【神】EART EGLP-610 レビュー!全身ローステッド&ステンレスフレットLPタイプギターが激熱!
👆 ステンレスフレットLPギター『EART EGLP-610』 全身ローステッドオクメモデルをレビュー!

いきなりネタバレだけどね、EARTのギターは超良いぞ!
目次
本日もギタいじへようこそ、貴方は管理人の太陽です!ハジメマシテな君は『コチラ』も見てね!急ぎの人は 開封の儀 から読もう!
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Amazonで買える EART EGLP-610 全身ローステッドオクメなセットネックにステンレスフレット搭載の高級安ギターが熱過ぎる!
EART EGLP-610 をレビューする人

ブログ『ギターいじリストのおうち』の全権を司る節約術の第一人者。性別年齢職業不詳の無機物。過酷な節電で光熱費を浮かせて安ギター購入を目論んでいる。
ここはギターいじリストのおうち
……の管理人のマイホーム
管理人、安ギター格納庫点検中

は、はうあ!?

な、なんだ、この異常な冷気は!!


温度計が氷点下になっているじゃねーか!?
朝晩の冷え込みも厳しくなるなか、皆さんは楽器収集に励んでいらっしゃるでしょうか。管理人宅では少々問題が発生し、なんと室温がマイナスを記録する異常事態が発生です。
理由はいわずもがな、過去に購入した安ギターのカラーが偏っていることに尽きます。直近のギターレビューを振り返ってみると、大半のギターが寒色系フィニッシュです。
対して暖色系のフィニッシュはほとんどなく、青いギターがズラリと並んでいます。安ギターというものは不思議なもので、単体ではそこまで強い輝きを示せない代物です。
しかし数が10本、20本と増え続けていくと、得体の知れぬオーラを纏っていきます。
スライムの合体巨大化しかり……

徒党を組んだサイヤ人しかり……

珍妙な安ギターが集合した絵面は、

見る者にギョっと思わせる異様な光景です。
その異様さが時には科学を凌駕し、超常現象に近い驚異的なパワーを発揮します。
故に世界の寒色系安ギターが集う我が家が、
色彩心理の力を超えて極寒になるというのも必然という訳です。

ハッ!?

し、心臓!幼馴染の心臓は生きているか!!?

…………おう

だ、ダメだ!長年連れ添った心臓が急激な体温低下でBPM一桁台に突入している!!

…………

がんばれ心肺機能ーーーーーーーッ!!!
このままでは安ギターが原因で、管理人の体温まで氷点下を記録してしまいます。
早急に対策を講じなければ運が良くて冬眠、
下手をすれば永眠不可避です。

か、完全に計算ミスだった……

来世ではもっと栄養と体温のバランスを考えて、暖色系のギターも買いますように……
管理人の魂が三途の川で寒中水泳に挑もうとしていた矢先、

!?
崖っぷちのところで
安ギ神の天啓が届きます。
🧠「SSRの太陽神キタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

やはり安ギの神は安ギター愛好家の命を見捨てたりはしなかった!

つまり一刻も早く心臓を燃やすために……

太陽のように情熱的な『焼き』の入ったギターを買えという事ですね!

善は急げ!!
という訳で管理人は、
全身こんがりローストされた高級安ギターをカートインしました。
EART EGLP-610 から漲る太陽のようなエネルギー
EART EGLP-610はその名から連想される通り、LPスタイルを基本に設計されています。ボディとネックにはローステッドオクメを採用し、フレットはステンレス製を搭載です。
またフレット末端はEART製品ではお馴染みとなった、ラウンド仕上げが施されています。全て手磨きで丸められたフレットの輝きは、高級機と遜色の無いクオリティです。
他のLPタイプとは異なる要素として、厚さ40mm以下となる薄型のボディが挙げられます。加えてバックコンターが大胆に加工されており、薄さと相まってフィット感が抜群です。
腰への負担が少ない軽さも嬉しく、重量は平均して3kg未満に抑えられています。深めのホーンカットや滑らかなセットネック構造など、随所に個性も感じられる1台です。
これほどの要素を備えつつ、本モデルの販売価格は驚異的に感じます。そのボディから放たれるオーラは、
太陽の如く熱いエネルギーでヤケドするレベルです。

