【新旧合体】Seymour Duncan Sentient (センティエント) レビュー!古くて新しい音!!【ダンカン解析】


👆 Seymour Duncan Sentient (センティエント) の音質を解析&レビュー!
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Seymour Duncan Sentient (センティエント) の音はPAFとモダンのいいとこ取り!
今回はSeymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、ネック専用のメタルハムバッカー Sentient (センティエント) をご紹介です。元来Sentientはモダンな多弦メタルプレーヤー向けに、NazgûlやPegasusとセットで組む事を想定して開発されました。
その最大の特徴はヴィンテージPAFとモダンハムバッカーの中間ともいえる、絶妙なトーンバランスの良さに尽きます。同ブランド製品で言うところの、59 Model (SH-1n)とJazz Model (SH-2n)を足して2で割ったような特性です。
更にSentientはドロップチューニングでもレスポンスが失われず、明瞭かつ自然な響きを奏でてくれます。クリーンではヴィンテージ出力を適度に維持しつつ、複雑なコードや単音でも音の濁りを生みません。
ハイゲインではモダンな音の強弱や倍音感が失われず、常に滑らかで流暢なリードサウンドを実現するのです。低音の空気が重くなりがちなドロップチューニングや多弦ギターにとっては、痒い所を狙い撃ちした『新旧合体』な性能だと言えるでしょう。
Sentientは泣く子も黙る『LORD OF THE STRINGS』の一角!
現在Sentientはセットモデルではなく、ネック用単独モデルとして販売されています。あらゆるハムバッカー搭載ローチューニングギターに対し、Sentientは優れた順応性を発揮です。
さりとて当初の開発コンセプトの通り、真の実力はNazgûl (ナズグル) やPegasus (ぺガサス) との組み合わせで得られます。
Pegasusの紹介時にも説明しましたが、Nazgûl、Pegasus、Sentientはメタル専用の同系列ハムバッカーです。
これら3モデルをダンカン公式では、

† LORD OF THE STRINGS †
と銘打ってプロモーションを行っていました。

錚々たる廚二病患者でさえも気絶しかねない、類稀なるネーミングセンスに寒気がしますね。ましてやいい年をした大人がその名を耳にしたら、思わず失笑すること請け合いです。
ところが廚二病というものは、適量なら笑って許せる一種の共感性があります。
有名どころで例えるならば、
狂気のマッドサイエンティスト
鳳凰院凶真!

頭のおかしい爆裂娘
めぐみん!

などの未成年キャラクター達は、廚二病キャラが好評を得ている良い例だと思います。
しかしながら、
自称 †暗黒天使†
仙水忍 (26歳)
みたいに拗らせた大人になると、
『ちょっと待てお前』
と、ツッコミが入るハズです。
ダンカン公式の重症感が否めませんが、勿論管理人の脳内ジャッジは『カッコいい』判定となります。

ろ、LORD OF THE STRINGSだとぉ……

カッコ良すぎて神かよ……!
一応釈明しておきますが、管理人は
指抜きグローブをオートバックスで買ったり……
初めて買ったRPGツクールでやたらキャラ名に『ヴ』を入れたり……
保険組合から支給される薬箱の眼帯だけ必ず消費したり……

なんて真似は、人生で一度もやったことがありません!

……多分
茶番はさておき、LORD OF THE STRINGSという名をカッコいいと捉える感性の大人が他にもいるのか不明ですが、それはそれ、これはこれです。
事実Sentientをネックにマウントした場合、NazgûlとPegasusは死角の無いサウンドを構築出来ます。
SentientとNazgûl or Pegasusの組み合わせは無敵の音!
Sentientは新旧合体の良いとこどりではありますが、極端に偏った特性ではありません。故に鼓膜が潤うような倍音感のNazgûlとも、和音の分離が際立つPegasusとも驚異的親和性を発揮です。

