【珍品】Hofner Shorty レビュー！ボディ&存在感削り過ぎトラベルギターが面白くて脳汁爆発!？

2022年8月29日2025年3月23日トラベルギター,ミニギター,Shorty,HCT-SH-BL-0,ギター,ミディアムスケール,低IQ記事,安ギター,ポータブルギター

👆 変なトラベルギター Hofner Shorty HCT-SH-BL-0 (正規代理店購入品) をレビュー！

目次

本日もギタいじへようこそ！急ぎの人は開封の儀から読もう！素人目には判別が困難な偽造品が流通しているので要注意！ハジメマシテな君は『コチラ』も見てね！

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Hofner Shorty 40年以上の歴史を誇るコンパクトなトラベルギター！

ここはギターいじリストのおうち

……の管理人が住んでいるおうち

そしてここは管理人のおうち

地下2階にある第6機材倉庫

－ 物語はここから始まる －

🧠「積みギターが溜まってしまった！！」

🧠「ていうか、奥に隠れているこの妙に小さい箱は何が入っているんだ？」

🧠💦「変なギターだとーーーーッ！？」

という訳で今回はHofner (ヘフナー※1) より、トラベルギター Shorty をレビューです。Hofner Shortyはボディを最小限に留めた、独自のコンパクトサイズで設計されています。

※1.正確にはカール・ヘフナー有限合資会社 (Karl Höfner GmbH & Co. KG) 創立は1887年

その歴史は意外にも古く、1980年代から現在に至るまで生産され続けている製品です。近年トラベルギター界隈では、TRAVELER GUITARやAnygigの流通量が増えつつあります。

TRAVELER GUITARの創立は1992年、Anygigに至っては2015年と歴史が浅いブランドです。

一方80年代から歴史の続くShortyですが、両ブランド製品より国内で流通していません。

Shortyは生産数に対して国内流通量が少ない！

Hofnerのギターと言えば、往年のClub 40やMODEL 176などが広く認知されています。対してShortyは今も量産されているにも関わらず、日本での知名度はかなり低いです。その理由は言わずもがな、国内でHofnerの正規取扱い店が少ない事が挙げられます。

2022年8月末時点では6都道府県の取扱いとなっており、販売窓口自体が少ないのです。加えてその多くの店舗では、ベースモデルやアクセサリーを中心に販売されています。Shortyの取り扱い店舗も少なく、本記事投稿時点では日本総代理店の山野楽器 (※2) でのみ販売が確認出来ました。

※2.2023年5月31日をもって株式会社山野楽器は代理店業務終了、2023年6月1日より株式会社黒澤楽器店(クロサワ楽器)が輸入代理店として取り扱い開始

以前はAmazonで並行輸入品が販売されていましたが、現在は国内で通販購入が難しいです。対して海外では知名度が高い様子で、YouTubeでも関連動画が多数投稿されています。

歴史が古く生産量も多いのに、国内では入手機会に恵まれない製品だと言えるでしょう。

Shortyの変なフォルムは存在すら忘れる程の携帯性！

さてShortyの特徴といえば、やはり万遍なくクセの強いボディフォルム一択です。ブランドサイトでは公式に、どこにでも持ち運べるサイズとして紹介されています。

更に『飛行機の頭上の荷物棚に収納可能』と評しており、本機の携帯性は随一です。ボディ幅は極端なほどスリムで、パーツの設置以外の要素は完全に削り取られています。

何と言いますか、

ジョジョの億泰がザ・ハンドで雑に削ったようなフォルムが最高ですね🤤

これほどまでにボディが小さいと、携帯性が良すぎて存在すら忘れるレベルとなります。実際にShortyを荷物棚に収納した場合、どのような現象が起きるかを考えてみました。

管理人の桃色脳細胞が弾き出した計算では、9割の人がそのまま忘れて降機するハズです。とにかくShortyはスッキリ収まる感が凄まじく、完全に周囲と一体化してしまいます。故に管理人が積みギターとして存在を失念した事も、言わば自明の理といった所でしょう。

