SCHECTER ZEROピック レビュー|臭いのにガチで良い音!?生分解性素材の特徴と実力徹底検証

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SCHECTER ZEROピック 100%生分解性素材を使った高性能ギターピック!

今回は SCHECTER ( シェクター ) から、世界初となる100%生分解性素材を使用して製造された ZEROピック をレビューです。ZEROピックはSCHECTERと西端ブロー工業株式会社 (以下、西端ブロー工業と表記) の共同開発により、完全に土に還るギターピックとして開発されました。
木材繊維や綿花から得られるセルロースを原料とし、土壌のみならず海洋でも微生物によって完全に分解ができます。生分解性素材を用いたピックは既に製品化されていたものの、100%生分解性素材のギターピック材は当初不可能とされていたそうです。

画像引用:西端ブロー工業株式会社
西端ブロー工業は原料メーカーと100%生分解性素材の開発を行い、SCHECTERが成形性の確認、ユーザーとしての意見、商品企画化、商品化、提案を行っております。令和7年中学校音楽教科書では「環境に配慮した製品開発」の一例として、2021年12月に先行発売された西端ブロー工業版のZEROピックが掲載されました。
クリアカラーも選べる2種類のシェイプ!
ZEROピックはティアドロップ型とトライアングル型の2種のシェイプに加え、それぞれ2色のカラーバリエーションを完備です。どちらのシェイプもクリアカラーが用意されており、素材の透過性の高さを体感できる美しいルックスが楽しめます。
ロゴデザイン等は共通で表面上側にSCHECTERロゴ、下段に生分解性100%を示す『BD (Biodegradable) 100% 』の表記入りです。厚さは全モデル1.25mmのみですが、耐摩耗性とレスポンスに優れた独自のエッジ加工が施されています。
素材は酢酸セルロース!
ZEROピックの素材は先述の植物由来のセルロースに、酢酸を加えた酢酸セルロース (アセチルセルロース) です。アセチルセルロース自体はセルロイドの代替素材として、現在はメジャーなピック材の1種となっております。

ただし従来のアセチルセルロースのピックは単一素材というよりも、ベース材として用いられているのが一般的です。自然界で完全に無害化される100%生分解性素材はZEROピックが世界初につき、西端ブロー工業の技術力の高さを物語っています。

本記事ではクリスタルな透明感が美しい トライアングル型のSPD-EZ10CL をチョイス!

100%生分解性素材のピック適正をフラットな視点でじっくり掘り下げていくよ!
外観
ZEROピックは他ブランドの普及価格帯ギターピックモデルと同様に、専用のパッケージ等は用意されておりません。

管理人の購入したSPD-EZ10CLは人工照明下や自然光下において、アクリルやガラスに近い透過性の高さです。

別段光を当てて透かさずとも、表面のロゴが裏面からクッキリと視認できます。

光を当てるとピック本体は影を落としませんが輪郭とロゴの部分が影となり、シンプルでありながら奥深い美しさです。
細部の仕上がり
ロゴはブラックカラーのプリントによるものでしょうか、指で触れると僅かに立体的でザラっとしています。ピック本体は一見するとツルツルとしたアクリルのようですが、ほのかな粘りと湿りが伝わる不思議な触感です。

硬さと弾性、相反する要素が入り混じった触り心地は、これまでのピック材にはなかった新感覚かもしれません。ピックの淵に一箇所だけ触れて分かる程度の僅かなパーティングラインが残るものの、均整の取れた丁寧な仕上がりだと感じました。
綺麗なピックには●●があるのさ……?
ZEROピックを画像を通して見た場合、多くの読者様方は透明感溢れる綺麗なルックスに心惹かれると思います。ですが管理人の率直な感想を申し上げますと、

酢酸セルロースが発する酢酸ガス臭がなかなかの破壊力です。

酢酸セルロースは製造後に酢酸が空気中の水分に溶け出し加水分解を起こし、酢酸ガスを発生させるという特性を有します。管理人の個体は製造から日が経過しているのか、あるいは高温多湿環境で保管されていたのでしょうか、ビニール袋越しでも酢酸ガス臭が貫通してくる状態です。

検品時に指で触れた箇所には酢酸ガスの臭いが移り、長年手入れが放置されている学校の備品の野球グローブのような臭いがします。端的に『酸っぱい臭気』が否めず、この臭気を好む人はそれほど多くないはずです。