両極端な2機種の特性に反する事なく受け止め、尚且つ欠点を補うように支えてくれます。ダンカン公式ではその親和性を『完璧なバランスのメタル・トーン』と評する程です。
NazgûlやPegasusは性能の凄まじさから、ネック用の相棒探しが難航しやすくなります。例えばSH-1nを組み合わせると高音のバランスが良い反面、低音の硬さがが不自然になりがちです。
SH-2nを組み合わせると低音のバランスが良い分、今度は高音の主張が強すぎる傾向になります。
Sentientは適度な高音と低音を『突出しない程度』に備え、NazgûlやPegasusの特性に上手く染まってくれるのです。SH-1nやSH-2nでは決め手を欠くならば、一度はSentientに挑戦する価値があると思います。
Sentientは多弦モデルでマウント方式選択可能!
先の通りSentientはネック専用につき、ブリッジマウントは想定されておりません。代わりに多弦対応モデルが充実しており、マウント方式やカバーの有無が選択可能です。
7弦、8弦用は勿論のこと、アクティブPU用ザグリに対応したバージョンも購入出来ます。パッシブマウントは通常通りの取付け方法で、ピックガードやエスカッションに装着可能です。
アクティブマウントはアクティブピックアップ交換用として、カバーごとザグリに取付けます。アクティブギターをパッシブ化する場合に、ザグリ拡張やネジ穴増設の必要が無くなる点が良いですね。
出力は全モデル共通ですが、ポールピースの数が増えるほどワイヤーも長くなるため抵抗値が増加します。6弦、7弦、8弦と本体の横幅が広がるにつれて、抵抗値が大きくなるとお考え下さい。
本記事では標準の6弦タイプを用いて、倍音特性や周波数特性を調べてみました。
公表データの確認:Seymour Duncan Sentient (センティエント)
ブランド:Seymour Duncan ( セイモア・ダンカン )
モデル:Sentient ( センティエント / Humbucker Pickup for Metal )
型番: SENTIENT-6 (6弦) / SENTIENT-7 (7弦) / SENTIENT-8 (8弦)
マグネット:アルニコ5 (Alnico 5 Bar)
直流抵抗値:7.75kΩ (6弦) / 9.2kΩ (7弦) / 10.27kΩ (8弦)
アウトプットタイプ:High
出 力:6.7
トーンチャート (6弦) :低音域 5 / 中音域 4 / 高音域 8
トーンチャート (7,8弦) :低音域 4 / 中音域 3 / 高音域 8
レゾナントピーク:6.48KHz (6弦) / 5.57 KHz (7弦) / 5.20 KHz (8弦)
ワイヤー:4芯シールド (4 Conductor Shielded)
オプション:7弦、8弦用はPassive Mount(Pmt)、Passive Mount Metal Cover(Pmt-M)、Active Mount(Amt)選択可
Seymour Duncan Sentient (センティエント) の倍音特性 (A2/110.00Hz)
最初はアンプをクリーンにセットした状態で、Sentientの5弦A2倍音を計測です。Sentienの音質はSH-1nとSH-2nの中間的特性ですが、倍音はNazgûlとPegasusの中間的特性となっています。
Nazgûlは基音以上に倍音の出力が高く、全帯域で信じられないほどの倍音感です。Pegasusは倍音量が多い点は共通ですが、基音と同出力程度の倍音が広がる傾向となります。

Sentienは第2、第3倍音の主張が強いものの、第4~第18倍音までは基音に近い出力です。そのためアタックはNazgûlらしく、サスティーンがPegasus的な広がりをみせます。
両モデルとのマッチングという点では、これ以上ないほど上手く調整された倍音ですね。
倍音特性波形の周波数目安
左端の山(中央灰色線)が基音110Hz 偶数次倍音:第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)、第6倍音(660Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)、第7倍音(770Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
Nazgûl&Pegasusの解析記事はコチラ!
クリーンの Sentient (センティエント) はこんな音!
続いて同じクリーンセッティングのまま、周波数特性を解析していきます。Sentientは高音8とされているものの、過度にハイ上がりなクリーン特性ではない模様です。
ローエンドは150~200Hzに太い芯があり、150Hz以下の重心もズッシリしています。中音は4設定の通り控えめですが、その分帯域ムラが少なくバランス自体は良好です。

300~3kHz付近までほぼ減衰することなく、一定の出力を保つブレない波形となります。3k~5kHz付近もネック用としては高い水準で、籠りにくい切れ味の良さを実感可能です。

語弊があるかもしれないけど、ハイレゾ化したPAFみたいなイメージかな
参考:Seymour Duncan SH-8n クリーン 周波数特性

とりわけ2.5kHz以降に関しては、SH-8nとは比べようもないほど高い値となっています。メタルモデルらしく、高音を軽さではなく鋭さとして解釈している事が伝わるハズです。
ハイゲインの Sentient (センティエント) はこんな音!
最後にアンプを強烈に歪ませた、ハイゲイン環境での周波数特性をみていきましょう。

歪ませると高音域の鋭さに磨きがかかり、ネック用としては異例な程高音が良く伸ます。音の中心は200Hzに集中しつつ、なんと300Hz~6kHzまでほとんど減衰しないのです。ネックモデルにありがちな暖かさとは無縁で、ブリッジ側に負けない鋭さを保ちます。
高音の鋭さがレスポンスの良さを、ムラの少ない倍音が滑らかな音の繋がりを演出です。メタルだけに使うには惜しい程で、他では得難い新旧合体サウンドが飛び出します。ネックでもブリッジに近い高音が欲しい場合など、応用性が高そうなドライブですね。
まさに†ダークエンジェル†
クリーン&ハイゲイン周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
Seymour Duncan Sentient (センティエント) 音質解析&レビュー まとめ
Seymour Duncan Sentientの音は古き良き時代の味を十分に残したまま、モダンな切れ味がハイレベルで融合しています。見かけによらずバランス型ハムバッカーで、メタル以外でも試す価値の高いモデルです。

クリーンでも歪ませても変なクセがほとんどなく、新旧の良さのみが鼓膜を刺激します。特に高音の鋭さが生むレスポンスの良さは、一度使うと手ば無くなるレベルです。重くなりがちなドロップチューニングや多弦ギターにおいて、必ずや大きな味方となるでしょう!
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