さりとて楽器店でShortyを見かけた際は、それはそれは大層興奮したものです。当ブログでは変な部品を頻繁に紹介していますが、本機はそれに通じる魂を感じます。

重ねて申し上げますが、当ブログの管理人は性別年齢不詳の無機物です。例え興奮が限界に達したとしても、吉良吉影のような奇行に走る事はございません。

茶番はこれくらいにして、気になるのはShortyの演奏性や音だと思います。果たしてこの奇妙なギターの実力がどれほどの物なのか、じっくり見ていきましょう。

私信：この夏管理人は久しぶりにリアル杜王町に行ってきました💖

Hofner Shorty トラベルギター 開封の儀

今回はTravelcaster Deluxe同様に、店頭で購入した商品なので開封の儀はありません。一応撮影用に段ボールも持ち帰っていますが、通常は本体とケースのみとなる模様です。

Hofner Shortyは全長860mm弱なので、ケースに収納した状態でも省スペースとなります。

段ボールもケースも台形状となっており、宅配便ならば140サイズ相当です。重量は本体に箱、ケース、付属品込みでも、僅か2kgを少し超える程度となっています。

専用ケース&その他付属品

新品購入時に付属するケースは化繊製ですが、生地内部に薄手の緩衝材入りです。

化繊生地のみのソフトケースよりは保護性能が高く、各部縫製も特に問題ありません。

ポケットはボディ部の1か所のみで、その分マチ付きかつ広めに設計されています。楽譜の収納は出来ないものの、予備弦やシールド、ストラップをまとめて収納可能です。

表面はHofnerのロゴが刺繍されているため、遠目に見る分には高級感を抱く事でしょう。近くで見ると結構ラフな刺繍ですが、無料のサービスケースとしては十分だと感じます。

運搬方法は側面のハンドルに加え、片肩掛けショルダーベルトの2通りに対応です。ハンドルは厚めの生地が使われており、ベルトは小さいながらも肩パッドが付属します。

国内の正規取扱い店で購入の場合、日本語の保証書と取扱説明書が付属です。

平行輸入品を購入した際は、保証書付きでも保証が適用されない点にご注意願います。

取扱説明書はShorty専用ではなく、Hofner製品全般の注意が記載されている形式です。バイオリンベースの電装系の説明など、Shortyには適用されない事も掲載されています。

というよりもShortyについては、基本的なメンテナンス以上の記載が一切ありません。ブリッジなど取扱いが分からない箇所がある場合、事前に店頭で確認した方が無難です。

その他付属品として、ロッド調整用の専用レンチとオマケのS/Lシールドが付属します。シールドはよく安ギターに付属する細いタイプで、無理して使う必要のない品質です。

愛用のシールドやワイヤレスがあるならば、迷わずそちらを優先してご利用下さい。

Hofner Shorty HCT-SH-BL-0 基本スペック

ルックス：Hofner Shorty HCT-SH-BL-0 トラベルギター

先にも述べた通り、Hofner Shortyの実物を初めて見た際は謎の高揚感が沸き上がります。単にコンパクトというだけでなく、万遍なくクセの強い変なギターだなという印象です。

率直に申し上げて、

という感想しか浮かびませんでした。

それほどにShortyは初見のインパクトが強烈で、間違いなくIQがゴリゴリ低下するレベルです。このボディを見たら最後、是が非でも弾かずにはいられない衝動に駆られると思います。

けれどもよくよく観察してみると、ギターの基本を外していないのも事実なのです。

ボディは両サイドこそバッサリ削がれていますが、パーツの配列が整然としています。

ネックはミニギター的なショートスケ―ルではなく、通常のミディアム24Fを採用です。

ヘッドも大きめの設計なので、センターを見る分には楽器として『普通』に映ります。ジョイント部はハイフレットの演奏性を考慮して、6弦側よりも1弦側を大きく削いだ構造です。