果たして『高級安ギター』の実力が如何ほどなのか、じっくりとレビューしていきます!
開封の儀:EART EGLP-610 Amazonで買える全身ローステッドオクメ&ステンレスフレット搭載軽量LPタイプ高級安ギター
EART製ギターは公式サイト、またはAmazonに出店中のEART-JPにて購入出来ます。Amazonの販売価格は条件付きながら国際発送に関わる送料や諸経費込み(※)で、出荷スピードも上々です。
(※)発送元の倉庫により通関手数料等が別途発生する場合アリ
今回は注文日の翌日に発送となり、およそ9日程で管理人宅に到着しました。

梱包にはブランドロゴが記載された、ギター専用の段ボールが使用されています。

内部の梱包も抜かりがなく、こちらもロゴ入りの発泡スチロールで楽器全体を養生です。

緩衝シートやフレットガードも使用されているため、非常に丁寧な梱包だと思います。

輸送に伴う傷等は見当たらず、海外の直販ギターらしからぬピカピカの状態です。

発泡スチロールの後始末に手間がかかるため、事前に自治体の廃棄物処理方法をご確認願います。


付属品は最小限で大型タグが1枚、ロッド調整用とノブ脱着用のレンチが各1本でした。
基本スペック

Model:EGLP-610 Scale:24.75”(628mm) Body:bookmatch Roasted Okoume,Thin body design Neck:roasted Okoume Fingerboard: rosewood,fan inlay Truss rod:Dual action Nut: Bone 42mm Fret: 22F Medium Jumbo Stainless Steel Neck Profile:Compound U to C shape

Joint:set in Tuners:1:18 Ratio Die-Cast Pickups:Eart Custom Alnico-II Humbucker Controls:3-way switch,1 tone,1 volume Bridge:Sung IL custom Tune-O-Matic Style Bridge with Stopbar Tailpiece Strings scale:10-46 finish:Satin Poly, Satin Honey Tea

ケースは付属しないのでLPタイプ対応のものを用意しよう!
ケースも色々紹介しているから見てネ!
ルックス:EART EGLP-610 Amazonで買える全身ローステッドオクメ&ステンレスフレット搭載軽量LPタイプ高級安ギター
LPタイプに分類されるEGLP-610ですが、正面のフォルムはAria Pro IIのPEに近いです。ただしLPやPEよりもホーンカットが深めで、ホーン頂点が指板のエンド付近となります。

LPのホーン頂点がヘッド側を向くのに対し、EGLP-610のホーン頂点はほぼ真横です。

スキーのジャンプ台のような形が面白く、スタイリッシュな雰囲気を醸し出しています。

ピックガードやバインディングは排除されており、電装系も1V1Tのシンプル構成です。一方PUはカバードのアルニコ2、ブリッジはTOMとLPの王道スタイルを採用しています。

LP的要素は必要十分な範囲に留め、軽量化と低価格化を両立させた設計ですね。カーブドトップの加工も美しく、様々な角度から滑らかな曲線美が楽しめます。

ポジションマーク用インレイは風変りで、公式によるとファンタイプとのことです。インレイの色が真っ白なので安っぽさは否めないものの、形状自体は実にインパクトがあります。
ラウンド仕上げのステンレスフレット
安ギター愛好家にとって、EARTのギターと言えば一にも二にもステンレスフレットです。EARTは200ドル未満の一部機種を除き、全モデルでステンレスフレットを搭載しています。

サイズはミディアムジャンボを採用し、末端は全て手磨きによるラウンド加工です。表面も綺麗に磨かれており、併せて指板淵も丁寧に研磨されているので艶があります。

この価格帯でここまで綺麗な処理は珍しく、他ブランドの高級機を圧倒する出来栄えです。EART製ギター最大の魅力として、フレット目当てに購入する海外勢が多いのも頷けます。
ヘッドシェイプ
EGLP-610は左右対称のダブルサイドヘッドですが、LP系とは全く異なる形状です。先端に向かうほどスリムなヘッド形状で、側面も大きくくびれています。

