【倍音開花】Seymour Duncan Pegasus レビュー!どれくらい音の分離が良いの?【ダンカン解析】

👆 Seymour Duncan Pegasusの音を解析&レビュー!
目次
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Seymour Duncan Pegasus の音の分離が気になる!
今回はSeymour Duncanより、和音の美しさに定評のある Pegasus (ペガサス) の音質を解析しつつレビューします。元々PegasusはNazgûlなどと同じく、多弦プレーヤー向けに開発されたモデルです。

Nazgûl、Sentient、Pegasus、以上3機種が

†LORD OF THE STRINGS†
となっています。

中二病だとしても重症過ぎるネーミングセンスに、並の人類なら卒倒しかねませんね。ところが世の中は広いもので、少なからず本シリーズに共鳴する人間もいるのです。

LORD OF THE STRINGS……

なんて……

なんてカッコいいネーミングセンスをしてやがるんだ!
言うまでもく、当ブログ管理人の精神年齢は13、14歳付近で永久凍結しています。これほどカッコイイ名前の商品群を前に、心のダークサイドを抑えきるのは困難です。
最早性能は問題ではなく、管理人の脳は名前だけで使う価値があると判断しました。

しかしながらこの三銃士、どのモデルも説明が分かりにくいと感じます。いずれもメタル向けであるのは確かですが、目指すベクトルが大きく異なるのです。
とりわけPegasusは利用者が少なく、もう少し詳しい情報が欲しいところだと思います。

一応簡単に説明すると、Pegasusはプログレッシブメタル向きの和音重視モデルです。深く歪ませても音の分離感が良く、尚且つドロップチューニングにも柔軟に対応します。
アルペジオでも和音が潰れないため、音色のメリハリやクリア感は3モデル随一です。
Pegasusは倍音がぴょんぴょんする??
Pegasusの出力は程々に大きく、高音域のレスポンスも良好となっています。その特性について、ダンカン公式は『驚くべきブルーム』と表現していました。


なるほど、こいつぁブルームがスゲーピックアップなんだな!

……。

いやいや意味わかんねーよ、ごちうさ気取りか!?

もしかして、倍音がぴょんぴょんするのか!?
このように、ダンカン公式サイドの説明も意味合いがパっとしない表現が多めです。花開くように弾ける倍音……といったニュアンスでしょうが、説明として抽象的過ぎます。
中二病は具体性よりも抽象性重視という観点は正しいものの、不親切さが否めません。

そこで本記事ではPegasusを定番モデルと比較しつつ、客観的に音質データを解析です。ハイゲイン系モデルのSH-6とSH-8のデータを交え、倍音や周波数特性を調べていきます。
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公表データの確認:Seymour Duncan Pegasus
ブランド:Seymour Duncan ( セイモアダンカン )
モデル:Pegasus (Modern Medium Output Humbucker Pickup)
型番:PEGASUS-6 / PEGASUS-TB / PEGASUS-7 / PEGASUS-8 (6~8=対応弦数、TB=トレムバッカー)
マグネット:アルニコ5
直流抵抗値:12.5kΩ (6) / 12.6kΩ (TB) / 14.9kΩ (7) / 16.6kΩ (8)
アウトプットタイプ:High
出力:7.0
トーンチャート (6,TB) :低音域 6 / 中音域 5 / 高音域 7
トーンチャート (7,8) :低音域 5 / 中音域 7 / 高音域 6
レゾナントピーク:5.16kΩ (6,TB) / 4.44kHz (7) / 4.00kHz (8)
ワイヤー:4芯シールド (4 Conductor Cable)
オプション:7弦、8弦用はPassive Mount(Pmt)、Passive Mount Metal Cover(Pmt-M)、Active Mount(Amt)選択可
※直流抵抗値、およびレゾナントピークは左から6弦標準、6弦トレムバッカー、7弦、8弦の値

Pegasusの倍音特性
まずはPegasusの最大の魅力でもある、和音の美しさの秘密に迫りましょう。
下記波形はPegasusをブリッジにマウントして深く歪ませた、F2倍音特性の波形です。基音より出力の高い倍音が少なく、広範囲で倍音間の出力差がほとんどありません。

倍音が基音を引き立てるように作用するため、常に音の中心を明瞭に保つ事が出来ます。また低次倍音も高次倍音もムラがなく、偶数次と奇数次のバランスも実に良好です。
加えて非整数倍音が全体的に控えめで、音の響きのクリアさを後押ししています。

