【ハイパワー】Seymour Duncan SSL-3 レビュー:Hot Strat ストラト高出力化定番シングルコイル徹底解説
👆 Seymour Duncan SSL-3 Hot Strat ストラト用ハイパワーシングルコイル定番モデルの音質を解析!
目次
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Seymour Duncan SSL-3 Hot Strat ハイパワーシングルコイルでストラトを高出力化!
本記事ではSeymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、ストラト向けハイパワーシングルコイルSSL-3 Hot Stratの音質を解析です。SSL-3はストラトキャスターのミッドレンジを持ち上げつつ、高出力化することを目的に開発されました。
いわゆるモダン系に分類されるシングルコイルで、ヴィンテージ系のSSL-1やSSL-2とは外観も音のキャラクターも異なります。まず外観面ではストレートボビンを採用し、ボビン中央にPUワイヤー用のハトメが存在しません。
ハトメはボビンの裏面に設置されているため、細長いダイレクトマウント用ザグリにも対応可能です。マグネットはSSL-2と同じく、フラットポールピースのアルニコ5が搭載されています。
SSL-3は通常より長いアルニコ5マグネット搭載!
相違点としてはSSL-2のポールピースの長さが0.656インチ(約16.7mm)なのに対して、SSL-3は0.705インチ(約17.9mm)です。更にコイルは巻き数を大幅に向上させた、カスタムオーバーワウンド仕様のコイルが使用されています。
長いポールピースが生み出す強い磁場と、巻き数を増やした高出力コイルの組み合わせがウォームでパワフルなサウンドの秘訣です。出力はSSL-1の2.3倍以上で設計されており、ハムバッカーにも負けない深い歪みも作成可能となっています。
SSL-3は複数のバリエーションを用意!
SSL-3は搭載箇所を選ばないため、基本的に全てのポジションにマウントしてOKです。
SSL-3 RW/RP
ただしミドルマウント用として、逆磁逆巻バージョンのSSL-3 RW/RPが選択出来ます。SSL-3をブリッジとネックに、SSL-3 RW/RPをミドルに搭載した場合、ハーフトーン選択時に優れたノイズ低減効果を発揮です。
SSL-3T または SSL-3T RW/RP
SSL-3は他のハイパワーシングルコイルモデルと同様に、タップ対応モデルも発表されています。SSL-3Tは俗に言う中間タップ(ハーフターン)を採用しており、巻き数の中間付近で出力することに対応です。
高出力と低出力の切り替えを要する楽曲構成など、ハムバッカーのコイルタップ感覚で運用することが出来ます。タップ対応モデルはRW/RP仕様も用意されている(SSL-3T RW/RP)ため、SSL-3のバリエーションは合計4種です。
👆 SSL-3T RW/RP (ミドル用 / 逆磁逆巻 / タップ対応)
なおタップ対応モデルを使用する際は、別途ミニスイッチやスイッチポットの増設が必須となります。演奏するジャンルや歪みの守備範囲に合わせ、タップの有無を見極めて選択しましょう。
今回は標準のSSL-3をブリッジにマウントし、倍音や周波数特性を解析しました!
公表データの確認:Seymour Duncan SSL-3 Hot Strat
ブランド:Seymour Duncan ( セイモア・ダンカン )
モデル:Hot Strat ( High Output Strat Pickups )
型番:SSL-3 (All Position) / SSL-3 RW/RP (逆磁逆巻)
タップモデル型番:SSL-3T (All Position) / SSL-3T RW/RP (逆磁逆巻)
マグネット:アルニコ5 (Alnico V Rods)
直流抵抗値:15.85kΩ
アウトプットタイプ:High
出 力:4.6
トーンチャート:低音域 4 / 中音域 7 / 高音域 5
レゾナントピーク:4.4kHz (通常) / 5.3kHz (タップ)
ワイヤー:PVC Lead Wire
推奨ボディ材:ブライトなトーンを持つギター全般 (アッシュ系やメイプル系など高音域にアドバンテージのあるボディ材、またはパーツ構成であれば何でもOK)
推奨指板材:ブライトなトーンを持つ指板材全般(メイプル、またはエボニー指板など)
SSL-3 Hot Stratの倍音特性 (D3/146.832Hz)
まずはクリーンセッティングのアンプを通して、SSL-3のD3倍音(4弦開放)を調べました。基音の出力自体は高いのですが、それ以上に低次倍音が賑やかな傾向にあります。
第4~第12倍音付近まで基音と同等以上の出力を保ち、中~中高音の濃密なハーモニクス感を演出です。裏を返すと低次倍音の粒が揃っているため、コンプレッションが強めとも捉えられます。
またSSL-3は出力の高さと相まって、ほぼ全帯域で大きめの非整数倍音を計測です。基音以下の帯域でも小さな山を形成するなど、クリーンではアタック時に僅かにバズるような濁りを生みます。
SSL-3固有のコンプ感が強く引っ込むようなアタックなのに、音が濁る響き方はクセが強いかも
倍音特性波形の周波数目安
低音側を例にすると灰色の線が基音(D3)の146.832Hz 偶数次倍音:第2倍音(293.664Hz)、第4倍音(587.328Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(440.496Hz)、第5倍音(734.16Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
クリーンのSSL-3 Hot Stratはこんな音!
