hz
偶数次倍音：第2倍音(293.664Hz)、第4倍音(587.328Hz)……
→ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も
奇数次倍音：第3倍音(440.496Hz)、第5倍音(734.16Hz)……
→金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き
非整数倍音：各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない

Hot P90 Silencer クリーン 周波数特性

Hot P90 Silencerのクリーンサウンドは倍音特性の影響が強く、低～中音の逞しさが際立つローエンドを形成しています。100～600Hz付近まで高い出力を記録しつつ、2kHz付近まではほぼ同等の出力を維持です。

2kHz以降は出力がゆるやかに絞られていき、6k～7kHzにかけて急激に収束していきます。低音域5.4、中音域6.0、高音域6.1というトーンチャートの印象とは異なり、アグレッシブな低～中音が唸る周波数特性です。

Hot P90 Silencer ディストーション 周波数特性

Hot P90 SilencerはSilencerシリーズの中では最も歪みやすく、ゲインを上げるとトーンレンジが爆発的に広がります。100～200Hz付近はマッシブなパワーを保ちながら、クリーン時は控えめだった6kHz以降の高音が強化されて実に煌びやかです。

一方クリーン時は強烈だった中音が抑え気味に変化するため、気持ちドンシャリ感のあるディストーションを奏でます。倍音特性譲りのハーモニクスも強烈で、濃密な低次倍音と鮮烈な高次倍音が混ざり合いバチバチと火花が飛び散るかのようです。

クリーン・ディストーション波形の周波数目安（左から順に）

赤線：100Hz,200Hz
橙線：400Hz,800Hz
桃線：2000Hz,3000Hz,6000Hz

まとめ

P-90の出力と歪みやすさを強化しつつ、パワー漲るローエンドがHotの名に恥じぬ激熱なピックアップに仕上がっています。ゲインを上げるほど太く煌びやかに昇華するドライブがアグレッシブで、ハムバッカーに肉薄するサウンドメイクが可能です。

革新的な3連コイルによりノイズは驚くほどに少なく、リードプレイに最適化された暖かみとメリハリのあるトーンが楽しめます。濃密な倍音によるサスティーンも強力無比で、シングルとハムバッカーの中間的響きのP-90に物足りなさを感じている方に最適です！

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昨晩頭の悪い記事を投稿しておきました👍

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— ギターいじリストのおうち中の人🧠💦（低浮上・ブログは更新しています） (@Ew3DwZa1cYMDBi3) January 4, 2022

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