【ハウリング対策】 ポッティング でピックアップ固めちゃうよ💖【ロウ責め解説】

2021年6月7日ピックアップ,ノイズ対策,改造指南,ポッティング,ハウリング,ハウリング対策,パラフィンワックス,ステアリン酸

👆 パラフィンワックス ステアリン酸 混合パック 1kg ポッティング

👺「がぁああ!ハウリングがウッゼぇえええ💢💢」

ギターピックアップは通常、弦振動以外は拾わないように設計されています。それにも関わらず、少し歪ませただけでハウリングしやすい個体が存在するのです。こういったピックアップは、何等かの理由で弦振動以外の音を常時拾っています。更に周辺パーツと干渉する事で、共振によるノイズやハウリングを発生させるのです。

ハウリングしやすいピックアップ

俗に言うマイクロフォニック現象は、ギタリストの頭を悩ませる種となります。イコライザーの補正で対処出来る場合もありますが、演奏に支障をきたす事が大半です。とりわけ『普通に』歪ませるのが難しく、音作りの幅も極端に狭くなります。

目次(クリックorタップでジャンプ💨)

ハウリングの要因あれこれ

ハウリングの原因として最も多いのは、コイルの巻き方が緩すぎるケースです。大手メーカー製のピックアップは、この緩みを防ぐために『含浸』を行っています。パラフィンワックス等を使用し、振動しないようにコイルを予め固めておくのです。一般的にポッティングと呼ばれる工程で、ハウリング対策に効果的となっています。

SEYMOUR DUNCANのPUはパラフィンガッツリ目

ただしこの含浸も不十分な場合、マイクロフォニックの解消にはならないのです。経年でコイルが緩む場合も多く、様々な要因が重なりハウリングを発生させます。金属カバー収納のピックアップは共振しやすく、ハウリングが発生しやすい傾向です。いずれのケースでも、正しいポッティングを再度行う事が解決策となり得ます。

ハウりやすいピックアップは交換する前に、ポッティングを実施すると良いでしょう。

お決まりのお断り

改造をはじめとするギターいじりは、全ての作業を自己責任で行う事が基本です。本ブログでは詳しい手順の紹介は行わず、あくまで『方針』のみの提示を行います。その情報を読者様で消化し、個々で作業実施可能かどうかをご判断下さい。

当管理人は作業工程で発生しうる全ての怪我や事故について、一切責任を負う事が出来ません。当然ながら新品購入で保証期間内の場合でも、僅かでも手を加えた場合はメーカーでの修理対応が一切不可となります。少しでも疑問点がある場合や安全面の確証が得られない場合は、作業を中止するのが無難です。

ポッティング に必要なもの

家庭内でポッティングを行う場合は、事前準備をしっかりする事が重要です。最低限必要となる必需品と、あった方が便利な推奨品に分けて紹介していきます。

必需品

ポッティングはパラフィンワックスだけでなく、ステアリン酸も必須です。パラフィン単体では強度が弱く、亀裂や気泡がどうしても発生してしまいます。ステアリン酸を加える事で硬度が増し、長期間コンディションの維持が可能です。

ステアリン酸 パラフィンワックス マスキングテープ

パラフィンを融かす際は、基本的に『湯煎』で行う事が推奨されます。よって耐熱容器(タッパー等)に上記2種の個体を混ぜ、鍋で湯煎するのです。もちろん湯煎用の水と熱源も必要なので、キッチンコンロ等を活用しましょう。

idea FLAME パラフィンワックス

必要以上に熱するのは厳禁なので、液度を計測出来るクッキング用温度計は欠かせません。


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👆 ThermoPro TP15

配合割合も重要になるので、1g単位で計測可能なスケールを用意します。ポッティングの前後には動作確認のため、直流抵抗値の計測出来るテスタも必要です。

推奨品

👆 Sanko フードウォーマープレート (プレート温度調整範囲:60~110度)

温度が高過ぎる場合はピックアップを痛めるため、適温の維持が求められます。しかしコンロのみで作業を行うと温度維持が難しく、作業も少し危険です。沸騰したお湯を70度前後で維持できる、保温プレートがあると作業が安定します。またポッティング後の工程として、不必要なパラフィンを剥がす作業が結構大変です。

