PICKBOY GP-EB/1 エボニーピック レビュー|鬼を穿つ豊かな低音の響き・握り心地を徹底解説

皆さんはご存知でしょうか、ギタリストの節分とエボニー (黒檀) の密接な関係を。節分とは季節の節目に現れる邪気、即ち『鬼』を払う日本の伝統行事です。
本来は立春・立夏・立秋・立冬のそれぞれの前日を指す言葉ですが、一般的には立春の前日である2月3日を指します。節分では邪気払いと無病息災を願い、大豆 (福豆) をまく『豆まき』を行うのが通例です。
豆まきの起源は古代中国の『追儺(ついな)』である説が有力であるものの、豆をまく風習は日本独自のものとなります。邪気払いに使われる道具や素材として、日本の豆とは対照的に複数の国で使用例が見受けられるのがエボニーです。
分かりやすい例として、マジック:ザ・ギャザリング (MTG) では『黒檀の魔除け (Ebony Charm) 』というカードが登場します。日本国内でも仏像や仏具の素材に用いられており、エボニーが魔除けの力を持つ木材として信じられている国が数多く存在するのです。
ここまで言えばもうお分かりですね、
ギタリストは節分に豆をまくよりもエボニー材のギターピックを掻き鳴らすべきであるという最適解が。

という訳で今年の節分はエボニーギターピックを使ってデモニックオーラをぶっ飛ばせ!

本記事では『節分のせいにして何か買っちゃえ2026』特集と題し PICKBOY GP-EB/1 エボニーピック をレビューします!
※ブログ予算で購入できるエボニー指板ギターが存在しなかった
目次
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PICKBOY GP-EB/1 ピック職人ハンドメイドエボニーピック!
今回は PICKBOY (ピックボーイ) のエキゾチックピックシリーズから、GP-EB/1 エボニーピックをご紹介です。PICKBOYのエキゾチックピックシリーズでは、天然素材を使ったピックを専属の職人がひとつひとつ丁寧に仕上げています。
GP-EBはエボニー (黒檀) を使用しており、GP-EB/1 (スタンダード) 、GP-EB/2 (スモール) 、 GP-EB/3 (カーブド) の3モデルをラインナップです。GP-EB/1 (スタンダード) はティアドロップ型に該当し、製造は『Hand Made in INDIA』と公表されています。
水に沈むほど緻密かつ重硬な木材で高級指板材としても有名なエボニーですが、ピック材としては深みのある低音が特徴です。ナチュラルな木の暖かさと硬質な握り応えを備え、ジャズやブルースのリードに適した太く柔らかなアタックが得られます。
外観
PICKBOY GP-EB/1は均整の取れたティアドロップ型で、エボニー特有の深い黒色と磨き上げられた光沢が印象的です。光に当てると適度に反射するほど全体が艶々しており、碁石のように滑らかな肌触りがクセになります。

木製ピックはプリント無しのモデルが多い中、GP-EB/1には『PICKBOY』のロゴと『EBONY WOOD』のプリント入りです。Hand Madeであることも明記されているため、ピックケース内で他の木製ピックと混ざっても一目で分かります。

これほどの艶と黒さを備えたピックであれば、伝統ある鬼属性弱点特効アイテムとしても十分な戦果が期待できるでしょう。

エキゾチックピックシリーズの木製ピックは必ず使用木材の名前が入るので安心してピックケースに収納できるよ!

他ブランドの無地の木製ピックが複数ピックケース内で混在すると何の木を使ったピックなのか分からなくなるんだよね
デザイン
PICKBOY GP-EB/1はピックが握りやすいように、表面のブランドロゴが入る箇所は親指の形状に合わせた窪み加工入りです。また裏面は人差し指の形状に合わせ、ピック右上角から左側面へ斜めに走る窪み加工が施されています。

指先で触れた瞬間に温もりが伝わるのも木材ならではで、両面の窪み加工と相まってやさしいグリップ感が好印象です。すべすべした肌触りに反してグリップ力が高く、演奏中にすっぽ抜けにくいピックだといえるでしょう。

ただし裏面の窪みは右利きの握りを模しているため、左利きのプレーヤーには扱いが難しいピックとなります。先端の角は鉛筆の先端のように鋭く加工されており、ゲージの種類を問わず正確に弦を捉えることが可能です。