ヘッド頂点に谷状の溝もないため、ボディとは対照的に鋭さを感じるかもしれません。

ヘッド角は一見するとストレートと見紛うほど、ゆるやかなアングルドヘッドです。

スカーフジョイントが使用されていない点も、低価格帯としては希少となっています。
フィニッシュ
EGLP-610はポリ系塗装を使用した、木目が透けて見える薄手のサテン仕上げです。色はサテンハニーティーとのことで、橙寄りの明るいサンバースト系カラーとなっています。

本来はブラックとブルー系も用意されていますが、それらは米国倉庫発送圏内限定です。実物は商品画像よりも落ち着いた色合いでカッコよく、熱さと渋さが同居しています。

整った木目も低価格帯機種とは思えず、
管理人のIQは瞬く間に小数点台以下に到達です。

更に暖色ならではの暖かみが網膜を刺激し、凍結しかけた心臓も一気に燃え上がります。

うおおおおおおおおおお!!!!!!

心臓がBPM300を突破だああああああああ!!!!!!!!

トップだけで興奮気味の管理人ですが、バックもヴィンテージチェリー風でお洒落です。

塗膜が均一な点も良く、価格帯を考慮するとクオリティは高いと思います。
ハードウェア
EGLP-610のハードウェアは直球ど真ん中で、スタンダードな形状のパーツが中心です。金属パーツはクロームが中心となっており、樹脂パーツはブラックで統一されています。

ノブはアルミ製ハット型ロックタイプを搭載し、遠目に見ても洗練されたイメージです。

ヘッドの細さに反して、大型のペグボタンがヘッド周りのアクセントになっています。

スライド式を採用したロッドカバーは、本機では数少ない変化球なパーツです。


カバーを斜めに引き出すことで、ネジの脱着無しにロッドの調整が可能となっています。
デカノブでドレスアップ作戦!
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パーツグレード
シンプルなレイアウトのギターとは言え、搭載されている部品はそれなりに上質です。TOMはSung IL製のカスタムタイプとありますが、おそらくBM012とTS001となっています。

スプリング無しのブリッジなので共振しにくく、メッキの仕上がりも悪くありません。ペグはブランドが確認出来なかったものの、通常よりもギア比が高めの設計です。

ピックアップも低価格帯では珍しく、マグネットにアルニコ2を採用しています。予算内できっちりEGLP-610に最適化された構成に、メーカー直販の底力を実感です。
演奏性:EART EGLP-610 Amazonで買える全身ローステッドオクメ&ステンレスフレット搭載軽量LPタイプ高級安ギター
ルックス面は総じて価格帯以上のものがあり、冷え切った心臓もホカホカになります。続いては演奏に関わる要素について、各パーツ単位に焦点を当て細かくチェックです。

分解しての評価ではなく、開封直後の動作確認時に調べる要素を重点に置いています。部品の機能性と組み込みの精度も含め、可能な限り主観を除いた視点で精査です。
ペグ
ペグ本体はYMX-SG3と同等のもので、配列とペグボタンのみ交換されたものとなります。配列はL3+R3でギア比は1:18を採用し、ペグボタンの形状はGOTOHの20番タイプです。

トルクムラはほとんど感じられず、滑らかな稼働と一定のチューニング精度を有します。安ギターではよく見かける、JINHOの同型ペグよりも品質はやや上の部類ですね。

現状のままでもほとんど不満が無く、チューニング後のピッチも安定しています。ネジ穴位置は45度となっているため、GOTOHのSG381系列がポン乗せ可能です。

ギア比自体ははSG381よりも、本機デフォルトペグの方が上となります。トルクに不満がある場合を除き、そのまま使い続けても問題無さそうです。
頭の悪いペグの軽量化!
弦高&オクターブチューニング
EARTは楽器店を経由しませんが、基本的な調整と点検を行った上で出荷されています。弦高もオクターブも適切に調整されており、開封後はすぐにでも演奏出来る状態です。

管理人の個体は弦高が低く6弦側で1.4mm、1弦側は1.1mm程度となっていました。過去に紹介したEART製ギターと同程度につき、1.5mm以下がEARTの標準弦高なのかもしれません。

オクターブは全弦12Fを基準として、実音もハーモニクスも一致しております。ブリッジの縦幅が11mmと細く、オクターブの調整幅はそれほど広く無い点に注意です。

それでもサドルの前後に余裕があるので、11~13Fを基準に再調整することも出来ます。低音弦ハイフレットの使用頻度が低い場合など、変則的なオクターブ調整にも対応です。
激安弦高ゲージはこちら
ネック
安ギターのネックはサテン仕上げが多いのですが、EGLP-610はワンランク上の品質です。艶を抑えつつも綺麗に磨かれており、サラサラスベスベの触感がクセになります。

