ERNIE BALL 9638 レビュー|テイルピースダンパーでギターの音を引き締める

👆 ERNIE BALL 9638 テイルピースダンパー レビュー!
目次
本日もギタいじへようこそ!ハジメマシテな君は『コチラ』をチェック!とっても長い記事なので気になる所だけ読んでも全然OKだぜ!
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ERNIE BALL 9638 ブリッジより後方の弦振動を抑え音が引き締まるテイルピースダンパー!
今回は ERNIE BALL (アーニー・ボール) より、9638 String Dampener Guitar Tailpiece をレビューします。通称テイルピースダンパーと呼ばれる9638は、ブリッジより後方の弦振動を抑えるラバー製ミュートアクセサリーです。
テイルピース (テールピース) 搭載エレキギター、特にフローティングトレモロで多発する不快な共振や残響音を効果的に除去できます。本来鳴らないはずの弦振動を抑えることで音の輪郭が明瞭に際立ち、ナチュラルに減衰するサスティーンを再現可能です。
9638はフローティングトレモロのみならずTOM&ストップテイルピースやブランコテイルピース、Bigsbyなど、ブリッジ後方で弦の共振が発生しやすい構造のギター全般に対応します。7弦ギターや8弦ギターにも対応しているため、幅広いエレキギターの共振対策として重宝することでしょう。

ギタいじでは通常タグ等も含め『テールピース』と表記していますが、メーカー表記に従い本記事では『テイルピース』に統一しています
構造的に不要な弦振動が鳴りやすいブリッジとテイルピース間
テイルピースとセットで使用されるブリッジは、多くがボディ側に直接固定されていない構造です。ブリッジは弦を張った際にサドルにかかるテンションだけで固定されているので、弦を弾くとサドルが大きく振動してしまいます。
同様にテイルピースも完全に固定されている訳ではなく、互いに干渉し合うことで不要な振動やパーツ類のガタつきを招くのです。結果的に不快な共振や残響音を発生させ、楽器本来の持つ弦振動を損なったりノイズを誘発する要因となります。

余談ですが某有名海外ギタリスト氏はe-bayで入手したギターのブリッジに対し、溶かした蝋を注いで固めるというゴリ押しの方法で共振対策を行っていました(2006年頃に実際に見た)

オクターブ調整ができなくなるので素人にはおススメできない
現代の音楽シーンにマッチしたサウンドを実現
ジャガーやジャズマスター、ムスタングでは共振こそ楽器の味と捉えるプレーヤーがいる反面、共振対策に頭を悩ませるプレーヤーが多いのも事実です。また複雑な音と楽器を織り交ぜたサウンドが再現できる現代の音楽シーンでは、不快な共振を抑えたクリアなギターサウンドが求められるようになりました。
ERNIE BALL 9638 テイルピースダンパーは専用工具を必要とせず、弦を張った状態でも簡単に脱着可能なユニバーサルデザインを採用しています。構造的に解決が難しい共振が発生するポイントへ装着するだけで、手軽に引き締まったギターサウンドを実現です。
ライブなど大音量での演奏環境を筆頭に、スタジオリハーサルやレコーディング、DTMの宅録でも優れた効果を発揮します。暴れ過ぎる倍音を抑える効果も期待できるため、バンドサウンド内で全体のバランスを重視した音作りをサポートです。

アンプやイコライザーの調整だけでは対処不可能な問題を、無改造かつお手頃価格で解決できるナイスなアイテムだよ!

