Blackstar CARRY-ON レビュー！小さくても爆音な一体成形トラベルギター！【世界一詳しいギターレビュー】

2022年9月30日2024年11月26日トラベルギター,ミニギター,ショートスケール,CARRY-ON,CARRY-ON STANDARD PACK,ギター,低IQ記事,星柄,安ギター,ポータブルギター

👆 極小なのに爆音なトラベルギター Blackstar CARRY-ON STANDARD PACK レビュー！

目次

本日もギタいじへようこそ！急ぎの人は開封の儀から読もう！ハジメマシテな君は『コチラ』も見てね！

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Blackstar CARRY-ON STANDARD PACK 他に何もいらない究極のトラベルギターセット！

ここはギターいじリストのおうち

……の管理人が住んでいるおうち

そしてここは、管理人のおうち音楽室

－ 物語はここから始まる －

🧠「ピュアな読者様からの質問メールだとぉ！？」

どういった動機で購入しているのか

理解不能です。

※斜体太字原文ママ、ご本人了承済み（匿名希望）

管理人が機材を購入する基準はいつもひとつ！

100％天の声です！

迷惑なことに直通で神々の声が届きます。

初代GTO視聴中に安ギ神の天啓を授かりました。

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか_Prime Video

🧠「神様の声が聞こえたああああああああああああああああぁぁぁぁぁッ！！」

🧠「これだ……！！！！」

👇

🧠「これだああああああああああああああああああああああ！！！！」

という訳で今回も純度100％の天啓により、

Blackstar CARRY-ON を購入＆レビューです💖

Blackstar CARRY-ON は527mmスケール採用の極小フォルム！

Blackstar Amplificationはお馴染み、イギリス発のアンプ＆エフェクターメーカーです。高品質かつ価格を抑えた製品が好評を博し、近年は低出力アンプも多数展開しています。

CARRY-ONはBlackstarでは珍しく、現行品唯一となるエレキギター本体です。分類としてはトラベルギターで、Gordon Smith Guitars UK共同開発となっています。

一目見た瞬間網膜に焼き付く極小サイズに、ビザールライクなフォルムが印象的ですね。特筆すべきポイントとして、CARRY-ONは一体成形オクメ材を採用しています。

トーンウッドのオクメを単板で使用し、実にナチュラルなセットネックを構築です。また527mmの変則ショートスケールにより、全長は僅か765mm程に収まっております。

Blackstar CARRY-ON はフルサイズに負けないサスティーンと演奏性！

ボディとネックは単一のビレットで、全体の木目は均一かつ接着剤の使用は最小限です。更にストリング・スルー・ボディ構造が加わり、ロングサスティーンを実現しています。

ギター弦の太さにも拘りがあり、D’Addario Heavy 12-54 EXL145を標準搭載です。極端に短いスケールのテンション不足を、ヘヴィーゲージが上手く補正してくれます。

各パーツも標準以上の品質を誇り、搭載されたミニハムバッカーもハイパワー仕様です。故にCARRY-ONの音伸びと演奏性は、フルスケールギターと比べても遜色ありません。

運搬性にルックスと音質、演奏性を備えた、新世代トラベルギターに仕上げられています。

その場で即座に楽しめるCARRY-ON STANDARD PACK！

CARRY-ONはいつでも演奏できるをモットーに、3種のパックから選択可能です。基本となるのが『Carry-on Guitar 本体のみ』で、こちらはケースが付属します。

『CARRY-ON STANDARD PACK』は本体とケースに、ヘッドフォンアンプ『amPlug2 FLY』など6種+αの付属品がセットとなるバリューパックです。

