【甘美】Seymour Duncan APTL-1 ってどれくらいテレキャスが丸い音になるの?【ダンカンレビュー】

2024年4月23日Seymour Duncan,ギター用PU/テレキャスター,Alnico II Pro,APTL-1,Classic Telecaster Pickups,Alnico II Pro Tele Bridge,ピックアップ,シングルコイル,アルニコ2

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👆 Seymour Duncan APTL-1 Alnico II Pro Tele Bridge 甘美な音色をレビュー!

目次

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Seymour Duncan APTL-1 Alnico II Pro Tele Bridge 低磁力が織りなす暖かくて丸い音!

今回は Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、APTL-1 Alnico II Pro Tele Bridgeをご紹介いたします。APTL-1はマグネットにアルニコ2を使用し、ヴィンテージコイル・ワインドを採用したテレキャスターブリッジ用ピックアップです。

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磁力が弱めのアルニコ2を用いることで、テレキャスターでは時に過剰となるバイト感を和らげています。クラシックなテレサウンドに甘く滑らかなレスポンスを加え、ソフトな高音のアタックを実現です。

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その響きをダンカン公式は『スモーキーな高音』と評しており、丸みのあるウォームな音色を目指していることが伝わってきます。まろやかなピックアタックと弾性溢れるコードワークを表現可能とする、まさに甘美という言葉が相応しいピックアップモデルです。

APTL-1はアルニコ2の利点を最大限発揮!

アルニコ2はアルニコ5よりも磁力が低いため、その分ギター弦を引っ張る力が弱いとも言えます。つまりアタック時に弦振動を損ないにくく、ナチュラルなサスティーンを得ることが出来るのです。

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また低出力ピックアップは長年弾きこんだ楽器のように、角の取れた滑らかなトーンを再現しやすくなります。これらの利点が重なり合うことで、クランチ程度に歪ませたアンプではボリュームポットへの高い追従性を発揮です。

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ギター本体のボリュームを絞るだけで、歪みと美しいクリーントーンを使い分けることを可能としています。

管理人

ボリュームポットでゲイン操作をするプレーヤーは試す価値有り!

逆巻き逆磁極仕様のネックモデルとセット利用推奨!

APTL-1は伝統的な素材とルックスを重視した構成となっており、配線材はワックス仕上げのクロスプッシュバックワイヤーです。

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そしてサンドキャスト・アルニコ2ロッド・マグネットに、銅メッキ加工のスチール製ボトム・プレートがあてがわれています。仕上げに真空ワックスポッティングを行うなど、ハウリング対策も万全です。

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👆  APTR-1 Alnico II Pro Tele Neck

Alnico II Pro Teleはネック用モデルとして、RW/RP(逆巻き/逆磁極)仕様APTR-1がラインナップされています。APTR-1はボトム・プレートが無い分、深絞り加工が施されたクロームメッキ真鍮カバーを標準搭載です。

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アルニコ2の自然な弦振動を保つには、ブリッジもネックもAlnico II Pro Teleで揃えた構成がベストとなります。

管理人

本記事ではブリッジ用APTL-1の倍音特性や歪ませた際の周波数特性を解析!

マグネットの差が分かりやすいように、アルニコ5搭載のダンカン製STL-1と比較検証しました!

比較対象となるSTL-1のレビューはコチラ!

公表データの確認:Seymour Duncan APTL-1 Alnico II Pro Tele Bridge

公表データの確認:Seymour Duncan ( セイモアダンカン ) APTL-1 Alnico II Pro Tele Bridge _ SEYMOUR DUNCAN 通販|サウンドハウス

ブランド:Seymour Duncan ( セイモア・ダンカン )

モデル:Alnico II Pro Tele Bridge (Classic Telecaster Pickups)

型番:APTL-1

マグネット:アルニコ2 (Alnico II Rods)

直流抵抗値:6.6kΩ

アウトプットタイプ:Vintage

出 力:4.2

トーンチャート:低音域 5 / 中音域 2 / 高音域 5

レゾナントピーク:8.5kHz

ワイヤー:Cloth Push-Back

APTL-1の倍音特性 (C3/130.813Hz)

まずはクリーンにセットしたアンプを通し、APTL-1のC3倍音(5弦3F)を解析です。

Seymour Duncan ( セイモアダンカン ) APTL-1 Alnico II Pro Tele Bridge 倍音特性 (C3/130.813Hz) 波形
APTL-1 倍音特性 (C3/130.813Hz)

アルニコ5のSTL-1と比較した場合、基音も倍音もほぼ全域で出力 (縦軸) が控えめに計測されています。ただし倍音が計測された帯域 (横軸) に大差はなく、高次倍音に関してはむしろAPTL-1の方がレンジが広がる傾向です。出力に関しては磁力の低さが、レンジの広さは弦振動を損なわぬ自然なサスティーンが影響していると推察します。

それでも2.5~2.7kHz付近の倍音は出力が非常に高めで、テレキャスター特有のダイナミクスやトゥワングは健在です。400~2kHzの帯域と3kHz以降の帯域は出力の低さに加え、出力が均等になりやすく幾分コンプレッションが感じられます。このコンプレッションが奇数次倍音を弱めている側面もあるため、APTL-1独自の暖かさと音の丸みを演出です。

管理人

突出した奇数次倍音が無く、控えめかつ均等な倍音が丸く暖かい音色の秘密だね!

帯域によりダイナミクス感とコンプ感が混在するのはテレキャスターとしては不思議な弾き応えかな?