マスキングテープ

マスキングテープでPUを保護すると、パラフィンを剥がす作業が楽になります。ピックアップは素手で掴めないため、取り付け穴に針金等を通しておく方が無難です。ピックアップワイヤーを引っ張って作業すると、最悪断線する場合があります。

割り箸はワックスをかき混ぜたり、ピックアップを掴んだりと色々な利用法が可能です。使い道の無い棒状のものなら何でも代用出来るので、揃えて置く方が良いと思います。作業中はかなりパラフィンが飛び散りますが、付着して凝固すると除去が難しいです。テーブルや床で作業を行う場合は、ラップ等を使って養生すると片付けやすくなります。


ポッティング の事前準備

まずはポッティングを行うピックアップの周囲を、マスキングテープで養生です。ポールピース用の穴付近など、極力隙間が無いようにテープで覆いましょう。ワックス除去が楽になるだけでなく、液漏れが少なくなるため仕上がりが強固となります。

養生済みのピックアップ

養生が済んだら取り付け穴に針金を通して、水平移動が可能な状態に整えてください。

ピックアップに針金を装着

ポッティングに使用するワックスは、絶対に目分量で混ぜてはいけません。指定された分量が記載されている事も多いので、適切な量のステアリン酸を混ぜてください。ほとんどの製品でパラフィン80~90%、ステアリン酸が20~10%の割合が多いハズです。配合作業が面倒という人向けに、これらが配合済みのワックスも販売されています。

パラフィンワックス80%
ステアリン酸20%

管理人が使用しているideaのパラフィンは80%に対し、ステアリン酸20%を推奨です。ちなみに使用済みの同配合率パラフィンは、融かして再利用する事も出来ます。

ワックス&ステアリン酸再利用

ピックアップが浸る量が必要なので、合計200g近いパラフィン配合物が必要です。今回は以前ポッティングした余りがあったため、計100g分のみ配合しました。PUの抵抗値をメモしたら準備は完了なので、いよいよポッティングの本編へ参りましょう。

湯煎開始

パラフィンの融点は60℃台が多く、80℃以上の温度で湯煎する必要があります。

湯煎開始
湯煎開始直後

水が沸騰したら火を弱火にして、パラフィンが融けるまで辛抱強く待ちましょう。

湯煎開始10分後
湯煎開始10分後

200g分のパラフィン配合物が液状になるには、15~20分程度の時間を要するハズです。

湯煎開始20分後
湯煎開始20分後

容器が傾かないように気を配りつつ、完全に融け切ったら鍋を火から下ろします。

レッツ ポッティング !

ピックアップのワイヤーやカバーの樹脂は、高温環境で変形するため注意が必要です。パラフィンの種類にもよりますが、70℃以下になってから含浸を行ってください。樹脂が痛まない温度まで冷ました後に、適温を確認してからピックアップを浸します。この作業の際に、適温を維持し続けられる保温トレーがあると大変便利です。

保温トレー

メーカー毎に維持温度が異なるため、60℃後半程度で保温出来る機種は重宝します。管理人は30年位前の結婚式で頂戴した、鍋料理用保温プレートを長年愛用です。維持温度が68℃と大変都合が良く、長時間の作業も安定してこなす事が出来ます。

ポッティング開始直後
ポッティング開始直後

投入直後はピックアップの金属部が冷えているため、周囲が白く濁るハズです。

ポッティング開始3分後
ポッティング開始3分後

白く濁った箇所が再び透明になるまでは、じっくりとピックアップを浸します。

パラフィンが浸透しきったら引き上げる

ピックアップを浸透させる時間は、絶対的に正しい目安というものがありません。完全に浸透したかどうかの見極めは個体差があるため、経験則の積み重ねが勝負です。初めての方は、ピックアップの気泡を注意深く観察しましょう。