高級素材を丁寧に仕上げているだけでなく、学生や初心者の方でも手に取りやすい価格設定も素晴らしいと感じました。
仕様

天然素材を使用したピックで、全て熟練の職人による手作業で製作している為、色や、質感が1 枚1 枚異
なります。他素材には無い、独特な音色をお探しの方にオススメです。同じ天然素材でも、材質や部位により音色の違いは様々あるので、個々の違いもお楽しみ頂けるピックです。引用:PICBOY PICKS & ACCESSORIES
PICKBOY GP-EB/1に使用されているエボニーは、比重の高さから同一サイズの木製ピックよりも幾分重量感があります。ステンレス弦にも負けない硬度を備え、使用に伴い色が黒から黒茶寄りに変化していくのが魅力的です。

公式サイトでは『使い込む程に、深みのある良い色になります』と表現しており、音色だけでなく『木肌の色の変化』も楽しめます。木製ピックはギター同様に水分や温度変化の影響を受けやすいため、濡れた手で触れたり高温下に放置するのはご法度です。
使用前後に吸湿性能に優れたキョンセームや楽器用クロスで乾拭きを行い、演奏中に生じた汗にも注意した管理が必要となります。保管には専用のピックケースを用意するか、ドライキーパーを入れたハードケース内でギターと一緒に管理すると良いでしょう。
寸法
PICKBOY GP-EB/1の実測寸法は横幅が約25.45mm、縦幅が約31.59mmです。厚さは計測箇所によって異なり、角先端付近では約2.52mm、最も厚い角先端とは反対側にある縁のあたりでは約3.18mmでした。


ハンドメイド製品の性質上、寸法や厚さは個体毎にある程度誤差が発生します。FENDER 351 Shapeよりも横幅が狭く縦長のサイズ感につき、351 Shapeよりも長いティアドロップ型を探している方にピッタリです。

厚さは最も薄い箇所で計測しても Extra Heavy (約1.15mm) の2倍以上!
耐久性
エボニーは木製ピックの中でも耐摩耗性が高く、思いのほか長く使うことができます。他の木製ピックは使い込むと縁がギザギザに欠けてしまうことが多いですが、PICKBOY GP-EB/1は少しずつ消耗していく印象です。

こちらの画像は新品のピックを使い、およそ30分程エレキギターでつま弾いた直後のピック先端部分となります。縁に細かい線状の傷がついているものの、演奏性を損なうような傷や欠けは見当たりません。
ピック材プロファイル

弾性:弦のしなりやすさや復元力に影響、弾性係数も含めた総合評価
弦離れ:アタック後にピックが弦から離れる速度、滑らかさも含めた総合評価
あたり:アタック時の引っかかりの強さ、高いほどダイナミクスを制御しやすい
硬さ:ピック材そのものの硬度、高いほど硬いが評価5は弦に与えるダメージが非常に大きい
削れにくさ:演奏時におけるピックの削れにくさ、高いほど耐摩耗性に秀でる
握りやすさ:ピックのグリップ力、高いほど滑りにくく軽い力で握りやすい
出力:最終的なアウトプットへ与える影響力、高いほど音量が大きくなる
保存性:保管時におけるピックの反りにくさ、高いほど温度や湿度、経年による影響を受けにくい

エボニーは木としては硬い部類とは言え過信は厳禁!

木ならではの握りやすさとローズウッドよりも高い耐摩耗性にアドバンテージがあるよ!
サウンド
PICKBOY GP-EB/1はピックの厚さから想像する音量よりも実際の音量が控え目で、それでいて唸るような低音とあたたかな中音が斬新です。セルロイドピックから持ちかえると、鉄ブロックトレモロからブラスブロックトレモロに交換した時のような重心の低さを実感できます。

エボニーのみならず木には研磨しきれない杢目や導管による細かな凹凸が存在するため、高速オルタネイトピッキングを必要とする速弾きには不向きです。しかし弦を力強く捉えると深みのある低音が得られるので、ジャズやブルースに不可欠な “間” を表現する際に効果を発揮します。

木製ピックを愛用するジャズギタリストも多く、低~中音のよく出る箱物やセミホロウ構造、チェンバー構造のエレキギターと好相性です。アコースティックギターのアルペジオでは低音の深みが増し、エレキベースでは高音の主張を抑えたヴィンテージライクな音を味わえます。