コントロールはブリッジ真横に配置するなど、プレイヤビリティに配慮されています。極めつけに専用パーツがほとんどなく、部品交換が容易な点も見逃せません。

奇妙なボディ設計のIQの低さに反し、その他多くの要素は『楽器的』だと言えるでしょう。一点だけ 萌え低IQ要素 を紹介すると、

ナット裏の製造国ラベルが有り得ない程チープです。

ひと昔前の録画用VHSに付属したラベルのようで、

ペラッペラの紙シールとなっています。

再度率直に申し上げまして、

という感想が脳ミソを埋め尽くしました。

ヘッドシェイプ

ヘッドシェイプはスペック表に『Shorty』と記載されている通り、本機専用の設計です。とはいえ外観はバイオリンベースに近く、3×3ダブルサイドヘッドを採用しています。

微妙にL側とR側が非対称となっていて、1～3弦側のテンションバランスが良好です。またスカーフジョイントという事もあり、角度付きのアングルドヘッドとなっています。

フィニッシュ

管理人はBlueを購入していますが、実際にはメタリック系の青いフィニッシュです。Fenderなどで採用されている、レイクプラシッドブルーに近い色合いでしょうか。

店頭で見た範囲内では、Blueだけでなく全色メタリック系塗料が使われていました。

塗料はポリエステルで厚めに塗られており、普及品のギターと大差ありません。ネックは簡素なサテン仕上げで、ヘッドトップは全色ブラックで統一されています。

ボディと比較してヘッドトップは塗料が薄手ですが、ややムラが目立つ仕上がりです。

遠目には分からないものの、表面がグレープフルーツの皮のようにザラザラしています。あまり丁寧な仕事ではないため、低価格帯ギター故の宿命と割り切りが必要ですね。

国内流通価格を考慮すれば、概ね妥協出来る程度の完成度だと思われます。

ハードウェア

ピックガードは電装系のマウントを兼用で、ブラック1プライを採用です。

中央にブランドロゴが記載されているだけでなく、形状もなかなか良いと感じます。

ロッドカバーはロゴ入りのブラック1プライとなっていますが、こちらは艶消しです。エスカッションも樹脂製を搭載し、ピックガード同様艶のあるブラックとなっています。

金属パーツはペグ、ブリッジ、ジャックプレート、ジャック本体がクローム仕上げです。コントロールノブのみブラック仕上げとなっており、ピックガードとマッチしています。

デカノブでドレスアップ！

パーツグレード

ペグは安ギターで良く使われるタイプで、ジャックやポット等の電装系も汎用品です。ブリッジはFixed Tailpiece/Bridgeとありますが、普遍的なバダスタイプと思われます。

ピックアップはオリジナルとなっており、Hofner Open Humbuckerのみの1ハム構成です。フラットポールピースを採用し、ハイパワーなコイルアレンジが施されています。

特殊な設計の部品は使用されていないため、全体的なグレードアップが非常に容易です。ペグ、ブリッジ、ピックアップは交換候補が多く、改造ベースとしても楽しめます。

演奏性：Hofner Shorty HCT-SH-BL-0 トラベルギター

ここからは演奏に関わる要素について、各パーツ単位で詳しく見ていきましょう。分解しての評価ではなく、開封後の動作確認時に調べるべき事柄を重視です。

部品の機能性と組み込みの精度も含めて、フラットな視点で精査しました。

ペグ

ペグのギア比は1：15を採用し、チューニング精度は標準的な感触となっています。ややガタつく箇所もありますが、弦が安定した後ならば極端に狂う事がありません。

L3+R3のネジ穴45度タイプにつき、GOTOH製のSG381と同タイプがポン乗せ可能です。交換用ペグに困る事はまず無いため、保証期間が過ぎたら交換しても良いと思います。

ロック式ペグを導入する！

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弦高＆オクターブチューニング

管理人が購入した店舗では、店頭販売分は全て基本調整済みの個体となっていました。店で購入する際は問題なさそうですが、並行輸入品に手を出す場合は十中八九無調整です。

ただし弦高の推奨値が公表されており、6弦側が2.0mm、1弦側は1.3mmとなります。

使用弦も0.10～0.46が推奨されているので、まずはこれらの条件で調整を行いましょう。購入した個体も同じ値だったため、正規販売店は全て同等の調整であると推察です。