一昔前は『帯域の譲り合い』が主流だったけれども、今は他の楽器に譲れるほど空間に余白が無い音数の多い楽曲が増えちゃったからね……
ERNIE BALL から音を引き締めるラバーアイテム多数発売中!
ERNIE BALLでは9638 テイルピースダンパーの他にも、手軽に引き締まったサウンドを得られるミュートアクセサリーが多数発売されています。
Mute Noodleはブリッジサドル付近に装着することで、ラバーブリッジギターのようなサウンドに変化するミュートアクセサリーです。帯状の構造が特徴で9636がギター用ブリッジミュート、9637がベース用ブリッジミュートとなります。
9639 トレモロスプリングダンパーはトレモロスプリング搭載ギターにおいて、スプリング由来の共振を防ぐラバーキャプです。前回ギタいじで詳しくレビューした通り、フローティング設定のトレモロブリッジにおいて優れた音質改善効果が期待できます。
9640 ヘッドストックダンパーはエレキギターとエレキベース両対応で、ヘッド側の共振を抑えるミュートアクセサリーです。フレットラップに近い役割を果たし、ナットとペグ間で発生する軋むような音や耳障りなノイズを制御できます。
9641はヘッドストック用ピックホルダーですが、柔らかいラバー製なので装着している弦のみ9640に近い効果が期待できるのです。両側面に設けられたスリットへ2本の弦を挟むようにセットすることで、ピックを1枚ずつ翼のように固定できます。
これらの商品は全てラバー素材を用いて不必要な共振を抑え、現代の音楽シーンに即した引き締まったサウンドを創出です。ラバー製品はラッカー塗装の楽器全般に不向きであるものの、速効性の高い共振対策で快適な演奏環境を手助けしてくれます。

本記事でERNIE BALL 9638 テイルピースダンパーを詳しく掘り下げていくよ!

ブリッジとテイルピース間で『ふぉ~ん……』『ピキィン!』と鳴ってしまう愛機を救いたい方は要チェック!
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外観
ERNIE BALL 9638は本体の入った透明な袋を、ヘッダー付きの厚紙に直接ホチキス止めした簡素なパッケージを採用です。

同社製エレキギター弦のパッケージをイメージした配色で、POWER SLINKY #2220と同じ紫色を基調としています。

パッケージ裏は商品説明が英語で記載されており、英語が分からなくても感覚的に装着方法が分かる図解イラスト付きです。

1セットあたり2個入りで1個につき最大4本の弦にセットできるため、6弦ギター、7弦ギター、8弦ギターに使用できます。
パッケージ裏説明書日本語翻訳
ERNIE BALL 9638のパッケージ裏に書かれている使い方について、日本語翻訳文を下記に掲載です。
GUITAR STRING DAMPENER TAILPIECE
Reduce unwanted overtones and ringing from strings beyond the bridge while enhancing note clarity and sustain.
Reduces unwanted string noise and overtones behind the bridge
Designed for 6, 7, & 8-string guitars
Easy to install and remove
ギターテイルピースストリングダンパー
ブリッジ以降の弦からの不要な倍音や鳴りを低減し、音の明瞭さとサスティン性を向上させます。
・ブリッジ後方の弦の不要なノイズと倍音を低減
・6弦、7弦、8弦ギター用に設計
・取り付けと取り外しが簡単
細部の仕上がり
ERNIE BALL 9638はパッケージに中国製と表記されており、同ERNIE BALLのストラップブロックに近いラバー素材が使用されています。ストラップブロックも中国製と公表されている点から、共通の工場で生産されている商品なのかもしれません。

使用されているラバー素材は柔軟性が高く扱いやすい反面、幾分ウェットな質感なので小さな埃が付着しやすいです。楽器用クロスで拭いても余計に埃や繊維くずが付着してしまうので、お手入れする際は粘着テープなどを利用しましょう。

本体形状は陸上トラックのような角丸長方形ですが、裏面と側面に弦を通すための複雑なスリットが設けられています。想像以上にスリットの加工が複雑なので部分的に脆い箇所があり、極端に力を入れて曲げると簡単に折れてしまうかもしれません。

表面にはデボス加工によるERNIE BALLのブランドロゴ入りで、管理人の個体は2個の内1個だけロゴの仕上がりが乱雑でした。音質に影響を与える要素ではないものの写真映えが良いとは言えないため、気になる方は店頭で実物をご確認の上でお求めください。