続いて倍音計測と同じセッティングを保ったまま、SSL-3の周波数特性を解析です。コードをつま弾いてみると、ハムバッカー的な高音の丸さに面食らうと思います。SSL-3のクリーンは本来ストラトのシングルコイルからジャランと響く、透明感溢れる高音の鋭さとは真逆に近い音色です。
周波数では2kHz以降が大胆に絞られており、3k~6kHzにかけてはSSL-1の2/3ほどしか伸びません。一方300~1kHz付近が底上げされているので、高音カットとの相乗効果で数値以上に中音が前に出て聞こえます。200Hz以下の値はSSL-1よりも弱く、明らかに中音だけを強調することを目的としたチューニングですね。
SSL-3のクリーンはハムバッカーSH-4(ダンカンJB)のクリーン特性に近く、使いこなすには難易度が高め!
» Seymour Duncan SH-4 JB Modelの音の特徴を知りたい!
SH-4の音質解析についてはこちら!
SSL-1のクリーン周波数特性
SSL-3と同一条件にて、SSL-1をブリッジにマウントした周波数特性を解析しました。やはり1kHz付近を境に、両モデルの高音特性が大きく変化していることが分かります。
SSL-1は1k~2kHzまで微増しつつ、3kHz以降は爆発的な高音の伸びを誇ります。超高音域もSSL-3は10kHz付近で頭打ちですが、SSL-1は14kHz付近まで計測です。
SSL-3は高音を極端にカットして出力と中音の厚みを爆増!
SSL-1は鋭い高音とタイトな低音でレスポンスが超高速!
どちらが良いという問題ではなく、モダン系とヴィンテージ系の性質の差異だね!
オーバードライブのSSL-3 Hot Stratはこんな音!
最後にアンプを深く歪ませた、オーバードライブ設定におけるSSL-3の周波数特性を解析します。クリーンの特性とは打って変わり、歪ませたSSL-3は高音もそれなりに強くなるのが印象的です。歪み方はシングルコイルよりもハムバッカーに近く、細やかな歪みの粒が心地良く感じます。
SSL-3の中音は300Hzをピークとして、600Hzにかけてクリーン以上にブーストされている模様です。中高音も2kHz付近まで程よく伸びるため、シングルコイルでは得難い分厚いドライブを体感出来ます。2k~4kHz前後は依然として控えめですが、意外にも8kHz以降の超高音域はSSL-1と遜色ありません。
SSL-3は歪ませると音の輪郭がクリーン時よりも明瞭で、アタックの直後やサスティーンの余韻が煌びやか!
歪ませると一気に華やかになるという点でもSH-4に近い性質だね!
SSL-1のオーバードライブ周波数特性
SSL-1のブリッジマウントにおけるオーバードライブは、高音と中高音の主張が強烈です。SSL-3では控えめとなる2k~3kHzにかけ、テレキャスに近い驚異的な伸びを記録します。
そのため随時歪みにバリっとした芯があり、粒の荒さだけでなく音の分離感を両立です。高音の強さも音の艶っぽさに好影響を与るなど、典型的なヴィンテージ風ドライブを再現出来ます。
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
Seymour Duncan SSL-3 Hot Strat 音質解析 まとめ
SSL-3はシングルコイルでありながら、圧倒的な中音と高い出力が得られるピックアップです。ヴィンテージ系PUの歪みに物足りなさを抱くなど、ハイゲイン志向のプレーヤーには最適な設計となっています。
その分高音の伸びやレスポンスが失わやすく、元来ストラトが得意とする煌びやかなクリーンの再生が難しくなる傾向です。ヴィンテージ系を高出力化したモデルではないため、リードや歪みに特化したストラトを目指す方向けだと言えるでしょう!
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