『CARRY-ON DELUXE PACK』はケースがグレードアップし、ミニアンプ『FLY 3』やシールドなど7種+αの付属品がセットになります。

ただし国内通販では本体単体の販売は確認出来ず、パック販売のみとなる模様です。色はブラックとヴィンテージホワイトで、それぞれバインディングも異なります。

ブラックはクリームカラー、ヴィンテージホワイトは鼈甲のバインディングです。

CARRY-ONの各パックが手元にあれば、即座に演奏環境を整えることが出来ます。旅行や出張のお供として、本格派のサウンドと演奏性は大きな味方となるでしょう。

開封の儀：Blackstar CARRY-ON STANDARD PACK トラベルギター

かつてBlackstarの輸入代理店は神田商会でしたが、2018年3月よりKORGとなっています。

取扱い楽器店はそれほど多くなく、店舗毎に価格差が大きいことを確認です。通販にて購入を検討する際は、必ず各店舗の販売価格の確認を推奨します。

商品は160サイズの段ボールで到着したため、想像していたよりも大型に感じました。

……というのはフェイントで、

段ボールの中からセットパック専用の外箱が降臨です。CCARRY-ONの各パックは販売店が付属品を詰め込むのではなく、文字通りパッケージ販売となります。

外箱を開封すると、内部は本体が動かないようにトレイ式段ボールで仕切られています。

ギター本体はケース内で気泡緩衝材に包まれており、輸送時の衝撃対策は万全です。

専用ケース

付属のケースはTravelcaster Deluxeよりも小型ですが、意外にも丈夫そうな印象です。クッション材は表と裏面だけでなく、ケース側面全てを覆うように保護されています。

厚みも適度にあり、ネックヘッド付近にはネックレストも搭載です。各部縫製もしっかりしているため、糸のほつれや裁断ミスなども見当たりません。

運搬方法は側面ハンドルの他、ショルダーベルトとヘッドグリップが用意されています。

ハンドルとショルダーベルトは厚手のパッド入りで、運搬性に考慮されている設計です。

収納ポケットは表面に1つ、裏面に大小2つで付属品の収納を兼ねています。

付属品

付属品一覧については、下記にBlackstarの日本語版公式サイトより引用です。

・BLACKSTAR CARRY-ON TRAVEL GUITAR (ホワイト、またはブラック)

・受賞歴のあるamPlug2FLYヘッドフォンアンプ

・丈夫な生地にショルダー・ストラップ、複数のポケットを備えたプレミアム・ギグバッグ

・BLACKSTARウェビング・ギター・ストラップ

・BLACKSTARロゴ入りピック（ミディアム）×3枚

・アイディアや歌詞を書き留められるトラベル・ノート

・BLACKSTAR 0.5MMシャープペンシル

引用：キャリーオンギター-BlackstarAmps Japan

一見すると豪華ですが、実物を前にするとアンプ以外は抱き合わせ感があります。ひとまずSTANDARD PACKに付属するアイテムを、本体とケースを除いて1つずつ確認です

受賞歴のあるamPlug2FLYヘッドフォンアンプ

付属品の中でメインとなるのは、何と言ってもamPlug2FLYに尽きると思います。CARRY-ONはコンパクトサイズですがアンプ内蔵ではなく、単体では出音が不可能です。

屋外で演奏する際には、どうしても電池駆動のアンプが別途必要となります。amPlug2FLYは3種のドライブチャンネルに、コーラス、ディレイ、リバーブを内蔵です。

3種のエフェクトは3つのプリセット付きで、合計9種のエフェクトを選択出来ます。AUXインで外部音源を使用出来る点も嬉しく、Blackstar特有のISFもバッチリ搭載です。