柔軟性は高いけれども頑丈な構造ではないので丁寧に扱ってね!
仕様
ERNIE BALL 9638はユニバーサルデザインを採用し、ブランドやギターモデルを問わず多くのフローティングトレモロに無加工で装着可能です。Fender系のフローティングトレモロを中心に、TOM&ストップテイルピースやブランコテイルピース、Bigsby、ビザールギターなどの特殊設計ブリッジにも使用できます。

加えてテイルピースダンパーという名称に反し、テイルピースを搭載していないTOM+裏通し構造のエレキギターに使っても問題ありません。ギタいじで紹介したギターではGuild SURFLINER、Blackstar CARRY-ON、SPEAR GUITAR VANQUISH JAVELINなどに該当です。

使用できるギター弦のゲージは公表されていないため、ERNIE BALLのSLINKYシリーズを使って実際に確認してみました。ミュート効果が期待できる最も細いゲージはZIPPY SLINKYの1弦 (.007) まで、最も太い弦は8 STRING SLINKYの8弦 (.074) までとなります (エレキベース3弦相当の.080になると厳しい) 。

本体にラバー素材を使用しているので、ラッカー塗装が施されているギターには装着しない方が賢明です。塗装面に直接触れる装着方法ではないものの、装着する際に弦と本体が接触して削れたラバー素材が付着する可能性があります。
寸法


ERNIE BALL 9638の本体寸法は最大横幅約44mm、縦幅約16mm、厚さ約8mmです。重量は1個あたり5.3g前後と軽く、装着する弦のうち最も太い弦をロゴのE側に、最も細い弦をロゴのL側に装着します。
テイルピースダンパーの適合性

過去にギタいじでレビューしたギターを使い、ERNIE BALL 9638の適合性を確認しておきました。
ARIA RETRO-1532J (フローティングトレモロ)

1960年代に発売されたARIA 1532Tをもとに、独自のフローティングトレモロとTOMを組み合わせたリバイバルモデルがARIA RETRO-1532Jです。アームの配置が1-2弦間なので、アーム操作時に干渉しない位置へ9638を装着する必要があります。
YAMAHA REVSTAR RSE20 (TOM&ストップテイルピース)

REVSTAR RSE20ではレスポールなどと同じく、TOM&ストップテイルピースを採用です。スペースは限られますが、サドル側の限界近くまで寄せることで9638を2個装着することができます。
Guild SURFLINER (TOM&裏通し)

Guild SURFLINERは先述のテイルピースを使用しない裏通し構造のエレキギターで、ブリッジはTOMを採用です。9638がボディトップに接触するとボディ側の振動までスポイルされるため、TOM側に寄せた位置に装着します。
ZUWEI カスタムショップシリーズ (Bigsby B50系統のコピータイプ)

低価格帯ギター御用達、Bigsby B50を元にしていると推測されるショートサイズのテンションバー付きアームユニットです。テンションバーより後方に使用しても適切な効果が得られないので、テンションバーとTOMの中間に装着します。
取付け
ここからはフローティングトレモロを搭載したARIA RETRO-1532Jを例に、ERNIE BALL 9638の使い勝手などを確認です。パッケージ裏におおよその装着方法が記載されていますが、どのように弦へ引っ掛けるのかが分かりにくいかもしれません。

9638は同時に4本の弦を跨ぐように装着するので最初は細い弦3本に引っ掛けながら真横へスライドし、残った1本は本体を弛ませて押し込むように装着します。

装着スペースに余裕がある場合は斜めに4本の弦を同時に引っ掛けて、一番細い弦を起点に回転させるようにスライドしてもOKです。

続いて2個装着するうち、1弦側と6弦側の個体を前後どちらに配置するのかはパッケージに倣うのが良いと思われます。共振抑制効果はブリッジに寄せるほど高くなるため、細くて共振しやすい1弦側をブリッジの近くにセットするのが基本形です。