現にサウンドハウス等のユーザーレビューを見まわしてみても、酢酸ガス臭に関する報告が何件か上がっています。参考までに管理人は検証用に5店舗でZEROピックを購入し、うち3店舗で弱~中程度の酢酸ガス臭、2店舗で強烈な酢酸ガス臭を確認です。
また比較用に購入したFENDERのアセチルセルロースピックは無臭であるため、100%生分解性素材由来の要素による一定の影響があるものと推察されます(完全分解する≒劣化進行が通常の酢酸セルロースより速い?)。酢酸ガスを酢酸セルロース自体がばく露した場合、加水分解が加速度的に進行する性質が裏目に出ていると感じました。

酢酸ガスのばく露は酢酸セルロースを用いたカメラフィルムではよくある事例 (ビネガーシンドローム) だよ

販売店の管理状況に問題があったのかもしれませんが、臭気の可能性については商品情報などに予め記載してほしい情報でした……
仕様
ZEROピック SPD-EZ10CLのシェイプは標準的なトライアングル型とは異なり、鋭い角と滑らかなベベル加工が印象的です。角の先端が鋭いため弦を点で捉えやすく、スピード感溢れるレスポンスが得られます。

ナイフエッジのような特殊なベベル加工は、SCHECTERによるプレーヤーサイドの視点が大きく反映された設計です。ベベル加工とはピックの淵に傾斜を設ける加工のことで、ピッキング時の抵抗を軽減し、長持ちさせる効果が得られます。

1.2mm前後の別素材ピックと比較しても剛性が高い部類となるため、使用に伴いピックが反るリスクは低そうです。綺麗に研磨されている反面ホールド力が高いとは言えず、指先が滑りやすく感じる場合は別途滑り止めグッズの併用を推奨します。
寸法

ZEROピック SPD-EZ10CLの寸法は画像赤線Aの長さが約32.2mm前後、画像青線Bの長さが約32.4mm前後となります。厚さはあらゆる位置で計測しても公表値通り1.25mmジャストで、加工精度の高さは MADE IN JAPAN (MADE IN FUKUI) ならではです。
耐久性
ZEROピックは1.25mmという厚手の設計に加え、素材由来の耐摩耗性と摩擦を低減するベベル加工が合わさり、耐久性に秀でています。弦離れは標準的ですがソフトなアルペジオなどでは消耗が極めて少なく、プレイスタイルによっては1枚を長く活用できることでしょう。

ただし一定以上の強さでアタックした場合、下記画像のように線状に凹むような独特の削れ方が見受けられました。このように削れると弦との引っ掛かりが強くなるため、レスポンスやタッチの滑らかさが低減です。

故にオルタネイトピッキングでラフに掻き鳴らすスタイルには向きませんが、ダウンピッキングのヘビーなリフとは好相性となります。削れた箇所はネイルペーパーで均せばレスポンスが復元しますので、角が十分残っている時はお試しください。
補足

酢酸セルロースという素材を考慮して3ヶ月使用してみましたが、通常のメンテナンスを行う限り特に弦や金属パーツが錆びやすくなるといった事象は確認できませんでした

ですが長期間使用しないギターヘッド等にピックを挟んで放置した場合は酸化や錆を誘発する恐れがあるので樹脂製ピックケースに入れて冷暗所で管理しよう!

気になる人は乾拭きで理想的なペーハー値に調整できる効果が実証されている春日キョンセームで、使用後に弦を1本1本つまむようにクリーニングしてね!
金属ハードウェアのクリーニングもね!
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サウンド
サウンドについては公式がレスポンスの良さを強調している通り、同じ厚さの別素材ピックよりも遥かに立ち上がりが高速です。ピックの剛性からくるクールな響きと相まって、アタックした瞬間にアンプから即出力されるようなスピード感を誇ります。

倍音も豊かで中音から高音にかけて伸びが良く、クリーンでも歪ませても明るく煌びやかなトーンです。低音は強いというよりも程よく引き締まった音像で、ハードなディストーションでもスッキリ整った輪郭を形成します。

高音の鮮やかさと締まった低音はドロップチューニングにも向いているので、余計な低音を少しでもカットしたい方におススメです。出力 (音量の大きさ) は1.25mmの厚さ相当に高いため、1mm厚以上のピックに初挑戦する方は出力の変化を楽しめると思います。
倍音特性 (A2/110.00Hz)
参考までに、ZEROピック SPD-EZ10CLを使用した際の倍音特性や周波数特性、音の立ち上がりをデータで確認です。計測に使用したエレキギターは EART EGLP-610 (無改造) 、ピックアップはブリッジ、コントロールはいずれも10に設定しています。
音質の違いを明白にすべく、厚さの近いデルリン材ピック PLAYTECH TRIANGLE PICK HEAVY Purple (1.2mm) を使った際のデータも併せて掲載です。倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦 (A2/110.00Hz) のスペクトラムを採用しました。
i.SCHECTER ZEROピック SPD-EZ10CL