モダンなUSAからクラシックなEUまで、アンプのキャラクターをツマミ1つで調整出来ます。

注意点としてヘッドフォンが必要な点と、接続端子は入力も出力も3.5mm有線限定です。

Bluetoothには非対応につき、ワイヤレスイヤホンを常用している方は注意しましょう。

BLACKSTARウェビング・ギター・ストラップ

何やらカッコいい名称のストラップですが、汎用ナイロンストラップと大差ありません。

調整はアジャスター式で、ストラップエンドにロゴのエンボス加工が施されています。

ロゴ以外はチープな代物につき、Blackstarファングッズ的意味合いが強そうです。

BLACKSTARロゴ入りピック（ミディアム）×3枚

ピックは3枚ともティアドロップ型で、厚さは0.6mm相当のミディアムとなっています。

片面にはBlackstarのブランド名が、もう片面はストラップと同じロゴ入りです。こちらも汎用品にロゴが入ったものにつき、やはりファングッズになると思います。

アイディアや歌詞を書き留められるトラベル・ノート＆BLACKSTAR 0.5MMシャープペンシル

しんがりを務めるのは、オリジナルトラベル・ノートとシャープペンのコンビです。例に漏れずノートはロゴマーク入り、シャープペンはブランド名入りとなっています。

ノートは外装がしっかりしていて、下手な手帳より豪華かつ堅牢な作りです。とは言え演奏中にアイディアを書き留めるには、いささか頑丈過ぎる気がします。

プレーヤー観点としては、

外装が硬すぎて片手開き出来ない構造が致命的です。

シャープペンというチョイスも絶妙に微妙で、日本人ウケを狙ったのでしょうか。管理人位の年齢になると、日常ではシャープペンを使う機会がほとんどありません。

サインレス全盛の世の中ですが、サインが必要な場面はボールペンか万年筆を使います。トラベルという用途を考えても、宿泊施設やキャンプインの際は署名が必要です。

疑問符の残る付属品の選出

ボールペン以前に、トラベルギターのセット内容としてこの2つは必要でしょうか。

仏の台詞で代弁するのならば、

『クソいらない』

ですね。

音楽的実用性は皆無に等しく、ホテルに備え付けのメモ帳とボールペンの方が便利です。トラベルに沿ったテーマとしても、使い勝手や価格面でもベストな選出とは言えません。

なぜベストを尽くさないのか

もしも本セットが流行した場合、付属品が大量にメルカリに流れる未来が想像出来ます。個人的には、シンプルに『Carry-on Guitar 本体のみ』を販売して欲しかった所です。

記載のない付属品として、ブリッジとロッド調整用の工具が2種封入されていました。

基本スペック

ルックス：Blackstar CARRY-ON STANDARD PACK トラベルギター

CARRY-ONは先にも述べた通りビザールな香りが漂う、LP風のボディシェイプを採用です。しかし決して安っぽくはなく、全体を見回しても丁寧な仕上がりという印象を受けます。

ボディカーブは滑らかで、均整の取れたフォルムは身体とのフィッティングが良好です。バインディングはボディとネックだけに留まらず、ネックヘッドまで覆われています。

輪郭線がクッキリと際立つアクセントになっていて、小型ながらも存在感は十分です。一体成形オクメ材の恩恵もあり、ボディバックは木目の違和感がほとんどありません。

ボディエンドからネックヘッドまで、オクメのナチュラルな色合いが楽しめます。高級機さながらの雰囲気からは、CARRY-ONの販売価格が信じられない思いですね。

安ギターにありがちな粗はほとんど無く、クオリティは非常に高いと感じました。

ヘッドシェイプ

ヘッドは先端がなだらかな山状のダブルサイドとなっており、ヘッド角が付いています。

ところがスカーフジョイントは採用せず、グリップ面の見栄えが良いのがポイントです。

スカーフジョイントの境目に難色を示す方も、思わずニッコリする成形となっています。ヘッドトップには購入の決め手となった、Blackstarのワンスターロゴ入りです。