ネック本体はミディアムスケール22Fのローステッドオクメ、指板は大型ファンインレイ入りのローズウッドです。ネックシェイプの設計が少し特殊で、UとCの混合スタイルを採用しています。

1Fは20.5mm程のUシェイプからスタートし、12F付近から21.5mm程のCシェイプへ変化です。合わせて指板のRも変化するため、9.5″Rから14″Rと変則的な成形となっています。

横幅は実測で0フレット (ナット) が約42mm、12F付近では約53mmほどになる模様です。ロッドはダブルアクション仕様で、左右に少し回しただけでもかなり効きます。

反りの修正だけでなく、弦高を調整する際にも有効に活用出来ることでしょう。
ハイフレットのフィーリングも〇
ボディが軽量につき、グリップは実際の数値よりもガッシリした握り応えです。インレイの段差や指板と本体の隙間など、安ギターにありがちな粗は見当たりません。

指板は表面も側面もツルツルなので、太ささえ気にならなければ演奏しやすいと思います。

ハイフレットのフィーリングも良く、セットネックのジョイント部も加工が滑らかです。

チョーキングもビブラートも演奏しやすいため、テクニカルなリードもこなせます。
ボディ
ネックと同様にローステッドオクメを採用したボディは、とにかく取り回しが優秀です。

ボディ厚は40mmの設計ですが、コンター部は最小で20mm程と薄さが極まっています。座った状態でも立位でもフィット感が得られ、ストラップを高めに構えてもOKです。

ホーンカットの深さも見逃せず、ハイフレットの演奏性を劇的に向上させています。

通常のLPタイプでは左手の甲が窮屈になる20F以降も、EGLP-610ではホーンに触れることなく演奏可能です。

アーチトップ+バックコンター仕様のボディは、伝統的なLPらしさを犠牲に演奏性を高めています。ヴィンテージ嗜好の方は評価が割れやすいものの、弾きやすさ重視の方には持ってこいです。
環境変化に強いローステッド仕様でも乾拭きは必須!
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ナット
ナットは漂白されたボーンナットを搭載し、サイズは42.0×5.9mm程となっています。真っ白過ぎて違和感がありますが、溝の深さや弦間の設計はバッチリです。

1フレットを抑えてシャープする箇所はなく、チューニング時の引っ掛かりもありません。淵も面取りされているので、開放弦を交えたコードワークでも指が痛くならないと思います。

この価格ではプラ製ナットが主流となる中、ボーンを採用しただけでも大健闘ですね。ピッチの安定感やベンド時の滑らかさなど、プラ製では得難い恩恵が多々あります。
フレット
ルックスの項でも取り上げたラウンド仕上げのステンレスフレットは、演奏性も文句無しです。安ギターの泣き所になりがちなフレットも、EART製ギターでは大きな長所となっています。

サイズは2.7mm程のミディアムジャンボタイプで、処理の甘いフレットは一切無しです。全22のフレットの両端が綺麗に丸められており、指板を広々と活用することが出来ます。

1弦と6弦はフレットの末端まで有効に使えるため、大胆なビブラートも演奏可能です。当然指板淵でクロスを上下に移動させても、繊維が絡まるフレットはありませんでした。

浮きや擦り合わせミスもなく、低弦高ながらどのフレットでも安定したピッチを保てます。海外レビューで好評を博している実績通り、フレットの仕上がりは長さを除き満点で良いでしょう。
ブリッジ
Sung ILのカスタムTOMはブリッジがスプリング無しの仕様以外は、おおむね標準的な性能です。全体的にメッキの質が良いため、サドルの引っ掛かりや本体のバリ等は皆無となります。

ブリッジミュート時の触感も良く、スタッドやオクターブネジなどの稼働も大丈夫です。ブリッジは本体の材質が亜鉛合金を採用し、サドルとスタッド類がスチールとなります。

テールピースも同様に本体が亜鉛合金で、スタッドとアンカーがスチール製です。ブリッジは支持間隔が74mmでピッチが10.4mm、テールピースは支持間隔82mmで設計されています。