・基音と倍音の音量差が大きくない
・基音より大きな倍音が多く無い
・非整数倍音が少なく基音を濁さない
これらの要素が重なる事で、和音でも音が濁りにくい分離の良さを実現です。
同系統のNazgûlは基音以上に派手な倍音がジューシーで、ウェットな響きと言えます。対してPegasusは倍音が整然としており、タイトかつドライな響きで魅せる傾向です。
SH-6の倍音特性
比較としてSH-6の倍音を同一環境で計測すると、Pegasusほど倍音が整っておりません。基音以下は不規則な波形で、音程を感じさせない低音成分が多分に含まれています。

第4~第10倍音の出力はやや控えめで、低次倍音よりも高次倍音の方が目立つ傾向です。ドンシャリな音質そのままに、中音域に該当する倍音が弱いとも考えられるでしょう。
SH-8の倍音特性
SH-8は基音~第3倍音にかけて、倍音間の非整数倍音が目立つ波形となります。基音以下はSH-6以上に不規則かつ出力の高い波形となり、低音の余韻が強烈です。

低次倍音の強さも然る事ながら、この基音以下の低音が倍音以上に主張する傾向となります。ダンカン最強のローエンドは、基音以下の非整数倍音が肝となっている事が明確ですね。
倍音特性波形の周波数目安
灰色の太線が基音のF2(87.307Hz) 偶数次倍音:第2倍音(174.614Hz)、第4倍音(349.228Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(261.921Hz)、第5倍音(436.535Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
Pegasusの周波数特性
低音から6、5、7という設計通り、Pegasusは極端なドンシャリ系ではありません。400~600Hzに若干弱い帯域がありますが、3kHz付近までほぼ同等の中音域を保ちます。
意外なのは高音域で、6kHz以降の波形は高音が5で設計されているSH-8と大差無しです。

聴覚的にもSH-8と同レベルの高音につき、高音域7という感じではないかもしれません。ただし倍音が整っている分、余韻に含まれる煌めきと艶はPegasusの方が上となります。
思うに高音は余韻も含めて7とし、その様をブルームと称したのではないかと推察です。

低音域はSH-6以上SH-8以下となっていて、150Hz付近一点に集中する波形となります。フレットラップ的に余分な低音が含まれておらず、波形の頂点が鋭いのが特徴です。
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SH-6の周波数特性
SH-6はPegasusよりも出力が大きく、中音域以降は圧巻の伸び率を誇ります。700Hz以降はPegasuを圧倒しており、高音がギンギンに鋭いディストーションです。

けれども400~700Hz付近は極端に弱いので、どうしてもドンシャリ傾向に傾きます。Pegasusが歪ませてもメリハリが利く要因は、400Hz付近の強さも影響していそうですね。
SH-8の周波数特性
比較した3モデルの中では最も出力が高い上に、ほぼ全帯域が強烈にブーストされます。低音の力感は抜きんでており、100~300Hzにかけて太い束となる音の塊感が強いです。

とは言え400~600Hz付近がSH-6ほどではないものの弱く、ドンシャリ系に傾いています。これらの比較検証から、Pegasusの周波数的な特徴は下記の通りです。
・メタル向けモデルに多い400Hz付近の弱さがあまり無い
・高音域は5相当だが整然とした倍音が数値以上に煌びやかな雰囲気
・低音域は一点に集中しやすくフレットラップのようにタイトな響き

公表は低音から6、5、7だけど、周波数的には6、5、5なのでバランスがとても良い👍
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
Seymour Duncan Pegasus レビュー まとめ
倍音特性と周波数特性の両面から、音の分離の良さを際立てる要素を備えたモデルです。メタル系としてはウォームな中音域と、引き締まった低音域を併せ持っています。

倍音は量も出力もムラが少なく、基音を支えるようにクリアなハーモニーを展開です。歪ませてもドロップチューニングでも音が潰れず、正確なアタックを再現してくれます。
エモリティの高いコード進行の楽曲は勿論の事、ボーカル兼任ギタリストも試す価値アリです!
🧠💦 今すぐ Seymour Duncan Pegasus で倍音ブルーマーになる🎸

Pegasus 6
Pegasus 6 Trembucker
Pegasus 7
Pegasus 8
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