ヘッドもボディ同様に小型で愛らしく、カッコよさと可愛いさが共存しています。テンションバランスもよく考えられており、開放弦やローフレットの触感が抜群です。

フィニッシュ

選択したカラーはボディトップのみで、ヘッドトップは共通のブラックとなっています。塗料はポリエステル系と思われますが、通常の安ギターよりも明らかに薄手です。

接着剤と同じく使用量は必要最低限となっていて、塗料の上から木目が確認出来ます。バフ掛けも綺麗に行われているため、光沢のある艶でボディのエロさがマシマシです。

バックは全面ナチュラルサテン仕上げとなっており、無塗装に近い肌触りが味わえます。価格帯を考慮すると、中々お目にかかれない仕上がりの良さを発揮です。

ハードウェア

ハードウェアはボディカラーによらず、全て共通のパーツ（一部色違い）が採用されています。

ピックガードとエスカッションは、いずれもブラック1プライのプラスチック製です（ヴィンテージホワイトはピックガードのみ鼈甲）。金属パーツはネジやピン類も含めて、全てクロームで統一されています。

パーツグレード

パーツグレードは同価格帯のギターと比較すると、1ランク以上良いグレードです。ペグは老舗のDer Jung製で、PUはこの価格では珍しいミニハムバッカーとなっています。

ブリッジはWilkinson風のナッシュビルタイプを採用し、程々に上質な加工水準です。スイッチポットの搭載や大きめのストラップピンなどからも、企業努力を実感します。

少なくとも標準的安ギターよりは、部品単位での使い勝手が安定している傾向です。改造ベースで使用する場合を除き、早急な部品交換は必要無いグレードだと思われます。

演奏性：Blackstar CARRY-ON STANDARD PACK トラベルギター

ここからは演奏性に関わる要素について、各パーツ単位で詳しく調べていきましょう。

パーツを分解しての評価ではなく、開封後の動作確認時に調べるべき事柄を重視です。部品の機能性と組み込みの精度も含めて、フラットな視点で精査しました。

ペグ

Der Jung製のロトマチックペグは稼働が滑らかで、ギア比は1：14を採用しています。

ペグボタンはGOTOH製の05スタイルに近く、スタイリッシュに映える楕円形状です。

小さなヘッドにも良く合っており、チューニング性能も上々となっております。

交換しなくても大丈夫そうですが、GOTOH製のSG381と同タイプがポン乗せ可能です。

ペグワッシャーでBlackstar度を上げよう！

弦高＆オクターブチューニング

管理人が購入した個体は楽器店で調整済みにつき、弦高もオクターブも問題ありません。弦高は6弦側でおよそ2.1mm、1弦側でおよそ1.3mmに調整されていました。

527mmのスケールを考えると、この位の高さが適切なテンションになると思います。もう少し弦高を下げる事も出来ますが、より太い弦を使用しないとテンション不足です（ROTOSOUNDでは56や60等の販売アリ、調整難易度高め） 。

出荷時のヘビーゲージと同等の弦を使う場合は、現状維持の高さで良いと思います。

オクターブチューニングも特に変更する必要が無く、全弦12F基準で調整されています。

サドルの稼働幅自体は狭いものの、もう少し前後に調整する余裕がある状態です。18F仕様のギターにつき、12Fより音程の低いフレットを基準に調整しても良いでしょう。

激安弦高ゲージはこちら

ネック

指板は見た目よりも幅が広い設計で、1F付近はおよそ44mm程度で設計されています。安ギターのSTタイプは42mmが多いため、左手親指と人差し指の間の感触が独特です。

すぐに慣れる範疇ですが、親指で弦を押さえるプレイスタイルの方は注意して下さい。指板表面は標準的な滑らかさを備え、ローレルそのものといった塩梅でしょうか。

サテン仕上げのグリップはスベスベで握りやすく、フレット間の狭さが苦になりません。安ギターの出荷時にありがちな、変な反りや捻じれも一切発生しておりませんでした。

C to U shape気味の変則グリップ

グリップシェイプはやや変則的で、ローフレットとハイフレットで異なります。ローフレットはCシェイプから始まり、9F付近からUシェイプに変化する成形です。

EART製のU to C shapeとは真逆につき、ネックでは一番クセが強い要素となります。9～12Fはスケールの短さを考慮しても太く、本機専用のフォームが必要になりそうです。