オクターブチューニングもこれといって問題無く、全弦12Fを基準に調整されています。

サドルの調整幅は少な目ですが、ブリッジ本体自体をネジである程度まで前後可能です。12弦以外でオクターブを合わせるなど、それなりに融通が利く調整が出来ます。

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ネック

ネックは本体がメイプルを採用し、指板はスペック表によるとローズウッドとの事です。

しかし指板の色がとても薄く、インディアンローズウッド感がほとんどありません。グレードが相当低いのか、着色前提の木材を着色せずに使っているように感じられます。

もしかするとマメ科の他の木材など、ローズウッドではない可能性もアリです。薄茶色なだけでなく緑色を帯びた色味につき、指板のチープさは否めないと思います。

乾いている訳ではないため演奏性はそこまで悪くなく、見た目さえ我慢出来ればOKです。

グリップ面はサテン仕上げ

サテン仕上げのグリップはサラサラで、初心者でも握りやすい触感となっています。スカーフジョイントは繋ぎ目に段差こそありませんが、遠目にも目立つ要素です。

木取りが特に考慮されておらず、モロにジョイント部分が丸分かりとなります。スカーフジョイントの外観に抵抗がある場合は、事前に良く確認した方が良いでしょう。

ヘッド落ち

もう一点ミニギター特有の問題として、ボディの軽さ故にヘッドが落ちしやすいです。滑りやすい化繊系ストラップとの相性は絶望的で、色々と工夫が必要になります。

気を抜くと一気にズルっと滑るため、ヘッドを地面にぶつけないように要注意です。

レザー系でもブレーキが利かず、構造的問題として飲み込む事が肝心だと思います。体格に左右される要素が大きく、個々でShortyに合った構えを探さなければなりません。

『そういうもの』だと受け入れた上で、腹部や太腿などを支点にすると良いでしょう。

本体の厚さ

厚みは1Fで21mmの設計と公表されていますが、体感的にもう少し厚みを感じました。実測した所22mm程あったため、管理人のShortyは公表値よりも1mm程厚い個体です。

ネックは1mm厚いだけでも太くなるので、人によっては好みが分かれます。外れ個体なのか仕様変更なのか不透明につき、個体差があるものとお考え下さい。

ヘッド落ちしても良いのでサスティーンを重視したい場合は……

ボディ

奇抜な形状の通りボディは非常に軽量となっていますが、ボディ厚は約42mm程です。Squier等の低価格帯機種と比較して、幾分厚みを感じる設計がなされています。

左右非対称なシェイプも良く見ると可愛く、謎の中毒性にノックアウト寸前です。

ハイフレットの弾きやすさ

1弦側ジョイント部を削いだ設計もナイスで、ハイフレットの演奏性を高めています。ネックジョイントが18F起点という事も加わり、20F以降のフィーリングは◎です。

個人的には6弦に関しても、17～18Fを親指で押さえる事が出来る点がたまりませんね。ハイフレットの演奏性は他では得難い物があるため、Shortyの差別化に成功しています。