6弦ギターに使用する場合は1弦側も6弦側も3弦と4弦が重複するので、必然的に共振抑制効果が他の弦よりも高くなります。フェンダースタイルのシングルサイドヘッドは3弦が共振しやすいこともあり、思いのほか理にかなった構造だと言えるでしょう。

装着方法は覚えれば簡単だけれど、癖が強いので結構慣れが要るよ!
フローティングやアーミングへ与える影響
ERNIE BALL 9638はラバー素材なので弦にピタっと密着するような装着感ですが、演奏やアーミングに与える影響はほとんど感じられません。アーミング時に突っ張るような違和感は無く、装着後しばらく使用しても弦高やフローティングに変化はありませんでした。

重量は1個当たり5.3g程度と軽いため、9638を装着した後にブリッジ周りの調整は原則不要です。アーミングで干渉する位置に装着することを避ければ、特に問題なく普段通りの演奏ができます。

注意点としては構造的に脆いので、装着位置を調整する際に弦を強く擦り付けないようにしましょう。細いプレーン弦に力を入れて本体を押し付けると、ゆで卵カッターのように簡単に切れてしまう恐れがあるためです。

丁寧に扱ったとしても何度も脱着を繰り返すうちに、本体の耐久力が低下して破損する可能性もあります。演奏性に与える影響は少ないので、脱着時や位置調整時に強度の低さを考慮した取扱いに注力する方が良いでしょう。

ERNIE BALLのミュートアクセサリーでは最もデリケートな構造かもしれないね

初見で上手く装着できなくて壊してしまう人が一定数いるかも……?
サウンド
最後にERNIE BALL 9638装着前後における、ギターサウンドの変化を実測データを交えつつ確認です。元来共振が目立つギターに使用した場合、ERNIE BALL 9638の効果は生音だけでもすぐに変化を感じ取れます。

ただし具体的な音色の変化については、アンプからある程度大きな音量で出力しないと効果を実感しにくいかもしれません。エフェクター使用時や歪ませた設定では効果が極めて高く、共振由来の濁りが消えてクリアなサウンドを再生可能です。

フローティングトレモロ『らしさ』は失われますが、その『らしさ』をデメリットと捉えていたプレーヤーにとっては速効性の高い音質改善効果が得られることでしょう。勿論フローティングトレモロ固有の共振を上手く自身のギターサウンドに落とし込めているプレーヤーは、9638を無理に使用する必要性はありません。

9638装着後は音の抑揚が際立つのでギターサウンドの表情が豊かになり、ダイナミクスを活かしたプレイに好影響を与えます。倍音は必要以上に暴れることがないため、装着前よりも洗練された音の響きや自然なサスティーンが実に良い塩梅です。
本記事ではギターサウンドに与える影響として、倍音特性、周波数特性、サスティーン、音の立ち上がりを検証しました。計測に使用した機材につきましては、本項の最後にまとめて掲載しています。

音質計測用のギターには引き続きARIA RETRO-1532Jを使用しているよ!
倍音特性 (生音 A2/110.00Hz)
倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦のスペクトラムを採用です。DIのみを通した無加工の生音にて、ERNIE BALL 9638の有無による共振・倍音対策の効果を明確にします。
1.ERNIE BALL 9638 無し