テンションバランスは全弦良好となっており、フルアコに近い弾き応えを感じます。ハイフレットは18Fまで全て露出しているので、12F以降のフィーリングはご機嫌です。

太ささえ克服出来れば、フレット数が少ないのが惜しまれるほど扱いやすいと思います。

アームバーでロッド調整！？

ロッドはネックエンドで調整するタイプで、取り外し不要のホイールナットを搭載です。

調整する際は付属品の中から、アームバーのような専用工具を使用しましょう。トレモロ用のキャップが使われているため、見た目にも面白い工具だと感じます。

調整幅はタップリ残っており、順反り方向にも逆反り方向にも修正可能でした。

ボディ

ボディは裏通しで弦を通す、ストリング・スルー・ボディ構造を採用です。ボールエンド位置が計算されていて、スケールの短さとテンションを補正しています。

ボディ厚は約40mmと標準より若干薄いものの、重心バランスがかなり良いと感じました。ネックよりもボディの方が重く、コンパクトギター特有のヘッド落ちがしにくいのです。

生鳴りも腹部にガッツリとした振動が伝わり、伸びやかなサスティーンを再現します。取り回しがとても良いので、立位でも座位でも気軽に演奏することが可能です。

アンプを通して出音すれば、一体成形オクメ材ならではの音の粘りも実感出来ます。

乾拭きはもっともお手軽なギターメンテナンス！

ナット

ナット材が公表されておりませんが、ボーン、またはボーンメイドと推察です。表面は細部まで整っており、弦間も溝の深さも適切に加工されています。

ローフレットでピッチが狂う事も無く、価格帯以上の加工精度と仕上がりです。他のトラベルギターと比べても、2～3馬身程前を良く出来の良さを誇ります。

ハイエンド機とまではいかないものの、トラベルギターとしては十分過ぎる程です。ナットの山をきちんと削って整えているなど、外観面の配慮も◎だと思います。

フレット

フレット幅の実測値は2.5～2.6mm程で、山の頂点が低めのタイプが使用されています。Fenderの6150的なニッケル製ですが、出荷時段階で擦り合わせが実施されていました。

そのため初期状態でも8.5分山程度となっている分、バリや音詰まりはまったく無しです。イメージとしては、レスポールやセミアコなどのフレットを思い浮かべてください。

チョーキングやトリルをする際のフィーリングも、それらのギターに近いと感じます。

ブリッジ

ブリッジは裏通し＋ナッシュビルスタイルの構成となっていて、縦幅が気持ち細目です。Wilkinson製の同等品が縦幅11mmなのに対し、本品は10.5mm程度で設計されています。

ですがスリムなボディとは良く合っているので、ほとんど気にならない要素です。ブリッジミュートをする際など、敏感な人はほんのり違いに気が付く程度だと思います。

LPやセミアコ、フライングV等の使い手ならば、すぐにでも弾き倒せそうですね。ネジ類の稼働や高さ調整も異常は無く、可動部分は全て滑らかに動きます。

高さ調整はレンチで行うため、無理にダイヤルを回し指を痛めぬよう注意して下さい。

センター

1台1台手作業で作成していることもあり、センターは寸分の狂いもなくピッタリです。Hofner Shortyもかなりの精度でしたが、CARRY-ONはその上を行くかもしれません。

ハイフレットのフィーリングへの好影響が大きく、1弦ビブラートもガンガンこなせます。

下手な改造や加工を加えない限り、快適なコンディションを長く保てる事でしょう。

電装系

ミニハムバッカーを1基のみの構成ながら、1VOLUME1TONEにコイルタップを搭載です。ポットのトルクは適度に強くて扱いやすく、演奏時の細やかな調整にも対応出来ます。

