【2023年新製品】Seymour Duncan BG1400 カスタムショップ人気PUはどんな音?【ダンカンレビュー】

👆 カスタムショップ発 Seymour Duncan BG1400 をレビュー!
本記事は最新の情報に基づき、2023年6月投稿の同一商品レビューにタイトル変更と加筆修正を加えた改訂版となります。
目次
本日もギタいじへようこそ!ハジメマシテな君は『コチラ』も見てね!すぐにBG1400レビュー本編に移りたい人は『公表データの確認』から読もう!
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当ブログでは80種以上のダンカン製PUを解析済み!キミの求めている音もきっと見つかるよ!!
Seymour Duncan 2023年新製品 5種+7種の合計12モデル追加発表!
日本では2023年8月17日より、Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) の新製品5モデルが流通開始となりました。更に2023年8月23日には、追加で新製品7モデルの流通が開始です。いずれも海外で先行発売されていた合計12モデルが、今月から国内でも購入可能となっています。

シグネチャーモデルやカスタムショップからレギュラーライン入りしたモデルなど、甲乙つけがたい魔力を秘めた逸品揃いです。下記に一覧をまとめましたので、気になるモデルはESP公式サイトの特集ページにてご確認願います。
Seymour Duncan 2023年8月17日 国内発表5モデル

カスタムショップで人気のモデルやシグネチャーモデルなどルックスもバラエティ豊か!
BG1400
Pearly Gates for Tele
Lari Basilio
Little ’78 Strat
Cory Wong Clean Machine
Seymour Duncan 2023年8月23日 国内発表7モデル

Exciterを除いてシグネチャーハムバッカーがズラリ!
SLASH 2.0
Exciter
Jupiter Rail 7
Warren DeMartini RTM
Alex Skolnick
Mark Holcomb Scarlet
Mark Holcomb Scourge
Seymour Duncan BG1400 はカスタムショップ1番人気テレキャスターブリッジ用スタックタイプ!
今回は8月17日発表のダンカン新製品の中から、テレキャスターブリッジ用のBG1400の音質を解析です。BG1400はカスタムショップからレギュラーライン入りしたモデルで、スタックタイプピックアップとなります。
カスタムショップ過去30年間の販売実績において、最もリクエストの多かったモデルがこのBG1400です。BGの型番が示す通り、かつてはZZ Topのビリー・ギボンズ氏モデルとして扱われていました。ただし現在は『High Output Tele Pickup』と表記されているため、シグネチャーモデルとしては扱われておりません。
BG1400は『ノイズレスなパワーと唸り』をハムバッカーの一歩手間まで追求!
BG1400はピックアタックの再現性を重視する設計で、マグネットにはアルニコ5を使用しています。
本モデルが目指したのはシングルコイルのニュアンスを残したまま、出力を限界まで高めたテレキャスターサウンドの実現です。可能な限りテレキャスター独自のトゥワングを削ぐことなく、ノイズキャンセリングの効いた太い音を響かせます。
そのため他のダンカン製スタックタイプと異なり、2つのオーバーワウンドコイルを重ねた構造を採用です。コンプレッションはやや強めであるものの、ハムバッカーとは異なるバランスの良いアタック感を備えています。ムラなく全ての弦の音に存在感があるので、歪ませた状態でのフィンガーピッキングとも相性抜群です。
この辺がシングルサイズハムバッカーと異なるポイントで、BG1400はあくまでも『シングルコイル寄りの音』となっています。ヴィンテージテレキャスター風の荒々しさを失わず、ノイズレスなパワーと唸りを追求したサウンドだと言えるでしょう。

本記事では倍音特性やゲインによる周波数特性の変化を詳しく調べていくよ!
公表データの確認:Seymour Duncan BG1400 Tele Lead Stack
ブランド:Seymour Duncan ( セイモア・ダンカン )
モデル:BG1400 Tele Lead Stack ※ (High Output Tele Pickup)
型番:BG1400 TE-b (ダンカンロゴ有り/無し選択可)
マグネット:アルニコ5 (Alnico V Rods)
直流抵抗値:29.2kΩ
アウトプットタイプ:High
出 力:4.9
トーンチャート:低音域 7.3 / 中音域 6.5 / 高音域 3.7
ワイヤー:4c Shielded
※ESPの公式紹介ページではBG1400とだけ表記。しかし管理人所持のケースラベルにはBG1400 Tele Lead Stackと記載有り。