2.ERNIE BALL 9638 有り

3.ERNIE BALL 9638 無し→有り 交互表示

ERNIE BALL 9638を装着する前は全体的に非整数倍音が強く、基音の前後の帯域は音程を感じさせぬ重さを感じる程に主張していました。装着後は非整数倍音が大幅に抑えられており、基音がクッキリと際立つ明瞭度の高いトーンに変化です。
第4倍音以降の倍音は出力 (縦軸) が微減しつつ、倍音が計測された帯域 (横軸) も狭まっています。音量を増幅すると他の楽器に干渉する倍音が抑制されているため、複数の楽器を同時に鳴らす楽曲でも存在感を発揮できるギターサウンドです。
倍音特性波形の周波数目安
左端側の太長い山(中央赤色線)が基音110Hz
偶数次倍音:第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)、第6倍音(660Hz)……
→ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も
奇数次倍音:第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)、第7倍音(770Hz)……
→金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き
非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
周波数特性 (歪み)
Hughes&Kettner SPIRIT OF Rockで歪ませたサウンドを使い、ERNIE BALL 9638の有無における周波数特性を比較します。SAGGINGは2時、TONEは10時、GAINは0時、MASTERはオーバーロードしないように調整です。ローフレットで同一フレーズを繰り返し、平均的なスペクトラムを算出しました。
a.ERNIE BALL 9638 無し

b.ERNIE BALL 9638 有り

c.ERNIE BALL 9638 無し→有り 交互表示

ERNIE BALL 9638装着前は260Hz付近を中心としながらも、80Hz付近の低音と400~600Hz付近の中音が前に出やすい周波数特性でした。基音の前後の帯域で非整数倍音が高く計測されている点が影響し、中心周波数以外の帯域に『音のムラ』を感じるかもしれません。
装着後は波形のピークが260Hz一点に集中しており、80Hz付近の低音と400~600Hz付近の中音が低めの出力に変化しています。中心となる帯域が散らばらない分だけピークカットなどの調整が容易で、必要な帯域だけが前に押し出されるクリアなディストーションサウンドです。
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤枠線:100Hz,200Hz
橙枠線:400Hz,800Hz
桃枠線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
サスティーン (生音)
サスティーンはDI直で開放弦Eコードを1ストローク鳴らし、出力が0になるまでの時間を計測します。ERNIE BALL 9638装着前のサスティーンを基準に、装着後と比較して±何%音伸びが変化するのかを確認です。
なお人力でもデータ精度を上げるため、えげつない回数のストロークを繰り返しました。計測された各サスティーンデータを元にして、平均%、最小%、最大%の3通りを算出しています。
平均:-0.1%
最小:+11.1%
最大:-12.4%
公式に『本来のサスティーンを最大限に引き出す』と説明されている9638は、サスティーンを大きく伸ばす効果はありません。ブリッジのブレやがたつきが招く共振によりスポイルされる弦振動を最低限に抑え、サスティーンが『低下しないように』機能するのです。
装着後のサスティーン最小値は+11%超を記録するなど、極めて安定感が高くサスティーンの再現性に秀でています。一方最大値は-12.4%も低下していますが、これは共振が弦振動をスポイルするだけでなく『共振が止まらず音が伸びてしまう』ケースもあるためです。
フローティングトレモロを使っている方は、稀に細長い音が異様に長く続く現象に遭遇したことがあるかと思います。9638はそういった共振由来の音伸びもカットするため、どうしても出力が0になるまでの最長時間が短くなる傾向にあるのです。
その分平均値は-0.1%とほぼ0の範疇に収まっており、不自然に音が伸びることも不自然に音が途切れることも少なくなります。即ち本来楽器に期待されている自然なサスティーンを、常に一定の長さで再現できるようになるとお考えください。
サスティーン 後半10秒 周波数特性 (生音)
ERNIE BALL 9638を使用しない状態で発生する気まぐれなロングサスティーンは、共振由来の音なので総じて『か細い音』に聞こえるはずです。ERNIE BALL 9638を使用すると最大サスティーンは短くなりますが、太い音の持続時間自体は長くなる印象があります。そこで出力が0になった地点から10秒間遡った音を計測し、周波数特性を比較してみました。
A.ERNIE BALL 9638 無し

