【混合アルニコ】Seymour Duncan SSL52-1 レビュー！ストラトで甘い高音と力強い低音を両立!!【ダンカン解析】

2022年11月24日2024年4月20日ピックアップ,シングルコイル,アルニコ5,アルニコ2,Seymour Duncan,ギター用PU/ストラトキャスター,SSL52-1,Five-Two Strat,Classic Stratocaster Pickups,ハイブリッド・コンビネーション・マグネット

👆 アルニコ5と2を採用した Seymour Duncan SSL52-1 Five-Two Strat をレビュー！

目次

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Seymour Duncan SSL52-1 アルニコ2と5を混合したハイブリッドなストラトPUの音が気になる！

本記事ではSeymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、SSL52-1 Five-Two Stratの音質を解析です。SSL52-1はダンカン製品の中で、初めてハイブリッド・コンビネーション・マグネットが採用されたピックアップとなっています。

『52 Five-Two』の名からも分かりますが、本モデルはアルニコ5と2のマグネットを同時採用です。各マグネットの長所をストラトに注入し、通常では得られぬ音楽的な捻りを再現します。

SSL52-1はアルニコ5が低音弦、アルニコ2が高音弦を担当！

SSL52-1のマグネット配列は低音弦側がアルニコ5、高音弦側にアルニコ2を搭載です。アルニコ5は引き締まったローエンドを構築し、メリハリとキレのある音を奏でます。

アルニコ2はクリアで分離の良い音像を保ち、ハイエンドはウォームかつ滑らかです。故に混合アルニコを実装することで、ソフトな高音弦のレスポンスとタイトな低音弦のフィーリングを両立することに成功しています。

元はナッシュビルのスタジオミュージシャン向けに開発されたこともあり、レコーディングでは特に真価を発揮出来るモデルです。メロディックなリードもファンキーなカッティングも、オールラウンドにこなせる適応力の高さが魅力だと言えます。

※SSL52-1はこんな人向き

世界は平和になった！

－ 未 完 －

SSL52-1は3種のバリエーションを用意！

SSL52-1は基本的に搭載箇所を選ばないため、全てのポジションにマウント可能です。ただしブリッジの出力を上げたい場合は、出力を微増させたSSL52-1bがラインナップされています。

👆 SSL52-1b Five-Two (Bridge)

ハムキャンセル配線が必要ならば、ミドル用にRWRP（逆巻き/逆磁極）仕様も完備です。

👆 SSL52-1RWRP Five-Two (Middle)

他のモデルと異なりネックにはオールラウンド仕様のSSL52-1を使うので、SSL52-1nとは表記しない点に注意しましょう。

👆 SSL52-1 Five-Two (Neck/All-round)

※ただしサウンドハウス等では便宜上SSL52-1nとして販売している店舗も有り

実はウチのブログ、ダンカンPU情報に凄まじく強い！

公表データの確認：Seymour Duncan SSL52-1 Five-Two Strat

Seymour Duncan SSL52-1の倍音特性を低音弦(アルニコ5)と高音弦(アルニコ2)で比較！

まずはクリーンセッティングのアンプを通して、SSL52-1のD3倍音とB3倍音を計測します。マグネットの違いが分かるように、アタックを揃えて4弦開放と2弦開放を鳴らしました。

SSL52-1の低音弦 D3倍音特性 (D3/146.832Hz)

基音や第2倍音の出力が高いためアタックの主張が強く、骨太な芯を感じる倍音傾向です。偶数次と奇数次倍音のバランスも上々で、高次倍音まで途切れず倍音が計測されています。

これといったウィークポイントはないものの、基音以下の非整数倍音がやや大きめです。ただしこの非整数倍音の大きさが重めの空気感を演出し、ローエンドの存在感を高める要因となっています。

SSL52-1の高音弦 B3倍音特性 (B3/246.942Hz)

低音弦側とは打って変わり、全体的に非整数倍音が非常に少ない傾向です。特に基音以下は非整数倍音がほとんど計測されず、クリアで分離の良い音を響かせます。

透明な響きだけではなく、揺らぎに近いヴィンテージライクなラフさも見逃せないですね。随所でシャギーな波形が確認されており、低音弦と高音弦を同時に弾くと高音弦側の音が絡みつくように混ざり合います。

倍音特性波形の周波数目安

低音側を例にすると灰色の線が基音(D3)の146.832Hz
偶数次倍音：第2倍音(293.664Hz)、第4倍音(587.328Hz)……
→ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も
奇数次倍音：第3倍音(440.496Hz)、第5倍音(734.16Hz)……
→金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き
非整数倍音：各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない

クリーンのSeymour Duncan SSL52-1はこんな音！

続いて倍音計測と同じセッティングを保ったまま、SSL52-1の周波数特性を解析します。同ブランドのSSL-1nに近い波形ですが、高音の伸びが緩やかで鋭角的ではありません。

倍音を計測した帯域(横軸)は広いものの、3kHz以降の出力(縦軸)はSSL-1の2/3程度です。高音9が設定のSSL-1に対しSSL52-1は高音6なので、狙い通りのハイエンドが再生されています。

対照的に中音域は僅かにブーストされており、巻き数増加によるコイルアレンジの差(SSL-1中音3→SSL52-1中音5)を実感可能です。

参考：SSL-1のクリーン波形

クランチのSeymour Duncan SSL52-1はこんな音！

最後にアンプを軽く歪ませて、クランチ設定におけるSSL52-1の周波数特性を解析です。

こちらもSSL-1nのクランチの高音を絞り、低～中音を底上げした波形に近いと思います。高音は4kHz付近から減衰傾向で、鼓膜に切れ込み過ぎないソフトな歪み質です。

中音は400Hzのメリハリが強くなり、SSL-1n以上に逞しい音の芯を体感出来ます。300Hz以下の帯域も力強く、100Hz前後のローエンドは存在感十分です。

各波形の周波数目安（左から順に）

赤線：100Hz,200Hz 
橙線：400Hz,800Hz 
桃線：2kHz,3kHz,6kHz

Seymour Duncan SSL52-1 Five-Two Strat 音質解析 まとめ

異なるアルニコマグネットを同時に搭載することで、互いの長所が上手く融合したピックアップです。オールラウンドなトーン特性だけでなく、低音弦と高音弦に最良のバランス感をもたらしてくれます。

欠点らしい欠点も見当たらず、ギター1本で乗り切る必要がある現場では凄まじいポテンシャルを発揮です。ギター1人のバンド編成やソロワーク、DTMやレコーディングなど、弾き手の能力と他の機材の性能を最大限に引き立ててくれます！

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SSL52-1 Five-Two (Neck/All-round)

SSL52-1b Five-Two (Bridge)

SSL52-1RWRP Five-Two (Middle)

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