……ちなみに国内では受注生産につき、2023年8月時点で国内在庫は無い模様(BIG BOSSで納期3~4ヶ月)

海外では年始から流通しているので、多分eBay等の方が速く入手出来るかもね

BG1400の倍音特性 (C3/130.813Hz)
まずはクリーンにセットしたアンプを通して、BG1400のC3倍音(5弦3F)を解析です。

BG1400の力強さを示すように、基音の山はすそ幅が広く(横軸)出力も高く(縦軸)計測されています。基音より出力の高い倍音は存在しませんが、低次倍音は軒並み基音に迫る出力です。高次倍音は6kHz付近を境に一気に途切れるものの、中~中高音の倍音は安定して高い値を示しています。
基音以下の帯域の非整数倍音はSTL-3等よりも控えめで、ノイズの少なさはスタックならではです。一方基音より上の帯域では非整数倍音が若干増加傾向にあり、高出力モデルらしく音程を伴わぬ空気感を内包しています。
加えて基音の山の根本が不規則な形状となっている点が、唸るような音の力感を演出です。倍音と倍音の谷間に発生する小さな非整数倍音の山は、ヴィンテージモデルに近いワイルドな音のニュアンスを加味しています。
基音と低次倍音は出力が均等になりやすいため、シングルコイル以上ハムバッカー未満にコンプレッションが効いたアタックです。
倍音特性波形の周波数目安
左端の山(中央灰色線)が基音のC3(130.813Hz) 偶数次倍音:第2倍音(261.626Hz)、第4倍音(523.252Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(392.439Hz)、第5倍音(654.065Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
BG1400のクリーン周波数特性
続いて倍音計測時のクリーンセッティングを保ったまま、BG1400の周波数特性を解析します。

低音7.3に中音6.5というトーンチャートそのままに、低~中音にアドバンテージのある周波数特性です。350Hz付近を中心としつつ、100~500Hz前後までテレキャスターモデルとは思えぬローエンドを形成しています。暖かみのある音というよりは芯の太さが実に逞しく、壁のように立体的に鼓膜へ迫る音像です。
中~中高音は減衰が緩やかで、500~3kHzにかけてほぼ等しい値を維持しています。低次倍音の特性と同じくこの帯域はコンプレッションがあり、コードワークでは一瞬パコっと引っ込むような感触です。
3k~6kHzは高音3.7の数値通り波形が急降下しますが、低出力ながら6kHz以降の超高音域も計測されていました。
BG1400のクランチ周波数特性
最後にアンプを軽く歪ませた、クランチサウンドの周波数特性を確認します。

BG1400は出力の高さからクリーンと歪みに境界線があるのか、ゲインを上げると一気に歪み始める印象です。また歪み始めると帯域間のバランスがより均等に変化し、クリーンでは土臭さを感じた高音も伸びが良くなります。
波形は350~400Hz付近を中心としながらも、200~4kHz前後までほぼ同等の出力です。クリーン時に強烈だった200Hz以下の低音はスッキリと絞られており、1弦から6弦まで出力差を感じさせぬドライブ感を誇ります。
クリーンと歪みで高音の抜けが異なる特徴はSH-4 JB Modelと似ているものの、歯切れの良い歪み方はシングルコイル寄りです。
クリーン・クランチ波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
Seymour Duncan BG1400 カスタムショップ発 新製品レビュー まとめ
カスタムショップで最もリクエストが多かったのも頷ける、独自性の高いサウンドに仕上がっています。ヴィンテージライクなテレキャスの荒々しさにパワーと唸りを加えつつ、ノイズレスなサウンドメイクが可能です。

安定感溢れるローエンドとアタックの力感も秀逸で、バンドサウンド内で他の楽器の音をかき分ける様に存在感を発揮します。伝統あるテレキャスターの味を活かしつつ、音の太さもノイズキャンセリングも両立させたスタックタイプピックアップです!
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