材質はバスウッド

ボディ材はバスウッドを採用し、ネジ穴やザグリの強度は高く無い部類です。部品交換を繰り返す場合、脱着に伴いネジ穴が潰れやすくなる可能性を考慮しましょう。

ボディサイドは座り弾きを想定しているのか、6弦側は太腿にフィットしてくれます。1弦側は肘や前腕を置きやすく、立位よりも安定したフォームで演奏可能です。

気になるポイント

難点としては上部ストラップピンがジョイント部に配置されており、腹部に接触します。衣類が擦れるため塩梅がイマイチで、気になる人は凄く気になる可能性が大です。

ネックジョイントプレートも正方形に近い特殊サイズとなっており、交換が出来ません。

エルボーカットは勿論無いため、立位で手を乗せられる場所もブリッジのみとなります。この辺は価格帯的な制約として、変な物へ注ぐ愛とガッツで乗り切るしかないですね。

言わずもがな管理人は変な物が大好物なので、余裕で許容出来る範疇でした💖

Hofner Shortyにピッタリなストラップはコチラ！

ナット

ナットはボーンと公表されていますが、どうみてもプラスチック製が使われています。店頭で見た限りボーン製の個体は存在せず、おそらくメーカーサイドの誤記です。

本体は指板幅に合わせて横幅が加工されているものの、やや大雑把な加工に映ります。側面は荒目のヤスリで削ったのみで、表面がガサガサした状態のままです。

トップは部分的にささくれており、チューニングに悪影響を与える可能性があります。

センターや溝の深さ、溝の間隔が適切なだけに、もう少し頑張って欲しかった所ですね。加工の良し悪しの個体差が激しいと思われるため、店頭購入時は入念に確認しましょう。

フレット

フレット幅の実測値は2.6mm程で、山の頂点があまり高く無いタイプが使用されています。Fenderの6150に近く、ヴィンテージジャンボ相当のサイズになりそうです。

末端加工は標準的精度を保っており、クロスを上下させても繊維が絡みません。擦り合わせも適切でビリ付かず、タングのはみ出しやささくれも見当たりませんでした。

価格帯としては合格ラインを超えているので、湿度に留意すれば長く使えると思います。

ブリッジ

Fixed Tailpiece/Bridgeという名称ですが、汎用のラップアラウンド・ブリッジです。バダス型を簡素にした構造で、モッキンバードやイーグル等の低価格機で多用されています。

ブリッジの厚みは程々であるものの、素材は磁性が無いため亜鉛合金製です。

スタッドとネジ類はスチール製となっており、ごくごく標準的構成と言えるでしょう。

現状ではオクターブも弦高も問題が無く、メッキの仕上がりも上々となっています。特に気にならない場合は、慌てて交換せずとも使い続ける事が出来る仕上がりです。

支持間隔も標準的な82mm設計につき、スタッド径さえクリアすれば色々試せます。

配置に関してはピックアップと距離が近いため、弦交換の際に外す必要アリです。オクターブ調整もPUが邪魔になるので、PUを下げるかブリッジを外す方が楽になります。

弦高はロッド調整と合わせれば、少しだけ低めに設定する事も出来そうです。6弦側で1mm以下は難しいですが、1.5mm程度までは対処出来ると思われます。

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センター

管理人所持のShortyで最も優れている箇所は、センターの美しさかもしれません。ナット、ネック、ボディ、ピックアップ、ブリッジの全てが狂いなく綺麗な収まりです。

安ギターでこれほどピッタリというのも珍しく、見ているだけで気持ち良くなりますね。ビブラートやチョーキングを交えても、常に出音バランスが良好です。

ピッチ違いのブリッジやピックアップに改造しない限り、快適さを維持できる事でしょう。

電装系

シンプルな1ハムスタイルながらも、コントロールは1VOLUME1TONEを採用しています。

ポット類はボディに余裕がないため、ピックアップの真横に隣接した配置です。プリンスのクラウドモデルを狭めたような配置につき、クセが強めとなっています。

ピッキングフォームによっては、ピックがノブにゴツゴツ当たるかもしれません。演奏中に引っ掛かる場合も多く、ボリューム位置が頻繁にズレるのも日常茶飯事です。

立位ではボリューム奏法も難しくなるので、小回りがきかない配置とお考え下さい。

電装系交換前に確認しておくべき音質改善特集4選！

重量

重量は公表されていないのですが、実測値では本体のみでおよそ1.80kgとなっています。Anygigより大分重そうに見えて、その差は200gあるかないかといった所でしょうか。

Travelcaster Deluxeよりは500g以上軽く、腰を痛める心配はほぼ無しです。屋外に持ち運ぶ際も全く苦にならず、収納と運搬性は満点を与えても良いと感じます。