B.ERNIE BALL 9638 有り

C.ERNIE BALL 9638 無し→有り 交互表示

ERNIE BALL 9638無しの状態のサスティーンは全体的に出力が低く、音の太さに直結する400~600Hzがかなり低い値です。ERNIE BALL 9638有りの状態では出力が高く計測されており、400~800kHzにかけて高い数値を記録しています。
中音の出力が高いとフィードバックを拾いやすいため、フィードバック奏法を駆使するプレーヤーには優位に働きそうです。更に出力が0になるまで太く暖かい音を維持しやすいので、より自然なサスティーンの減衰を味わうことができます。

純粋な音の長さだけでは優劣を判断できない音の変化があることに注目しよう!
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤枠線:100Hz,200Hz
橙枠線:400Hz,800Hz
桃枠線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
音の立ち上がり
サスティーンの計測と平行して、音の立ち上がりについても調査しました。ERNIE BALL 9638有りの状態は無しの状態と比較して、平均して0.5ms (0.0005秒)ほど立ち上がりが鈍くなることを確認です。0.5msの変化を計測機器無しで感知するのは非常に難しく、立ち上がりに大きな変化は無い、あるいは極僅かに鈍くなると考えて良いでしょう。
フローティングトレモロの立ち上がりを高速化
ERNIE BALL 9638はあくまで共振を抑えることを目的としているため、弦を弾いた際にブリッジがブレることを防ぐ効果はありません。立ち上がりの高速化にはブリッジのブレを抑えることが必須につき、ロック式スタッドを搭載したTOMやサドルがブレにくい構造を持つブリッジの導入が必要となります。

Freedom Custom GuitarのLockable BridgeやMastery Bridgeなどは立ち上がりの改善に効果覿面!
計測に使用した機材一覧
ギター:ARIA / RETRO-1532J
使用PU:ARIA / VLS-1b (ブリッジ純正単独)
使用弦:ERNIE BALL / Super Slinky #2223
使用ピック:GRAVITY / Striker GSRS2P-RH
ストラップ:ARIA / SPS-2400PA
シールド:ARIA / JG-10X (10ft/3m, S/S)
マイクケーブル:Amazon / CLMIC1-M-F-10FT-5P×1
ギターアンプ:Hughes&Kettner / SPIRIT OF Rock
思うような効果が得られない場合
エレキギターの種類やハードウェア構成、使用年数の兼ね合いによって、フローティングトレモロの共振発生ポイントは様々です。共振発生ポイントによってはERNIE BALL 9638を適切に装着しても、思っていたほどの共振・倍音抑制効果を得られない場合があります。

ERNIE BALL 9638が効果を発揮できるのは、ブリッジとテイルピース間の『弦』に発生する共振のみです。ブリッジスタッドの消耗によるガタつきや内部スプリング起因の共振、テイルピースを固定するプレート起因の共振には効果がありません。

ジャガーではミュートシステムの経年劣化で共振を招くことがあり、イモネジやオクターブ調整ネジの消耗も共振の要因となります。ムスタングではトレモロの支点となるナイフエッジポイントが盲点で、消耗によってグラつきやガタつきを誘発しやすいです。

当然ながら共振の発生源がブリッジではなくネック側にある場合は、ERNIE BALL 9638を使用する意味がありません。エレキギターには共振を誘発する要素が多数存在するため、まずは共振発生ポイントがブリッジ後方の弦であることを見極めましょう。
まとめ
ブリッジとテイルピース間の弦に発生する不快な共振を抑え、クリアかつ引き締まったギターサウンドを手軽に得ることができます。同時に出力の高過ぎる倍音を適度にカットすることができるので、バンド内で埋もれず前に出過ぎないバランスの取れたサウンドメイクをアシストできるアイテムです。

ラッカー塗装には不向きで装着方法も多少慣れが必要ですが、フローティングトレモロのみならず多彩なテイルピースや裏通し構造のギターに活用できます。安定感溢れるナチュラルなサスティーンの再現性も心地よく、低価格ながらも共振・倍音対策として優れた効果が期待できる便利なミュートアクセサリーです!
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