細型なのでオクターブネジの可動域が狭い以外は、特に不満点が思い浮かびません。音質の向上やオクターブ域を広げる場合など、交換を検討する際はミリ規格のTOMを推奨です。
これはIQの低いテールピース改造
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提案者の品性が問われるぜ!
センター
EART製ギターはフレットの仕上がりに加え、センターの精度もなかなかのものがあります。EGLP-610も例に漏れなく、ボディとネックのセンターは修正が必要無いレベルです。

ナット、ピックアップザグリ、ブリッジ位置も適切というか完璧で、綺麗にポールピースの中央に収まっています。

海外安ギターのガチャ要素の際たるものですが、管理人の個体はSSRどころかURクラスですね。国産ハイエンド機でもここまで揃うのは難しいため、相当に運が良かったのだと思います。

勿論全ての個体が同等である可能性は著しく低く、個体差の中でも天井に近いのが管理人の個体です。

ここまで良すぎると逆に参考にはならないので、海外レビュー勢が投稿した画像も併せてご確認下さい!
電装系
EGLP-610は2つのハムバッカーに対し、共通のコントロールを採用しています。コントロールは1Volume、1Tone、3wayとなっており、スイッチはALPHA ALP-3Wのコピーモデルです。

ポットは大型で若干重めのトルクですが、ボリューム奏法も可能な範囲となっています。コンデンサはボックスフィルムタイプを搭載で、価格帯の割には良い部品類ですね。

ポットの値はAカーブの500kΩ、コンデンサのみ0.047μF/100VとST系の選定になります。出力の低いアルニコ2ハムバッカーを考慮して、あえて高い値を搭載していると推察です。

スイッチは切り替えが軽く、耐久性も他の電装部品より低い可能性があります。ザグリはシールド加工無しにも関わらず、何故かアース用のラグが設置されていました。

自前でNoise Hellを塗布したり銅箔シールドを貼り付ける際は、有効に利用しましょう。

純正ハムはコイルタップも出来るタイプみたいだよ
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余裕があればトルク以外に音質もこだわりたいポイント
重量
本体重量は約2.91kgと軽量で、通常のLPタイプからは考えられない身軽さです。腰や肩への負担も少ない上に、座っている状態で弾いても太ももが痛くなりません。

長時間の練習にも向いており、小柄な体躯の方や非力な方でも気軽に扱えます。ところが軽すぎる余り重心がネックに傾きやすく、立位演奏時はヘッド落ちに注意です。

滑りやすいストラップの使用は向かず、化繊系素材は敬遠した方が良いと思われます。レザー製やコットン系の素材など、滑りにくいストラップの使用が望ましいです。

軽さ故の弊害として、EGLP-610専用のストラップを用意しておきましょう。

ヘッドは完全に落ちる感じではなくネックが水平になる感じだよ

ネック本体よりもダブルアクションロッドの重さが影響しているのかも……
ストラップブロックで固定しよう!
サウンド:EART EGLP-610 Amazonで買える全身ローステッドオクメ&ステンレスフレット搭載軽量LPタイプ高級安ギター
軽量なEGLP-610は生音が大人しそうですが、意外にも通常のLP型相当の音量が出ます。生音には妙なクセがなくサッパリしており、不快な共振が感じられないのが良いですね。

サーモ処理木材の利点が感じられる生音で、アンプを通さない状態でも楽しめます。振動はボディよりもネックに伝わりやすく、演奏中は左手が常にブルンブルンです。

そのため耳をふさいだ状態でも、なんとなく左手だけで音伸びの感覚が掴めます。
ピックアップ
アンプから出力した音はミッドハイに力感が集中し、LPタイプとしてはハイ上がりです。アルニコ2らしくローエンドが弱いものの、中~高音域が上手くまとまっています。

金属カバーを搭載していてもハイが伸びるためか、PUのポッティングは強固です。ハウリングは発生しにくいですが、その分フィードバックも拾いにくく感じました。

抵抗値はブリッジがおよそ8.80kΩ、ネックがおよそ7.91kΩとキャリブレートされています。ポールピースピッチはブリッジが10.4mm、ネックが10.0mmとミリ規格の設計です。