鬼属性弱点特効アイテムであることを考慮すると、まさに鬼のハラワタを穿つような重心の低いサウンドですね。
倍音特性 (A2/110.00Hz)

参考までに、PICKBOY GP-EB/1をYAMAHA REVSTER RSE20に使用した際の倍音特性と周波数特性を計測しておきました。倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦 (A2/110.00Hz) のスペクトラムを採用しています。

比較対象のピックは王道のティアドロップ型 Fender 351 Shape Heavy (クラシックセルロイド) だよ!
a.Fender 351 Shape Heavy

b.PICKBOY GP-EB/1

c.波形交互表示 (a→b)

PICKBOY GP-EB/1は基音の出力 (縦軸) と第2~第3倍音の出力が高く、ローエンドの安定感が抜群です。中音~中高音はFender 351 Shape Heavyに近い出力を維持しつつ、2kHz以降の倍音は総じて出力が抑えられています。
基音の出力の高さに比例して非整数倍音も若干高い値を示していますが、良い意味で低音の『渋み』として作用している点がブラスパーツを彷彿とさせる要因かもしれません。倍音が計測された帯域 (横軸) はFender 351 Shape HEAVYよりも狭いため、高音の鮮やかさよりも低~中音の攻撃力で勝負する倍音特性です。

平均して偶数次倍音が高い傾向にあるので弾性のある柔らかなアタックも魅力!
倍音特性波形の周波数目安
左端側の太長い山(中央赤色線)が基音110Hz
偶数次倍音:第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)、第6倍音(660Hz)……
→ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も
奇数次倍音:第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)、第7倍音(770Hz)……
→金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き
非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
周波数特性

周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、PICKBOY GP-EB/1の平均的なスペクトラムを算出しました。
1.Fender 351 Shape Heavy

2.PICKBOY GP-EB/1

3.波形交互表示 (1→2)

PICKBOY GP-EB/1は351 Shape Heavyより2倍以上厚いピックですが、エボニー自体はそこまで出力の高いピック材ではありません。故に出力は最大でも+1dB程度の増加に留まり、その出力増加も低~中音に該当する150~800Hz付近に集中しています。
そして3kHz付近までの出力はFender 351 Shape HEAVYよりも少し高い値を示し、3kHz以降の帯域では両ピックにさほど大きな出力差が見受けられませんでした。公式が謳う通り低音の再生能力に秀でた周波数特性で、低音の安定感に牽引されるように中音の力感も底上げされるサウンドです。
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤枠線:100Hz,200Hz
橙枠線:400Hz,800Hz
桃枠線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
計測に使用した機材
REVSTAR&ヤマハギター弦のレビューはコチラ!
ギター:YAMAHA / REVSTAR RSE20 NYW
ギター弦:YAMAHA / GSE10
ピックアップ:YAMAHA / VH3b (純正ブリッジPU / ドライスイッチOFF)
比較対象ピック:FENDER / 351 Shape Heavy White (クラシックセルロイド)
ペグワッシャー:Hell Guitars / HB-STAR
スケールシート:Ren He / コントロールノブ A03
テールピース:ドライカーボンワッシャー併用ライオンヘッドパターンテールピース
ロッドカバー:animal friends / B2181127
シールド:ARIA / JG-10X (10ft/3m, S/S)
マイクケーブル:Amazon / CLMIC1-M-F-10FT-5P×1
PICKBOY GP-EB/1 エボニーピック レビュー まとめ
PICKBOY GP-EB/1はエボニーならではの深い低音の響きと、手に馴染むやさしいグリップ感を備えたハンドメイドギターピックに仕上がっています。黒く艶々とした光沢は見た目にも美しく、使い込むにつれて木肌の色が変化していく様は樹脂製ピックでは得難い楽しさです。

両面に施された窪み加工は右利き専用と利き手が限定されるものの、指に吸い付くようなフィット感が弾きやすさを高めてくれます。高級素材にもかかわらず価格設定も良心的なので、低~中音の力感を求める方や木製ギターピックの入門モデルとして最適です!
🏃💨今すぐ PICKBOY GP-EB/1 エボニーピック で鬼退治👹💣

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