サウンド：Hofner Shorty HCT-SH-BL-0トラベルギター

多くのトラベルギターの例に漏れなく、Shortyも音が想像し難い外観のギターです。一般的に考えて、まともに弦の音が鳴るのかも心配になると思います。

ところが生鳴りは思いのほか普通の音量で、アンプを通さないでも結構にぎやかです。

ネックとボディが振動しているのが伝わってくるため、しっかりと弾き応えもあります。生音に関しては、普通のミディアムスケールのギターと差が無いかもしれません。

ピックアップは高出力！

アンプを通して確認してみると、外観に反して出力が非常に大きいですね。

ピックアップの抵抗値は11.21kΩですが、マグネットが強力で中高音を良く拾います。それでもクリーンは潰れにくく、ゲインを上げれば出力相当に歪む素直な性能です。

レビューしたギターの中では、Fender Player Stratocaster Floyd Rose HSSに近い音だと思います。

FRT搭載リアハムストラトの低音を絞り、高音をブーストした音とほぼ同等です。かと言って倍音感はあまり強く無い上に、サスティーンは低音側に偏っています。

高次倍音が少ないのか、音が長く伸びそうに聞こえて一気にスっと消える感覚です。不自然な音伸びではありませんが、ロングサスティーンが狙いにくく感じます。管理人の主観はアテにならないため、倍音と周波数の特性も簡単に調べておきました。

Hofner Shorty HCT-SH-BL-0 倍音特性 (A2/110.00Hz)

倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦のスペクトラムを採用です。

全体的に倍音が少なく、高次倍音がやや飛び飛びになる傾向が見受けられます。非整数倍音もそれなりに多いため、あちこちに枝毛状の波形を散見です。

基音以下の非整数倍音も強めで、やや重たい空気感が漂う音質となります（低音が綺麗に出るという意味ではないので注意）。第2倍音と第3倍音が基音とほぼ同等な点は、アタックの強さに好影響を与えています。

サスティーンの余韻で聞かせるよりも、ピッキングの強弱で魅せる方が得意のようです。

倍音特性波形の周波数目安

左端側の太長い山(中央灰色線)が基音110Hz
偶数次倍音：第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)、第6倍音(660Hz)……
→ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も
奇数次倍音：第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)、第7倍音(770Hz)……
→金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き
非整数倍音：各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない

Hofner Shorty HCT-SH-BL-0 周波数特性

周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、平均的なスペクトラムを算出しました。

音は400Hzに集中しつつ、200～800Hzと広範囲で力感溢れる音を奏でられます。100Hz以下の重低音は控えめですが、180Hz付近からグンと低音が伸びるのが個性的です。

1k～3kHz付近は標準的ストラトのリアに近く、3kHz以降も中々の値を記録しています。10kHz以降の超高音域では、良く分からない謎の伸びを計測です。

人によってはに聞き取りにくい周波数であるものの、ハウリングには注意しましょう。先の主観的感想の通り、FRT搭載リアハムストラトのように音作りが出来ると思います。

周波数特性波形の周波数目安（左から順に）

赤線：100Hz,200Hz
橙線：400Hz,800Hz
桃線：2000Hz,3000Hz,6000Hz

個人的に推したいピックアップ

Hofner Shorty デモ動画

Hofner Shorty 変なトラベルギターレビュー まとめ

出オチ感全振りな低IQルックスとは真逆に、仕上がりとサウンドは標準的なギターです。多少詰めが甘い箇所もありますが、価格帯以上のポテンシャルを秘めています。

ヘッド落ち関連の演奏性をクリア出来れば、大いに楽しめるギターである事は確かです。変な物好きの琴線を刺激するフォルムも魅力があり、なによりも愛着が湧いてきます。

入手機会に恵まれぬ点が非常に惜しく、もう少し色々な弾き手の評価を聞きたいですね。『こういう見た目の類』を好む方ならば、見かけた際はぜひとも手に取ってみて下さい！

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Hofner Shorty(青)は80年代前半に誕生し30年以上生産され続けているミニギター！

Hofnerが楽器を約100年作り続け到達した見る者のIQを下げまくるルックスが魅力です🤣

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— ギターいじリストのおうち中の人🧠💦（低浮上・ブログは更新しています） (@Ew3DwZa1cYMDBi3) August 30, 2022

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