STL-1の倍音特性 (C3/130.813Hz)

Seymour Duncan ( セイモアダンカン ) STL-1 Vintage ’54 Tele Bridge 倍音特性 (C3/130.813Hz) 波形
STL-1 倍音特性 (C3/130.813Hz)

おおよその倍音の波形はAPTL-1に近いですが、400~2kHzの帯域と3kHz以降の帯域は出力が高めとなっています。基音以下の非整数倍音が控えめで低音は引き締まっており、音程を感じさせぬ弾力感のあるAPTL-1の低音とは対照的です。

部分的に発生する突出した奇数次倍音は、テレキャスターの鋭く切り込むダイナミクスを後押ししています。音に雑味がなくコンプレッション感は控えめで、尚且つ明瞭な高音はステレオタイプ的テレキャスターサウンドだと言えるでしょう。

C3倍音特性波形の周波数目安

左端の山(中央灰色線)が基音のC3(130.813Hz)
偶数次倍音:第2倍音(261.626Hz)、第4倍音(523.252Hz)……
→ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も
奇数次倍音:第3倍音(392.439Hz)、第5倍音(654.065Hz)……
→金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない

APTL-1のクランチ周波数特性

続いてアンプを軽く歪ませた、クランチサウンドの周波数特性を確認です。

Seymour Duncan ( セイモアダンカン ) APTL-1 Alnico II Pro Tele Bridge クランチ 周波数特性 波形
APTL-1 クランチ 周波数特性

クランチではクリーンよりも音の弾性が感じられ、柔らかく刺の無い歪み方となっています。歪みの粒が細かいというよりも、滑らかな歪みと評する方が近いかもしれません。

周波数的には倍音特性が如実に反映されているのか、テレキャスターとしては400~7kHz付近が低めの値です。低音は200Hz付近1点に集中しつつ、その前後の帯域はSTL-1よりも削がれた波形となっています。

トーンチャートの低音はAPTL-1が5に対しSTL-1は3であるものの、200Hzの前後の帯域が強いSTL-1の方が優位に立てる模様です。おそらく高音の伸びがSTL-1よりも控えめな分だけ、相対的にAPTL-1は低音が目立ちやすくなるという公式判定なのでしょう。

7kHz以降の高音や超高音はSTL-1との差が小さく、程よい低音と空洞的な中音へ艶と明るさを与えるように作用しています。

STL-1のクランチ周波数特性

Seymour Duncan ( セイモアダンカン ) STL-1 Vintage ’54 Tele Bridge クランチ 周波数特性 波形
STL-1 クランチ 周波数特性

STL-1は低音のピークとなる200Hzを除き、広い帯域でAPTL-1よりも高い値を記録です。とりわけ1.5k~4kHzの伸びは圧巻で、芯の通った低音と合わさることでシャリっとした粒立ちの良いクランチを奏でています。両モデルを聞き比べるとSTL-1の方がパツンと音が爆ぜる感触が強く、APTL-1は甘やかで優しいドライブです。

APTL-1のオーバードライブ周波数特性

最後にアンプで深く歪ませた、オーバードライブ時の周波数特性を確認します。

Seymour Duncan ( セイモアダンカン ) APTL-1 Alnico II Pro Tele Bridge オーバードライブ 周波数特性 波形
APTL-1 オーバードライブ 周波数特性

APTL-1はゲインを上げるほど波形がトーンチャート通りの形状に変化し、中音は広範囲で深い谷間を形成です。200Hzをピークとして~1.7kHz付近まで波形が急降下し、クランチの時よりも中音に強烈な空洞感のある歪み方となります。

2.5~2.7kHz付近に再度ピークが出現するのは倍音特性そのままで、STL-1ほどではないもののバイト感のある中高音です。極端に深く歪ませることは出来ないものの、絹糸のように伸びる良好なサスティーンが味わえます。

STL-1のオーバードライブ周波数特性

Seymour Duncan ( セイモアダンカン ) STL-1 Vintage ’54 Tele Bridge オーバードライブ 周波数特性 波形
STL-1 オーバードライブ 周波数特性

STL-1も中音は広範囲で谷間となっていますが、APTL-1よりは緩やかで2.5~2.7kHz付近のピークの値が高めです。中高音~高音が良く伸びるだけでなく低音も安定しており、ザクっと切り込む鋭さと粒の硬質さを備えた歪み方となります。

往年のロックやブルース、カントリーでは良く耳にする歪みにつき、タフなリードプレイや高速カッティングなどと好相性です。

各周波数特性波形の周波数目安(左から順に)

赤線:100Hz,200Hz
橙線:400Hz,800Hz
桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz

Seymour Duncan APTL-1 Alnico II Pro Tele Bridge まとめ

APTL-1は伝統的な素材とルックスを保ちつつ、テレキャスター固有の『音の刺』丁寧に磨いて丸めたサウンドが楽しめます。ダイナミクスやトゥワングのニュアンスはそのままに、アルニコ2のナチュラルな弦振動が甘美な響きを具現化です。

Seymour Duncan ( セイモアダンカン ) APTL-1 Alnico II Pro Tele Bridge まとめ

アルニコ5よりも滑らかな高音のレスポンスが、弾き込み続けた楽器のように暖かく優しいトーンを再生します。テレキャスターのタイトな音色とブライト感を和らげたいプレーヤーなど、柔軟性溢れる音色を求める場合には最適なモデルです!

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APTL-1 Alnico II Pro Tele Bridge (ブリッジ用)

APTR-1 Alnico II Pro Tele Neck (ネック用)

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