【ジェフ・ルーミス】Seymour Duncan Jeff Loomis Blackouts レビュー!オーガニックな音色って何?
👆 Seymour Duncan Jeff Loomis Blackouts (アクティブPU) の音質を解析!
目次
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Seymour Duncan Jeff Loomis Blackouts ジェフ・ルーミスのオーガニックな音色の秘密を知りたい!
本記事ではSeymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、ジェフ・ルーミス シグネチャーモデルの音質を解析します。
Jeff Loomis Blackoutは高出力パッシブハムバッカーから着想を得て、明瞭さとダイナミックレンジを追求したアクティブピックアップです。激しく歪ませても音の芯が潰れずに、ハードなアタックと中域のレスポンスの正確性を両立しています。
プリアンプはヘッドルームを意識した設計で、速弾きにおける攻撃的なピッキングも正確に出音です。不自然に歪みにくいクリアなドライブは、レガートやスウィープとも好相性となっています。
緩急自在かつ広大なダイナミックレンジを、公式では『オーガニック』と描写するほどです。ナチュラルの限界を超えて一歩先の世界に踏み込む、新次元のアクティブハムバッカーに仕上がっています。
Jeff Loomis Blackoutsは金属カバー&ポールピース剥き出し!
Jeff Loomis Blackoutの外観的特徴として、特殊なピックアップカバーを搭載です。カラーもブラッシュドブラックニッケルとなっており、武骨な黒い光沢に強者の風格が漂います。
また完全密閉仕様ではなく、ポールピースを露出させたカバードスタイルです。もう少し細部に目を向けると、ポールピーストップがフラットタイプとなっています。
通常はアジャスタブル・ポールピースを露出させることが多いため、随所に変化球な仕様です。このポールピースの仕様が、ブリッジとネックの音質の違いに少なからず関わっています。
Jeff Loomis Blackoutsはブリッジとネックのポールピースアレンジに注目!
Blackoutsの定番要素である、ポジションによるマグネットアレンジは本モデルも健在です。
しかしAHB-1やAHB-3と異なる点として、両ポジション共にマグネット自体はアルニコ5を搭載しています。違うのは加工方法でブリッジにはバータイプ、ネックにはロッドタイプを採用です。
ブリッジ用はマグネット体積が大きい分、非常に高い出力を稼ぐことに成功しています。パワーコードではピッキングの力感を損なわず、高速フレーズでも輪郭がクッキリです。
ネック用はマグネットポールピースとなるため、鼓膜へダイレクトに届く高速レスポンスを実現しています。出力ではブリッジに劣るものの、僅かに高音にアドバンテージがあるためレガート奏法に最適です。
ピックを使わずとも高音のブースト感があり、レガートでぼやけがちな低音もブーミーになり過ぎません。
ポールピース先端を見比べてみると、その構造の違いが良く分かると思います。ブリッジ側はメッキ仕様となっており、ネック側はマグネット削り出しです。
Jeff Loomis Blackoutsは7弦ギターにも対応!
Jeff Loomis Blackoutsでは6弦用だけでなく、7弦ギター用モデルも選択出来ます。更に7弦ギター用はパッシブマウントの他に、アクティブマウントザグリにも対応です。
ただしアクティブマウントはカバーがプラスチック製につき、雰囲気がやや異なります。カバーの色もアクティブマウントはブラックになるため、予め確認しておきましょう。
パッシブマウントとアクティブマウントについて(再掲)
★当然ながらJEFF LOOMIS-7はパッシブマウント仕様でもアクティブピックアップなので注意(パッシブ化モデルという意味ではない)
今回は6弦ブリッジ用JEFF LOOMIS-6 bを使い、AHB-1bと音質の違いを比較検証です!
公式がオーガニックと謳う音が如何ほどのものか、じっくりと精査していきます!
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公表データの確認:Seymour Duncan Jeff Loomis Blackouts (ジェフ・ルーミス シグネチャー)
ブランド:Seymour Duncan ( セイモア・ダンカン )
モデル:Jeff Loomis Blackouts (Signature Jeff Loomis Active Pickups)
6弦型番:JEFF LOOMIS-6 b (ブリッジ)※ / JEFF LOOMIS-6 n (ネック)
※標準でトレムバッカー仕様のみ
7弦型番:JEFF LOOMIS-7 b (ブリッジ) / JEFF LOOMIS-7 n (ネック)
ブリッジモデルマグネット:アルニコ5 (Alnico V Bar)
ネックモデルネット:アルニコ5 (Alnico V Rods)
アウトプットタイプ:High (Active)
出 力:9.9 (b) / 9.6 (n)
トーンチャート:低音域 4 / 中音域 7 / 高音域 6
レゾナントピーク:公表値無し
ワイヤー:クイックコネクターケーブル (1c + Battery Wire)
6弦ブリッジ用の厚み:0.854インチ(≒21.7mm / カバートップからコネクタまで)
6弦ネック用の厚み:0.848インチ(≒21.53mm / カバートップからコネクタまで)
オプション:7弦は金属カバーPassive Mount(型番末尾にPmt)、樹脂カバーActive Mount(型番末尾にAmt)選択可
Jeff Loomis Blackoutsの倍音特性 (A2/110.00Hz) をAHB-1と比較!