コイルタップ用のプッシュ－プル型スイッチポットはトーンではなく、ボリューム側に搭載です。故にコイルタップ使用時に限り、幾分ボリューム奏法が難しくなります。

トーン側のコイルタップに慣れている場合は、それなりに苦戦するかもしれません。アウトプットはボディサイド側で、LP等と同じジャックプレート型です。

パーツグレートは汎用品につき、好みのポットやジャックに交換しても良いでしょう。

電装系交換前に要チェック！

重量

重量は公表されていませんが、本体のみの実測値はおよそ1.86kgとなっています。Hofner Shortyとほぼ同じ重量となっていて、Anygigよりは200g程度重い設計です。

軽いと言えば軽いものの、スケールや全長を考えるとそれほどでも無い気がします。ヘッド落ち対策の賜物とも言えるため、1.8kg前後が限界なのかもしれません。

それでもLPタイプと比べれば1/2以下なので、収納と運搬性は完璧に近いです。車や公共機関だけでなく、徒歩の移動でも苦にならない重量は魅力だと思います。

無改造でもっとサスティーンを伸ばしたいなら……

サウンド：Blackstar CARRY-ON STANDARD PACK トラベルギター

CCARRY-ONはその小さなサイズから、生音が相当弱いと想像する人が多いハズです。けれども実際は真逆で、弦の太さも合わさってビックリするほど大きな音が鳴ります。

セミアコ程ではありませんが、標準サイズのSTやLPよりもアタックが大きいです。コードでガチャガチャ鳴らすと、アンプ無しでも結構楽しめる音量が飛び出します。

音量の比率はアタックが大半で、サスティーンは余韻が糸を引くようなイメージです。倍音感は薄く繊細な音ではないものの、元気満点のバランスの良いトーンが響きます。

小さいのにデカ過ぎるぜCCARRY-ON！

アンプにCCARRY-ONを接続すると、生音の大きさをピックアップの特性が後押しです。ミニハムバッカーは抵抗値こそ6.64kΩですが、強力なマグネットを搭載しています。

巻き数が少ないと出力と倍音量が減りやすい反面、アタック感が向上しやすい傾向です。CCARRY-ONは巻き数を減らしつつ、磁力で出力を大幅に上げた設計となっています。

その磁力の強さは、

弦の上に六角レンチを乗せても吸着してしまうレベルです。

言わずもがな音量はデカいなんてものではなく、驚異的な爆音を轟かせます。

トランジスタグラマーの擬人化ならぬ擬ギター化

ここにきてようやく、

安ギ神のイメージにヘスティアが浮かんだ意図を理解しました。

種島先輩……

ちーちゃん……

ねねっち……

宇崎親子……

CCARRY-ON……

つまりCCARRY-ONはボディが小さくとも、

デカ過ぎる程にデカいギターなのです。

デカくてデカいのも素晴らしいですが、

小さくてデカいというのは浪漫に満ちています。

音がデカいという事はサスティーンの長さにも直結し、歪みとの相性も悪くないです。常時ブーストしている感覚すらあり、粒が荒いのに丸みがあるドライブを繰り出します。

クリーンは全帯域に隙が無く、パキパキのアタックが芯の強さと直進性を内包です。ハイパワー系とオールラウンド系の特性を併せ持つ、ハイブリッドな音を奏でられます。

CCARRY-ON ミニハムバッカー 倍音特性 (A2/110.00Hz)

倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦のスペクトラムを採用です。

全体的に倍音の計測範囲が狭く、基音付近の低次倍音に出力が集中しています。Hofner Shortyをもっと極端にした波形で、高次倍音はほとんど計測されておりません。

されども奇数次倍音が目立たず、全体的に偶数次倍音が主張するため暖かな音色です。

Shortyとの違いとしてはCARRY-ONの方が高出力であるにも関わらず、倍音間の非整数倍音が小さいため雑味の無い響きとなります。アタックの強さを裏付ける結果でもあり、アクセントで魅せるスタイルに合いそうです。