ポッティング引き上げ直後

含浸が不十分な段階では、定期的にピックアップ内部の空気が浮き上がります。ポコポコと小さな気泡が浮いてくるので、これが一つの目安となるハズです。気泡が発生しなくなったら、ピックアップを『水平のまま』引き上げてください。傾けてしまうとせっかく浸透したパラフィンが零れ、内部で偏りが出来てしまいます。

真空状態での作業は注意が必要

空気抜きのために、真空状態にするキッチン用具を使用する方も多いと思います。たしかに大変便利ではあるのですが、コイルが緩んでいる場合はお勧め出来ません。空気を抜く際にコイルの緩みが悪化し、最悪断線してしまう事もあるのです。 パラフィンの温度によっては、樹脂が通常よりも変形しやすくなる場合もあります。

引き上げたら冷ましつつ様子見

無事水平を保ったまま引き上げられたら、パラフィンが凝固するまで放置です。この時ピックアップ内に空気が大量に残っていると、凝固の過程で気泡が発生します。隙間等から空気が溢れ、中途半端な形でパラフィンが固まった場合は再含浸です。

ポッティング作業風景

気泡が溢れず綺麗な形状で白く固まってきたら、完全に冷え切るまで待ちましょう。この時に千枚通し等を使用し、取り付け穴のワックスを除去しておいても構いません。完全に固まったら、再度テスタを使って抵抗値の確認を行います。

💀稀にゲームオーバールートも発生

この時点で抵抗値が異常値を示していた場合、残念ながら作業中に断線等が発生です。もう使い物にはならないので、涙を堪えて新しいピックアップを手配してください。もしも断線等が発生した場合は、作業時間や含浸温度を記録しておきます。次に作業を行う場合は、もう少し温度を下げたり時間を短くする等の対策に活用です。

100個程度ポッティングを行うと、1度位は断線に遭遇するかもしれません。その1回目が初回に来る事もあり得ますので、ある程度の破損リスクは覚悟しましょう。

不要なパラフィンを除去して ポッティング 終了

完全な凝固を確認したら、マスキングテープを外して余分なワックスを除去します。ステアリン酸配合のワックスは硬いため、傷つかないように注意して作業してください。樹脂部分だけでなく、金属カバーやポールピースも傷つく場合があるのです。

ポッティング 完全凝固

どうしても取れない場合は、お湯に浸したウエスを硬く絞って拭いてみましょう。少しだけワックスが緩くなるので、除去作業が簡単になると思います。

ギターに取り付けてハウらなければOK!

ピックアップが綺麗になった後は、さっそくギターに取り付けて出音確認です。ハウリングが発生した値までGAINを稼いでも、ピーっと唸らなければ成功となります。以前より悪化した場合や変化が無い場合は、作業前よりコイルが緩んでいる状態です。

ポッティング 完全凝固 裏面

まだ含浸不足なので、再度取り外して安定するまでポッティングを繰り返します。何度もうまくいかない場合は、作業そのものに問題があるか別の要因があるかです。現状では解決できないと思われるので、諦めて代替ピックアップを購入しましょう。

ポッティングによるサウンド変化

最後にポッティングを行う事で、サウンド面に現れる変化を解説します。エレキギターの弦振動は、ピックアップ本体の重量や構造も大きく影響です。ポッティングを行う事でピックアップは重量が増し、共振に強い構造へ変化します。つまりポッティング前よりも、高い周波数帯域が控えめになる傾向があるのです。

ポッティング完了後 ピックアップ

端的に言ってしまえば、倍音が大人しくなるケースが往々にしてあります。この変化は微小な場合もありますが、経年品では影響がかなり大きいです。ギター全体の重量も微増するため、生鳴りにも少なからず影響があります。ポッティングを行った後は、確実に音が変化する事実を念頭に置いておきましょう。

ポッティング完了後 ピックアップ 裏面

けれどもハウリングから解放されれば、貴方のギターライフはストレスフリーです。これまで深く歪ませられなかったピックアップも、ガンガンドライブさせられます。サウンドメイクの幅が大きく広がるため、新たな音色に出会える可能性も大です。ピーピー泣き止まぬ困ったピックアップがあるのならば、ぜひポッティングに挑戦してみて下さい!

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