どちらも出力は低めで音が潰れにくく、ゲインを上げると歪みよりも音の密度が濃くなっていきます。クリーンはアタックがソフトかつクリアで、倍音が空気に広がっていくような響き方です。

音の分離も良いので壮麗なアルペジオや、混ざり気の無いロングトーンも味わえます。パワープレイには向かず、ハードロックやメタルにはハイゲインアンプが必要です。
ハイゲイン化を目指すなら……
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倍音特性 (A2/110.00Hz)

せっかくの機会ですので、各ピックアップの倍音と周波数特性を計測しました。倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦 (A2/110.00Hz) を解析しています。
1.ブリッジピックアップ
低次倍音から高次倍音まで途切れず、偶数次倍音と奇数次倍音のバランスも良好です。出力は基音が第2~第5倍音よりも低く、ソフトなアタック感を裏付けています。

高次倍音の出力自体は標準的ですが、基音が弱いため相対的に目立ちやすくなるのが印象的ですね。フルローステッドオクメとアルニコ2の利点として、非整数倍音は全帯域で控えめでした。
2.ネックピックアップ
ブリッジ側と比べると高次倍音が少な目で、低次倍音に集中した甘やかな響きとなっています。基音と第2~第3倍音の出力が同等につき、アタックはブリッジよりも際立つ傾向です。

こういった倍音特性はオクターブ奏法やピッキングハーモニクスなど、倍音を活かしたテクニックに向いています。特にオクターブ奏法では効果的に作用するため、積極的に取り入れていきましょう。
倍音特性波形の周波数目安
左端側の太長い山(中央灰色線)が基音110Hz 偶数次倍音:第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)、第6倍音(660Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)、第7倍音(770Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
周波数特性

周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、平均的なスペクトラムを算出しました。
a.ブリッジピックアップ
波形の山の頂点が無い代わりに、400~800Hzにかけて万遍なく高い値を計測です。1k~3kHz付近の中高音も良く出ており、4kHz以降は緩やかに減衰していきます。

濃密な中音と程よい高音に対して、250Hz以下の低音が伸びずパワー不足です。ブリッジミュートなどはペチっと軽い質感で、重心の低い音は不得手となります。
b.ネックピックアップ
頂点らしい頂点がないのはブリッジ側と同じですが、100~300Hz付近が強烈です。ブリッジ側の低音不足を補うように、ズドーンとした芯の太いサウンドが飛び出します。

中音や高音もネック用としては高い値を計測し、設定によってはパキっとした音色も作成可能です。低音の圧が強すぎる場合は、ピックアップ高を気持ち低めに調整しても良いと思います。
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
EART EGLP-610 Amazonで買える全身ローステッドオクメ&ステンレスフレット搭載軽量LPタイプ高級安ギター まとめ
EART EGLP-610は普及機相当の価格帯ながらも、高級機に負けない要素も備えたLPタイプです。フレットの仕上がりは量産品の限界に近く、国内ブランドでは実現が難しい完成度となっています。

部品グレードや使用木材も低価格機とは思えぬものがあり、プレイアビリティの追求も素晴らしいですね。センターが合い過ぎているなど幸運な要素もありましたが、太陽のような熱量が迸っています。

EGLP-610はエントリークラスの概念が壊れる程のポテンシャル!

今年一番の当たりギターとして末永く使い続けていきたい所存です!
この世界の安ギターには
『夢』がある!
- 未完 -
🏃💨今すぐ EART EGLP-610 全身ローステッドオクメ&ステンレスフレット搭載軽量LPタイプ で心臓を燃やす🔥
安ギター&安ベースに手を出す際の注意事項!
最後になりますが、この手の安ギター&高級安ギターには必ず『個体差の幅』が存在します。管理人の入手した個体より良い場合、または悪い場合もあるものとお考え下さい。

量産品である以上、手にした一台のギターだけで品質の中央値は判断不可能です。当ブログの情報も含め、常にもっと悪い場合がある事を意識して購入をご検討願います

ていうかこれ、企業案件用の個体を誤って管理人宅へ送ってきただけなのでは……

EARTの倉庫は複数の国にあるため納期が長くなったり、通関手数料等が別途発生する時もあるよ!(購入前に質問を推奨)
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