高次倍音の少なさは粗い歪みに繋がりますが、偶数次倍音の強さがトゲを丸めています。粒が荒いのに丸い歪み質は、こういった倍音特性と出力の高さによるものと考察です。

CCARRY-ON コイルタップ 倍音特性 (A2/110.00Hz)

コイルタップ時の倍音は基音の主張が強くなり、一層アタック感が倍増しています。倍音の計測帯域はほとんど変化がないため、純粋に出力が1段階下がるイメージです。

強いて挙げれば高次倍音の出力が上がるので、音の輪郭に煌びやかさが加味されます。非整数倍音は全帯域で少なく、エフェクターでの音作りにも向いていそうですね。

倍音特性波形の周波数目安

左端側の太長い山(中央灰色線)が基音110Hz
偶数次倍音：第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)、第6倍音(660Hz)……
→ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も
奇数次倍音：第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)、第7倍音(770Hz)……
→金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き
非整数倍音：各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない

CCARRY-ON ミニハムバッカー 周波数特性

周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、平均的なスペクトラムを算出しました。

全ての帯域において標準以上の数値を記録しており、出力の低い帯域が存在しません。特に200Hz以下の低音域の再生に関しては、ハムバッカー搭載STよりも余裕があります。

トレモロベタ付けのストラトにDP184を乗せても、ここまでの低音は再現出来ないです。400～800HzもLP系相当に高く、3k～6kHz付近はSTに肉薄する伸びを計測しています。

一体成形ボディ＆ネック、裏通し＆ヘビーゲージ、高出力が噛み合った結果ですね。アンプ直でも音作りが楽しくなるほど、幅広いジャンルを網羅出来ると思います。

CCARRY-ON コイルタップ 周波数特性

全帯域でミニハムバッカー時よりも高い値ですが、出力は平均して-7dBも低下です。低～中音域の特性は据え置きのまま、3kHz以降の全帯域が爆発的伸びを記録します。

テレキャスターのブリッジPUのニュアンスに近い、ジャキジャキな音も作成可能です。出力が下がる分サスティーンも短くなるので、カッティング向きの特性だと言えます。

高音以外ほとんど変化しない音色を活用し、プリセットボリューム的にも使えそうです。ちなみに-7dB下がった状態でも、通常のギターと比べるとまだ出力が上手となります。

周波数特性波形の周波数目安（左から順に）

赤線：100Hz,200Hz
橙線：400Hz,800Hz
桃線：2000Hz,3000Hz,6000Hz

Blackstar CARRY-ON STANDARD PACK トラベルギターレビュー まとめ

付属品が強制的についてくる点を除いては、全方位でハイレベルなトラベルギターです。丁寧な仕上がりに価格帯水準を超えた加工精度、パワフルなサウンドの全てを備えます。

軽量ボディと運搬性に優れたケースも加わり、手軽さはトラベルギター界でも随一です。フルスケールギター並のフィーリングも面白く、普段使いとしても間違いなく推せます。

CARRY-ONを使えば使う程に、

管理人自慢のIQがゴリゴリ低下するのを実感しています。

この世界の安ギターには

『夢』がある！

－ 未完 －

🏃💨今すぐ Blackstar CARRY-ON の爆音でIQを溶かす🧠💦

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こいつぁちっちゃいくせにアホみたいに爆音で鳴るぜあああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！（IQ消滅）

【爆音炸裂】Blackstar CARRY-ON 一体成形トラベルギター！【世界一詳しい安ギターレビュー】 | ギターいじリストのおうち https://t.co/0fxumpy7tF pic.twitter.com/yazrLwSR2a

— ギターいじリストのおうち中の人🧠💦（低浮上・ブログは更新しています） (@Ew3DwZa1cYMDBi3) September 30, 2022

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