中~中高音にかけての倍音が実に芳醇で、300~1.2kHz付近まで高い倍音の出力 (縦軸) を記録しています。倍音が計測された帯域 (横軸) も広く高音の余韻が煌びやかで、最も出力の高い第三倍音がクールで鋭い音像の決め手です。
ii.PLAYTECH TRIANGLE PICK HEAVY Purple

PLAYTECH TRIANGLE PICK HEAVYは基音の出力が高く、奇数次倍音が優位となる帯域が多いためシャープな切れ味を備えています。基音の出力はZEROピックよりも上手ですが、第三倍音以降の出力はZEROピックの方が優位となる傾向です。
iii.両ピック倍音特性波形交互比較 (gif)


ZEROピックは濃密な中音の倍音と伸びやかな高次倍音で『厚みのあるクールで明るいトーン』を奏でるよ!
倍音特性波形の周波数目安
左端側の太長い山(中央灰色線)が基音110Hz 偶数次倍音:第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)、第6倍音(660Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)、第7倍音(770Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
周波数特性

周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、平均的なスペクトラムを算出しました。
a.SCHECTER ZEROピック SPD-EZ10CL

倍音特性の影響を大きく受けた周波数特性で、350~800Hzにかけて力感のある中音を形成しています。2kHz付近の中高音まで高い値で推移しつつ、4kHz以降は高音も超高音も高い出力を計測です。
b.PLAYTECH TRIANGLE PICK HEAVY Purple

低~中高音にかけて安定感が高いものの、250Hzより高い周波数はZEROピックよりも一歩劣ります。200Hz以下の低音はZEROピックよりも出力が高く、多弦ギターやエレキベースにも順応する存在感溢れるローエンドです。
c.両ピック周波数特性波形交互比較 (gif)


厚さの近いデルリンピックと比較すると、中音と高音の伸びの良さが分かりやすいね!

平均的な低音は必要以上に主張しないとも考えられるので、半音下げ~のドロップチューニングとも良く合うよ!
音の立ち上がり
SCHECTERと西端ブロー工業が製品情報でアピールしているレスポンスの良さを、主観ではなく音の立ち上がりで比較します。PLAYTECH TRIANGLE PICK HEAVY Purpleを基準にすると、ZEROピックは平均してなんと 6.3ms (0.0063秒) 速い立ち上がりを記録です。

鋭敏な感覚を持つプレーヤーの場合、およそ5ms以上の差があると立ち上がりの変化を感知できると言われています。ZEROピックの記録した6.3msという値は、一般人でも立ち上がりの違いを実感できる方が多いかもしれません。

メーカーの謳い文句に偽り無し、普及価格帯のピックとしては『爆速』とも呼べる立ち上がりの良さだよ!
計測に使用した機材
ギター:EART / EGLP-610
ギター弦:YAMAHA / GSE10
ピックアップ:EART / Eart Custom ELP Alnico-II Set(EPSAS) 純正ブリッジPU
比較対象ピック:PLAYTECH / TRIANGLE PICK HEAVY Purple
シールド:ARIA / JG-10X (10ft/3m, S/S)
マイクケーブル:Amazon / CLMIC1-M-F-10FT-5P×1
レビューに使用した機材はコチラ!
SCHECTER ZEROピック レビュー まとめ
SCHECTER ZEROピックは100%生分解性素材を用いて、自然環境への配慮と高い品質を両立させた画期的ギターピックです。秀逸な立ち上がりの良さが高速なレスポンスを、豊かな倍音が中~高音の際立つサウンドを提供してくれます。

管理状況によっては材質由来の臭気発生の可能性が否めないものの、100%土に還る新素材開発とプレーヤー視点のシェイプ設計は敬意を表して然るべきでしょう。普及価格帯ながらもMADE IN JAPAN、そしてMADE IN FUKUIの熱意が伝わってくる、未来を見据えた新世代ギターピックです!
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SPD-EZ10CL (クリア/トライアングル型)
SPT-EZ10CL (クリア/ティアドロップ型)
SPD-EZ10GRN (グリーン/トライアングル型)
SPT-EZ10BLU (ブルー/ティアドロップ型)
SCHECTER ルミナスピックもヨロシク!
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