まずはクリーンセッティングのアンプを通して、5弦開放弦の倍音特性を調べていきます。
Jeff Loomis Blackoutsは基音や第2~第3倍音がAHB-1よりも強く、アタックがパワフルです。第4~第7倍音付近は出力が低く、周波数としては400~800Hzの主張が控えめとなります。
ですが第8倍音以降は盛り返し、中音、中高音、高音と出力の高い派手な倍音を計測です。出力の高さに反し倍音と倍音の谷間の非整数倍音が絞られており、ロングトーンでも速弾きでも明瞭な響きを持続します。
AHB-1の倍音特性
AHB-1の倍音と比べると、Jeff Loomis Blackoutsの中高音の派手さが一目瞭然です。Jeff Loomis Blackoutsの倍音は1.5~3kHz付近が際立ち、3kHz以降の高音も跳ね上がっています。
ピッキング時の煌びやかさは言わずもがなで、ピックを使わない場合でも中高音~高音の鋭さを失いません。レガートや強くアタックするのが難しいスウィープにおいても、AHB-1搭載機のピッキングと同等以上の高次倍音を再現可能です。
倍音特性波形の周波数目安
左端側の太長い山(中央灰色線)が基音110Hz 偶数次倍音:第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)、第6倍音(660Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)、第7倍音(770Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
Jeff Loomis Blackoutsの倍音考察フェーズ
Jeff Loomis Blackoutsは……
・基音や第2~第3倍音が強くアタックがパワフル
・中音7の設定に反して400~800Hz付近の倍音は控えめ
・中高音以降の倍音は出力が高く煌びやか
・各倍音の谷間となる非整数倍音が抑えられているため明瞭な響き
・レガートやスウィープでも高次倍音の出力を維持可能
テクニカルなプレイでも『派手さと音の再現性』を両立する倍音特性だね!
Jeff Loomis Blackoutsのクリーン音質をAHB-1と比較!
続いて倍音計測と同じセッティングを保ったまま、各モデルの周波数特性を解析します。
クリーントーンは倍音特性そのままに、透明感のある中高音がインパクト抜群です。1k~3kHzにかけてAHB-1以上の値を保ち、アタックもサスティーンも濁りがありません。
中音は部分的に谷間が発生するものの、600~900Hz付近では高い値を計測しています。この部分的な谷間がコンプレッション感を薄めており、多彩なダイナミックレンジを後押しです。
ヘッドルームを調べると、AHB-1よりも+3dBほど(音割れするまでに)余裕がありました。
音量を稼いでも違和感なく自然に増幅する様はまさにオーガニック!
AHB-1のクリーン音質
両モデルの大まかな波形は似ているのですが、低音域のメリハリが大幅に異なります。
AHB-1は200Hzにピークが集中するのに対し、Jeff Loomis Blackoutsは100~350Hzが万遍無く高めです。Jeff Loomis Blackoutsの低音は重い空気感があるものの、分散されているためAHB-1の方がパーカッシブに響きます。
高音に目を向けるとAHB-1は4k~5.5kHz付近の値が高めで、7.5kHz付近で頭打ちとなる模様です。9kHzまで計測されたJeff Loomis Blackoutsは、高音の出力が弱くとも再生可能な帯域自体は広めに設計されていることが分かります。
Jeff Loomis Blackoutsのディストーション音質をAHB-1と比較!
最後にアンプをかなり深く歪ませた、ディストーションの周波数特性を比較です。
ゲインを高めてもJeff Loomis Blackoutsはクリアで、中音の芯の強さと艶っぽさに色気を感じます。500~3kHzにかけてとても伸びが良く、直進力溢れるリードトーンが素晴らしいですね。
3kHz以降はクリーンの時よりも主張せず、ミッドレンジのレスポンスが強調されています。低音は160Hz付近に集中していますが、200~250Hzがやや弱めで対照的に中音がフォーカスされるドライブです。
ヘッドルームも依然として余裕があり、AHB-1と比較するとやはり+3dBほど音割れしにくい様子です。
指先の強弱が素直に反映される歪み方はオーガニックそのもの!
AHB-1のディストーション音質
AHB-1は高音が爆裂に歪むため、Jeff Loomis Blackoutsの弱い帯域が強く計測されています。
3kHz以降はJeff Loomis Blackoutsを上回っていて、高音のスピード感が尋常ではありません。特にリフでザクザク刻むと破壊力が高いため、プレイスタイルによる使い分けの焦点になりそうです。
両モデルの歪み方を総括すると、Jeff Loomis BlackoutsはAHB-1よりもテクニカルなリードプレイに特化しています。AHB-1は隙のないオールラウンドな特性で、メタルのあらゆるサブジャンルに適合です。
クリーン&ディストーション周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
Seymour Duncan Jeff Loomis Blackouts ジェフ・ルーミス シグネチャー 音質解析 まとめ
高出力かつ余裕のあるヘッドルームを備え、歪ませてもクリアなドライブが炸裂します。アグレッシブなアタックも忠実に再現し、力感溢れるミッドレンジはレスポンスが抜群です。
テクニカルなプレイをパワーで後押し出来る、技と力の二重奏ともいうべき特性を誇ります。ピッキングや緩急の再現性もすこぶる高く、オーガニックと称するに相応しいメタルサウンドを制御可能です!
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JEFF LOOMIS-6 (6弦用)
JEFF LOOMIS-7 (7弦用)
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